4 / 92
4
しおりを挟む
宿に戻り、ソータは生まれて初めてシャワーというものを浴びた。聖域では泉で水浴びが精々だったので、温かいお湯で体を洗うのは気持ちよかった。
「これが石けん…」
ソータはおずおずと石けんを手のひらでごしごし擦ってみた。すると泡がモクモク膨れる。顔につけるといい香りがする。それをお湯で洗い流す。もちろん、節水には心がける。聖女たるもの環境を大事にするのは当たり前なのである。
「すごい。気持ちいい」
ソータは備え付けてあった柔らかなバスタオルで体を拭いて肌着を着けた。こんなにさっぱりしたのは初めてだ。それから、初めてベッドに横になってみた。柔らかくて寝心地が良い。枕が自分の頭をしっかり支えてくれる。
「ベッド…すごい」
ソータはすぐに眠りに落ちていた。聖域にいる夢を見ていた。キメルと一緒に森を駆け回る夢だった。目が覚めると、窓から日差しが射し込んでいる。
ソータはぐっと伸びをした。体の疲れが取れていて驚く。
コンコン、と部屋のドアがノックされて、ソータは答えた。
「ソータ、着替えたら行くよ」
「は、はい!」
ソータは慌てて顔を洗って着替えた。
「ソータ、よく眠れたかな?」
「はい!ベッドが柔らかくてびっくりしました」
「それは良かった。砦を目指すよ。野宿…は慣れてるよね?」
「はい!」
ソータの元気な返事にエンジは笑う。エンジはやはり優しい人のようだ。ますますアオナのリーダーに相応しい。だが占いはまだまだだと言っている。他にもリーダーに相応しい者がいるのだろう。ソータにはなんとなく分かったことがあった。アオナのリーダーは一人ではないのだ。
二人は宿を後にした。砦は今いる街を抜けて、森を抜け、さらに歩いた先にある。隣国には小さいが港があるとソータは前聖女から聞いたことがあった。海ももちろん初めて見る。ワクワクしながら歩いていると、エンジが急に歩を止めた。ソータは彼にぶつかって転びそうになる。
「おっと」
軽々とエンジに抱き留められている。彼の顔がすぐ間近にあった。人に密着された経験が少ないソータはドキドキしてしまう。
「大丈夫かい?ソータ」
「は、はい」
目の前に広がるのは森だった。ソータのいた聖域の森より遥かに暗く深い森である。エンジはそれを見て歩を止めたようだった。
「ここはいつも厄介だな」
エンジは一人呟く。ソータにもその意味が分かっていた。この森には幻覚を見せてくる魔物がいるのだ。だからあまり人が近寄らない。それがますます森を深く暗くさせている。
「エンジ様、僕が先を歩きます。幻覚を見せてくる魔物は倒せばいいのでしょう?」
「いや、あぁ、そうだな」
ソータはギュッと自分の杖を握りしめた。モンスターと戦うのはなるべく避けたいが、不可避な場合もある。二人は森に踏み込んだ。霧がかかりかなり視界が悪い。ソータは気を付けながら歩いた。
「お、可愛子ちゃん発見」
急に現れたのは金髪ロン毛の青年だった。エンジが前に出る。
「お前、魔物か?」
「は?んなわけねーじゃん、頭沸いてんの?」
一触即発という空気に、ソータは慌てて割って入った。
「喧嘩しないでください!」
「可愛子ちゃん、名前は?俺はレント、恋人募集中」
「僕はソータっていいます。レント様はどうしてここに?」
「あぁ、ここでしか取れない毒消し草を収集してたの。クエストって本当面倒」
ふああ、とレントは大きな欠伸をする。ソータはピンと来ていた。この人もまたアオナのリーダーに相応しいと。
だが、まだまだだ。レントはギルドから受けたクエストをこなしているらしい、ということはエンジと同じ冒険者なのだろう。
「レント様は冒険者なのですか?」
「俺に興味あるの?ソーちゃん、ならデートしてよ」
レントはソータの顎を優しく掴む。ソータは急なことに小さく悲鳴を上げた。
「おい!ソータを怖がらせるなよ」
エンジが声を荒げる。レントは舌打ちした。ソータはふるふると頭を振って切り替えた。今の自分は男なのだ。多少荒いことをされたくらいで悲鳴を上げている場合ではない。デートというものがどんなものかは分からないが、それで彼のことが分かるならやってみる価値はありそうだ。
「レント様とデート…します!」
「ソータ?!」
「マジ?やった。それならさっさとクエストをこなしますかね」
レントは俄然やる気が湧いたらしい。毒消し草を手早く集め始めた。このヒトはやれば出来る男なのだ。要領が人よりよくて普段から本気を出さないタイプなのだとソータは最初から見抜いていた。ヒトの本質を見極めるのは、聖女の大事なスキルである。
「おい、レント。まさかこの辺りのギルドって…」
「まぁお前の記憶通りだよ」
ソータにはなんのことだか分からなかったが、二人に連れられてギルドに行くと、ようやく理由が分かった。
発注されているクエストのレベルが異様に高いのである。このギルドは深い森の中にある。そのためだろう。ただでさえ森の中には危険な魔獣がうろついているのだから、ここに来られるという時点で冒険者の厳選が行われているのである。レントもエンジも実力者であることは間違いない。ソータはアオナの神に心で感謝を伝えた。リーダーが強者でなければとても国は任せられないからだ。
ギルドには空いていれば寝泊まりできるスペースもある。もちろん食事も摂れる。思っていたよりスムーズにここまで来られたのはレントの道案内があったからだ。エンジもそれに気が付いている。もし、野宿になればソータかエンジ、どちらかが起きて火の番をしなければならなかった。それがなくなっただけでも今後の旅程に関わってくるだろう。特に体の小さなソータナレアにとっては。
「げ…これだけ?!」
ギルドカウンターでレントが叫ぶ。エンジとソータは何事かとそちらを見やった。
「ちょっとちょっと、毒消し草って割とレアリティの高いアイテムじゃん。いいやつ採ってきたのに銀貨2枚って!」
「どうしたのですか?レント様」
「報酬がいつもより少ないんだよ。なんで?」
ギルドカウンターに座っている女性はただ申し訳ありませんと頭を下げた。どうやら事情は話せないようだ。ソータは首を傾げる。少し疑問に思ったのだ。
「銀貨2枚って確か、銅貨200枚じゃ?銀貨1枚で銅貨100枚って聞きました。僕、間違ってますか?」
昨日エンジにそう教わったばかりだ。決して少なくない額である。ソータを含む他の一般庶民にとってはだが。
「ソーちゃん、女の子は沢山のお金を見ると喜ぶものなんだよ」
「レント、ソータに変なこと吹き込むな」
「僕は女の子じゃないのでお金を見ても喜びません」
ソータはそう朗らかに言って笑ったのだった。
「え?ソーちゃん、女の子だよね?」
「どうしてそう思うのですか?」
ソータはあくまでもレントの言葉を突っぱねた。自分の旅はひそやかに遂行されなければならない。レントに自分が聖女であると明かすのはまだ先でいい。そう思った。
「ま、まあソーちゃんがそう言うなら」
レントも渋々だったが引き下がる。
「とりあえず飯にしよう。ソータ、米は食ったことがあるか?」
ソータは首を横に振った。聖域での食事はたいてい周りに生えている野草だったからだ。いつの間にか、毒に耐性が付き、ある程度の野草なら毒があっても食べられる。
「ソーちゃん、君は一体どこから来たの?」
レントも驚いている。
「僕、ずっと引き篭もりだったからちょっと世間知らずで」
嘘はついていない。だが、世間知らずの度合いはちょっとでは済まない。
「飯、食わせてもらえなかったの?」
「ずっと独りだったから」
レントはあんぐりと口を開けた。そして申し訳無さそうな表情になる。
「なんか、ごめんね?」
「何故謝るのですか?」
「ソーちゃん、苦労してきたんだなって」
礼拝堂で毎日祈りを捧げていた日々を思い返すが、特に苦労は感じなかった。自分が祈ることで救われる者がいるならそれでいい。そう思っていたのだ。だが、その気持ちは特殊なものらしいとソータも学び始めている。
「大丈夫。僕は生きてます」
「ソーちゃん」
ぎゅっと長身のレントに抱き締められる。それにソータはあたふたしたが、離してくれそうにない。
「絶対に楽しいデートにするからね!」
「はい。レント様のこと、もっと知りたいのです」
ソータはレントを見つめて微笑んだ。
「これが石けん…」
ソータはおずおずと石けんを手のひらでごしごし擦ってみた。すると泡がモクモク膨れる。顔につけるといい香りがする。それをお湯で洗い流す。もちろん、節水には心がける。聖女たるもの環境を大事にするのは当たり前なのである。
「すごい。気持ちいい」
ソータは備え付けてあった柔らかなバスタオルで体を拭いて肌着を着けた。こんなにさっぱりしたのは初めてだ。それから、初めてベッドに横になってみた。柔らかくて寝心地が良い。枕が自分の頭をしっかり支えてくれる。
「ベッド…すごい」
ソータはすぐに眠りに落ちていた。聖域にいる夢を見ていた。キメルと一緒に森を駆け回る夢だった。目が覚めると、窓から日差しが射し込んでいる。
ソータはぐっと伸びをした。体の疲れが取れていて驚く。
コンコン、と部屋のドアがノックされて、ソータは答えた。
「ソータ、着替えたら行くよ」
「は、はい!」
ソータは慌てて顔を洗って着替えた。
「ソータ、よく眠れたかな?」
「はい!ベッドが柔らかくてびっくりしました」
「それは良かった。砦を目指すよ。野宿…は慣れてるよね?」
「はい!」
ソータの元気な返事にエンジは笑う。エンジはやはり優しい人のようだ。ますますアオナのリーダーに相応しい。だが占いはまだまだだと言っている。他にもリーダーに相応しい者がいるのだろう。ソータにはなんとなく分かったことがあった。アオナのリーダーは一人ではないのだ。
二人は宿を後にした。砦は今いる街を抜けて、森を抜け、さらに歩いた先にある。隣国には小さいが港があるとソータは前聖女から聞いたことがあった。海ももちろん初めて見る。ワクワクしながら歩いていると、エンジが急に歩を止めた。ソータは彼にぶつかって転びそうになる。
「おっと」
軽々とエンジに抱き留められている。彼の顔がすぐ間近にあった。人に密着された経験が少ないソータはドキドキしてしまう。
「大丈夫かい?ソータ」
「は、はい」
目の前に広がるのは森だった。ソータのいた聖域の森より遥かに暗く深い森である。エンジはそれを見て歩を止めたようだった。
「ここはいつも厄介だな」
エンジは一人呟く。ソータにもその意味が分かっていた。この森には幻覚を見せてくる魔物がいるのだ。だからあまり人が近寄らない。それがますます森を深く暗くさせている。
「エンジ様、僕が先を歩きます。幻覚を見せてくる魔物は倒せばいいのでしょう?」
「いや、あぁ、そうだな」
ソータはギュッと自分の杖を握りしめた。モンスターと戦うのはなるべく避けたいが、不可避な場合もある。二人は森に踏み込んだ。霧がかかりかなり視界が悪い。ソータは気を付けながら歩いた。
「お、可愛子ちゃん発見」
急に現れたのは金髪ロン毛の青年だった。エンジが前に出る。
「お前、魔物か?」
「は?んなわけねーじゃん、頭沸いてんの?」
一触即発という空気に、ソータは慌てて割って入った。
「喧嘩しないでください!」
「可愛子ちゃん、名前は?俺はレント、恋人募集中」
「僕はソータっていいます。レント様はどうしてここに?」
「あぁ、ここでしか取れない毒消し草を収集してたの。クエストって本当面倒」
ふああ、とレントは大きな欠伸をする。ソータはピンと来ていた。この人もまたアオナのリーダーに相応しいと。
だが、まだまだだ。レントはギルドから受けたクエストをこなしているらしい、ということはエンジと同じ冒険者なのだろう。
「レント様は冒険者なのですか?」
「俺に興味あるの?ソーちゃん、ならデートしてよ」
レントはソータの顎を優しく掴む。ソータは急なことに小さく悲鳴を上げた。
「おい!ソータを怖がらせるなよ」
エンジが声を荒げる。レントは舌打ちした。ソータはふるふると頭を振って切り替えた。今の自分は男なのだ。多少荒いことをされたくらいで悲鳴を上げている場合ではない。デートというものがどんなものかは分からないが、それで彼のことが分かるならやってみる価値はありそうだ。
「レント様とデート…します!」
「ソータ?!」
「マジ?やった。それならさっさとクエストをこなしますかね」
レントは俄然やる気が湧いたらしい。毒消し草を手早く集め始めた。このヒトはやれば出来る男なのだ。要領が人よりよくて普段から本気を出さないタイプなのだとソータは最初から見抜いていた。ヒトの本質を見極めるのは、聖女の大事なスキルである。
「おい、レント。まさかこの辺りのギルドって…」
「まぁお前の記憶通りだよ」
ソータにはなんのことだか分からなかったが、二人に連れられてギルドに行くと、ようやく理由が分かった。
発注されているクエストのレベルが異様に高いのである。このギルドは深い森の中にある。そのためだろう。ただでさえ森の中には危険な魔獣がうろついているのだから、ここに来られるという時点で冒険者の厳選が行われているのである。レントもエンジも実力者であることは間違いない。ソータはアオナの神に心で感謝を伝えた。リーダーが強者でなければとても国は任せられないからだ。
ギルドには空いていれば寝泊まりできるスペースもある。もちろん食事も摂れる。思っていたよりスムーズにここまで来られたのはレントの道案内があったからだ。エンジもそれに気が付いている。もし、野宿になればソータかエンジ、どちらかが起きて火の番をしなければならなかった。それがなくなっただけでも今後の旅程に関わってくるだろう。特に体の小さなソータナレアにとっては。
「げ…これだけ?!」
ギルドカウンターでレントが叫ぶ。エンジとソータは何事かとそちらを見やった。
「ちょっとちょっと、毒消し草って割とレアリティの高いアイテムじゃん。いいやつ採ってきたのに銀貨2枚って!」
「どうしたのですか?レント様」
「報酬がいつもより少ないんだよ。なんで?」
ギルドカウンターに座っている女性はただ申し訳ありませんと頭を下げた。どうやら事情は話せないようだ。ソータは首を傾げる。少し疑問に思ったのだ。
「銀貨2枚って確か、銅貨200枚じゃ?銀貨1枚で銅貨100枚って聞きました。僕、間違ってますか?」
昨日エンジにそう教わったばかりだ。決して少なくない額である。ソータを含む他の一般庶民にとってはだが。
「ソーちゃん、女の子は沢山のお金を見ると喜ぶものなんだよ」
「レント、ソータに変なこと吹き込むな」
「僕は女の子じゃないのでお金を見ても喜びません」
ソータはそう朗らかに言って笑ったのだった。
「え?ソーちゃん、女の子だよね?」
「どうしてそう思うのですか?」
ソータはあくまでもレントの言葉を突っぱねた。自分の旅はひそやかに遂行されなければならない。レントに自分が聖女であると明かすのはまだ先でいい。そう思った。
「ま、まあソーちゃんがそう言うなら」
レントも渋々だったが引き下がる。
「とりあえず飯にしよう。ソータ、米は食ったことがあるか?」
ソータは首を横に振った。聖域での食事はたいてい周りに生えている野草だったからだ。いつの間にか、毒に耐性が付き、ある程度の野草なら毒があっても食べられる。
「ソーちゃん、君は一体どこから来たの?」
レントも驚いている。
「僕、ずっと引き篭もりだったからちょっと世間知らずで」
嘘はついていない。だが、世間知らずの度合いはちょっとでは済まない。
「飯、食わせてもらえなかったの?」
「ずっと独りだったから」
レントはあんぐりと口を開けた。そして申し訳無さそうな表情になる。
「なんか、ごめんね?」
「何故謝るのですか?」
「ソーちゃん、苦労してきたんだなって」
礼拝堂で毎日祈りを捧げていた日々を思い返すが、特に苦労は感じなかった。自分が祈ることで救われる者がいるならそれでいい。そう思っていたのだ。だが、その気持ちは特殊なものらしいとソータも学び始めている。
「大丈夫。僕は生きてます」
「ソーちゃん」
ぎゅっと長身のレントに抱き締められる。それにソータはあたふたしたが、離してくれそうにない。
「絶対に楽しいデートにするからね!」
「はい。レント様のこと、もっと知りたいのです」
ソータはレントを見つめて微笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
追放された元聖女は、イケメン騎士団の寮母になる
腐ったバナナ
恋愛
聖女として完璧な人生を送っていたリーリアは、無実の罪で「はぐれ者騎士団」の寮へ追放される。
荒れ果てた場所で、彼女は無愛想な寮長ゼノンをはじめとするイケメン騎士たちと出会う。最初は反発する彼らだが、リーリアは聖女の力と料理で、次第に彼らの心を解きほぐしていく。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
召しませ、私の旦那さまっ!〜美醜逆転の世界でイケメン男性を召喚します〜
紗幸
恋愛
「醜い怪物」こそ、私の理想の旦那さま!
聖女ミリアは、魔王を倒す力を持つ「勇者」を召喚する大役を担う。だけど、ミリアの願いはただ一つ。日本基準の超絶イケメンを召喚し、魔王討伐の旅を通して結婚することだった。召喚されたゼインは、この国の美醜の基準では「醜悪な怪物」扱い。しかしミリアの目には、彼は完璧な最強イケメンに映っていた。ミリアは魔王討伐の旅を「イケメン旦那さまゲットのためのアピールタイム」と称し、ゼインの心を掴もうと画策する。しかし、ゼインは冷酷な仮面を崩さないまま、旅が終わる。
イケメン勇者と美少女聖女が織りなす、勘違いと愛が暴走する異世界ラブコメディ。果たして、二人の「愛の旅」は、最高の結末を迎えるのか?
※短編用に書いたのですが、少し長くなったので連載にしています
※この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる