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千尋・加那太・真司・千晶
お裾分け
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『あ、千尋さんですか?俺です、千晶です』
ある日の昼休み、あきから急に電話が掛かってきたから驚いた。向こうはなんだかざわついている。
「どうした?」
『えーと、多分今日届くので、あ、すみません!また!』
「ちょ、あき!!…切れちまった」
スマホを片手にフリーズしてても仕方ない。また折り返し連絡がくるだろう。多分。
一体、なんのことやらさっぱり分からなかったけど、まああきのことだ。大丈夫だろう。とりあえず昼飯を食うか。俺はいつものサンドイッチにかぶり付いた。夏になって、アイスコーヒーがますます美味くなった。ブラックで飲む日もあるけれど、今日はガムシロップとミルクをいれている。疲れてる日は甘いものがいいよな。
このまま飯食って帰れたら楽だよな…と思ったりするけど、そんなことしたら石田にキレられるからしない。とりあえず早めに終わるよう早めに始めよう。俺は渋々サンドイッチを包んでいた紙を畳んでナプキンで口まわりを拭った。
やれやれだぜ。
「あれ?千尋さん、もう始めてるんですか?やだあ、槍が降るー」
石田の第一声がこれだった。まぁいい。慣れてるからな。石田も仕事を始めたようだ、カタカタとキーボードを叩き始める。
これが終わったらこっちか。
仕事があるだけマシだと思わなければ。
定時5分前。ようやく明日の準備が終わった。
石田も終わったらしい。俺はぐっと背筋を伸ばした。肩が凝るよな。同じ姿勢をしていたんだから当たり前だけど。さて、さっさと帰るか。
残業なんて絶対にしねえ。
「千尋さん、お先ですー」
「おう、お疲れ」
石田が今日は早い。彼氏とデートかもしれないな。俺も周りに挨拶して、会社の駐車場に停めてある車に乗り込んだ、瞬間だった。加那から電話がかかってくる。なんだなんだ。
「千尋!お肉が来た!」
「はぁ?」
加那がコホン、と咳払いをする。
「えーと、僕にもよく状況が分からないのでなる早で帰ってきてください」
「分かった」
通話を切って、家を目指した。
✢✢✢
「ただいま」
「千尋ー、お帰り!これなんだけど」
加那が見せてきたのは明らかに高そうな肉だった。冷凍庫に入れていたらしい。カチコチに凍っている。
「なんだこりゃ」
差出人を見るとあきだった。電話の内容がようやく繋がる。今日届くってこれのことか?俺はあきに電話をしてみた。繋がるかな。
『あ、千尋さん。届いてましたか?』
「あき、あんな高そうな肉どうしたんだ?」
あきが笑う。
『お裾分け分一回無料って聞いたんで、やっちゃいました。』
さすがあき。こうゆうがめついとこ嫌いじゃない。あきが言うには、一年間契約すると毎月食材が届くっていうよく通販でやっているやつらしい。その特典で一回無料でお裾分けが出来たらしいのだ。
『お二人で食べてください』
「ありがとな」
また何か返さないとな。何がいいかは分からないけれど。
「あきくんからだったんだ」
「あぁ。二人で食べてくれって」
「やった!ステーキがいい!」
「分かった」
今日も変わらず平和だった。
おわり
ある日の昼休み、あきから急に電話が掛かってきたから驚いた。向こうはなんだかざわついている。
「どうした?」
『えーと、多分今日届くので、あ、すみません!また!』
「ちょ、あき!!…切れちまった」
スマホを片手にフリーズしてても仕方ない。また折り返し連絡がくるだろう。多分。
一体、なんのことやらさっぱり分からなかったけど、まああきのことだ。大丈夫だろう。とりあえず昼飯を食うか。俺はいつものサンドイッチにかぶり付いた。夏になって、アイスコーヒーがますます美味くなった。ブラックで飲む日もあるけれど、今日はガムシロップとミルクをいれている。疲れてる日は甘いものがいいよな。
このまま飯食って帰れたら楽だよな…と思ったりするけど、そんなことしたら石田にキレられるからしない。とりあえず早めに終わるよう早めに始めよう。俺は渋々サンドイッチを包んでいた紙を畳んでナプキンで口まわりを拭った。
やれやれだぜ。
「あれ?千尋さん、もう始めてるんですか?やだあ、槍が降るー」
石田の第一声がこれだった。まぁいい。慣れてるからな。石田も仕事を始めたようだ、カタカタとキーボードを叩き始める。
これが終わったらこっちか。
仕事があるだけマシだと思わなければ。
定時5分前。ようやく明日の準備が終わった。
石田も終わったらしい。俺はぐっと背筋を伸ばした。肩が凝るよな。同じ姿勢をしていたんだから当たり前だけど。さて、さっさと帰るか。
残業なんて絶対にしねえ。
「千尋さん、お先ですー」
「おう、お疲れ」
石田が今日は早い。彼氏とデートかもしれないな。俺も周りに挨拶して、会社の駐車場に停めてある車に乗り込んだ、瞬間だった。加那から電話がかかってくる。なんだなんだ。
「千尋!お肉が来た!」
「はぁ?」
加那がコホン、と咳払いをする。
「えーと、僕にもよく状況が分からないのでなる早で帰ってきてください」
「分かった」
通話を切って、家を目指した。
✢✢✢
「ただいま」
「千尋ー、お帰り!これなんだけど」
加那が見せてきたのは明らかに高そうな肉だった。冷凍庫に入れていたらしい。カチコチに凍っている。
「なんだこりゃ」
差出人を見るとあきだった。電話の内容がようやく繋がる。今日届くってこれのことか?俺はあきに電話をしてみた。繋がるかな。
『あ、千尋さん。届いてましたか?』
「あき、あんな高そうな肉どうしたんだ?」
あきが笑う。
『お裾分け分一回無料って聞いたんで、やっちゃいました。』
さすがあき。こうゆうがめついとこ嫌いじゃない。あきが言うには、一年間契約すると毎月食材が届くっていうよく通販でやっているやつらしい。その特典で一回無料でお裾分けが出来たらしいのだ。
『お二人で食べてください』
「ありがとな」
また何か返さないとな。何がいいかは分からないけれど。
「あきくんからだったんだ」
「あぁ。二人で食べてくれって」
「やった!ステーキがいい!」
「分かった」
今日も変わらず平和だった。
おわり
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