最恐ダンジョンの薬師姫

はやしかわともえ

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部下

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「ラヴィアン、あれに乗るの?」
ルリアとラヴィアンはモアレナからバスで移動してキース港にいる。そこには船が数隻停まっている。ルリアは一つの大きな船を指さした。その名もジュエリット号である。
「ああ。どうもあれだな。あれだけでかければ船酔いもしないだろう。飯も中で食えると思うし」
「俺、船に乗るの初めて。楽しみだな」
「ルリアはいつも可愛いな」
よしよしとラヴィアンに頭を撫でられて、ルリアは嬉しくなった。
「さっそく乗船してみよう。切符はこれか」
二人は切符を乗務員に見せて船に乗り込んだ。中は思っていたより広い。ルリアは感激した。
「なんかお城みたいだね」
「お城が動いたらこんな感じかもな」
自分たちにあてがわれた部屋に向かう。その部屋も上級クラスのようだった。ベッドが二つ並んでいる。ルリアは窓際に駆け寄った。当然ながら海が見える。
「海すごーい」
「ルリアは初めてが多いんだな」
ルリアはそれに膨れた。
「仕方ないでしょ、山に住む田舎者なんだから」
「可愛いって意味だぞ」
ラヴィアンにそう言われてルリアは赤くなった。なぜかラヴィアンも赤くなっている。
「もう、ラヴィアンってば」
えいやとラヴィアンの脇腹を肘でつつくとラヴィアンがうめいた。

「とりあえず、だ」
船は既に港を離れ、海上を航行している。二人はベッドのそばに置かれていたローテーブルの前に座っていた。
ローテーブルには地図が置かれている。
「スリーザの詳細な地図はこれだ。ダンジョンはここ」
「へえ。モアレナよりは小さいね」
「それでも十分大きいぞ。難易度は少し易しめだけど」
「そうなんだ」
「自動探知で責任者を探すのは簡単だ」
ラヴィアンは最強である。
「じゃあそんなに難しくないんだ?」
「いや、国外に逃げていたら話が変わってくる」
「ええ」
「イバがすぐに検閲を置いたからその可能性は低いけどな」
「ダンジョンの責任者って大変なの?」
「いや、給料もいいし待遇だっていいぞ?ただダンジョンの難易度の設定とか細かいこともあるけどな」
「十分大変じゃん」
ルリアがじとっとラヴィアンを睨むとラヴィアンがええ、と困ったような声を上げた。ラヴィアンは気が付いたように言った。
「確かに休みはないし、仕事もいっぱいあるな」
「逃げ出すのも無理ないじゃん。ラヴィアンだから勤まってるんだよ?」
「うう」
それならどうすればいいのだろう?とルリアは考えてみた。だが答えは見つからない。
「ゴーストがさぼり始めているってのはかなりやばい状況だ。なんとかなるといいけど」
ラヴィアンがため息をついている。
「ま、今から考えてもしょうがないよ。お茶でも淹れるね」
「ありがとう、ルリア」
ルリアはアイテムボックスから採っておいたハーブの粉末を取り出した。乾燥させて細かく砕いたものである。
水を専用の魔道具で沸かし、お茶を淹れた。
「はい、ラヴィアン」
「ありがとう」
そんな時、部屋がノックされた。
「はーい」
ルリアがドアを開けると、細目の男がいた。体躯はすらっとしているが、只者ではない雰囲気が漂っている。
「やっほー、君が姫様だね」
「あの、どちらさまですか?」
「姫様、声も可愛いんだ。イバ隊長から聞いた通りだ」
ルリアはハッとなった。彼がイバの言っていた部下だと気が付く。
「俺はフォクシー。よろしくね」
「とりあえず中へ」
「お邪魔しまーす」
ルリアの応対を聞いてラヴィアンも誰が来たのか分かったらしい。
「お前か、フォクシー」
「うん、せやね。調合レベルだったら多分俺が一番高いし」
不思議なイントネーションの言葉遣いだ。
「えーとじゃあ、作り方教えます・・?」
「お願いします」
ルリアはアイテムボックスから調合用の道具と上ヒール草を取り出した。
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