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真司×千晶&千尋×加那太
スポーツアクティビティに挑戦!⑤みんなでゆるくキャンプしてみた
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「加那、早く!!」
「わ!わわ!!」
「かなさん、こっちも焼けてます!」
「えぇえ!!!」
「かなさん、大忙しだな」
バーベキューというものはかなり忙しい食事だ。加那太が自分の取皿に肉や野菜を必死に取っている。もう皿が具材で溢れかえりそうだ。
真司はその合間を縫って焼けた具材を他の皿に避難させている。千尋と千晶が焼く係を担当していた。バーベキューの食材で千晶が頼んだ「まんぞくもりもりセット」は思っていたのと違い、半端ない量だった。
肉に始まり野菜、エビや貝などの魚介類も入っている。とにかく具材がてんこ盛りになっているのだ。
ここは食事処になっており、焼き肉屋のような設備になっている。屋根もあるので雨が降っていても平気だ。四人はこの後、風呂に入りに行こうと決めている。
外を見ると月が煌々とあたりを照らしている。
明日もいい天気になりそうだ。
「俺が火を見てるから二人も食べよう」
真司が言う。千晶はとてもお腹が空いていたので嬉しかった。真司が避難させていた肉を箸で掴む。
その肉をタレにつけて、一口で頬張った。肉はとけるようになくなってしまう。
「美味しいです」
「よかったな、千晶。皆で来られて」
「はい!真司さんも楽しんでますか?」
千晶は真司の顔を見つめた。真司はいつも自分に付き合ってくれる。無理をさせていないか千晶は心配だった。
「もちろん楽しんでるよ。特に千尋さんの車、運転するの楽しかったー!」
「あぁ。真司さん、車の運転上手いよな、すごく勉強になる」
「いやいやいや」
千尋と真司が車について語りだした。
なんだかよく分からない千晶と加那太である。
ふと千尋が加那太に言う。
「そういや、加那。夜なのにビールとか飲まないのか?」
「うん、お風呂上がりに冷たいのをきゅってやりたいでしょ?」
「うわあ、いいなそれ」
真司が思わずといった様子に、千晶も笑ってしまった。加那太の提案に千尋も笑う。
「あんまり飲みすぎるなよ?」
「大丈夫!今日は皆でゲームするんだから!」
「またイカサマか?」
千尋の言葉に、加那太がむっとしたように言う。
「ふ、ふんだ。みんなには僕の技術と相性が悪いようだし?違うゲームで挑ませてもらうよ」
どうやら今回の加那太は本気で勝ちに来たらしい。この前、皆で人生ゲームをやった際、加那太はボロ負けした。技術という名のイカサマを使ったのが仇になったらしい。
あれから、なんで自分が勝てなかったのかを加那太は熱心に研究していた。
千尋はそれを内心笑いながら見ていたのだ。もちろん加那太はそれを知らない。
みんなで食材を全て平らげて、コテージに戻った。
「バーベキューって楽しいー!エビ美味しかったね!」
加那太が着替えを持って言う。千晶もそれに頷いた。バーベキューをしたのも、兄を亡くした時にした以来だ。それからは誘われても断るようにしていた。そんな自分がいつの間にか遠くにいる。
「あきくんは野菜好きなの?結構食べてなかった?」
加那太に唐突に尋ねられて、千晶は頷いた。
「はい。スイーツよりは劣るんですが、割と好きです」
「それなら今度じゃがいも送ってやるよ」
千尋の申し出に千晶は驚いた。
「千尋のお母さん、家庭菜園してるんだよ!」
加那太が説明してくれる。
「じゃがいもなら腐るほどある。ってか毎回腐らせてる」
そんなに…と千晶はまた驚いてしまった。
「他にも色々作ってるみたいだから、送る」
「あ、ありがとうございます」
千尋は少し無愛想なのかもしれない。だが、それは単純に照れ隠しだと千晶は確信していた。千尋は優しい人で、自分と同じか、それ以上に繊細な人だ。
千尋の新しい面が見られたようで、千晶は嬉しくなった。
千尋を苦手だと思っていたが、平気になりそうだ。
それから風呂に入り、みんなで冷えたビールを飲んだ。
「わ!わわ!!」
「かなさん、こっちも焼けてます!」
「えぇえ!!!」
「かなさん、大忙しだな」
バーベキューというものはかなり忙しい食事だ。加那太が自分の取皿に肉や野菜を必死に取っている。もう皿が具材で溢れかえりそうだ。
真司はその合間を縫って焼けた具材を他の皿に避難させている。千尋と千晶が焼く係を担当していた。バーベキューの食材で千晶が頼んだ「まんぞくもりもりセット」は思っていたのと違い、半端ない量だった。
肉に始まり野菜、エビや貝などの魚介類も入っている。とにかく具材がてんこ盛りになっているのだ。
ここは食事処になっており、焼き肉屋のような設備になっている。屋根もあるので雨が降っていても平気だ。四人はこの後、風呂に入りに行こうと決めている。
外を見ると月が煌々とあたりを照らしている。
明日もいい天気になりそうだ。
「俺が火を見てるから二人も食べよう」
真司が言う。千晶はとてもお腹が空いていたので嬉しかった。真司が避難させていた肉を箸で掴む。
その肉をタレにつけて、一口で頬張った。肉はとけるようになくなってしまう。
「美味しいです」
「よかったな、千晶。皆で来られて」
「はい!真司さんも楽しんでますか?」
千晶は真司の顔を見つめた。真司はいつも自分に付き合ってくれる。無理をさせていないか千晶は心配だった。
「もちろん楽しんでるよ。特に千尋さんの車、運転するの楽しかったー!」
「あぁ。真司さん、車の運転上手いよな、すごく勉強になる」
「いやいやいや」
千尋と真司が車について語りだした。
なんだかよく分からない千晶と加那太である。
ふと千尋が加那太に言う。
「そういや、加那。夜なのにビールとか飲まないのか?」
「うん、お風呂上がりに冷たいのをきゅってやりたいでしょ?」
「うわあ、いいなそれ」
真司が思わずといった様子に、千晶も笑ってしまった。加那太の提案に千尋も笑う。
「あんまり飲みすぎるなよ?」
「大丈夫!今日は皆でゲームするんだから!」
「またイカサマか?」
千尋の言葉に、加那太がむっとしたように言う。
「ふ、ふんだ。みんなには僕の技術と相性が悪いようだし?違うゲームで挑ませてもらうよ」
どうやら今回の加那太は本気で勝ちに来たらしい。この前、皆で人生ゲームをやった際、加那太はボロ負けした。技術という名のイカサマを使ったのが仇になったらしい。
あれから、なんで自分が勝てなかったのかを加那太は熱心に研究していた。
千尋はそれを内心笑いながら見ていたのだ。もちろん加那太はそれを知らない。
みんなで食材を全て平らげて、コテージに戻った。
「バーベキューって楽しいー!エビ美味しかったね!」
加那太が着替えを持って言う。千晶もそれに頷いた。バーベキューをしたのも、兄を亡くした時にした以来だ。それからは誘われても断るようにしていた。そんな自分がいつの間にか遠くにいる。
「あきくんは野菜好きなの?結構食べてなかった?」
加那太に唐突に尋ねられて、千晶は頷いた。
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「じゃがいもなら腐るほどある。ってか毎回腐らせてる」
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「他にも色々作ってるみたいだから、送る」
「あ、ありがとうございます」
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それから風呂に入り、みんなで冷えたビールを飲んだ。
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