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ちひかな思い出話
加那太・2歳
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最近、子供の頃の自分をよく思い出す。そんな話をたまたま千尋にしたら、ちゃんとその時の話を聞きたいってすごくせがまれた。
だから僕も千尋の小さかった頃の話をしてよねってお願いした。
僕も千尋も小学校からの幼馴染だから、その前のことはまだ良く知らなかったりする。
だからちゃんと思い出して話すことにするね。
「はい、加那。ホットミルク」
「ありがとう、千尋。言っておくけど僕の話は何も面白くないからね?」
「それは俺が決める。とりあえず話してみてくれ」
うーん、やっぱり話さざるを得ないか。僕はあの話をすることにした。僕の人生において一番最初に起こった衝撃案件を。
✢✢✢
あの時の僕はまだ二歳で、なんにも分からなかったはずだ。
でも、朝起きたらお母さんが怒っているのかなって思うくらい険しい顔をしていて、しかもそんななかで、お母さんのお母さんとお父さん。つまり母方のおばあちゃんとおじいちゃんも一緒にいた。
小さかった僕にもさすがに何かあったんだって分かった。
だから僕は咄嗟に毛布に隠れた。
起きたばかりでお腹も空いていたし、喉もものすごく乾いていた。でもその怖い雰囲気にとても耐えられそうになかった。
「加那、起きたの?」
お母さんの声はいつもと一緒だった。もしかしたら何も起こってなかったのかな、なんて小さい僕は思ったんだ。ただ、おばあちゃん達が遊びに来ただけかもしれない。
僕はその、かもしれないを信じ込んで毛布から出た。
「おはよう。加那」
「おはよう」
僕はそこで気が付いた。お母さんがエプロンを着けていないことに。いつものお母さんならピンクのエプロンをしている。お母さんがエプロンを外すのは出掛ける時だ。やっぱりなにかあったんだって、僕は後悔した。
ずっと隠れていれば良かった、そう思った。でも、もう遅い。
「加那、お母さん病院に行ってくるね」
僕は病院というワードに震えた。あの時の僕にとって、病院は痛いことをされる場所だったから。
「お母さん、病気なの?」
震えながら聞いたらお母さんはぼくをぎゅっと抱きしめてくれた。
「病気じゃないよ、加那はお母さんに姉さんがいるのは知ってるわよね?」
「うん」
「姉さんが赤ちゃんを産むの。
お母さん、心配だからお手伝いに行きたいの」
「僕も行くよ、連れてってよ」
情けないことに僕の顔はもう鼻水と涙でべしゃべしゃだった。お母さんがティッシュで顔を拭いてくれる。
「加那、赤ちゃんはすぐには産まれないの。おじいちゃんとおばあちゃんが今日一日遊んでくれるって」
「やだー!やだやだ!行かないで!」
お母さんは一瞬困ったような表情をしたけど、すぐに僕から離れた。
そのまま大きなカバンを持つ。
「お父さん、お母さん、加那をお願いします」
僕がポカンとしている間にお母さんは出掛けていった。僕はその現実を受け止めるのに精一杯だった。
「加那ちゃん、朝ご飯を食べようか。カレーライスがあるよ」
カレーライスは僕の大好物だ。
お母さんが作るカレーライスはお母さん独自の配合で作られる特別製で、作るのに数時間煮込む必要があるものだった。お店でもよく売れる一品だった。
僕は当時そんなことも知らなかった。お母さんがカレーライスを作ってくれたのは僕のためだったのに気付かなかった。
温められたカレーライスを僕はめそめそしながら食べた。やっぱり美味しくて僕はもりもり食べた。
お母さんがそばにいないというのはこの時が初めてだったと思う。
「加那ちゃん、デパートに行こうか。おもちゃを買おう」
「おもちゃ?本当?」
僕は途端に嬉しくなった。おもちゃはクリスマスと誕生日に買ってもらっていた。よくお母さんに買ってと強請っては駄目だと言われて泣くことなんてしょっちゅうだった。
それなのに、今日はおもちゃを買ってもらえる。僕はそれにすっかり舞い上がってしまった。
赤ちゃんに感謝してしまったくらいだ。僕はすっかりご機嫌になった。我ながらゲンキンだなって思うけど、二歳だったし許してほしい。
✢✢✢
「懐かしいなー」
僕は話しながらその光景を思い出していた。
「加那は小さい時からよく食べたんだろうな」
「え、なんで分かるのさ?」
「なんとなく」
千尋が笑う。あ、話の続きを求められてる。
✢✢✢
車に乗せてもらって、僕はデパートに連れてきてもらった。
おもちゃ屋だけじゃなくて、レストランで美味しいものを食べようなんて言われたから、ますます嬉しかった。
おもちゃ屋で僕はパズルを見ていた。この頃から僕はパズルが大好きだった。お母さんもパズルならと渋々だけど買ってくれた。難しいなかなか完成しないパズルが特に好きだった。
どれがいいかうんうん唸りながら迷っていたら、おじいちゃんが全部買ってくれた。
おじいちゃんもおばあちゃんも遠くに住んでいて、滅多に僕に会えなかったから奮発してくれたんだと思う。
その後は衣類のコーナーに行って沢山服を買ってもらった。
おじいちゃんもおばあちゃんも本当に優しい人だ。
たまには電話しないとな。
レストランで僕はお子様ランチだけじゃ足りないということを思い出していた。
お子様ランチにはおもちゃが付いてくる。
でも今の僕には買ってもらったばかりの沢山の新しいパズルがある。だから要らないかなって思った。昔から僕は燃費が悪くて、周りから引かれる程よく食べた。受け入れてくれるヒトが増えたのは高校生になってからだ。
みんな食べざかりだったし、ヒトより沢山食べても成長期だからで済んだ。
僕は散々迷って、チャーハンを頼んでいた。スープも付いてくるって知っていた。
おじいちゃんもおばあちゃんも沢山食べる僕をニコニコしながら受け入れてくれた。
僕は食べながらお母さんのことを思い出していた。
「赤ちゃんは産まれたかな?」
思わず尋ねたら、おばあちゃんが携帯電話を確認している。お母さんから連絡はまだ来てないようだった。
お母さんに早く今日買ってもらったものを見せたかったし、抱っこしてもらいたかった。
僕は本当に甘ったれだった。
おばあちゃんの携帯電話が急に鳴り出す。お母さんだってすぐに分かった。おばあちゃんが嬉しそうに笑う。赤ちゃんが生まれるって嬉しいことなんだって僕は初めて知った。
そのまま僕達は病院に向かった。僕は眠たくて、おじいちゃんの背中でほとんど眠っていた。お母さん達が何か話しているけど聞き取れなかった。
「加那、ありがとうね」
いつの間にか僕はお母さんに抱っこしてもらっていた。
✢✢✢
「加那の父さん、その時も新潟にいたんだっけ?」
「うん。その日の夜に帰ってきたよ。すごく慌ててた」
「まーそりゃそうだよな」
「赤ちゃんが産まれるってビッグイベントだもんね」
「お前も偉かったじゃないか。話もなかなか面白かったぞ」
「今度は千尋の番だからね!」
「分かった。思い出しとく」
千尋はどんな話をしてくれるんだろう。楽しみだな。
そしてお母さんにはちゃんと感謝しなきゃいけないよね。
おわり
だから僕も千尋の小さかった頃の話をしてよねってお願いした。
僕も千尋も小学校からの幼馴染だから、その前のことはまだ良く知らなかったりする。
だからちゃんと思い出して話すことにするね。
「はい、加那。ホットミルク」
「ありがとう、千尋。言っておくけど僕の話は何も面白くないからね?」
「それは俺が決める。とりあえず話してみてくれ」
うーん、やっぱり話さざるを得ないか。僕はあの話をすることにした。僕の人生において一番最初に起こった衝撃案件を。
✢✢✢
あの時の僕はまだ二歳で、なんにも分からなかったはずだ。
でも、朝起きたらお母さんが怒っているのかなって思うくらい険しい顔をしていて、しかもそんななかで、お母さんのお母さんとお父さん。つまり母方のおばあちゃんとおじいちゃんも一緒にいた。
小さかった僕にもさすがに何かあったんだって分かった。
だから僕は咄嗟に毛布に隠れた。
起きたばかりでお腹も空いていたし、喉もものすごく乾いていた。でもその怖い雰囲気にとても耐えられそうになかった。
「加那、起きたの?」
お母さんの声はいつもと一緒だった。もしかしたら何も起こってなかったのかな、なんて小さい僕は思ったんだ。ただ、おばあちゃん達が遊びに来ただけかもしれない。
僕はその、かもしれないを信じ込んで毛布から出た。
「おはよう。加那」
「おはよう」
僕はそこで気が付いた。お母さんがエプロンを着けていないことに。いつものお母さんならピンクのエプロンをしている。お母さんがエプロンを外すのは出掛ける時だ。やっぱりなにかあったんだって、僕は後悔した。
ずっと隠れていれば良かった、そう思った。でも、もう遅い。
「加那、お母さん病院に行ってくるね」
僕は病院というワードに震えた。あの時の僕にとって、病院は痛いことをされる場所だったから。
「お母さん、病気なの?」
震えながら聞いたらお母さんはぼくをぎゅっと抱きしめてくれた。
「病気じゃないよ、加那はお母さんに姉さんがいるのは知ってるわよね?」
「うん」
「姉さんが赤ちゃんを産むの。
お母さん、心配だからお手伝いに行きたいの」
「僕も行くよ、連れてってよ」
情けないことに僕の顔はもう鼻水と涙でべしゃべしゃだった。お母さんがティッシュで顔を拭いてくれる。
「加那、赤ちゃんはすぐには産まれないの。おじいちゃんとおばあちゃんが今日一日遊んでくれるって」
「やだー!やだやだ!行かないで!」
お母さんは一瞬困ったような表情をしたけど、すぐに僕から離れた。
そのまま大きなカバンを持つ。
「お父さん、お母さん、加那をお願いします」
僕がポカンとしている間にお母さんは出掛けていった。僕はその現実を受け止めるのに精一杯だった。
「加那ちゃん、朝ご飯を食べようか。カレーライスがあるよ」
カレーライスは僕の大好物だ。
お母さんが作るカレーライスはお母さん独自の配合で作られる特別製で、作るのに数時間煮込む必要があるものだった。お店でもよく売れる一品だった。
僕は当時そんなことも知らなかった。お母さんがカレーライスを作ってくれたのは僕のためだったのに気付かなかった。
温められたカレーライスを僕はめそめそしながら食べた。やっぱり美味しくて僕はもりもり食べた。
お母さんがそばにいないというのはこの時が初めてだったと思う。
「加那ちゃん、デパートに行こうか。おもちゃを買おう」
「おもちゃ?本当?」
僕は途端に嬉しくなった。おもちゃはクリスマスと誕生日に買ってもらっていた。よくお母さんに買ってと強請っては駄目だと言われて泣くことなんてしょっちゅうだった。
それなのに、今日はおもちゃを買ってもらえる。僕はそれにすっかり舞い上がってしまった。
赤ちゃんに感謝してしまったくらいだ。僕はすっかりご機嫌になった。我ながらゲンキンだなって思うけど、二歳だったし許してほしい。
✢✢✢
「懐かしいなー」
僕は話しながらその光景を思い出していた。
「加那は小さい時からよく食べたんだろうな」
「え、なんで分かるのさ?」
「なんとなく」
千尋が笑う。あ、話の続きを求められてる。
✢✢✢
車に乗せてもらって、僕はデパートに連れてきてもらった。
おもちゃ屋だけじゃなくて、レストランで美味しいものを食べようなんて言われたから、ますます嬉しかった。
おもちゃ屋で僕はパズルを見ていた。この頃から僕はパズルが大好きだった。お母さんもパズルならと渋々だけど買ってくれた。難しいなかなか完成しないパズルが特に好きだった。
どれがいいかうんうん唸りながら迷っていたら、おじいちゃんが全部買ってくれた。
おじいちゃんもおばあちゃんも遠くに住んでいて、滅多に僕に会えなかったから奮発してくれたんだと思う。
その後は衣類のコーナーに行って沢山服を買ってもらった。
おじいちゃんもおばあちゃんも本当に優しい人だ。
たまには電話しないとな。
レストランで僕はお子様ランチだけじゃ足りないということを思い出していた。
お子様ランチにはおもちゃが付いてくる。
でも今の僕には買ってもらったばかりの沢山の新しいパズルがある。だから要らないかなって思った。昔から僕は燃費が悪くて、周りから引かれる程よく食べた。受け入れてくれるヒトが増えたのは高校生になってからだ。
みんな食べざかりだったし、ヒトより沢山食べても成長期だからで済んだ。
僕は散々迷って、チャーハンを頼んでいた。スープも付いてくるって知っていた。
おじいちゃんもおばあちゃんも沢山食べる僕をニコニコしながら受け入れてくれた。
僕は食べながらお母さんのことを思い出していた。
「赤ちゃんは産まれたかな?」
思わず尋ねたら、おばあちゃんが携帯電話を確認している。お母さんから連絡はまだ来てないようだった。
お母さんに早く今日買ってもらったものを見せたかったし、抱っこしてもらいたかった。
僕は本当に甘ったれだった。
おばあちゃんの携帯電話が急に鳴り出す。お母さんだってすぐに分かった。おばあちゃんが嬉しそうに笑う。赤ちゃんが生まれるって嬉しいことなんだって僕は初めて知った。
そのまま僕達は病院に向かった。僕は眠たくて、おじいちゃんの背中でほとんど眠っていた。お母さん達が何か話しているけど聞き取れなかった。
「加那、ありがとうね」
いつの間にか僕はお母さんに抱っこしてもらっていた。
✢✢✢
「加那の父さん、その時も新潟にいたんだっけ?」
「うん。その日の夜に帰ってきたよ。すごく慌ててた」
「まーそりゃそうだよな」
「赤ちゃんが産まれるってビッグイベントだもんね」
「お前も偉かったじゃないか。話もなかなか面白かったぞ」
「今度は千尋の番だからね!」
「分かった。思い出しとく」
千尋はどんな話をしてくれるんだろう。楽しみだな。
そしてお母さんにはちゃんと感謝しなきゃいけないよね。
おわり
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