いちゃらぶ②(日常パート)

はやしかわともえ

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真司×千晶&千尋×加那太

加那太のゲーム部屋①

朝、欠伸をしながら居間に行ったら、台所で千尋がかまぼこをすごいスピードで切っているところを目撃してしまった。一体何を作ってるんだろうって思わず確認してしまったくらいだ。千尋は年々包丁さばきが巧みになっていくな。

「加那、おはよ。雑煮もうちょいだから」

「おはよう。あ、お雑煮かー」

「テーブルにお節あるから先にそれ食っててくれ」

「はーい」

そうなのだった。僕はすっかり寝ぼけている。今日は元日だ。昨日あんなに年越しそばを食べておいて。
自分に呆れながら、テレビを点けるとちょうど初日の出のシーンが映った。年が明けたんだって改めてしんみりくるな。
テーブルには小さいパックに入ったお節と伊達巻きとかまぼこが切られてお皿に盛り付けてあった。
千尋は僕が沢山食べるから、いつも多めに用意してくれる。
チン、とオーブントースターが可愛らしく鳴る。この様子だとお雑煮もすぐかな。僕は椅子に座って、温かいお茶を急須から淹れて飲んだ。
うん、美味しい。千尋が器を手にやってくる。

「加那、雑煮だ。餅は危ないからよく噛んで食えよ?」 

「はーい」

お雑煮はお出汁が効いていてすごく美味しかった。千尋の作るお雑煮はこれでもか、と具材がたっぷり入っている。家庭の味ってこういう所に出るんだろうな。

「あ、あきからメッセージ来てるぞ。10時に○○駅で待ち合わせでいいかって」

「うん!」

改めて僕は無事に年明け出来たことを喜んでいる。
今日を迎えるのがすごく楽しみだったんだ。
ご飯を食べて片付けを済ませて、僕は着替えた。歯磨きと洗顔ももちろん忘れない。
まだ待ち合わせ時間まで猶予があったから、僕は毎日の習慣になっているソシャゲを開いた。

「あ、石田さんがアイテムくれた!」

「アイツ、ゲームしてる場合か。年末年始は彼氏と出掛けてるって言ってたのに」

「えー、彼氏といたってゲームくらいするよー」

「お前ら、本当仲いいよな」

じとっと千尋に睨まれたから僕はサッと姿を隠すようにソファに座り直した。千尋を怒らせるとうるさいし後が怖いからな。
ちょっとほとぼりが冷めるまで静かにしていよう。
僕は育成中の大事なキャラクターを画面越しに指で撫でた。この間ガチャでお迎えできた大切な子だ。ソシャゲの生き残り競争は激しい。
だから遊べるうちに沢山遊んでおく必要がある。
とりあえずレベルアップのためにマップを周回して…なんてやっていたら、あっという間に出かける時間になっていた。
マフラーを巻いてコートを羽織る。きっと冷えるんだろうな。でも今の僕には寒さに負けない自信がある。

「加那、行くぞ」

「はーい」
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