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プラフェスタ②
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「お前…ドリンク頼み過ぎか」
テーブルに注文したものを置くと、千尋がげんなりしたように言う。加那太はドリンクを全種頼んでいた。つまり六種ある。
「だって、それぞれのキャラクターをイメージしたドリンクだって書いてあったから」
加那太は口を尖らせてみせる。
「分かった。コースターコンプリート目指すんだもんな。付き合うよ」
千尋はやはり優しい。加那太はホッとして椅子に座った。
「えっとね、これはマリエッタさんの…」
加那太は一つずつキャラクターの説明をする。
千尋はちゃんと最後まで聞いてくれた。
そして言う。
「なんか俺の認識していたキャラクターと違うような…」
それは加那太あるあるだった。
加那太はいつもアニメを観る際、細かい描写を知りたくて何度も同じ話を観る傾向がある。
かつ、ネットに流れているあらゆる考察や二次創作で情報を補填している。
千尋がそう言うのも無理はなかった。
「うーん、僕の情報はマニア向けだから」
加那太がてへへと笑うと、千尋も笑う。
「とりあえずコースター、見てみるか」
「うん!楽しみ!」
加那太はドリンクの他にもフードを二種、スイーツを三種頼んでいた。さすがにこれだけ食べれば、十分満足できるだろう。
千尋がコースターを1枚ずつ捲る。誰が出たかで加那太は大騒ぎした。この瞬間がやめられなくて、コラボフードはつい買ってしまう。
結果、無事に六種コンプリートできた。
被ってしまったものは千晶に渡すことにする。
千尋もホッとしているようだ。
「じゃ、食べるか」
「うん!」
加那太はカレープレートを選び、千尋はサンドイッチのセットを選んだ。
どちらも作中に出てきたものを再現しているらしい。
「このカレー、辛っ!
でも美味しー!」
「サンドイッチも美味いな」
コラボフードが近年美味しくなっているという噂は本当だったらしい。
前まではクオリティが低かったと加那太は聞いたことがあった。
「アイスは分かるけど他のスイーツはなんだ?パンケーキ?」
食べながら千尋が言う。
「うん、パンケーキだよ。こっちはパフェ」
「でかいな」
千尋の言う事は最もだ。
どちらも一食分に相当する。
「全部食べるもんねー」
加那太がおどけながら言うと千尋が笑う。
「分かった。俺も食べるよ」
スイーツまで食べきると、さすがにお腹がパンパンになった。
「うぅ…お腹が」
「加那、無理すんな。ちょっと休憩しようぜ」
「うん、そうする」
ふと周りを見渡すと、フードコートにはいつの間にか人が集まっている。もう昼時だ。早めに来て正解だったらしい。
「混んでるね」
「みんな、コースター地獄を味わいに来たんだな」
「だってドリンク飲めて、推しのコースターももらえるんだよ?お得じゃん」
「まぁ…そうか…そうか?」
千尋が首を傾げている。
「ね、次はゲームブースに行こうよ!」
「あぁ、そうするか」
二人はプラフェスタを満喫したのだった。
テーブルに注文したものを置くと、千尋がげんなりしたように言う。加那太はドリンクを全種頼んでいた。つまり六種ある。
「だって、それぞれのキャラクターをイメージしたドリンクだって書いてあったから」
加那太は口を尖らせてみせる。
「分かった。コースターコンプリート目指すんだもんな。付き合うよ」
千尋はやはり優しい。加那太はホッとして椅子に座った。
「えっとね、これはマリエッタさんの…」
加那太は一つずつキャラクターの説明をする。
千尋はちゃんと最後まで聞いてくれた。
そして言う。
「なんか俺の認識していたキャラクターと違うような…」
それは加那太あるあるだった。
加那太はいつもアニメを観る際、細かい描写を知りたくて何度も同じ話を観る傾向がある。
かつ、ネットに流れているあらゆる考察や二次創作で情報を補填している。
千尋がそう言うのも無理はなかった。
「うーん、僕の情報はマニア向けだから」
加那太がてへへと笑うと、千尋も笑う。
「とりあえずコースター、見てみるか」
「うん!楽しみ!」
加那太はドリンクの他にもフードを二種、スイーツを三種頼んでいた。さすがにこれだけ食べれば、十分満足できるだろう。
千尋がコースターを1枚ずつ捲る。誰が出たかで加那太は大騒ぎした。この瞬間がやめられなくて、コラボフードはつい買ってしまう。
結果、無事に六種コンプリートできた。
被ってしまったものは千晶に渡すことにする。
千尋もホッとしているようだ。
「じゃ、食べるか」
「うん!」
加那太はカレープレートを選び、千尋はサンドイッチのセットを選んだ。
どちらも作中に出てきたものを再現しているらしい。
「このカレー、辛っ!
でも美味しー!」
「サンドイッチも美味いな」
コラボフードが近年美味しくなっているという噂は本当だったらしい。
前まではクオリティが低かったと加那太は聞いたことがあった。
「アイスは分かるけど他のスイーツはなんだ?パンケーキ?」
食べながら千尋が言う。
「うん、パンケーキだよ。こっちはパフェ」
「でかいな」
千尋の言う事は最もだ。
どちらも一食分に相当する。
「全部食べるもんねー」
加那太がおどけながら言うと千尋が笑う。
「分かった。俺も食べるよ」
スイーツまで食べきると、さすがにお腹がパンパンになった。
「うぅ…お腹が」
「加那、無理すんな。ちょっと休憩しようぜ」
「うん、そうする」
ふと周りを見渡すと、フードコートにはいつの間にか人が集まっている。もう昼時だ。早めに来て正解だったらしい。
「混んでるね」
「みんな、コースター地獄を味わいに来たんだな」
「だってドリンク飲めて、推しのコースターももらえるんだよ?お得じゃん」
「まぁ…そうか…そうか?」
千尋が首を傾げている。
「ね、次はゲームブースに行こうよ!」
「あぁ、そうするか」
二人はプラフェスタを満喫したのだった。
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