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宿②

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「っ…!?」

シャワーを取ろうとして、加那太はシャワールームの床に崩れ落ちてしまう。まだゆっくりしゃがみ込めたのがよかった。加那太は焦る。こんなはずではなかった。シャワーヘッドが床に当たり、鈍い音を立てる。
加那太は丸くなって必死に情欲を堪えた。

「加那!!どうした?」

「ち…ひろ」

体が熱くてたまらない。千尋が加那太の体を抱き上げてベッドに運んでくれた。

「っ…ん…はぁ、はぁ」

「加那、一体何した?」

「ん…千尋といっぱいシたかったから媚薬飲んだ」

素直に言うと千尋がため息をつく。がっかりされてしまっただろうか、と加那太は不安になった。千尋か覆いかぶさってくる。

「俺とシたいなら言ってくれりゃいいのに」

「だって千尋…忙しい…でしょ?」

「それとこれとは別だぞ」

千尋が加那太にキスをする。無理やり口をこじ開けられて、中に千尋の舌が入ってきた。

「ん…っう…は…あん!」

キスだけで達してしまいそうだ。千尋のキスは情熱的でとろけてしまいそうになる。

「ち…ひろ…いっちゃ…」

ちゅ、と舌を吸ってくる千尋に告げると、更に強く舌を吸われる。
加那太はその刺激に簡単に達してしまった。
精液が腹に飛び散る。だがまだ熱さが収まらない。

「千尋…もっとシて、体が熱いよぉ」

「っ…このバカヤロっ!」

千尋のスイッチが急に切り替わったのを感じる。
先程までの探るような愛撫が責め立てるようなものになっていた。加那太はそれにも感じて腰を揺らした。
どうやら千尋も自分の姿を見て興奮してくれているらしい。それがとても嬉しい。

「ん…っあ、もっと…」

千尋に緩く自身を握り込まれて上下に擦られるのがたまらない。

「あ…アンン…や…またイッちゃ…」

ぱたた、と精液が腹に飛び散る。

「っ…はあ…はあ…」

「お前、全然収まらねえな」

「千尋。僕、一緒に気持ちよくなりたい」

「お前、さっきからわざとなのか?」

なにがわざとなのか加那太には分からなかった。千尋に足を掴まれて広げさせられる。それに期待をしないはずがない。貫かれたい、その一心だった。

「加那、優しくなんて無理だからな」

「ん…千尋が欲しいよ」

千尋がぐ、と中に押し入ってくる。苦しいが快感が上回る。
加那太は嬌声を上げた。

「あ…っ…ン…や、またイッちゃ…」

千尋が良いところを、ピンポイントで責めてくる。加那太は再び達した。
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