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出会い
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「わ、加那。かっこいいよ!お兄さんだね!」
小学校の入学式のある朝、黒いランドセルを背負った僕を見て、お母さんが僕の写真を撮りながら褒めてくれた。
明日からは一人で小学校に行かなきゃいけない。
僕はとにかくドキドキしていた。
お友達が一人でも出来たら違うのかななんて、夜寝る前に考えたりもした。
でもどうやったらお友達になれるんだろうって思考は毎回そこでストップしてしまうのだ。
お父さん、お母さんと一緒に入学式に行って、帰ろうとした時だった。
「本田さん!」
綺麗な長い髪の女の人が駆け寄ってきた。後ろから僕と同じ黄色い帽子を被った男の子とお父さんらしい男の人が歩いてくる。その男の子は、僕の倍より大きかった。僕が小さかったせいもある。
「あら、倉沢さん!
そっかー、学区一緒なのね!」
お母さんの知り合いは多い。喫茶店をやっているから余計だ。
「倉沢さんのお家からここまでって結構距離あるわよね?」
「そうなの。あ、こんにちは。加那ちゃん、おばちゃんのこと覚えてる?」
僕はびっくりしてお母さんにしがみついた。
こんな綺麗な人見たことない。
お姫様みたいだった。
「そっかー、まだ加那ちゃん小さかったもんね。そうだ、千尋、皆にご挨拶して」
「こんにちは、千尋です」
千尋はすごく身長が高かったし、なんだかムスッとしていて、僕は最初、彼が怖くて仕方なかった。
確か千尋も同じクラスのはずだと覚えていた。
千尋は人一倍存在感があった。
かっこよかったのもあった。
「えっと、僕は加那太だよ」
「それ」
千尋が僕のランドセルを指差す。
僕は防犯ブザーに、この時やっていた戦隊モノのキャラクターの形をしたものを付けていた。
「俺もソレ見てる」
この時の千尋の笑顔はずっと忘れていない。
「え?本当?」
「ソレ面白いよな。お前のこと、加那って呼んでいいか?」
「うん」
もしかして、って思った。千尋とお友達になれるかもなんて想像した。
「あ、あの、僕とお友達になってくれる?」
「当たり前だろ」
千尋にそう言われて僕はすごく嬉しくなったんだ。
千尋の家は小学校から随分離れた場所にあった。ぎりぎりこの学校の学区内に入っていたらしい。だから千尋は僕の家で休憩してから帰ることになったのだった。
「加那、明日からよろしくな」
「うん!」
✣✣✣
次の日の朝、学校に出掛ける支度をしていたら
インターフォンが鳴った。
千尋が来たのだ。
お母さんが玄関に向かう。
千尋のお母さんも一緒だった。
僕はランドセルを背負って、千尋の元へ向かった。
「おはよう、倉沢くん」
「おはよう、加那」
僕はそれが嬉しかった。
「加那、千尋くん。気を付けて行くのよ?」
「うん、行って来ます!」
僕達はこうして毎日一緒に学校に行くようになったんだ。
小学校の入学式のある朝、黒いランドセルを背負った僕を見て、お母さんが僕の写真を撮りながら褒めてくれた。
明日からは一人で小学校に行かなきゃいけない。
僕はとにかくドキドキしていた。
お友達が一人でも出来たら違うのかななんて、夜寝る前に考えたりもした。
でもどうやったらお友達になれるんだろうって思考は毎回そこでストップしてしまうのだ。
お父さん、お母さんと一緒に入学式に行って、帰ろうとした時だった。
「本田さん!」
綺麗な長い髪の女の人が駆け寄ってきた。後ろから僕と同じ黄色い帽子を被った男の子とお父さんらしい男の人が歩いてくる。その男の子は、僕の倍より大きかった。僕が小さかったせいもある。
「あら、倉沢さん!
そっかー、学区一緒なのね!」
お母さんの知り合いは多い。喫茶店をやっているから余計だ。
「倉沢さんのお家からここまでって結構距離あるわよね?」
「そうなの。あ、こんにちは。加那ちゃん、おばちゃんのこと覚えてる?」
僕はびっくりしてお母さんにしがみついた。
こんな綺麗な人見たことない。
お姫様みたいだった。
「そっかー、まだ加那ちゃん小さかったもんね。そうだ、千尋、皆にご挨拶して」
「こんにちは、千尋です」
千尋はすごく身長が高かったし、なんだかムスッとしていて、僕は最初、彼が怖くて仕方なかった。
確か千尋も同じクラスのはずだと覚えていた。
千尋は人一倍存在感があった。
かっこよかったのもあった。
「えっと、僕は加那太だよ」
「それ」
千尋が僕のランドセルを指差す。
僕は防犯ブザーに、この時やっていた戦隊モノのキャラクターの形をしたものを付けていた。
「俺もソレ見てる」
この時の千尋の笑顔はずっと忘れていない。
「え?本当?」
「ソレ面白いよな。お前のこと、加那って呼んでいいか?」
「うん」
もしかして、って思った。千尋とお友達になれるかもなんて想像した。
「あ、あの、僕とお友達になってくれる?」
「当たり前だろ」
千尋にそう言われて僕はすごく嬉しくなったんだ。
千尋の家は小学校から随分離れた場所にあった。ぎりぎりこの学校の学区内に入っていたらしい。だから千尋は僕の家で休憩してから帰ることになったのだった。
「加那、明日からよろしくな」
「うん!」
✣✣✣
次の日の朝、学校に出掛ける支度をしていたら
インターフォンが鳴った。
千尋が来たのだ。
お母さんが玄関に向かう。
千尋のお母さんも一緒だった。
僕はランドセルを背負って、千尋の元へ向かった。
「おはよう、倉沢くん」
「おはよう、加那」
僕はそれが嬉しかった。
「加那、千尋くん。気を付けて行くのよ?」
「うん、行って来ます!」
僕達はこうして毎日一緒に学校に行くようになったんだ。
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