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親友
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「で?一緒に帰ったと」
「そうなんだよー!あのゆづくんとだよ!」
「はぁ」
次の日の昼休み、僕は弁当を食べながら親友の倉沢に、昨日起こったことを話していた。
倉沢はしばらく黙って購買で買ったパンを咀嚼している。
そしてこう口を開いた。
「花柳って天文学部だったよな?
あいつ、UFOなんて、そんなことしてるんだ?」
「よくわかんなかったけどね」
だろうな、と倉沢。
僕と倉沢は小学生の時からずっと一緒のクラスで、ずっと仲良くしてもらっている。
倉沢は顔も頭もいいし、高校に入ってから女子にラブレターをもらった回数は二桁はいっているだろう。
なんで僕と一緒にいるのか、僕が一番わからないんだ。
僕は倉沢に甘えているだけなのかな?
「いて!」
倉沢が僕の頭を軽く小突いてきて、僕は反射的に声をあげた。
「まーたお前、余計な事考えてんだろ?」
「え?」
なんでわかったんだろう?
僕がぼうっとしていると倉沢は笑う。
「ほら、早く昼飯食って行ってみようぜ」
「行くってどこへ?」
倉沢は顔を抑えて呻いている。
「バーカ!天文学部の部室だよ!」
「えぇえ!!?」
倉沢に急かされるがまま、僕は弁当をかきこんだ。
天文学部の部室は三階の一番端の教室にあった。
倉沢はすたすたと行ってしまうので、僕はヒヤヒヤしながらあとをついていった。
「ここか」
ドアのネームプレートを確認して倉沢がノックする。
こういう度胸は僕にはないからありがたい。
中からは返事が返ってこない。
誰もいないのかな?
僕たちは顔を見合わせる。
「まぁいいよな」
倉沢はそう呟いてガララとドアを開けた。
開いてしまった。
中で誰かが机に頭を載せて眠っている。
よく見るとゆづくんだった。
ゆづくんの頭のそばには図鑑が開いたままになっている。
読みながら寝てしまったのかな。
「おい、カナタ」
「へ?」
倉沢が手招きしている。
なんだろう?
「お前、シャッターチャンスじゃないのか?」
「へぇ?!」
「んん」
僕の声にゆづくんはぴくり、と反応した。
しまった。
ゆづくんが起きてしまった。
「あ、ゆづくん?」
僕が声をかけるとゆづくんは真っ赤になった。昨日からこんなことばっかりだ。
「ごめん、勝手に入るつもりじゃなかったんだけど」
僕が手を合わせて謝るとゆづくんはにこ、と笑う。
「いいよ、全然。カナタくんだったよね?」
名前覚えていてくれたんだ!!
ゆづくんは不思議そうに倉沢を見る。
「あ、こっちは倉沢っていうの」
「どーも」
「はじめまして」
ゆづくんはやっぱり可愛いよなー!
「図鑑読んでたんだね?」
僕が尋ねるとゆづくんは頷いた。
「そう、なるべく生命体のいそうな星を探してたんだよね」
「花柳って、新星見つけたりしてるよな?」
「え?すごいね!!」
倉沢の言葉にゆづくんは更に真っ赤になる。
「本当は宇宙人を探してるんだけどね」
ゆづくんはまた笑った。
「もしかして、星に興味あったりする?」
ゆづくんはおずおずと聞いてくる。
ゆづくんに興味があるなんて言ったら引かれるやつだ。
「いや、カナタがお前と友達になりたいんだって」
(倉沢ぁぁ!!?)
僕が倉沢を見ると悪そうな顔で笑われた。
いや、正しいけどさ!!
「え?僕と友達?嬉しいなぁ」
ゆづくんはふにゃ、と笑う。
可愛い、本当可愛い。
「カナタくん、よろしくね」
ゆづくんはそっと手を差し出してくれた。
「あ、こちらこそ」
「ゆづるー!!!」
ドタドタと足音がして部室の扉が勢い良く開く。
今度はなんなんだ?
「あ、燈ちゃん」
女子生徒がぜいぜいと息をしている。
そんなに慌てなくても。
「ゆづる!当番の仕事忘れてるよ!あれ、この人たち誰?」
「話すと長くなるから」
倉沢が代わりに答えた。
燈ちゃん、と呼ばれた彼女は倉沢を見て真っ赤になる。
僕では確実に起こりえない現象だ。
「燈ちゃん、行こう。
後でね、カナタくん」
ゆづくんは燈ちゃんを引っ張って行ってしまった。
「なんか騒がしかったな」
よっこいしょ、と倉沢はゆづくんが座っていた椅子に座った。
キャスターを転がして本棚の前に行く。そして冊子を一冊取り出した。
何をするつもりなんだろう?
「ほら、お前も見ろよ。花柳の撮った写真」
それは天文学部のメンバーが撮った写真の記録らしかった。
僕たちはまだ入学したばかりだ。
それでもゆづくんの写真は先輩たちに引けをとっていないように見える。
(ゆづくんはすごいなぁ)
「あいつ、ぼうっとしてるけど、結構成績もいいしな」
倉沢が僕の頭の中を読んだように言う。
(僕にもなにかあればいいのになぁ)
分かりやすい特技なんて僕にはないんだよな。
「カナタ、戻るぞ」
「あ、うん!」
僕らは部室を後にした。
「そうなんだよー!あのゆづくんとだよ!」
「はぁ」
次の日の昼休み、僕は弁当を食べながら親友の倉沢に、昨日起こったことを話していた。
倉沢はしばらく黙って購買で買ったパンを咀嚼している。
そしてこう口を開いた。
「花柳って天文学部だったよな?
あいつ、UFOなんて、そんなことしてるんだ?」
「よくわかんなかったけどね」
だろうな、と倉沢。
僕と倉沢は小学生の時からずっと一緒のクラスで、ずっと仲良くしてもらっている。
倉沢は顔も頭もいいし、高校に入ってから女子にラブレターをもらった回数は二桁はいっているだろう。
なんで僕と一緒にいるのか、僕が一番わからないんだ。
僕は倉沢に甘えているだけなのかな?
「いて!」
倉沢が僕の頭を軽く小突いてきて、僕は反射的に声をあげた。
「まーたお前、余計な事考えてんだろ?」
「え?」
なんでわかったんだろう?
僕がぼうっとしていると倉沢は笑う。
「ほら、早く昼飯食って行ってみようぜ」
「行くってどこへ?」
倉沢は顔を抑えて呻いている。
「バーカ!天文学部の部室だよ!」
「えぇえ!!?」
倉沢に急かされるがまま、僕は弁当をかきこんだ。
天文学部の部室は三階の一番端の教室にあった。
倉沢はすたすたと行ってしまうので、僕はヒヤヒヤしながらあとをついていった。
「ここか」
ドアのネームプレートを確認して倉沢がノックする。
こういう度胸は僕にはないからありがたい。
中からは返事が返ってこない。
誰もいないのかな?
僕たちは顔を見合わせる。
「まぁいいよな」
倉沢はそう呟いてガララとドアを開けた。
開いてしまった。
中で誰かが机に頭を載せて眠っている。
よく見るとゆづくんだった。
ゆづくんの頭のそばには図鑑が開いたままになっている。
読みながら寝てしまったのかな。
「おい、カナタ」
「へ?」
倉沢が手招きしている。
なんだろう?
「お前、シャッターチャンスじゃないのか?」
「へぇ?!」
「んん」
僕の声にゆづくんはぴくり、と反応した。
しまった。
ゆづくんが起きてしまった。
「あ、ゆづくん?」
僕が声をかけるとゆづくんは真っ赤になった。昨日からこんなことばっかりだ。
「ごめん、勝手に入るつもりじゃなかったんだけど」
僕が手を合わせて謝るとゆづくんはにこ、と笑う。
「いいよ、全然。カナタくんだったよね?」
名前覚えていてくれたんだ!!
ゆづくんは不思議そうに倉沢を見る。
「あ、こっちは倉沢っていうの」
「どーも」
「はじめまして」
ゆづくんはやっぱり可愛いよなー!
「図鑑読んでたんだね?」
僕が尋ねるとゆづくんは頷いた。
「そう、なるべく生命体のいそうな星を探してたんだよね」
「花柳って、新星見つけたりしてるよな?」
「え?すごいね!!」
倉沢の言葉にゆづくんは更に真っ赤になる。
「本当は宇宙人を探してるんだけどね」
ゆづくんはまた笑った。
「もしかして、星に興味あったりする?」
ゆづくんはおずおずと聞いてくる。
ゆづくんに興味があるなんて言ったら引かれるやつだ。
「いや、カナタがお前と友達になりたいんだって」
(倉沢ぁぁ!!?)
僕が倉沢を見ると悪そうな顔で笑われた。
いや、正しいけどさ!!
「え?僕と友達?嬉しいなぁ」
ゆづくんはふにゃ、と笑う。
可愛い、本当可愛い。
「カナタくん、よろしくね」
ゆづくんはそっと手を差し出してくれた。
「あ、こちらこそ」
「ゆづるー!!!」
ドタドタと足音がして部室の扉が勢い良く開く。
今度はなんなんだ?
「あ、燈ちゃん」
女子生徒がぜいぜいと息をしている。
そんなに慌てなくても。
「ゆづる!当番の仕事忘れてるよ!あれ、この人たち誰?」
「話すと長くなるから」
倉沢が代わりに答えた。
燈ちゃん、と呼ばれた彼女は倉沢を見て真っ赤になる。
僕では確実に起こりえない現象だ。
「燈ちゃん、行こう。
後でね、カナタくん」
ゆづくんは燈ちゃんを引っ張って行ってしまった。
「なんか騒がしかったな」
よっこいしょ、と倉沢はゆづくんが座っていた椅子に座った。
キャスターを転がして本棚の前に行く。そして冊子を一冊取り出した。
何をするつもりなんだろう?
「ほら、お前も見ろよ。花柳の撮った写真」
それは天文学部のメンバーが撮った写真の記録らしかった。
僕たちはまだ入学したばかりだ。
それでもゆづくんの写真は先輩たちに引けをとっていないように見える。
(ゆづくんはすごいなぁ)
「あいつ、ぼうっとしてるけど、結構成績もいいしな」
倉沢が僕の頭の中を読んだように言う。
(僕にもなにかあればいいのになぁ)
分かりやすい特技なんて僕にはないんだよな。
「カナタ、戻るぞ」
「あ、うん!」
僕らは部室を後にした。
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