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始まり
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僕は幼少の頃から人とは違う何かが見えるらしい。霊感と言うやつだ。子供には、しばしばそういう現象を見たり聞いたりする事があり、それはまだ世の中の汚い物を見た事がない純粋な濁りのない子供の目が見せるのだと思っていた。僕にもいつか見えなくなる日が来るんじゃないかと期待する事もあったが16歳の高校生になってもこの現象はおさまる気配が無く未だに見続けている。僕が見える事は誰も知らない。周りから変人扱いされるのも嫌だったし、何より両親を無くし親戚も居ない僕を施設から引き取り育ててくれた今の父さんと母さんに心配をかけたくないからだ。この人達には笑っていて欲しい…
普通の高校生活を送りたいと思っているのにここ最近気になる事がある。幽霊が見えるのは僕にはもう普通の事になりつつあったのだが、昨日僕の前に現れた幽霊は僕に話しかけて来た。普通の人間と同じように、初めは聞こえないフリをしていたのだけど返事をしないと話しかける事を辞める気配が無く、それは僕にとってもとても困る事だった、友達や先生の話に集中できないし、両親にもおかしな行動を取ってしまうからだ。そしてその話しかけてくる幽霊が現れて3日たった頃根負けしついに会話をしてしまった。
「ねえ、君俺の事見えてるだろ?声も聞こえてるよな?返事してくれよ!」
「はぁ…何?僕に何か用?言っとくけど僕は見えたり聞こえたりするだけで成仏させてあげられるような力みたいなのは無いよ!」
「成仏なんてしなくて良いよ、そんな事望んで無いし、俺の名前は…苗字何だったっけ…」
何コイツ…自分の苗字も忘れたのか?覚えてないとか…それくらい長い時をさまよってるとかかな…
「下の名前は思い出した!零だ」
「れい?」
幽霊の霊じゃ無いよな、適当に今決めた名前とか…?
「言っとくけど幽霊の霊じゃないぞ!零だ!ゼロの方だからな!」
うわっ…心読まれてる
「わ、分かってるよ…その零さんが僕に何か用なんですか?」
「いや…見えてるなって思ったら嬉しくなって話しかけてみただけだけど…ごめんな」
この人やっぱり長いことさまよって人恋しくなったのかな…顔立ちは何というかめっちゃイケメンだよな…死因が気になると言えば気になる
「人前で話しかけたりしないから君のそばに居て良いかな?暫くの間だけで良いから!」
「えっ…取り憑くって事ですよね…?」
生気吸って僕をあの世に連れていくって事?!それは絶対嫌なんだけどー!
「お断りします」
「えっ!そう言わずにお願い!変な事は絶対しないから!この命にかけて!」
「いや…零さん死んでますよね?もう命無いですけど…」
「あ~ごめん…そうだった、いやでも本当に信じて欲しくて!お願い!君の部屋に居候させて!」
「居候!?」
はぁ…何か真面目なのかバカなのか分からなくなってきた、でもちょっと可哀想な気にもなってる自分が怖い…
「分かったよ、暫くの間だよ、気が済んだら出ていってくれるんだよね?」
「勿論!有難う!」
「こ、こら!抱きつくな!離せって!」
「ごめん、ごめん、嬉しくなってつい…それと俺の事は零で良いよ、敬語も要らない」
驚いたな幽霊に触られたの初めてだ…それも抱きつかれるとか…
「真尋…顔赤いぞ!熱でもあるのか?」
「熱なんて無いよ!いきなり抱きつくから…えっ!真尋って言った?何で僕の名前知ってんの?」
「知ってるよ…川下真尋(マヒロ)川下は今の両親の苗字で前は神野真尋だろ?」
何で知ってるんだ…
「真尋の事は何でも知ってる…」
「何で知ってんの?!零って俺も知ってる人だったの?!」
「いや…多分知らない、ごめんな、今はまだ言わない…」
言わないって…居て良いって承諾しない方が良かったんじゃ…でも僕の傍に居たいっていう本当の理由が人恋しいってだけじゃないような気もするし、それは少し気になるよな…
「これからよろしくな真尋」
「う、うん、宜しく…零」
こうして零との妙な家族には秘密の共同生活が始まった。
普通の高校生活を送りたいと思っているのにここ最近気になる事がある。幽霊が見えるのは僕にはもう普通の事になりつつあったのだが、昨日僕の前に現れた幽霊は僕に話しかけて来た。普通の人間と同じように、初めは聞こえないフリをしていたのだけど返事をしないと話しかける事を辞める気配が無く、それは僕にとってもとても困る事だった、友達や先生の話に集中できないし、両親にもおかしな行動を取ってしまうからだ。そしてその話しかけてくる幽霊が現れて3日たった頃根負けしついに会話をしてしまった。
「ねえ、君俺の事見えてるだろ?声も聞こえてるよな?返事してくれよ!」
「はぁ…何?僕に何か用?言っとくけど僕は見えたり聞こえたりするだけで成仏させてあげられるような力みたいなのは無いよ!」
「成仏なんてしなくて良いよ、そんな事望んで無いし、俺の名前は…苗字何だったっけ…」
何コイツ…自分の苗字も忘れたのか?覚えてないとか…それくらい長い時をさまよってるとかかな…
「下の名前は思い出した!零だ」
「れい?」
幽霊の霊じゃ無いよな、適当に今決めた名前とか…?
「言っとくけど幽霊の霊じゃないぞ!零だ!ゼロの方だからな!」
うわっ…心読まれてる
「わ、分かってるよ…その零さんが僕に何か用なんですか?」
「いや…見えてるなって思ったら嬉しくなって話しかけてみただけだけど…ごめんな」
この人やっぱり長いことさまよって人恋しくなったのかな…顔立ちは何というかめっちゃイケメンだよな…死因が気になると言えば気になる
「人前で話しかけたりしないから君のそばに居て良いかな?暫くの間だけで良いから!」
「えっ…取り憑くって事ですよね…?」
生気吸って僕をあの世に連れていくって事?!それは絶対嫌なんだけどー!
「お断りします」
「えっ!そう言わずにお願い!変な事は絶対しないから!この命にかけて!」
「いや…零さん死んでますよね?もう命無いですけど…」
「あ~ごめん…そうだった、いやでも本当に信じて欲しくて!お願い!君の部屋に居候させて!」
「居候!?」
はぁ…何か真面目なのかバカなのか分からなくなってきた、でもちょっと可哀想な気にもなってる自分が怖い…
「分かったよ、暫くの間だよ、気が済んだら出ていってくれるんだよね?」
「勿論!有難う!」
「こ、こら!抱きつくな!離せって!」
「ごめん、ごめん、嬉しくなってつい…それと俺の事は零で良いよ、敬語も要らない」
驚いたな幽霊に触られたの初めてだ…それも抱きつかれるとか…
「真尋…顔赤いぞ!熱でもあるのか?」
「熱なんて無いよ!いきなり抱きつくから…えっ!真尋って言った?何で僕の名前知ってんの?」
「知ってるよ…川下真尋(マヒロ)川下は今の両親の苗字で前は神野真尋だろ?」
何で知ってるんだ…
「真尋の事は何でも知ってる…」
「何で知ってんの?!零って俺も知ってる人だったの?!」
「いや…多分知らない、ごめんな、今はまだ言わない…」
言わないって…居て良いって承諾しない方が良かったんじゃ…でも僕の傍に居たいっていう本当の理由が人恋しいってだけじゃないような気もするし、それは少し気になるよな…
「これからよろしくな真尋」
「う、うん、宜しく…零」
こうして零との妙な家族には秘密の共同生活が始まった。
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