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重なる世界
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「高坂…高坂…おいハル!」
「はっ!えっ何!?」
「お前何ボーッとしてんの?最近ずっとだよな?何?」
「あ、ああ…悪い最近よく眠れなくてな…」
蓮とオビトと夢で会ったのは奇妙な夢を見出してから半月ほどたった時だったな…でもオビトにはこの事は言えてないんだよな、言ってもぶっ飛んでる奴扱いするだろうしなコイツ…
ひょっとすると蓮も現実世界に居る…とか?
それは俺の願望だよな…
「お前あの話は考えたのかよ」
「えっ…あーオビトの仕事手伝う話?」
「手伝うんじゃねーよ、探偵業は廃業して俺の所に来いって言ってんだろうが!手伝うとか半端な事じゃねえよ」
そうだった…オビトはかなり変わった仕事をしている、人の命を奪う事も日常茶飯事で勿論命を狙われる事もあるだろうな…
「探偵業廃業しろって?無理だな!これでも少しは名の知れた探偵なんだけど」
「何の役にも立たねえ警察の犬で満足かよ、俺の仕事は警察でも探偵でも捕まえられねえ犯罪者を駆逐する仕事だ」
「知ってるよ、殺し屋みたいなもんだろ?」
「殺し屋じゃねえ!犯罪者を取り締まってるんだろうが、たまに拷問有りきだけど」
拷問…殺し屋と変わんないんじゃね?本当にコイツはヤバい奴だよな、目つきは悪いし愛想ねえし、激強だし…1年前に仕事で会った時からコイツずっと俺を仲間に引き入れようとしてるけど何でだ?俺も弱くは無いつもりだけどオビトの身体能力には自分の目を疑ったもんだよ、夢の中でもやっぱり強かったよな…
「分かったよ…もう根負け」
「よしっ!これで後1人ミツヒデの返事待ちだな」
「ミツヒデってこの前言ってた殺し屋の?確か腕利きのスナイパーとか…怖え」
「あー腕は良いな、スナイパーとしてもだけど接近戦もかなりのもんだぜ」
仕事仲間になる訳だし夢の話もしてみるか…
こうしてハルはここ半年の奇妙な夢の話をオビトに話したのだった。
「えっ…ちょっと待って…ぶはっはははっ」
オビトは苦しそうにお腹を抱えている。
「おい!笑い過ぎだろ、真剣に話してんのに」
やっぱりコイツに言うとバカにされるとは思ってたけど…コイツこんなに笑えんだな…オビトが笑うとこ見んの初めてかも…しかもツボってるし…
「あ~苦し…悪い悪い、でもこれ笑わねえ奴居んの?」
やっと笑い終わったオビトが涙を拭きながら息を整えた。
「本当の事なんだよ!現在進行形でお前も登場してんの!」
「勝手に俺を夢に登場させんなよー」
「それは知らん!お前が勝手に出て来たからな、それに夢の中のお前は俺の事を知らないらしい」
「そりゃ知らねえだろうな、俺は夢なんて見ても覚えてねえし、見てるかどうかもわかんねえ」
それはそうだよな…自分が見てない夢の話なんて信じろって言う方が無理あるよな…
「それで?その蓮って奴は現実世界に居んの?」
「えっ!信じてくれるのか?」
意外な反応だよな…バカにして終わりかと思ったら最終的には信じてくれてるんだよな…
「信じるも何もお前そんな事で嘘つかねえだろ、何の得にもならねえし、おかしな事起きてんじゃねーの?多分…」
「ありがとな…信じてくれて」
「まあ…これから一緒に仕事して行くんだ、しょうもない事でもとりあえずは信じとくわ」
「しょうもないは余計!それと夢に出てくる蓮とはまだこの現実世界で会ってないな、居るかどうかも不明だよ…」
「ふーん、まぁいつか会えるんじゃない?俺とも会ってるんだしな」
「又適当に……」
言われてみればそうかもしれないな…これから会うって事かも…いや、いくら会いたいからってそんな事まで現実にならないだろうな…
夢の中の美少年に会いたいとか恋する乙女かよって突っ込みたくなる…そうだ俺は蓮に恋している。25歳のいい大人が17歳の少年に恋するってやっぱ彼女と別れたのがこたえてるのか?いや、違う俺は蓮そのものに恋をしているんだ綺麗な顔立ちに儚げな雰囲気と可愛い仕草……
薄くピンクがかった唇……あ…俺変態かも…
「1ヶ月で探偵業終わらせろよ!店じまいな!」
「簡単に言いやがって…分かったよ、この建物はカフェに改装するんだよ!これはもう決めた事だから反対すんなよ!」
「お前なー探偵業辞める意味ねえだろ!カフェのマスターやりながら俺との仕事もこなすつもりか?!」
「カフェは表向きだ!裏では色んな情報をかき集める仕事場でもある!」
「はあ?こっちの仕事をメインでやれるなら許してやるけど…大丈夫なのか?休む間ねえぞ」
「分かってるって、今は仕事に打ち込みたいって思ってるし、表向きのカフェもちょっと息抜きするには良いと思うんだよな、儲けとかあんまり考えて無いし、金には困ってない、料理は得意だし、店員雇えば店だって開けられる」
「それならまぁ、良しとしといてやる!」
「お前その上から物言うの良くないぞー、ミツヒデって奴にも後ろから撃たれるぞ」
「上から物言うぞ…俺は隊長だしな!」
「隊長って…軍隊かよ…」
「似たようなもんだ、俺の組織では1部隊から30部隊まである、大きな組織だ、俺はその部隊の1番隊を任せられてる」
「1番隊?最初の隊かよ…そんな組織に俺入って生存出来んの?」
「……大丈夫じゃね」
「何その間?!ほんとお前って分かんねー奴」
「今から組織の中枢に連れて行くからバイクの後ろ乗れ!」
「今から?!急だな…しかもバイクって車は?」
「昨日大破した……次の車来るまでこれで我慢しろよ!」
「大破って…何したらそうなる?」
「良いから乗れよ、これ被って!」
「…分かったよ」
この男はメチャクチャだな…
「飛ばすなよ!バイクまで大破したら次はチャリンコとか洒落になんねーぞ!」
「分かってるって!お母さん」
「誰が母さんだ!」
ほんと真剣なのかふざけてんのか分からん奴だよな…
「お、おい!オビト!止まれっ!人が!」
「何だよ!クソっ」
「人が飛び出してきたから…当たってはないけどびっくりして倒れたみたいだ!ちょっと見てくる!」
「バイク停めたらそっち行くわ」
「君!怪我は無い?大丈夫か?」
「ご、ごめんなさい…大丈夫です、ちょっとビックリしてしまって勝手にこけてしまって…」
う、嘘だろ…君…
ハルが目にしたのは紛れもなく夢の中の美少年蓮の姿だった。
「君がどうして…ここに…?」
「ハル…さん?」
え…?今俺の名前呼んだ…よな?
「君、蓮なのか…?」
「やっぱりハルさんだ!夢…じゃないよね?」
「ああ、ここは現実だよ…多分」
「はっ!えっ何!?」
「お前何ボーッとしてんの?最近ずっとだよな?何?」
「あ、ああ…悪い最近よく眠れなくてな…」
蓮とオビトと夢で会ったのは奇妙な夢を見出してから半月ほどたった時だったな…でもオビトにはこの事は言えてないんだよな、言ってもぶっ飛んでる奴扱いするだろうしなコイツ…
ひょっとすると蓮も現実世界に居る…とか?
それは俺の願望だよな…
「お前あの話は考えたのかよ」
「えっ…あーオビトの仕事手伝う話?」
「手伝うんじゃねーよ、探偵業は廃業して俺の所に来いって言ってんだろうが!手伝うとか半端な事じゃねえよ」
そうだった…オビトはかなり変わった仕事をしている、人の命を奪う事も日常茶飯事で勿論命を狙われる事もあるだろうな…
「探偵業廃業しろって?無理だな!これでも少しは名の知れた探偵なんだけど」
「何の役にも立たねえ警察の犬で満足かよ、俺の仕事は警察でも探偵でも捕まえられねえ犯罪者を駆逐する仕事だ」
「知ってるよ、殺し屋みたいなもんだろ?」
「殺し屋じゃねえ!犯罪者を取り締まってるんだろうが、たまに拷問有りきだけど」
拷問…殺し屋と変わんないんじゃね?本当にコイツはヤバい奴だよな、目つきは悪いし愛想ねえし、激強だし…1年前に仕事で会った時からコイツずっと俺を仲間に引き入れようとしてるけど何でだ?俺も弱くは無いつもりだけどオビトの身体能力には自分の目を疑ったもんだよ、夢の中でもやっぱり強かったよな…
「分かったよ…もう根負け」
「よしっ!これで後1人ミツヒデの返事待ちだな」
「ミツヒデってこの前言ってた殺し屋の?確か腕利きのスナイパーとか…怖え」
「あー腕は良いな、スナイパーとしてもだけど接近戦もかなりのもんだぜ」
仕事仲間になる訳だし夢の話もしてみるか…
こうしてハルはここ半年の奇妙な夢の話をオビトに話したのだった。
「えっ…ちょっと待って…ぶはっはははっ」
オビトは苦しそうにお腹を抱えている。
「おい!笑い過ぎだろ、真剣に話してんのに」
やっぱりコイツに言うとバカにされるとは思ってたけど…コイツこんなに笑えんだな…オビトが笑うとこ見んの初めてかも…しかもツボってるし…
「あ~苦し…悪い悪い、でもこれ笑わねえ奴居んの?」
やっと笑い終わったオビトが涙を拭きながら息を整えた。
「本当の事なんだよ!現在進行形でお前も登場してんの!」
「勝手に俺を夢に登場させんなよー」
「それは知らん!お前が勝手に出て来たからな、それに夢の中のお前は俺の事を知らないらしい」
「そりゃ知らねえだろうな、俺は夢なんて見ても覚えてねえし、見てるかどうかもわかんねえ」
それはそうだよな…自分が見てない夢の話なんて信じろって言う方が無理あるよな…
「それで?その蓮って奴は現実世界に居んの?」
「えっ!信じてくれるのか?」
意外な反応だよな…バカにして終わりかと思ったら最終的には信じてくれてるんだよな…
「信じるも何もお前そんな事で嘘つかねえだろ、何の得にもならねえし、おかしな事起きてんじゃねーの?多分…」
「ありがとな…信じてくれて」
「まあ…これから一緒に仕事して行くんだ、しょうもない事でもとりあえずは信じとくわ」
「しょうもないは余計!それと夢に出てくる蓮とはまだこの現実世界で会ってないな、居るかどうかも不明だよ…」
「ふーん、まぁいつか会えるんじゃない?俺とも会ってるんだしな」
「又適当に……」
言われてみればそうかもしれないな…これから会うって事かも…いや、いくら会いたいからってそんな事まで現実にならないだろうな…
夢の中の美少年に会いたいとか恋する乙女かよって突っ込みたくなる…そうだ俺は蓮に恋している。25歳のいい大人が17歳の少年に恋するってやっぱ彼女と別れたのがこたえてるのか?いや、違う俺は蓮そのものに恋をしているんだ綺麗な顔立ちに儚げな雰囲気と可愛い仕草……
薄くピンクがかった唇……あ…俺変態かも…
「1ヶ月で探偵業終わらせろよ!店じまいな!」
「簡単に言いやがって…分かったよ、この建物はカフェに改装するんだよ!これはもう決めた事だから反対すんなよ!」
「お前なー探偵業辞める意味ねえだろ!カフェのマスターやりながら俺との仕事もこなすつもりか?!」
「カフェは表向きだ!裏では色んな情報をかき集める仕事場でもある!」
「はあ?こっちの仕事をメインでやれるなら許してやるけど…大丈夫なのか?休む間ねえぞ」
「分かってるって、今は仕事に打ち込みたいって思ってるし、表向きのカフェもちょっと息抜きするには良いと思うんだよな、儲けとかあんまり考えて無いし、金には困ってない、料理は得意だし、店員雇えば店だって開けられる」
「それならまぁ、良しとしといてやる!」
「お前その上から物言うの良くないぞー、ミツヒデって奴にも後ろから撃たれるぞ」
「上から物言うぞ…俺は隊長だしな!」
「隊長って…軍隊かよ…」
「似たようなもんだ、俺の組織では1部隊から30部隊まである、大きな組織だ、俺はその部隊の1番隊を任せられてる」
「1番隊?最初の隊かよ…そんな組織に俺入って生存出来んの?」
「……大丈夫じゃね」
「何その間?!ほんとお前って分かんねー奴」
「今から組織の中枢に連れて行くからバイクの後ろ乗れ!」
「今から?!急だな…しかもバイクって車は?」
「昨日大破した……次の車来るまでこれで我慢しろよ!」
「大破って…何したらそうなる?」
「良いから乗れよ、これ被って!」
「…分かったよ」
この男はメチャクチャだな…
「飛ばすなよ!バイクまで大破したら次はチャリンコとか洒落になんねーぞ!」
「分かってるって!お母さん」
「誰が母さんだ!」
ほんと真剣なのかふざけてんのか分からん奴だよな…
「お、おい!オビト!止まれっ!人が!」
「何だよ!クソっ」
「人が飛び出してきたから…当たってはないけどびっくりして倒れたみたいだ!ちょっと見てくる!」
「バイク停めたらそっち行くわ」
「君!怪我は無い?大丈夫か?」
「ご、ごめんなさい…大丈夫です、ちょっとビックリしてしまって勝手にこけてしまって…」
う、嘘だろ…君…
ハルが目にしたのは紛れもなく夢の中の美少年蓮の姿だった。
「君がどうして…ここに…?」
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