俺のステータス『軟弱 虚弱 脆弱 惰弱 貧弱 ※時折頑強』

ぐりーなー

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誰か私を助けてくれますか?『いいえ、俺には無理です』

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!緊急クエスト!
『堕神龍《だしんりゅう》・ミュンタルにとって苦界《くがい》である』 
『深手を負ったミュンタルは人々の残酷さにより、死を宣告されていた。ミュンタルは助けを求めている。その追っ手を取っ払うor匿う事が可能なのは主人公のみだ』

『 ミュンタルを助けますか? 』 『 はい いいえ』

いや……全然頭に入ってこない!ミュンタルって誰?何?それを助けろ、ってなんで竜が追われてるんだ?倒す側を助けるのがクエスト?どうなってるんだ?
「ミュンタル様が……」
黙読していたツイが驚きを声と共に発した。
「知ってるのか?」
「ミュンタル様はこの世の幸福、癒しを与える存在でした。モンスターと人々の間を取り持ち、共存、平和を望んでいた存在です。最後の塔の先の長……」
「なんでそんな凄そうなモンスターが……」
というか世界平和を望むモンスターもいるんだな。
「わかりません、が、元々の二つ名は神聖龍・ミュンタル……。それが堕ちた神とし存在しておられる。人、いや、モンスターに名を剥奪されたのかもしれません」
「モンスター間での争い?」
「おそらくは。シオさん。このクエストを受けますか?」
『条件)ミュンタルを救う
成功)?×1 儚い感謝×1 EXP5千 
失敗)汚名×1 無責任者の正義×1 ミュンタルの苦死』

『ミュンタルを助けますか?』『はい いいえ 』

選択肢が俺を急かす。 
助けるか助けないか……。失敗すればミュンタルというモンスターは苦しみ死んでしまう。でもモンスターは敵だし……。知らないし俺には関係が……。堕ちた神、本当に助けるのが大事か?
「受けるだけただ、か?失敗しても、俺が死んだとしてもリスポーンすれb……「シオさん」」
「うん?」
「えっと、その……」
体をもじもじさせ、何か言いたいのか言いたくないのか、口をパクパクさせる。
「何?」
「……この世界の命は一つなんです」
「?NPCの命が一つって事?……違う?」
「いえ、それもそうなんですが、それに該当するのはシオさんも同じでして……」
「……という事は?ええっ!俺この世界で死んだら死ぬの!?」
しっかり物事を整理していたら驚くタイミングが遅くなった。
「ええ、この世界の死です。ゲームに二度とログインできないという事です」
「……この世界はどうなるんだ?」
「滅亡の一途をたどるでしょう」
「なんで……先に言わなかったんだよ!」
そして後々になってから沸々と胃の方から苛立ちが沸き上がってきた。
「す、すみません……」
「あ、いや、悪いのはツイじゃないよな……。そう言う世界だもんね」
「……」
ツイは顔を俯かせ黙ってしまった。
……だったらやらない方が良いのか?でも凄いこの世の役目を全うしてるモンスターだったら。平和望んでるとか言ってたし。……今となってはいらないのかな、堕ちたとか言ってたし。俺と一緒でさ。あああ!わからん!でもここで身の危険を冒してほかの人達全員を駄目にしたら……。
プレッシャーが体を押しつぶす程に重たい……。
ここは。
『いいえ』
「シオさん……」
俺は迷った末に手にいらない力を全力でいれ口を動かした。

『本当によろしいですか?』『はい いいえ』
ポップアップは注意喚起の様に再度現れる。
しつこいな、なんでこんなに俺が苦しまなきゃ……。
「は……

「助けて……!」

と言いかけた俺の胸元に抱き着き現れた一人の少女。頭の上のネームタグには『ミュンタル』の文字。
この、子が?
俺の身長が百七十五センチだから、それより三十センチ程小さい黒白のフリフリ衣装を身に纏った子。俺の腰に回す折れそうな細い腕。というか全体的に華奢で子供の様な体系だ。上から見下ろすと見える腰まで伸びた黄金色のサイドテール。髪と同色に輝いた悲泣する瞳は俺の顔を眺めて何かを要求しているのか。
そんな人の相貌と体躯をしたこの子が、ミュンタル?モンスター……だと?こんな絶世の美少女が?は?嘘だろ?この子が死ぬ……?悲しそうにして、辛そうで……。
俺は言葉を止め、考えなおした。
でも俺なんかよりも……最適な人間が……。まて……。
ふと思い出すツイの言葉に今一度頭の中で考え直す。
この世を助けられるのは俺だけ。でもその前に、目の前の事から。世界を救おうなどとなんで大それたことを。現実で誰かが転んでも見て見ぬふりして……、誰かが困っていたら誰かが助けると思って見て見ぬふりして、無責任に誰かに押し付けて……、臆病で、責任から逃げて、俺は何て軟弱な人間なんだろう。
俺がこの子を助けなかったら……、この子は死ぬ定め、そんな世界だ。結局……、現実でも誰かが何処かで見捨てた誰かを助けてる、見て見ぬふりされた誰かのために動いてる、……その人達を本当に尊敬するよ。俺も……少しくらいは。目の前に起きている事変くらいは、俺の行動一つで……。やらなきゃいけないんだ、誰かが……。俺が!
「いいえ……」
『クエストを受けますか?』『はい いいえ』
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