俺のステータス『軟弱 虚弱 脆弱 惰弱 貧弱 ※時折頑強』

ぐりーなー

文字の大きさ
5 / 36

俺はマリオネット

しおりを挟む
「ツイ!!」
「へ、へい!!」
ツイは名前を呼ばれ驚きながらもいそいそと俺の近くに来た。
「な、なんですか!?」
「ツイ……」
「は、はい?」
俺は真剣な眼差しでツイを見つめる。
「……俺を」
「ちょ、ちょっとこんな状況で……。まだ……早いですよ?」
顔に紅葉を散らし顔を背けるツイは何を想像してるんだろう。
「俺を……」
えっと……どう言えば良いんだろう。
「は……はい!」
傀儡?操り人形……?俺はツイの言う通りに動くマリオネット。マリオネットってなんだ??……ああ、そうか。そうなのか?知らねえよ。

「俺をツイの玩具にしてくれ!」

「……?」
「……?」
……あれ?なんか間違えた。確実に間違えた。何言ってんだ俺、ただの変態プレイのお誘いみたいになっちゃったじゃん。
「爆弾発言!目覚めました!?何かに目覚めました!?それに私誘われてます!?ええ?」
「うん、俺が悪いわ。失言にも程があったわ。ごめん。ツイって敵の攻撃見えてるよね?」
「びっびくりしましたぁ。サポーター辞めようか悩みましたもん」
「ごめんて。で、どうなんだよ?」
「ばちこり見えてますよ!あ!あれですね!敵の瞬きの回数が気になるんですね!」
「そんな特殊性癖ねえよ。ちょっと気になるけどね。ほんのちょっとね」
「違うなら何故そんなことを?」
「俺をナビゲートしてくれないか?敵の攻撃に対してどう避けるのか最善か」
「つまりは操り人形の様に」
「そう言う事だ」
「ほお……。まあ、それは構いませんけど、ステータス差というのは大きな問題では?全てを回避しきれるとは思いません」
「俺もそれは分かってる。傷つくのは重々承知だ。……でもそれくらいの覚悟がないとこの子は救えない。俺はもう後悔したくない、だからやるんだ。可能性があるのなら」
「おお……、カッコいいっすね!分かりました、わかりましたよ!……サポートは私の専売特許。シオさん専用サポーターの私に全て任せてください!!」
「ああ!信じてるよ」
「ハイ!」
俺達は気持ちを切り替え、殺気を帯びた兵士達へ戦いの合図を送る。

「さっさと片付けるぞ!!」

宣戦布告を請け負った兵士達は俺達を睥睨してすぐ戦闘に入る。
「屈んでください!!」
ツイの指示通り膝を折り曲げ体を縮ませると、二本の剣が頭の上を通過した。
「な!避けられた!?」
「怯むな!ただのまぐれだ!!」
大丈夫……。避けれる。怖いけど、大丈夫……、大丈夫だ。
奮える体に何度もそう言い聞かせる。
「前方に五歩ダッシュ!!」
俺の心など知る由もなく、兵士達は屈んだ俺を剣で突き刺す様に狙う。それに対して俺はサッと立ち上がり、五歩前進を試みる。
「くっ!!!」
しかし敵の剣は立ち上がった俺の右脹脛を抉り血を流す。
……少し反応が遅くなっただけでこれか。警戒しなきゃな。
強い痛みを無理矢理我慢する。
「大丈夫ですか!!」
「なんともないよ」
「右に盾!」
サッと盾を右に動かし兵士の剣から身を守る。
と、何か変だ……。体がおかしい?
何か不思議な感覚が俺を襲う、否、悪いほうではない。
「シオさん!敵に攻撃を……!?」
分かってる、今相手に一瞬隙が生まれて、俺が攻撃するチャンスがあるって事。
だから俺は動いた。
俺は盾で弾かれ無防備になった兵士の体に棒を突いた。
「体を右へ!!」
「!?」
俺はハッとしツイの指示に応える。と、背後からの敵の攻撃を回避した。
今のは何だったんだ?周りが冷静に見えて……、それで、打ち込めて。体も思い通りで、怖くなくて……。
俺でも戦えるって事か?
「後ろへと回避!!」
そんな集中してる俺をサポートしてくれるツイは本当にありがたい。
が、一つ懸念点が出てきた。
先程の行った攻撃に傷の二文字はない。
木の棒の攻撃力と俺の攻撃力を合わせた所で敵の防御力にはかなわないという事だ。
結局はじり貧だ……。

「くっそ何で当たらねえ!!」「はやく殺さなければ!!」

兵士の攻撃には焦りが如実に表れていた。
剣を無闇矢鱈に振り回すのみで意図はなく、回避するのは俺だけでも容易かった。
ぜえぜえと両者共に息を乱す。
俺も相手も人間だ。疲労が溜まれば攻撃を与えられなくても倒れるはずだ。
勝てるかもしれない、いや、勝たなきゃいけないんだ。
活路が開けると視野が広まる。

『纏焔・グレンノイズ』

そして広がった視野で捉えたのは誰かと、その誰かの胸元にあったモニターだった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...