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檻の中の少女②
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左右が入れ替わっても分からないくらいです。服装も同じで、二人とも薄汚れた白いシャツにだぼっとした黒いズボンを穿いています。
その目は三日月のような目で、こんな目をしている妖怪を漫画で見たことがあります。
更に不思議なのは、男たちは陽に焼けて真っ黒な肌なのに、女の人は二人とも真っ白なのです。
双子の女の言葉を聞いていたのでしょうか? 檻の中の男の子が、「俺は男やっ!」と身を乗り出すように金網を ガチャガチャと揺さぶりました。そして、「男が金にならんのやったら、ここから出してくれっ」と叫びました。
けれどそんな声も虚しく、
「うるさいっ、黙らんかっ!」
男の一人が檻を蹴飛ばし、「ごちゃごちゃ言うたら、今晩の晩飯は抜きにするぞ!」と脅かしました。「男には男しかできへんことがあるんや」
男の怒声に、男の子はそれっきり黙ってしまい、檻の奥へと逃げ込みました。
その様子を見ていた双子の片方の女が、
「そないに手荒いことをしたらあかんがな」と男を戒めました。
言われた男が「すんまへん」と頭を下げました。それを見ただけで、ここで一番偉く、力を持っているのは双子の女だと分かります。
双子の女二人は、この集落のボス的存在なのだと思いました。
僕は男たちが言っていた「見世物」という言葉が引っ掛かりました。
親戚の家の近くの大きな神社に行った時のことです。
そこにはいわゆる見世物小屋というのがありました。
その看板には、蛇女、ポンプ人間、ろくろ首少女とかの異様な人間を模った絵が大きく描かれていました。
僕は好奇心と怖い物見たさで「あそこに入ってみたい!」と母にねだりましたが、ものの見事に断られました。
あの時のことを思い出し、少女たちがあんな所に売られてしまうような気がして、切なくなりました。
何とかならないのでしょうか。檻から出ることはできないのでしょうか。
「アケミちゃん。心配せんでも、僕がここから助け出してあげるよ」
そんな軽い言葉が浮かびましたが、少女を見ているとそんな無責任なことを言うことはできません。その代わりに、「僕が大人になったら、きっと迎えに行くよ」と、考えたりしましたが、全て虚しい願いです。
この檻を見ていると、全ての偽善的な言葉は吹っ飛んでしまいます。
更に驚くことに、檻はその向こうにもあるようです。
前面に押し出されているのは子供用の檻で、その奥にも同じような檻が二段に積まれていたのです。
そして、そこに入っているのは、大人たちでした。
最初、同じような子供たちかと思いました。何故なら、顔がよく見えなかったせいもありますし、その肌も薄汚れていて年齢が分からなかったのです。
ですが、今は分かります。
まず大きさが全然違います。檻の大きさは子供たちのと同じですから、檻の中が体で一杯になっています。
それに、子供たちの髪はそうでもなかったのですが、大人たちは男女問わず伸ばしっぱなしになっていて、檻の下にまで垂れています。
そんな大人が男女合わせて、10人ほどいました。
彼らは子供と同じくボロ布を纏っています。
子供たちと違って、誰もしゃべらず、その目は子供たち以上に虚ろです。
まるで人間としての意思がないようです。
病気をしている様子もなく、ここを支配する人たちに逆らわないようにひっそりと生きているように見えました。
中には男と女の人が檻越しに顔をくっつけたり体を摺り寄せたりしている人もいましたが、僕にはどうしてそんなことをしているのか分かりませんでした。少なくとも子供たちはそんなことはしていないようです。
その目は三日月のような目で、こんな目をしている妖怪を漫画で見たことがあります。
更に不思議なのは、男たちは陽に焼けて真っ黒な肌なのに、女の人は二人とも真っ白なのです。
双子の女の言葉を聞いていたのでしょうか? 檻の中の男の子が、「俺は男やっ!」と身を乗り出すように金網を ガチャガチャと揺さぶりました。そして、「男が金にならんのやったら、ここから出してくれっ」と叫びました。
けれどそんな声も虚しく、
「うるさいっ、黙らんかっ!」
男の一人が檻を蹴飛ばし、「ごちゃごちゃ言うたら、今晩の晩飯は抜きにするぞ!」と脅かしました。「男には男しかできへんことがあるんや」
男の怒声に、男の子はそれっきり黙ってしまい、檻の奥へと逃げ込みました。
その様子を見ていた双子の片方の女が、
「そないに手荒いことをしたらあかんがな」と男を戒めました。
言われた男が「すんまへん」と頭を下げました。それを見ただけで、ここで一番偉く、力を持っているのは双子の女だと分かります。
双子の女二人は、この集落のボス的存在なのだと思いました。
僕は男たちが言っていた「見世物」という言葉が引っ掛かりました。
親戚の家の近くの大きな神社に行った時のことです。
そこにはいわゆる見世物小屋というのがありました。
その看板には、蛇女、ポンプ人間、ろくろ首少女とかの異様な人間を模った絵が大きく描かれていました。
僕は好奇心と怖い物見たさで「あそこに入ってみたい!」と母にねだりましたが、ものの見事に断られました。
あの時のことを思い出し、少女たちがあんな所に売られてしまうような気がして、切なくなりました。
何とかならないのでしょうか。檻から出ることはできないのでしょうか。
「アケミちゃん。心配せんでも、僕がここから助け出してあげるよ」
そんな軽い言葉が浮かびましたが、少女を見ているとそんな無責任なことを言うことはできません。その代わりに、「僕が大人になったら、きっと迎えに行くよ」と、考えたりしましたが、全て虚しい願いです。
この檻を見ていると、全ての偽善的な言葉は吹っ飛んでしまいます。
更に驚くことに、檻はその向こうにもあるようです。
前面に押し出されているのは子供用の檻で、その奥にも同じような檻が二段に積まれていたのです。
そして、そこに入っているのは、大人たちでした。
最初、同じような子供たちかと思いました。何故なら、顔がよく見えなかったせいもありますし、その肌も薄汚れていて年齢が分からなかったのです。
ですが、今は分かります。
まず大きさが全然違います。檻の大きさは子供たちのと同じですから、檻の中が体で一杯になっています。
それに、子供たちの髪はそうでもなかったのですが、大人たちは男女問わず伸ばしっぱなしになっていて、檻の下にまで垂れています。
そんな大人が男女合わせて、10人ほどいました。
彼らは子供と同じくボロ布を纏っています。
子供たちと違って、誰もしゃべらず、その目は子供たち以上に虚ろです。
まるで人間としての意思がないようです。
病気をしている様子もなく、ここを支配する人たちに逆らわないようにひっそりと生きているように見えました。
中には男と女の人が檻越しに顔をくっつけたり体を摺り寄せたりしている人もいましたが、僕にはどうしてそんなことをしているのか分かりませんでした。少なくとも子供たちはそんなことはしていないようです。
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