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文哉くんの話
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◆文哉くんの話
「その場所・・親父に聞いたことがあるで!」
次の日、放課後の教室で、僕は同じクラスの文哉くんに話したのです。
父は自分が集落に連れて行ったくせに、あまり話してくれませんし、母もまるで臭い物に蓋をするようにあの集落には触れたがりません。
大人が話したがらないのなら、僕と同じ子供に訊こうと思ったのです。
すると彼もあの集落のことを知っていたようです。
「子供を入れた檻がある集落場所やろ?」文哉くんはそう言いました。
僕が「そうや」と言うと、
「あの集落、この辺では有名らしいで」と文哉くんは言いました。
「えっ、僕は全然知らんかった」
文哉くんが知っていて、ホッとしました。自分だけが抱えているのがイヤだったのです。
どうして文哉くんに話したかというと、彼は薬局の息子で、色んな情報がお客さんや親から入ってくるそうなのです。ですからあの集落のことも文哉くんなら知っているのでは? と思い話してみたのです。
「あれって、『人さらい』なのか?」僕が訊ねると、
文哉くんは、「実は俺もよう分からんけど」と前置きした上で、
「いろんな目的があるみたいやで」と言いました。
「いろんな目的って?」
僕は文哉くんの次の言葉が待ち遠しくて仕方ありませんでした。
「中にはどっかに売られる子供もおるらしいけど」
と、恐ろしいことをさらりと言って、
「親が自分の子どもを何かの理由であの集落に預けている場合もあるらしいで」と言いました。
親が子供を預ける?
その理由も怖いものがありましたが、それよりも「親がいる」という言葉の方が気になりました。
「親がいる子もいるっていうこと?」
僕はアケミちゃんの親がこの世にいて欲しい、そう思って訊きました。
「俺の親父はそう言うとったな。金がなくて、子供を売ったりする酷い親もおるって言ってた」
文哉くんの言葉を聞いて、訊かなけりゃよかったと思いました。
もし、アケミちゃんの親がそんな親なら、絶対に許せません!
「何で親が子供にそんなことをするんやろ?」僕が素朴な質問をぶつけると、
「そやから、親にもいろんな理由があるんや」
そう返した文哉くんに僕は「その理由を知ってるだけ教えてくれへん?」と言いました。
すると文哉くんは、少しずつ話してくれました。
まず一つ目の親が子供を集落に預ける場合です。
あんな場所に子供を預ける親がいるのか、思いましたが、
それはそうしないと、自分たちの生活ができないからだそうです。
そうであれば、ちゃんとした所に預ければ済む話だと思いましたが、そうではないようです。まずお金が絡んでいるそうです。
具体的には文哉くんも分からないみたいですが、僕はアケミちゃんが言っていた「学校に行きたい」という言葉が引っ掛かっていました。
あの集落から学校に通う・・可能なようですが、とてもそんな場面を想像することはできませんでした。
続けて文哉くんはもっと怖いことを言いました。
「子供を預けている親がいる家はまだええんや。問題はその先や」
「その先の問題?」
「ああ、子どもの親がどこかに消えた場合や」
子供を預けている親がいなくなった場合・・その時、あの集落の人たちは子供をどうするのか?
その疑問に文哉くんはこう言いました。
「子供は、あの集落にずっとおり続けるか、どこかにやられてしまうか・・どっちかやな」
文哉くんはそこまで話すと、
「今、話したのは、親がおる場合やけど、親がいない子はもっと可哀そうやな」
文哉くんが言うのは、どこからか親のいない子供を連れてきては、どこかに子供を売っているということです。つまり、売れるまではあの檻の中に入れられているということです。
その「どこかからか」と「どこかに」が漠然として分かりません。要するに文哉くんはそこまでしか分からないということです。
そんな話を聞いていると、子どもに親がいてもいなくても、子供の運命は同じような気がします。
僕は文哉くんに、
「僕はあそこにいるのはサーカスの団員の子供たちで、何かの訓練をしているのかと勝手に思っていたよ」と苦笑しました。
文哉くんの話を聞くと、
すると文哉くんは、「陽一は甘いな」と言って、「サーカスの子らもおるかもしれんけど、あそこでは訓練はしてないと思うぞ」と続けました。
ということは僕の想像もまんざら外れではなかったようです。
話しながら僕はふと思いました。
「あそこの人らって、何をして暮らしているんやろ?」
つまり収入源です。
すると文哉くんは「それはな」と、さっきよりも口調を強くして、
「お仕置き・・その代金や」と言いました。
「お仕置きの代金?」
また突拍子もない言葉が出てきたものです。
「その場所・・親父に聞いたことがあるで!」
次の日、放課後の教室で、僕は同じクラスの文哉くんに話したのです。
父は自分が集落に連れて行ったくせに、あまり話してくれませんし、母もまるで臭い物に蓋をするようにあの集落には触れたがりません。
大人が話したがらないのなら、僕と同じ子供に訊こうと思ったのです。
すると彼もあの集落のことを知っていたようです。
「子供を入れた檻がある集落場所やろ?」文哉くんはそう言いました。
僕が「そうや」と言うと、
「あの集落、この辺では有名らしいで」と文哉くんは言いました。
「えっ、僕は全然知らんかった」
文哉くんが知っていて、ホッとしました。自分だけが抱えているのがイヤだったのです。
どうして文哉くんに話したかというと、彼は薬局の息子で、色んな情報がお客さんや親から入ってくるそうなのです。ですからあの集落のことも文哉くんなら知っているのでは? と思い話してみたのです。
「あれって、『人さらい』なのか?」僕が訊ねると、
文哉くんは、「実は俺もよう分からんけど」と前置きした上で、
「いろんな目的があるみたいやで」と言いました。
「いろんな目的って?」
僕は文哉くんの次の言葉が待ち遠しくて仕方ありませんでした。
「中にはどっかに売られる子供もおるらしいけど」
と、恐ろしいことをさらりと言って、
「親が自分の子どもを何かの理由であの集落に預けている場合もあるらしいで」と言いました。
親が子供を預ける?
その理由も怖いものがありましたが、それよりも「親がいる」という言葉の方が気になりました。
「親がいる子もいるっていうこと?」
僕はアケミちゃんの親がこの世にいて欲しい、そう思って訊きました。
「俺の親父はそう言うとったな。金がなくて、子供を売ったりする酷い親もおるって言ってた」
文哉くんの言葉を聞いて、訊かなけりゃよかったと思いました。
もし、アケミちゃんの親がそんな親なら、絶対に許せません!
「何で親が子供にそんなことをするんやろ?」僕が素朴な質問をぶつけると、
「そやから、親にもいろんな理由があるんや」
そう返した文哉くんに僕は「その理由を知ってるだけ教えてくれへん?」と言いました。
すると文哉くんは、少しずつ話してくれました。
まず一つ目の親が子供を集落に預ける場合です。
あんな場所に子供を預ける親がいるのか、思いましたが、
それはそうしないと、自分たちの生活ができないからだそうです。
そうであれば、ちゃんとした所に預ければ済む話だと思いましたが、そうではないようです。まずお金が絡んでいるそうです。
具体的には文哉くんも分からないみたいですが、僕はアケミちゃんが言っていた「学校に行きたい」という言葉が引っ掛かっていました。
あの集落から学校に通う・・可能なようですが、とてもそんな場面を想像することはできませんでした。
続けて文哉くんはもっと怖いことを言いました。
「子供を預けている親がいる家はまだええんや。問題はその先や」
「その先の問題?」
「ああ、子どもの親がどこかに消えた場合や」
子供を預けている親がいなくなった場合・・その時、あの集落の人たちは子供をどうするのか?
その疑問に文哉くんはこう言いました。
「子供は、あの集落にずっとおり続けるか、どこかにやられてしまうか・・どっちかやな」
文哉くんはそこまで話すと、
「今、話したのは、親がおる場合やけど、親がいない子はもっと可哀そうやな」
文哉くんが言うのは、どこからか親のいない子供を連れてきては、どこかに子供を売っているということです。つまり、売れるまではあの檻の中に入れられているということです。
その「どこかからか」と「どこかに」が漠然として分かりません。要するに文哉くんはそこまでしか分からないということです。
そんな話を聞いていると、子どもに親がいてもいなくても、子供の運命は同じような気がします。
僕は文哉くんに、
「僕はあそこにいるのはサーカスの団員の子供たちで、何かの訓練をしているのかと勝手に思っていたよ」と苦笑しました。
文哉くんの話を聞くと、
すると文哉くんは、「陽一は甘いな」と言って、「サーカスの子らもおるかもしれんけど、あそこでは訓練はしてないと思うぞ」と続けました。
ということは僕の想像もまんざら外れではなかったようです。
話しながら僕はふと思いました。
「あそこの人らって、何をして暮らしているんやろ?」
つまり収入源です。
すると文哉くんは「それはな」と、さっきよりも口調を強くして、
「お仕置き・・その代金や」と言いました。
「お仕置きの代金?」
また突拍子もない言葉が出てきたものです。
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