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三井主任②
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「分かりました。由美子に言ってみます」
私が半分承諾の返事をすると、
三井さんは、「本当?」と嬉しそうな笑顔を浮かべ、「助かるよ」と言った。
助かる?
三井さんは更に、「あいつらも喜ぶよ」と言った。
あいつら?
「お友だちですか?」
「ああ、他に二人いるんだ」三井さんはそう言った。
3対2? 別にお見合いじゃないから構わないけれど・・でも何かイヤだなあ。
「じゃあ、ここは僕が奢らせてもらうよ」三井さんは、話を終え商談が成立したかのように急に親し気な雰囲気になった。
奢るって、当たり前でしょ。彼の方からの相談だったし、年上だし。
「それで念のために訊くけど」三井さんは言い忘れていたみたいに言った。
「何ですか?」
「白井さんは、つき合っている人はいるの?」
突然、私のことに話が振られて戸惑ったけれど、すぐに「いないですけど」と答えた。
「そう」三井さんは少し笑顔を浮かべて言って、コーヒーを飲んだ。
あれ?
その後の言葉がない。ないまま三井さんは席を立とうとしている。
えっ、ちょっと待って。おかしいわよ。由美子のことは聞かないの? まだ訊かれていないわよ。
三井さんは、私が目当てではないんでしょ。由美子とお友だちになりたいんでしょ。
わざわざこっちから言うのもおかしいけど、
「由美子もいないですよ」と少し笑いながら言った。
私がそう言うと、三井さんは「えっ、何だって?」と聞こえなかったように言った。
「ですから、由美子にも彼氏がいない、と」
「ああ、そう。それは良かった」三井さんは他人事のように言った。
少し面倒くさそうに聞こえたのは気のせいだろうか。
それに、その言葉の後、イケメンのはずの三井さんの顔が歪んで見えた。
かなり不気味だ。その反対の人の顔が変な顔をするよりも、三井さんのようなスッキリとした顔が歪む方が異様だ。
それに一番気になること・・由美子につき合っている人がいるかどうかを三井さんは最後に訊いたということだ。 その前に私の事を訊ねている。
私の事はどうでもいいけれど、何か話の流れがおかしい。
三井さんが由美子とつき合いたいのなら、ストレートに誘えばいいと思うし、三井さんの友人を連れてくる必要があるのだろうか。
それって只の合コンだし、合コンになれば、三井さんの友人が由美子を気に入ってアタックするかもしれない。それは三井さんにとっては本望ではないだろう。
いずれにせよ、気が進まないことは確かだけど、由美子なら喜ぶことだけは間違いないと思う。だから、最初から由美子と二人だけで会えばいいのに・・私が由美子に言ってあげるわよ。
私がそう言おうとすると、
三井さんは、「日が決まったら、内線で連絡するよ」と締め括って私に何も言わせなかった。
私が半分承諾の返事をすると、
三井さんは、「本当?」と嬉しそうな笑顔を浮かべ、「助かるよ」と言った。
助かる?
三井さんは更に、「あいつらも喜ぶよ」と言った。
あいつら?
「お友だちですか?」
「ああ、他に二人いるんだ」三井さんはそう言った。
3対2? 別にお見合いじゃないから構わないけれど・・でも何かイヤだなあ。
「じゃあ、ここは僕が奢らせてもらうよ」三井さんは、話を終え商談が成立したかのように急に親し気な雰囲気になった。
奢るって、当たり前でしょ。彼の方からの相談だったし、年上だし。
「それで念のために訊くけど」三井さんは言い忘れていたみたいに言った。
「何ですか?」
「白井さんは、つき合っている人はいるの?」
突然、私のことに話が振られて戸惑ったけれど、すぐに「いないですけど」と答えた。
「そう」三井さんは少し笑顔を浮かべて言って、コーヒーを飲んだ。
あれ?
その後の言葉がない。ないまま三井さんは席を立とうとしている。
えっ、ちょっと待って。おかしいわよ。由美子のことは聞かないの? まだ訊かれていないわよ。
三井さんは、私が目当てではないんでしょ。由美子とお友だちになりたいんでしょ。
わざわざこっちから言うのもおかしいけど、
「由美子もいないですよ」と少し笑いながら言った。
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「ですから、由美子にも彼氏がいない、と」
「ああ、そう。それは良かった」三井さんは他人事のように言った。
少し面倒くさそうに聞こえたのは気のせいだろうか。
それに、その言葉の後、イケメンのはずの三井さんの顔が歪んで見えた。
かなり不気味だ。その反対の人の顔が変な顔をするよりも、三井さんのようなスッキリとした顔が歪む方が異様だ。
それに一番気になること・・由美子につき合っている人がいるかどうかを三井さんは最後に訊いたということだ。 その前に私の事を訊ねている。
私の事はどうでもいいけれど、何か話の流れがおかしい。
三井さんが由美子とつき合いたいのなら、ストレートに誘えばいいと思うし、三井さんの友人を連れてくる必要があるのだろうか。
それって只の合コンだし、合コンになれば、三井さんの友人が由美子を気に入ってアタックするかもしれない。それは三井さんにとっては本望ではないだろう。
いずれにせよ、気が進まないことは確かだけど、由美子なら喜ぶことだけは間違いないと思う。だから、最初から由美子と二人だけで会えばいいのに・・私が由美子に言ってあげるわよ。
私がそう言おうとすると、
三井さんは、「日が決まったら、内線で連絡するよ」と締め括って私に何も言わせなかった。
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