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第5章*成人と婚姻
43/草原を駆ける大聖女
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「いつの間に」
バージルがフォルヴァを横目で見ながらふて腐れています。
「我もたまには自然と戯れたいからな」
フォルヴァはアンナの腕の中でバージルを見下したように言いました。
「くっ。」
そんな一人と一匹の様子に気付かないアンナはバージルに甘えた声でお願いしてみます。
「ジル様、わたし馬を走らせたいです」
「えっ、でも鐙は私に合わせてあるのでアンナには届かないし、鞍も二人用だから」
「あー、そうか。でも私、鞍を外して下されば裸馬でも大丈夫なんだけど」
「だめだ、だめだ!危ないだろう。私と相乗りでいいじゃないか」
「うーん、でも。あっちの草原を一人で走り回りたいの」
アンナは裸馬でも平気で乗りこなせるので過保護過ぎるバージルに頬を膨らませ抗議します。
「そんな可愛い顔をしても駄目だからね」
バージルも負けていません。
拗ねるアンナを見たフォルヴァはアンナの腕の中からするりと降りると
「馬がダメなら我に乗れ」
と聖獣の姿に戻りアンナの襟首を咥えるとひょいっと自分の背中にのせたのです。
「な、何をしてる!」
モフモフの毛に埋もれるように乗せられたアンナの姿を見てバージルは腰を抜かすほど驚きました。
「驚くことは無い、昔はこうして走り回ったものだ」
大きな白い狼に跨るアンナは大聖女ジュリアーナそのものでした。
「フォルヴァありがとう。ビオラ、ランチ迄ひとっ走りしてくるわ」
ビオラは驚く事もなくいってらっしゃいと手を振ります。
唖然としていたバージルとダニエルですが、アンナを乗せたフォルヴァが緩く走り出すと、バージルは慌てて馬に駆け乗り後を追って走り出しました。
「心配いらないのに。何百年前はああして国中を周っていたんだから」
独り言のようなビオラの言葉が聞こえてしまったダニエルが首を傾げます。
『今。何百年前と言ったのか?』
黙々とランチの準備をするビオラの背中を見ながらダニエルはある事を思い浮かべましたが、そんな訳ないよなと打ち消し、振り返えり小さくなっていくフォルヴァの背に乗るアンナとそれを追い掛けるバージルの後ろ姿を無言で見つめていたのでした。
「気持ちいい~」
「そうじゃろう。馬よりも我の背の方が主には馴染むであろう」
「そうね、私の中のジュリアーナが喜んでいるわ」
「そうか、そうか」
フォルヴァは満足そうに背の温もりを感じながらスピードを上げ野を駆けて行きます。
「アンナ―!」
後ろからバージルの声が聞こえてきました。
「あら、ジル様が追いかけて来たわ。フォルヴァ少しスピードを落として」
「なんじゃ、放って置けばよいものを」
「そんなこと言わないの」
アンナに宥められ仕方なくスピードを落とすフォルヴァにようやく追いついて来たバージル。
バージルの馬、ブレイブは聖獣の姿を見て一瞬怯んだが、勇者の名を持つ王子の馬だけあって直ぐに立て直しフォルヴァに並んで走って来た。
「アンナは凄いな。聖獣の背になにも付けずに乗りこなすなんて信じられない」
フォルヴァとブレイブが並足で歩みを揃える。
「うふ、私は背に乗るのは初めてだけど、なんか身体が覚えているみたいで」
「どういうことだ?」
バージルはアンナの言葉の意味が分からず困惑していた。
「ジル様の馬も良い馬ですね」
「ブレイブは私の愛馬で相棒だからな」
アンナに褒められブレイブが首を横に振りアンナに顔を寄せました。
「何だ、お前・・・」
突然の愛馬の行動に驚くバージル。
「わぁ、可愛い♪いい子ねブレイブ」
アンナに撫でられデレッとするブレイブにバージルは誇り高く自分以外に甘える事をしない愛馬の姿が信じられずにいた。
「もう少し走りましょう。フォルガァお願い」
「主の仰せのままに」
フォルヴァがスピードを上げる。
「ブレイブも一緒に走りましょう!」
アンナに声を掛けられブレイブも走り出した。
「おい、私が指示を出して無いのに何故走る!?」
バージルは勝手に走り出した愛馬の手綱を握りながら
「お前、アンナの言葉が分かるのか?」
と問いかけるとブレイブはブヒッと鼻を鳴らしたのでした。
「お前は何時から豚になったのだ?」
フォルヴァに跨り颯爽と草原を駆けるアンナ。
その姿は神々しくそして逞しくも見えバージルは感動すら覚えていたのでした。
散々野を駆けまわりやっと二人が戻って来ました。
「ただいまビオラ、お腹ペコペコだわ」
「お帰り、アンナ。あら、バージルはどうしたの?」
意気揚々と帰って来たアンナの後ろからぐったりとしながら歩いて来るバージル。その姿にダニエルが「あらら?」と云う顔で見ています。
「私の意思を無視してアンナと一緒に走り回るアイツの所為だ」
恨めしそうにブレイブを見るバージル。
「えっ、ブレイブが勝手に走り回ったのか?」
「そうだ、アンナに『ブレイブ可愛い一緒に走りましょう』と言われたら鼻の下を伸ばしてフォルヴァと一緒に走り回りおった・・・」
「あはは!お前の言う事しか聞かないブレイブがか?信じられないな」
「お陰で私はこの通りだよ」
「へぇ、お嬢はやっぱり並みの聖女じゃないな」
感心したようにアンナの事を見るダニエルにどかりと敷物の上に座り込むバージル、そして何やら苦笑するアンナ。
「ほらほら、グダグダしてないで。昨日から準備したお弁当よ。食べましょう」
ビオラの一言で待ちに待ったランチの始まりです。
バージルがフォルヴァを横目で見ながらふて腐れています。
「我もたまには自然と戯れたいからな」
フォルヴァはアンナの腕の中でバージルを見下したように言いました。
「くっ。」
そんな一人と一匹の様子に気付かないアンナはバージルに甘えた声でお願いしてみます。
「ジル様、わたし馬を走らせたいです」
「えっ、でも鐙は私に合わせてあるのでアンナには届かないし、鞍も二人用だから」
「あー、そうか。でも私、鞍を外して下されば裸馬でも大丈夫なんだけど」
「だめだ、だめだ!危ないだろう。私と相乗りでいいじゃないか」
「うーん、でも。あっちの草原を一人で走り回りたいの」
アンナは裸馬でも平気で乗りこなせるので過保護過ぎるバージルに頬を膨らませ抗議します。
「そんな可愛い顔をしても駄目だからね」
バージルも負けていません。
拗ねるアンナを見たフォルヴァはアンナの腕の中からするりと降りると
「馬がダメなら我に乗れ」
と聖獣の姿に戻りアンナの襟首を咥えるとひょいっと自分の背中にのせたのです。
「な、何をしてる!」
モフモフの毛に埋もれるように乗せられたアンナの姿を見てバージルは腰を抜かすほど驚きました。
「驚くことは無い、昔はこうして走り回ったものだ」
大きな白い狼に跨るアンナは大聖女ジュリアーナそのものでした。
「フォルヴァありがとう。ビオラ、ランチ迄ひとっ走りしてくるわ」
ビオラは驚く事もなくいってらっしゃいと手を振ります。
唖然としていたバージルとダニエルですが、アンナを乗せたフォルヴァが緩く走り出すと、バージルは慌てて馬に駆け乗り後を追って走り出しました。
「心配いらないのに。何百年前はああして国中を周っていたんだから」
独り言のようなビオラの言葉が聞こえてしまったダニエルが首を傾げます。
『今。何百年前と言ったのか?』
黙々とランチの準備をするビオラの背中を見ながらダニエルはある事を思い浮かべましたが、そんな訳ないよなと打ち消し、振り返えり小さくなっていくフォルヴァの背に乗るアンナとそれを追い掛けるバージルの後ろ姿を無言で見つめていたのでした。
「気持ちいい~」
「そうじゃろう。馬よりも我の背の方が主には馴染むであろう」
「そうね、私の中のジュリアーナが喜んでいるわ」
「そうか、そうか」
フォルヴァは満足そうに背の温もりを感じながらスピードを上げ野を駆けて行きます。
「アンナ―!」
後ろからバージルの声が聞こえてきました。
「あら、ジル様が追いかけて来たわ。フォルヴァ少しスピードを落として」
「なんじゃ、放って置けばよいものを」
「そんなこと言わないの」
アンナに宥められ仕方なくスピードを落とすフォルヴァにようやく追いついて来たバージル。
バージルの馬、ブレイブは聖獣の姿を見て一瞬怯んだが、勇者の名を持つ王子の馬だけあって直ぐに立て直しフォルヴァに並んで走って来た。
「アンナは凄いな。聖獣の背になにも付けずに乗りこなすなんて信じられない」
フォルヴァとブレイブが並足で歩みを揃える。
「うふ、私は背に乗るのは初めてだけど、なんか身体が覚えているみたいで」
「どういうことだ?」
バージルはアンナの言葉の意味が分からず困惑していた。
「ジル様の馬も良い馬ですね」
「ブレイブは私の愛馬で相棒だからな」
アンナに褒められブレイブが首を横に振りアンナに顔を寄せました。
「何だ、お前・・・」
突然の愛馬の行動に驚くバージル。
「わぁ、可愛い♪いい子ねブレイブ」
アンナに撫でられデレッとするブレイブにバージルは誇り高く自分以外に甘える事をしない愛馬の姿が信じられずにいた。
「もう少し走りましょう。フォルガァお願い」
「主の仰せのままに」
フォルヴァがスピードを上げる。
「ブレイブも一緒に走りましょう!」
アンナに声を掛けられブレイブも走り出した。
「おい、私が指示を出して無いのに何故走る!?」
バージルは勝手に走り出した愛馬の手綱を握りながら
「お前、アンナの言葉が分かるのか?」
と問いかけるとブレイブはブヒッと鼻を鳴らしたのでした。
「お前は何時から豚になったのだ?」
フォルヴァに跨り颯爽と草原を駆けるアンナ。
その姿は神々しくそして逞しくも見えバージルは感動すら覚えていたのでした。
散々野を駆けまわりやっと二人が戻って来ました。
「ただいまビオラ、お腹ペコペコだわ」
「お帰り、アンナ。あら、バージルはどうしたの?」
意気揚々と帰って来たアンナの後ろからぐったりとしながら歩いて来るバージル。その姿にダニエルが「あらら?」と云う顔で見ています。
「私の意思を無視してアンナと一緒に走り回るアイツの所為だ」
恨めしそうにブレイブを見るバージル。
「えっ、ブレイブが勝手に走り回ったのか?」
「そうだ、アンナに『ブレイブ可愛い一緒に走りましょう』と言われたら鼻の下を伸ばしてフォルヴァと一緒に走り回りおった・・・」
「あはは!お前の言う事しか聞かないブレイブがか?信じられないな」
「お陰で私はこの通りだよ」
「へぇ、お嬢はやっぱり並みの聖女じゃないな」
感心したようにアンナの事を見るダニエルにどかりと敷物の上に座り込むバージル、そして何やら苦笑するアンナ。
「ほらほら、グダグダしてないで。昨日から準備したお弁当よ。食べましょう」
ビオラの一言で待ちに待ったランチの始まりです。
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