副団長は次期公爵~幼き婚約者との10年

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4章【隠せぬ欲望】

※侍女ドリー求婚される。

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 久しぶりに騎士団の詰め所に行きたいとヴィヴィが言うのでドリーを伴い三人で向かった。

「おっ、ビビアンちゃん元気だったかな」
「お久しぶりです。団長さん」
「もうすぐ成人でしょう?もうビビアンちゃんなんて呼べないね。うん、ヴィヴィアン嬢か。でもすぐに結婚しちゃうから夫人、奥さま~なんてね」
「えっ、やめてください!恥ずかしいです」
「ふふ、赤くなっちゃって相変わらず可愛いね♡」

「団長、あまりヴィヴィを揶揄わないでください」
 
 冷たい視線を向ける俺を無視するエリオス団長の目がドリーを捉える。。

「あれ、こちらの侍女さんは?」
 
「わたしが幼い頃から傍にいてくれているドリーです」

「へぇ~、こんな素敵な侍女さんが傍にいたなんて、アクセル君どういう事?」

「どういう事も何も今まで屋敷内でのヴィヴィの世話が主でしたからね」

「そうなの?ねねっ、ドリー嬢はいくつ?あっ、女性に年齢を聞いてはいけなかったかな」

「初めましてエリオス・クレイガー団長様。わたくしはただの侍女ですのでドリーとそのままお呼びください。年は二十八で御座います」
 頭を下げて答えるドリー。

「えっ、二十八?若く見える。もう結婚してる?」

「い、いえ、まだというか。私は一生ヴィヴィアンお嬢さまにお仕えするつもりでおりますので結婚などは・・・」

「何を言ってるのドリー。マギーだってトマ爺と結婚してもお仕事を続けているんですもの。ドリーも一人でいる必要はなくてよ」

 ヴィヴィの話を聞いて団長も何やら考えているようだが、ニヤリと口元を緩めた彼を見て妙な胸騒ぎがした。

「うんうん、その通りだよ。ねえドリー、僕と付き合ってみない?」

「「「「えっ!!!」」」」

『僕と付き合ってみない?』
 突然の言葉にその場にいた全員が驚き、団長の放った言葉を頭の中で繰り返し唱えて確認をしていた。しかし一番驚いているのはドリー本人に違いない。

「ええ?・・・そのような事を突然言われましても、それに身分が」

 ヴィヴィは十四年近く傍に居てくれているドリーがこれほど真っ赤になって慌てる姿を見たのは初めてだった。
 そしてヴィヴィはにんまりと笑みを浮かべて俺を見て・・・来た?

「僕の家は男爵家だけど長男が後を継いでいて自分は三男だから何れは家を出る訳よ。三十を過ぎてもまだ独り身だから結婚相手は爵位のある令嬢でなくても良いって言われてるし、ドリーのようなお嫁さんが来てくれたら嬉しいなと」

 えっ、付き合ってみない?からいきなり嫁?
 
「だ、団長、話が進み過ぎです!」

 ドリーが動揺しているのも気にせず話を進める団長に、思わず間に入ってしまった俺の上着の裾をヴィヴィが引っ張る。

「それ、良いですね~エリオス団長さんは素敵ですし、ドリーも幸せになれる。素晴らしいわ♪」

 ヴィヴィが乙女の目を輝かせているぞ。良いのかドリー?

「お嬢様、なっ、何を仰っているんですか!」

「よし、とりあえず今度デートしようよ」

 笑みを浮かべて彼女の手を掴みグイグイ迫ってくる団長の勢いにドリーは押されている。
 自分からこんなに迫る団長も珍しい。

「え、あ、はい」

 ドリーが恥ずかしそうに頬を染めてた。
 確かに騎士団の団長としては陛下も認める凄腕の男だ。
 見目もいい男だが、今まで独身を貫き浮名を流してきた男だぞ。
 そんな女たらしの団長がドリーの相手で良いのだろうか?
 しかし様子を見るとどうやらドリーもまんざらでもない様子なので成り行きを見ることにしようと思った。

 それにしてもドリーが二十八だなんて驚いた。
 我が家にヴィヴィが来た時に一緒に付いてきた訳だが。
 あの年俺より少し年下かなとは思ったのは確かだ。
 あれから約十年経つというのに、あまり変わっていないから彼女の年のことなんて忘れていたぞ。団長が驚くのも無理はないな。
 団長がもうすぐ三十二、ドリーが二十八なら年齢的には良い感じだと思うけれど。

 完全に押し切られて返事をしまったドリーだが、このあと団長の猛攻を受け急速に距離を縮めていく。
 そして、信じられないことにわずか二カ月で一緒になってしまった。
 これには二人のキューピット役を買って出ようと張り切っていたヴィヴィも自分の出る幕はなくなりしょげてはいたけれど、そんなヴィヴィもまた可愛くて堪らなかった。

 どんな相手でも良いと言っていたという団長の両親も、交際わずか二カ月と聞き、少し躊躇ったらしい。
 だが彼女が侯爵家の侍女で身元保証人も公爵家だと聞くとすぐに了承した。
 まぁ貴族なんてそんなものだ。
 もちろん我がモントレー公爵家もドリーの幸せを皆で祝った。
 ヴィヴィはドリーがアタフタしながらも団長と幸せそうな姿を見て自分のことのように喜んでいる。
 ドリーは団長と結婚してもヴィヴィの侍女を続ける。
 そのうち乳母になると言い出すのではないだろうか。

 ただ新婚の団長がニヤけ切っていて気持ちが悪い。
 さんざん俺のことをからかってきたというのに・・・。

 俺たちの結婚式もあと三カ月と迫ってきた。
 二人に負けないくらい幸せになろうな、ヴィー。




__________________________

※突然のエリオス団長の求婚であれよというまに幸せを掴んだドリー。
 今まで傍でずっとヴィヴィアンに尽くしてきたのですから幸せなってもいいですよね(^^)

 次回はやっと迎えるヴィヴィアンの成人。 




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