副団長は次期公爵~幼き婚約者との10年

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1章【我が家に天使がやって来た】

※女狐令嬢と夢と欲情

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 今、俺は王城のサロンで開かれているパーティーに母をエスコートして強制参加させれている。

 公爵家という立場上立っているだけで次から次へと向こうから挨拶にやって来るのだが、こういう時の母は息子ながら尊敬し自分の未熟さを思い知らされるのだった。
 女公爵として男どもに負けてはいないし、領地経営の話から社交界の噂話迄全てこなしてしまう。
 領地経営に関しては俺も普段いない母の代わりに公爵補佐をしているので話も通じるが、こと社交界については母の隣に立ち作り笑いをしているしかないのだ。
 時々母が扇で口元を隠し
「今から挨拶に来ようとしているのはマデリート侯爵よ。あの方とは親しくして置いた方が良いわ」と次期公爵として繋がりを持って置くべき相手の振り分けをしてくれるのだ。
 
 挨拶も一通り終わり飲み物を取りに席を外した。
 グラスに手を伸ばすと同時に後ろから声を掛けられる。

「アクセル・ウェルズ様、やっとお出でになって下さいましたのね」
 振り向くと一人の令嬢が立っていた。
「私に御用ですか?」
「ごきげんようアクセル・ウェルズ様。わたくしソフィア・トライスターと申します」
 令嬢はドレスを摘み礼取った。
「ああトライスター侯爵殿のご令嬢ですか」
「はい、父をご存じで?嬉しいです。宜しかったら少しだけで良いのでアクセル様のお時間を戴けませんか?」
「あっ、否、私は・・・」
「お願い致します、少しだけで良いのでお話させてください」
 仕方なく令嬢に促されバルコニーへと出た。
 この令嬢は以前にも何度か騎士団の訓練場に押しかけて来たので顔には見覚えがあった。やたらと側に寄って来て化粧と香水の匂いが鼻につき気分が悪くなった記憶が蘇る。

「どういったお話を?」
「わたくし是非アクセル様と仲良くして頂きたくお願いに上がりましたの」
「・・・私と仲良く?」
「はい」
「仲良くと云われましても私に婚約者がいる事はご存知でしょう?」
「ええ、それはもちろん承知しております」
「でしたら仲良くという言葉は受け入れらませんね」
「ご婚約者様はまだ幼いと聞いております。こういった社交の場にはまだお出になれないのでございましょう?」
「ええ、まだデビュタントしていませんからね」
「ですからご婚約者様の代わりに社交場でのパートナーをさせて頂けたらと思いまして」
「はい?」
「アクセル様は次期公爵様としてこれから表に出る事も多くなると思います。やはりそういった場ではお一人でおられるよりパートナーが横にいた方が宜しいのではないかと思いますの」
「・・・」
「わたくしでしたら次期モントレー公爵様であるアクセル様とも釣り合うと思いますのよ。父も侯爵家として多くの人脈を持っておりますしあらゆる方面に融通が利きます、ですからこれからのアクセル様のお役に立てるかと。それに・・・アクセル様も男盛りですし幼いご婚約者様では出来ない
 令嬢はじっとりとした目でアクセルを見て扇で隠していた口元を緩めた。

 話を聞いていてだんだん気分が悪くなり怒りのような物が込み上げ自然と口調も変わってしまう。

「ほう、君はただその場だけの相手ではなく次期公爵の婚約者の代わりとなる立場で私の隣に立ち、役割も果たすことが出来る上に私的な部分でも私を満足させらると。君の言うパートナーと云うのは第二夫人もしくは傍妻そばめでも良いという意味か?」

「そのように受け取って頂いても構いません。望むところはもちろん第一ですがご婚約者様を大事にされておられるアクセル様でございましょうからそこは妥協致します」
「はぁ?妥協だと?君は自分の言っていることが判っているのか?」
 ゾワゾワと悪寒が走る。

「もちろんですわ。何でしたらご婚約者様が成人なさるまでの間だけでも」

「なるほど・・・くだらない申し出だな。侯爵令嬢ならいくらでも良い相手が見つかるだろうに」
「そんなことありませんわ。もう何年も前からわたくしはアクセル様一筋ですし他にはこんな好条件の殿方はおりせんもの」
「好条件か。はっ、馬鹿々々しい。生憎私はそう言う相手は望んではいない。婚約者を蔑ろにしての社交場でのパートナーもいらないしだけの相手も必要ない。諦めて他の殿方を見つけた方が良いのでは?その方が君のいうの時間を無駄にしないで済むと思うが?」
 侯爵令嬢はこれだけ言っても怯む事もなく甘えた声を出し俺の腕に絡みついて来た。
「そんな事仰らずに。暫くお付き合いしてみたら気がお変わりになるかも知れませんよ?」
 猫撫で声を出して縋るような目をしてくるのを見て侯爵令嬢としてのプライドは無いのかと呆れてしまう。

「もう結構だ。無駄な時間を取らされた。それから言わせて貰うが私は貴女にファーストネームを呼ばせる許可は出していない。これ以降声は掛けないでくれたまえ。失礼する」

 絡みつく腕を振り解き母の方へと足を向ける。

「アクセルさまぁぁぁ・・・」

 背中に名を呼ばれ鳥肌が立った。

 帰りの馬車で不機嫌な俺を見て母がため息をつく。

「上手く流せなかったようね」
「お察しの通りです。今後トライスター侯爵とのお付き合いは控えた方がいいですよ」
「しょうがないわね。でもそこまで侯爵令嬢が言うとは予想外だったわ。それだけあなたにがあるという事よ。ヴィヴィちゃんがデビュタントするまで、いいえ成人するまでそう言う類がまた出て来そうね」
「冗談じゃない」

◇◇◇

 その夜夢を見た。

 成人したヴィヴィが目の前にいる。
 頬を撫でるとうなじ迄ほんのり赤く染まった。
 ゆっくりと顔を近づけ口付けをしそのまま首筋に唇を這わせ・・・

――――はっ!夢か。こんな夢を見るなんてどうかしてる。きっとあの女狐の所為だ。何がの相手で俺を満足さられる?あんなに香水のにおいをぷんぷんさせて冗談じゃない。――――

 天井を見ながらヴィヴィ早く大きくなってくれと思う。
 十年後君は美しい女性に成長している筈だ。
 瞼を閉じるとさっきの夢を思い出して続きを想像してしまい俺は焦った。

――――ヤ、ヤバイ!――――

 主張してきた己に戸惑う。

――――幼い少女に対してどうした俺?いやいや夢の中のヴィヴィは成人していたからセーフか?――――
(否アウトでしょう)

 静まらない熱を冷ます為に冷たいシャワーを浴びに行く。
 ここのところそう言った行為をしていなかったから欲求不満なのか知れない。

――――娼館にでも行ってくるか――――




____________________________________

※お読み下さりありがとうございます。
 丁度キリが良いので夜に短いものを1話アップし、第1章を終わろうと思います。
 明日から第2章に入らせて頂きます_(._.)_

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