女帝の遺志(第一部)-篠崎沙也加と女子プロレスラーたちの物語

kazu106

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第一章・新たなる道/直美との邂逅

力を発揮できる場所

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 広場に出て来た。鬼女の戦闘場である。
 沙也加と直美、目と目で合図をし、二人の戦いが始まった。

 先手必勝とばかりに、直美が先に動き、拳を飛ばしてきた。
 目に見えないほどのスピード、そして破壊力を持ったパンチ。身体を柔軟に使い、自重をうまく使っている。
 沙也加は軽く交わしたが、それでもつづく直美の拳。

 格闘家特有の重心の沈め方、腰の安定。
 それを素人の喧嘩で自然に使える者など、滅多にいない。

 すべてを交わしながら、沙也加は感じた。

 (粗削りだけど、本物の“間合い”を持っている。
  この子……闘える)

 沙也加の胸が鳴った。

 「くっ!」

 直美は思うように当たらないパンチに動揺をはじめた。
 次の瞬間、沙也加の掌底が直美の胸をとらえ、衝撃が響いた。

 「うっ……!」

 さらに、沙也加のボディーブローが飛んできた。

 「……!!!」

 これで勝負は終わった。

 膝をついた直美が、顔をゆがめながら上げる。
 その目に宿るのは屈辱と、そして初めての“敗北”の色。
 始めてみる直美の敗北に、周囲もようやく、沙也加がただものではないことを理解した。

 「……なんで、あんた、こんな強いんだ」
 「本気で闘ってきたから」
 「あんたはいったい、何ものなんだよ」

 沙也加は、穏やかに答えた。

 「あなたの力は、喧嘩なんかで終わるものじゃない。
 あなたが思う存分に力を発揮できる場所を、準備してあげるわ。
 わたしを信じてくれるなら、ここに来てほしいの」

 直美にメモを渡し、沙也加はアジトを去った。
 呆気にとられる直美と鬼女のメンバーたち。

 ようやくダメージが回復した直美は、メモに目をやった。
 そこにはブレバリーズ女子部の練習場の住所が書かれてあった。


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