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7話 限界
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いつもなら、兵士達の勇ましい号令や足音が聴こえてくるが、雪が振り積もっているお陰で静かな時間が流れていた。
フィオレンティーナは、座り込んだまま自身が編んだ膝掛けを見つめていた。
ジリリリリ~…ジリリリリ~…
遠くの方から電話の鳴る音が聞こえた。
何も考えて居なかったが、自然と歩き出し受話器を取った。
ガチャ
「もしもし…ティーナ?。」
「…ファミール?」
「…どうしたの?声に元気がないけど…体調が悪いの?」
駄目だ!泣いていた事がバレる。
「違いますよ。ちょっと、うたた寝をしてて…それより、どうしたんですか?」
目元を吹いて、精一杯の元気な声で答えた。
「…それなら、良いけど……。今日、雪で私もラザニエルも帰れそうにないんだ。道の整備もあるか、明日の昼前ぐらいになりそうなんだ。ごめんね」
「謝らないで下さい!大丈夫です。もぅ小さい子じゃないんですから!」
「兄貴、貸して…。おい、ティーナ。俺達が居なくっても、ちゃんと食べて暖かくして寝ろよ」
「もぅ~二人とも!!大丈夫ですよ!明日、気をつけて下さいね。…はいっ!大丈夫です。おやすみなさい。」
ガチャン
受話器を置き、どれだけ時間が過ぎただろうか立ち尽くしていた。
早く荷造りを済ませ明日の朝、居ない間に出て行こう。顔を見たら、泣いてしまい困らせるだけだ。それは、絶対に駄目。
フィオレンティーナの荷物は、この国に来てから二人に与えられた物ばかりで、自身で持ってきた荷物は少なかった。だから楽に終わった。
「折角 編んだから、これは渡そう…」
膝掛けと二人宛てに手紙を添えた。
急に居なる謝罪。今まで気づかず甘えていた謝罪。今まで、親切にしてくれた感謝。そして、これからは好きな方と幸せに暮らして欲しい事を綴り膝掛けの上に置いた。
受話器を取り、警備室に電話をかけた。
「フィオレンティーナです。寒い中、御苦労様です。明日、朝食後用事で遠出するので馬車と日持ちがする何日か分の食料をお願いします。えぇ……それでお願いします。それと、申し訳ないのですけど、夕食はいらないと伝えて下さい。」
これで、明日は大丈夫だ。
もぅ~何も考えたくない。…ベットに入って寝よう………。
フィオレンティーナは、寝間着に着替え毛布を頭までかぶり、また泣いてしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガチャ。……バタン
「…ラザニエル、静かにしないと起きちゃうよ」
「すまない。兄貴」
「…やっぱり、泣いてたね…」
ファミールとラザニエルは電話でのフィオレンティーナの声が変だと感じ、寒い中馬車ではなく馬で帰ってきた。
二人は、真っ先にフィオレンティーナの寝室に向かった。
「…兄貴…あれ…」
「?……?!これは…」
ラザニエルが指を指したのは、先程フィオレンティーナが纏めた荷物だった。
「いったい…」
「兄貴…」
ラザニエルは、机に置かれてた膝掛けと手紙を見つけ、ファミールに見せた。
「?!………ラザニエル、一旦、出よう……」
ファミールは、今すぐフィオレンティーナを起こして問いただそう、としているラザニエルを抑えて、二人は、険しい顔をしながらファミールの執務室に向かった。
ガチャ。パタン。スタスタスタ…………
ガチャ。バタン。
「あれは、いったい、何なんだ!荷物もその手紙も!ティーナは、出ていくつもりなのか?!」
「…そうみたいだね」
ラザニエルは、机をガンっと拳を打ち付けて怒鳴った。
「今まで、我慢してたのに!!急に何故なんだ!!」
「ラザニエル、少し落ち着け」
落ち着いてられるかと言わんばかりに乱暴に椅子に座った。
静かな部屋に時計の音だけが聞こえる。
「…少し早いけど…ティーナがその気なら、私達も遠慮せず、捕らえよう。」
「今さら逃がしてたまるかっ!!散々、我慢させられたんだ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日の光がカーテンから射し込み、眩しくって起きた。
外を見ると昨日よりは小降りの雪になっていて、出て行けそうだ。
身支度を済ませ、荷物を持って下に降りた。
そこには、ファミールとラザニエルが居た。
びっくりしたフィオレンティーナは、荷物を下まで落としてしまった。
「おはよう、ティーナ。そんな荷物を持って朝早くから、何処へ行くんだい?」
「ほら、ティーナ…朝食だ。座れ。昨日言ったのに夜も食べなかったらしいな…」
「…どうして二人が?」
ラルに荷物を取られ、ダイニングにエスコートされ座らされた。
「あの…」
「話しは後だよティーナ。先ずは食べよう」
「食え」
変わらず、フィオレンティーナを挟んで食事をする二人は、黙々と食べていて食器の音だけが響いていた。
フィオレンティーナは、本当は食欲がなく食べたくなかったが沈黙が怖くて仕方なく食べた。
やっと、食べ終わった頃、ファミールが
口を開いた。
「昨日は、良く眠れた?」
「俺達は昨日、馬で帰って来て、まだ寝てねーんだよ」
「えっ!馬で?!」
フィオレンティーナは、びっくりして立ち上がってしまった。それを見たファミールは、優しく席へ促した。
「そうなんだよ。そしたらね?ティーナの部屋であの荷物と、この手紙を見つけてしまってね…どういう事かな?」
「俺達の事が、嫌いなのか?」
「違います!!…違うんです……ただ……」
次の言葉が出てこない…。
「…嫌いじゃなかったら、何だい?」
「………」
「…もう、理由なんて要らないけどな」
ーーーーーnextーーーーー
フィオレンティーナは、座り込んだまま自身が編んだ膝掛けを見つめていた。
ジリリリリ~…ジリリリリ~…
遠くの方から電話の鳴る音が聞こえた。
何も考えて居なかったが、自然と歩き出し受話器を取った。
ガチャ
「もしもし…ティーナ?。」
「…ファミール?」
「…どうしたの?声に元気がないけど…体調が悪いの?」
駄目だ!泣いていた事がバレる。
「違いますよ。ちょっと、うたた寝をしてて…それより、どうしたんですか?」
目元を吹いて、精一杯の元気な声で答えた。
「…それなら、良いけど……。今日、雪で私もラザニエルも帰れそうにないんだ。道の整備もあるか、明日の昼前ぐらいになりそうなんだ。ごめんね」
「謝らないで下さい!大丈夫です。もぅ小さい子じゃないんですから!」
「兄貴、貸して…。おい、ティーナ。俺達が居なくっても、ちゃんと食べて暖かくして寝ろよ」
「もぅ~二人とも!!大丈夫ですよ!明日、気をつけて下さいね。…はいっ!大丈夫です。おやすみなさい。」
ガチャン
受話器を置き、どれだけ時間が過ぎただろうか立ち尽くしていた。
早く荷造りを済ませ明日の朝、居ない間に出て行こう。顔を見たら、泣いてしまい困らせるだけだ。それは、絶対に駄目。
フィオレンティーナの荷物は、この国に来てから二人に与えられた物ばかりで、自身で持ってきた荷物は少なかった。だから楽に終わった。
「折角 編んだから、これは渡そう…」
膝掛けと二人宛てに手紙を添えた。
急に居なる謝罪。今まで気づかず甘えていた謝罪。今まで、親切にしてくれた感謝。そして、これからは好きな方と幸せに暮らして欲しい事を綴り膝掛けの上に置いた。
受話器を取り、警備室に電話をかけた。
「フィオレンティーナです。寒い中、御苦労様です。明日、朝食後用事で遠出するので馬車と日持ちがする何日か分の食料をお願いします。えぇ……それでお願いします。それと、申し訳ないのですけど、夕食はいらないと伝えて下さい。」
これで、明日は大丈夫だ。
もぅ~何も考えたくない。…ベットに入って寝よう………。
フィオレンティーナは、寝間着に着替え毛布を頭までかぶり、また泣いてしまった。
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ガチャ。……バタン
「…ラザニエル、静かにしないと起きちゃうよ」
「すまない。兄貴」
「…やっぱり、泣いてたね…」
ファミールとラザニエルは電話でのフィオレンティーナの声が変だと感じ、寒い中馬車ではなく馬で帰ってきた。
二人は、真っ先にフィオレンティーナの寝室に向かった。
「…兄貴…あれ…」
「?……?!これは…」
ラザニエルが指を指したのは、先程フィオレンティーナが纏めた荷物だった。
「いったい…」
「兄貴…」
ラザニエルは、机に置かれてた膝掛けと手紙を見つけ、ファミールに見せた。
「?!………ラザニエル、一旦、出よう……」
ファミールは、今すぐフィオレンティーナを起こして問いただそう、としているラザニエルを抑えて、二人は、険しい顔をしながらファミールの執務室に向かった。
ガチャ。パタン。スタスタスタ…………
ガチャ。バタン。
「あれは、いったい、何なんだ!荷物もその手紙も!ティーナは、出ていくつもりなのか?!」
「…そうみたいだね」
ラザニエルは、机をガンっと拳を打ち付けて怒鳴った。
「今まで、我慢してたのに!!急に何故なんだ!!」
「ラザニエル、少し落ち着け」
落ち着いてられるかと言わんばかりに乱暴に椅子に座った。
静かな部屋に時計の音だけが聞こえる。
「…少し早いけど…ティーナがその気なら、私達も遠慮せず、捕らえよう。」
「今さら逃がしてたまるかっ!!散々、我慢させられたんだ!」
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日の光がカーテンから射し込み、眩しくって起きた。
外を見ると昨日よりは小降りの雪になっていて、出て行けそうだ。
身支度を済ませ、荷物を持って下に降りた。
そこには、ファミールとラザニエルが居た。
びっくりしたフィオレンティーナは、荷物を下まで落としてしまった。
「おはよう、ティーナ。そんな荷物を持って朝早くから、何処へ行くんだい?」
「ほら、ティーナ…朝食だ。座れ。昨日言ったのに夜も食べなかったらしいな…」
「…どうして二人が?」
ラルに荷物を取られ、ダイニングにエスコートされ座らされた。
「あの…」
「話しは後だよティーナ。先ずは食べよう」
「食え」
変わらず、フィオレンティーナを挟んで食事をする二人は、黙々と食べていて食器の音だけが響いていた。
フィオレンティーナは、本当は食欲がなく食べたくなかったが沈黙が怖くて仕方なく食べた。
やっと、食べ終わった頃、ファミールが
口を開いた。
「昨日は、良く眠れた?」
「俺達は昨日、馬で帰って来て、まだ寝てねーんだよ」
「えっ!馬で?!」
フィオレンティーナは、びっくりして立ち上がってしまった。それを見たファミールは、優しく席へ促した。
「そうなんだよ。そしたらね?ティーナの部屋であの荷物と、この手紙を見つけてしまってね…どういう事かな?」
「俺達の事が、嫌いなのか?」
「違います!!…違うんです……ただ……」
次の言葉が出てこない…。
「…嫌いじゃなかったら、何だい?」
「………」
「…もう、理由なんて要らないけどな」
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