エレメント

コロ助

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クロノス編

邂逅と力

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目が覚めた俺は驚愕していた。
まさに驚愕だ。
目の前には大きなアーチがあり、その奥には商店街みたいな場所が広がっている。
「嘘、みてえだ」
俺は立ち上がり、アーチを潜った。
そして街並み、というよりも軒並み店ばかりである。
「何だこの世界?」
「おや?見ない顔だね」
一人の男性が俺に声をかけてきた。
シルクハットに杖、如何にも怪しそうな風貌だ。
「ふむ?なるほど!君はこの世界に訪れた『迷い人』か!」
「迷い人?」
「そうだ。あの黒い服の女性、エリミラルダと出会っんじゃないのかな?」
「・・・えーっと、あ!!!」
あの白い空間での出来事は覚えてる。
少し会話をして、胸に何か押し込まれてから気付いたらここにいたんだ。
「ここは鏡世界と言ってね。現実世界の生き写しを強化したものさ。現実世界とはまた違う世界と認識してくれたまえ」
「・・・それで、あんたは?」
「私はこのホールバザールの支配人!シルクハッター、とでも呼んでくれ!」
随分とハイテンションな人だな。
最初の村人みたいな役割なのかな。
「それよりもまずはこの世界の事について少し話しておこう。ここは前世を思うように過ごせずに自殺や自ら師を選んだ人間にとっての最後の地獄さ。この世界を私達は『クロノス』と呼んでいる。生活をしているのは君のような人々とこの世界で生まれた人々だ」
「それじゃ一つの世界、なんだな」
「そういう事さ。・・・まぁ、君と同じような迷い人はここに来てから数日、長くて数十年後には消えてなくなってしまうんだけどね」
「消える?」
「そうだ。ここは人間にとって苦が多過ぎる。金を稼ぐ方法にしても、生活をするにしても、だ。適応しなければ生き残れないからな」
なるほどな、だからか。
大体の人間はここで生活ができず何かしらで消えてしまう。
トリガーを調べないと俺も消えちまうな。
「それでエリミラルダから君は何と言われたんんだい?」
「えーっと、世界を変える、とか言われた気がする」
「ふむ、なるほどなるほど。なら、お誂えの場所がある。あそこの店、分かるかな?」
ピッ、と杖で差した店を俺は見る。
・・・なんか、淀んでる割には人がいるな。
「私の名前を出して話を聞いてみるといい。君と同じく迷い人だが、かなり長い時間過ごしている。あ、老けてはいないから心配はしないでくれたまえよ。ではまた会おう!」
そういったシルクハッターはどこかへ行ってしまった。
俺は仕方なく、指定された店に訪れてみる。
店内は何だか様々な商品を置いている。
武器から石や怪しい商品まで。
「これ、売れんのかよ・・・」
「いらっしゃいませー!」
奥から元気の良い声が聞こえる。
カウンターからだ。
そこには一人の女の子、いや同い年くらいの子が立っていた。
「あれ?新しい顔ね?」
「シルクハッターからここに行くよう言われたんだ。俺も迷い人?らしい」
その言葉を出すと、彼女の表情が変わった。
どうやら俺の存在に何かあるらしい。
「奥で話しましょう」
彼女に連れられ、俺は奥の部屋に入った。
奥の部屋は様々な書類や資料、道具が置かれている。
「さて、と。何を聞いたの?」
「鏡世界とこの世界の名前くらいかな」
「あー、何も話してくれてないんだ。最初から、か」
そう言った彼女は大きな地図を広げる。
地図は6つの大陸のように記されていた。
一番下の大陸みたいのには『ホールバザール』、と書かれている。
これはこの世界の地図、なのか。
「この世界は6つの世界に分かれているわ。まずはこのホールバザール。ここは色んな世界の人達が買い物をしにきたり、依頼を受けに来たりしに来たりしてる世界の入り口みたいなものよ」
「依頼?」
「そう。私はこうして店を構えてるけど最初はこのホールバザールで依頼を受けて金を稼ぐの。貴方、見た所未来よね?楽して金を稼ごうってやろうとしても厳しいわね」
そう言い、次の世界を指す。
ホールバザールの右隣の世界だ。
「ここはテクノワールド。科学が進歩している世界よ。様々な開発品があったり、色々な近未来経験ができるらしいわ。でも中にはギャングとかもいて危険らしいわね」
「科学、か。面白そうだな」
「ここはね。次はマジックワールド」
その真上の世界。
この世界だけ赤い線で囲われている。
「この世界は科学と反して魔術が盛んなの。私も魔術が使えるけど、ここの人達はもっと高度な魔術を使うらしいわ。だけどここは女王の許可が無かったら進入禁止で、今は後で話すミッドキングダムと戦争のまっ最中なのよ。今侵入すれば殺さられるか実験させられるかのどっちかね」
テクノワールドといい、物騒な世界だな。
「次はその上にあるサウスワールド。この世界の未開拓地を探している人だったり鉱山を掘ってる人達が集まっているわ。特に話すことはないんだけど、あまり安全ではないわ。それに比べて依頼は圧倒的な数と報酬が出る」
サウスワールド、か。
開拓時代ってのは何だか夢があるな。
「次がアドベンチャーワールド。ここは太古の恐竜と海賊とかが住んでる世界ね。他の世界よりも激ヤバね。常に敵しか周りにいないのがこの世界よ。でも海賊とか仲良くなれば楽しいかもしれないわね」
うん、その楽しさってのが全くわからない。
どの世界も最悪にヤバイってのがわかった。
確かにあのエリミラルダとかいう女の言う通り、現実世界よりも厳しい環境かもしれないな。
「それとこの世界には特有の能力っていうのがあるわ。幾ら何でも手ぶらでいる、っていうのは危険過ぎるからね。それがこのエレメントトリガーっていうアイテムよ」
エリーが出したのは銃の取手のような形をしたアイテムだ。
・・・なんか、どっかで見たことあるよな。
なんだっけ?
「これにはエレメントっていうエネルギーが詰められてるわ。だけど欠点はエレメントは自分に対応したものしか使えない。運が悪いとレア物とかに当たっちゃうかもしれないわね」
「そうするとエレメントを手に入れるまで何もできないって訳か」
「そういう事。それじゃエレメントを調べるからそこに座って」
大層な魔法陣が敷かれている椅子に座らされ、エリーが呪文を唱える。
魔法陣が起動し始めた。
「・・・なるほど。そう来たのね」
「どうだった?」
工程が終了したようで、エリーに聞いてみる。
そうすると少しだが微妙な笑顔をしている。
「そうね・・・適応したエレメントは3つなんだけど一つは見えなかった。残りの2つは『ブレイズ』と『シャイン』。高レアではあるんだけどブレイズはここにある」
置かれていたトリガーの一つ、ブレイズ。
炎、というよりも業火ってのが合ってるな。
「それは貴方の思った以上に熱いエネルギッシュさが起因になってるみたいね。だけどそれ以上に熱くなってキレやすいのが玉に瑕って感じかな」
「まぁ、それはあるわな」
「というよりも何で自殺なんかしたの?何だか、自分で運命を切り開くっていう性格してそうなのに」
「それでもどうにもならない現実ってのがあるんだよ」
そう、と彼女は呟いた。
何処か哀しそうな表情をしていたのが見えたが、今の俺にはそれ以上詮索できなかった。
「そうそう、自己紹介ね。私は魔術師のエリー。あなたは?」
「俺は天野友輝だ。好きに呼んでくれ。エリーはここでどうしてるんだ?」
「そうね。かれこれ何年もココにいるけど、やっぱり転生が目的ね。それか・・・」
「それか?」
「時間を戻してやり直したい。私が自殺した理由は大好きだった友達を殺された事だから」
・・・俺より重い、と感じてしまった。
もし、この世界が普通の死者も来れるんだったらエリーは友達と出会えたかもしれない。
神様ってのは残酷だ。
こうして死んだとしても親友とすら会わせてくれないんだから。
「友輝はどうしたいの?」
「・・・同じだよ。やり直してやりたいんだ。神様ってのが決めた計画なんかぶっ壊してな」
「いい考えじゃない。それじゃこれからは一緒に協力しましょう。一人だったら何もできてなかったけど、二人なら絶対に前に進める」
「よろしくな、エリー」
「こちらこそ」
こうして俺はこの世界で初めての仲間と出会う事ができた。
その時だった、外が騒がしくなっている。
「どうしたんだ?」
「何か催しかな?でも、ハッターからは何も聞いてないんだけど・・・」
俺とエリーは外に出ると、逃げ惑う人々と鎧で武装した集団が見えた。
あの集団、人を襲ってる。
「何やってんだよ!!」
俺は鎧の集団の前に立つ。
エリーは逃げ遅れた人々を助け、逃した。
「貴様、ミッドキングダム騎士団に逆らうつもりか!?」
「はぁ?何だそれ」
「友輝、さっき説明した中央の城の騎士達よ!逆らったら・・・」
「だから言ったじゃねえか、何だそれって!偉いかなんだか知らねえけど、人を襲うのは筋が違うだろ!!」
「・・・でも、危険よ!」
「分かってる。でもな、こいつ等が世界を掻き回してんなら俺はぶっ倒してこの世界を変えてやるよ。それが俺がこの世界に来た意味だって思ってっからな」
騎士達が俺を囲み、逃げられないように立ち回っていた。
奴さんもやる気だ。
「ならば粛清対象だ!」
「上等だ!掛かってこいよ!!」
騎士の剣が俺に迫る。
逃げられないかもしれないが、何とかするしかない。
だが、その時俺の身体に異変が起きていた。
それは身体能力が向上している事だ。
元々反応速度は遅いほうじゃなかった。
身体が付いてこない事が多かった。
だが、今の俺は相手の剣に対応できている。
俺はさっきのトリガーを取り出した。
「トリガーのスイッチを押して!」
「これか?」
『BLAZE!』
引鉄を引くと、炎が俺を守るように動き出した。
俺の周りの敵を弾き飛ばす。
「すげぇ!」
「いいから次!!」
騎士達は明らかに強い、そして適応したエレメントを持つという危険性を理解した。
「ならば奥の手だ」
騎士の一人がトリガーを取り出した。
同じように引鉄を引く。
『FREEZE!』
機械音が鳴り、騎士はトリガーを身体に挿した。
呻き声を上げながら彼は身体を変化させていった。
そして怪人として、姿を変えてしまう。
「何だよ、あれ・・・」
「あれはトリガーの危険性。トリガーを体に挿すとああなってしまうの。シンクロ率が高いと変化しても自我は消滅しないけど・・・」
目の前のあれは自我を失っている。
「やばいな」
俺は頭を下げ、攻撃を避ける。
それでも限界がある。
しかも使ってきたのはあのトリガーの能力。
「厄介だな!」
「少年!!」
そこに現れたのはシルクハッター。
手にはある装置を持っていた。
「ハッター!?どうしたの?」
「あの集団に立ち向かった迷い人は初めてだったからな。ついこれを持ってきてしまったよ」
「それ、テクノワールドの天才が作った・・・」
「そう!話をしている前にこれを腰に付け給え!」
ハッターが俺の腰に持っていた装置を付ける。
ベルトが俺の腰に巻かれた。
「えっ?!」
「トリガーをその差し口に装填するんだ!」
「こうか?」
トリガーを装置に装填すると、さっきと同じ機械音が聞こえた。
「変身!、というのだ!」
「それは不味いだろ!」
「いいんだ、やれ!」
「たっく・・・、変身!」
トリガーを倒す。
『BLAZE!ENERGYOUT!』
トリガーに秘められていたエネルギーが開放され、形状化する。
形状化したエネルギーはオレの鎧のように纏った。
赤い鎧は俺を守るものとして装着される。
「お、おぉ!!」
「それはエレメントドライバー。エレメントトリガーの最大開放を可能にした装置だ!それを使えばあのトリガーグールを倒せる!」
「サンキュ、ハッター!!」
俺はフリーズグール、という名称の敵を殴った。
さっきよりも強い力が溢れている。
そして拳にはトリガーの力である炎が灯っていた。
フリーズの能力である凍結。
だが、業火を使える俺にとっちゃクーラー同然だ。
そのまま反撃し、グールはダメージを負い過ぎ、倒れる。
「最後だ!横の『ブラストスロット』にトリガーを挿せ!」
俺はドライバー部分のトリガーを抜き、スロットに装填する。
そしてトリガーを引くと、足にエネルギーが充填される。
『BLAZE!FULLCHAGEBLAST!!』
「止めだ!」
ブレイズの爆発で大きく跳び、そのまま前足を突き出した飛び蹴り。
フリーズグールに直撃し、耐えきれなくなったグールは爆発した。
騎士は倒れ、トリガーが落下する。
「よっしゃ!」
「トリガーを拾って、友輝!」
「あぁ、これか?」
その時だった。
斬撃を俺に振り翳している男が見える。
俺は咄嗟に防御態勢を取るが、斬撃のエネルギーは凄まじいものだ。
俺の体は跳ねてしまった。
「次から次へと何だよ!」
「ほぅ、まさかドライバーの適合者が現れるとはな」
フリーズトリガーを拾い上げた男。
騎士達と同じ格好をしているが、装飾が違う。
「お前はガルドル・・・!何故ここにいる!」
「国王様からの伝令だ。我々六騎聖がそれぞれの世界を管理する事となった。勿論だが、エレメントは使用禁止だ。全て我々の管理下に置く」
「まさか、国王が・・・」
「随分と楽な場所に配置されたと思ったが、これは楽しませてくれそうだな。しかも新顔、か。エリミラルダとかいう魔女は未だに足掻き続けているのだな」
「るっせえな、このタコ。テメェがこの世界を汚すってんなら相手してやるよ」
「ふっ、減らず口を。まぁいい、今日はこの辺にしてやろう。だが、次会った時は覚悟しろ」
騎士達も引き上げ、俺は変身解除する。
「ガルドル、か」
「厄介な話になってきたな。これは対抗策を考えなくては」
「なぁ、あの六騎聖ってのは何者なんだ?」
「国王の直属の配下で騎士団を纏める幹部よ。全員強いって聞いてるわ」
「なら、話が早くて助かるな。そいつ等全員倒しゃいいんだろ?」
「簡単に言うな!そうしたかったら私達が・・・」
「いや、可能かもしれない。一か八かの運試しだったが、彼はドライバーの変身を熟している。彼はもしかするともしかするかもしれない」
なら、やる事は一つだ。
「あの騎士をぶっ倒して国王を改心させる!それで世界は変わるな!」
「そういう事だ。我々も君に力を貸そう。宜しく頼むよ、友輝」
ハッターはそう言って何処かへ行ってしまった。
あれ?俺、ハッターに名前を教えたっけ?
「それよりこれからどうするの?住む場所が無いじゃない」
「えっ、お前の所住まわしてくれないのかよ!?」
「えっ、ちょっ、まぁいいんだけど・・・少し、あれっていうか」
「何だよ?」
「恥ずかしいのよ!男と暮らした事無いんだから!!」
「あ、そ」
そう言い、俺は後ろで騒いでいるエリーを横目に店まで戻ることにした。

ガルドルはミッドキングダムの謁見の間に到着した。
最初のコンタクトを済ませた他の六騎聖も揃っている。
「ダーニアン様、戻りました」
「ご苦労だったな」
「一つ報告があります。迷い人の中にドライバーの適合者が現れました」
「ほぅ、詳しく聞かせろ」
ガルドルはホールバザールでの出来事を彼に報告した。
他の六騎聖もおろか、ダーニアンと呼ばれた国王も動揺する様子を見せていない。
「そうか、適合者か。現れる頃だとは思っていたがな」
「エリミラルダの選定でしょうか?」
「いや、あの魔女にそこまでの気概があるとは思えんよ。大方、気分だろうな。ほっておこうにも我が騎士団を退けたのは目に余る。処理はガルドルに任せるとしよう」
「はっ」
ダーニアンは不敵に嗤う。
全ての世界を掴めば、自身の計画を成就させる事ができる。
「もうすぐだ。もうすぐで世界は我が手に!!」
こうして友輝とエリー、そしてダーニアンが有する騎士達の戦いが始まろうとしていた。
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