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1年
誕生日のプレゼントは……5
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たとえ子供の手の小指で一般的には細い部類に入るとは言うものの、やっぱりそれなりの太さがあって、何と言うか、入った途端に異物感がすごいんだ。思わず眉間に皺が寄ってしまう。僕自身もなるべくリラックスするように、努めて深い呼吸を意識したけれど、気持ち悪いってのはどうやっても誤魔化せない。マシューは僕の感覚が少し落ち着くまで、指を動かさないでいてくれてるよ。それはかなり有難い。この感覚が『気持ち良い』に代わるまでいったいどれくらいの時間が必要なのかな? 前世も前々世も昔のことすぎて、全く思い出せない。
「落ち着いた? 一旦抜いてまた入れるね。もう少し香油を足そう」
その直後、そっと指を抜かれた。そして繰り返す異物感。でもさっきよりたっぷりと香油を使ったせいか、異物感が少ない。
僕以上に僕の反応に詳しいマシューは、様子を見ながら少しずつ指を動かし始めた。もう苦しくは無いけど、異物感はまだまだ消えない。
ゆっくり時間をかけて、マシューの指がスムーズに出し入れされるようになった。その間マシューは僕に口付けをしかけたり、胸やあそこにいたずらしたりと忙しくしてて、おかげで僕は気を紛らわすことができたと思う。
後ろで感じたか?と聞かれると微妙……。一番感じる場所に届きそうで届かない、そんなもどかしいカンジだったんだ。最初からそこを刺激しすぎるのは良く無いからと言ってたような気がするけど、ホントかなぁ? もしかしたらマシューの手が小さいからじゃないかって疑ってるんだけど、それは言わないでおいたよ。僕って気遣いの出来る子だからね。
じゃあ感じなかったの?と聞かれると、それは違うかな。一番感じる場所以外では、少しは感じてたと思う。と言っても本当の官能まではシールドが二枚くらい邪魔してるってカンジ。うん、やっぱり『もどかしい』って単語が一番しっくりくるね。
後ろはともかく前の方はマシューの手や口で三回もイカされて、今の僕はぐったりだ。精通後少しずつ溜ってたものが今回ですっからかんだよ。もう一滴も出ない。ちなみに僕の頭を撫でてるマシューは満足そうな顔だ。ちょっと悔しいかも。
「マシューは?」
「オレはいいよ。今夜はセインを気持ち良くさせたかっただけだし」
「そうなの? でも僕もマシューを気持ち良くしてあげたいよ。と言うか、ぐったりさせたい」
「それは仕返しか?」
「まあ、いいじゃないの。ハイ、ズボン脱いでー」
「いや、遠慮する」
「却下。もしマシューが拒否するなら、今夜みたいなのはあと数年は拒否するかもよ」
「えー……」
「さあ、脱いで脱いで」
僕だけぐったりなのは悔しいからね。それに気持ち良くなった結果のぐったりなら、マシューも文句無いハズだ。僕だって文句言ってないよ。まあ……、何だかんだ言って僕も気持ち良かったからなんだけど。身体が柔らかいからヘンな体勢でもあまり辛く感じなかったのも、良かったな。
渋々ズボンを脱いだマシューに、僕はズリズリと這い寄った。自身には回復魔法はかけてないよ。疲れたまま眠った方がぐっすり眠れると思うからね。
案の定マシューのアレはしっかりと起きてた。マシューが興奮してくれてたことが僕には嬉しい。だけど、ひとつだけ不満がある。
「……ズルイ」
「えっ、何が?」
「身体の大きさはほぼ一緒なのに、何でここはマシューの方が大きいの?」
「ちょっ、痛いから、そんなに強く握らないで」
「だってズルイじゃん」
「仕方ないだろう? それに大きい方がセインを気持ち良くしてあげれるし。だからセインは喜んだ方が良いんだぞ」
「えー……」
ちょっと納得がいかないカンジだけど、とりあえず気を取り直してマシューのアレで遊んでみた。
強く擦ったり弱く擦ったり、先っぽだけ舌先でチョロチョロ舐めてみたり、根本からゆっくり舐め上げてみたり、パクってしながら上目遣いでマシューの顔を見てみたり、でもってマシューがイキそうになったら手を放して軽く息を吹きかけてみたり……。マシューに懇願されるまでイジワルしてあげたよ。おかげで涙目のマシューなんてかなり珍しいものを見ることができて、すっごく良い誕生日の思い出になったと思う。
「覚えてろよ、セイン」
「お互い満足したんだから良いじゃん。僕だって頑張って耐えたんだし」
「その後気持ち良くなっただろ?」
「それはマシューも一緒でしょ? お互い気持ち良くなって良かったね」
「ぐ、ぅ……」
ふふん。僕だってやるときはやるんだから。
その後はシーツを新しいものに替えて、ぐっすりと眠ったよ。マシューは今日のために替えのシーツも用意してたんだ。しかも一枚じゃなく二枚も。もう呆れるレベルだね。ちなみに汚れたシーツは翌日に洗ったけど、残念ながらシミが残ってしまった。だから二人で適当な大きさに切って雑巾にしたよ。予備洗いくらいなら僕の魔法でも出来るから、今度の休みには洗濯用の盥を買いに行こうって話してる。ここらへんは寮生活の不便な部分だね。だから、いろいろ工夫していこうと思ってるんだ。
何だかんだ言って、僕の十歳の誕生日はいろいろ盛沢山だったと思う。まさか誕生日当日に、こんな風になるとは思ってなかったよ。最後までしなかったとは言え、これって大人の階段を上ったってことになるのかなぁ……。
まあとにかく、僕の十歳の誕生日は良い誕生日だった……のか?
余談だけど、後日クローゼットの奥に香油の瓶を見つけてしまったんだ。しかも五本も。マシューが隠してたのを、たまたま僕が発見しちゃったってワケ。それに関していろいろ問い詰めた結果分かったことは、マシューの連日のアルバイトの目的は上級生になったときの為の資金稼ぎだけど、それは装備とかの為じゃなかったってことだ。正解はこの先必要となる香油代を稼ぐ為……。呆れたって意味の溜息が出てしまったよ。僕の尊敬を返せって思っちゃったね。
マシューはいったいどれだけ香油を買おうとしてるんだろうね? そう考えると顔が引き攣りそうになるのは仕方ないと思う。ホントに……。ちなみに、その時がきたら僕もお金は出すつもりだよ。当たり前じゃん。
見つけた五本の香油は、それほど日を開けずに使うことになった。高かったとか、劣化したらもったいないとか言われちゃったらさぁ……。今度ウィードさんに会ったら、もうマシューに香油を渡さないでとお願いしようかって、最近真剣に悩んでる。僕たちまだ十歳なのにね。はぁ……。
※※※(補足)
前立腺を刺激すると淫乱セイン君が顔を出すのを覚えてるので、マシューとしては今日は止めとこうと思ったのです。それを正直に言えば、セインに泣かれるのが分かってましたし。対してセインの方は、かなり失礼なことを考えてました。
最後までしません。期待した方がいらっしゃったらごめんなさい。
肉体的にはまだ成長途中なので、一応そこは自粛した模様。なら成長するまで待てよと思うのですが、セインを(性的に)可愛がりたくてたまらないマシューは、ここが妥協点だったみたいです。
「落ち着いた? 一旦抜いてまた入れるね。もう少し香油を足そう」
その直後、そっと指を抜かれた。そして繰り返す異物感。でもさっきよりたっぷりと香油を使ったせいか、異物感が少ない。
僕以上に僕の反応に詳しいマシューは、様子を見ながら少しずつ指を動かし始めた。もう苦しくは無いけど、異物感はまだまだ消えない。
ゆっくり時間をかけて、マシューの指がスムーズに出し入れされるようになった。その間マシューは僕に口付けをしかけたり、胸やあそこにいたずらしたりと忙しくしてて、おかげで僕は気を紛らわすことができたと思う。
後ろで感じたか?と聞かれると微妙……。一番感じる場所に届きそうで届かない、そんなもどかしいカンジだったんだ。最初からそこを刺激しすぎるのは良く無いからと言ってたような気がするけど、ホントかなぁ? もしかしたらマシューの手が小さいからじゃないかって疑ってるんだけど、それは言わないでおいたよ。僕って気遣いの出来る子だからね。
じゃあ感じなかったの?と聞かれると、それは違うかな。一番感じる場所以外では、少しは感じてたと思う。と言っても本当の官能まではシールドが二枚くらい邪魔してるってカンジ。うん、やっぱり『もどかしい』って単語が一番しっくりくるね。
後ろはともかく前の方はマシューの手や口で三回もイカされて、今の僕はぐったりだ。精通後少しずつ溜ってたものが今回ですっからかんだよ。もう一滴も出ない。ちなみに僕の頭を撫でてるマシューは満足そうな顔だ。ちょっと悔しいかも。
「マシューは?」
「オレはいいよ。今夜はセインを気持ち良くさせたかっただけだし」
「そうなの? でも僕もマシューを気持ち良くしてあげたいよ。と言うか、ぐったりさせたい」
「それは仕返しか?」
「まあ、いいじゃないの。ハイ、ズボン脱いでー」
「いや、遠慮する」
「却下。もしマシューが拒否するなら、今夜みたいなのはあと数年は拒否するかもよ」
「えー……」
「さあ、脱いで脱いで」
僕だけぐったりなのは悔しいからね。それに気持ち良くなった結果のぐったりなら、マシューも文句無いハズだ。僕だって文句言ってないよ。まあ……、何だかんだ言って僕も気持ち良かったからなんだけど。身体が柔らかいからヘンな体勢でもあまり辛く感じなかったのも、良かったな。
渋々ズボンを脱いだマシューに、僕はズリズリと這い寄った。自身には回復魔法はかけてないよ。疲れたまま眠った方がぐっすり眠れると思うからね。
案の定マシューのアレはしっかりと起きてた。マシューが興奮してくれてたことが僕には嬉しい。だけど、ひとつだけ不満がある。
「……ズルイ」
「えっ、何が?」
「身体の大きさはほぼ一緒なのに、何でここはマシューの方が大きいの?」
「ちょっ、痛いから、そんなに強く握らないで」
「だってズルイじゃん」
「仕方ないだろう? それに大きい方がセインを気持ち良くしてあげれるし。だからセインは喜んだ方が良いんだぞ」
「えー……」
ちょっと納得がいかないカンジだけど、とりあえず気を取り直してマシューのアレで遊んでみた。
強く擦ったり弱く擦ったり、先っぽだけ舌先でチョロチョロ舐めてみたり、根本からゆっくり舐め上げてみたり、パクってしながら上目遣いでマシューの顔を見てみたり、でもってマシューがイキそうになったら手を放して軽く息を吹きかけてみたり……。マシューに懇願されるまでイジワルしてあげたよ。おかげで涙目のマシューなんてかなり珍しいものを見ることができて、すっごく良い誕生日の思い出になったと思う。
「覚えてろよ、セイン」
「お互い満足したんだから良いじゃん。僕だって頑張って耐えたんだし」
「その後気持ち良くなっただろ?」
「それはマシューも一緒でしょ? お互い気持ち良くなって良かったね」
「ぐ、ぅ……」
ふふん。僕だってやるときはやるんだから。
その後はシーツを新しいものに替えて、ぐっすりと眠ったよ。マシューは今日のために替えのシーツも用意してたんだ。しかも一枚じゃなく二枚も。もう呆れるレベルだね。ちなみに汚れたシーツは翌日に洗ったけど、残念ながらシミが残ってしまった。だから二人で適当な大きさに切って雑巾にしたよ。予備洗いくらいなら僕の魔法でも出来るから、今度の休みには洗濯用の盥を買いに行こうって話してる。ここらへんは寮生活の不便な部分だね。だから、いろいろ工夫していこうと思ってるんだ。
何だかんだ言って、僕の十歳の誕生日はいろいろ盛沢山だったと思う。まさか誕生日当日に、こんな風になるとは思ってなかったよ。最後までしなかったとは言え、これって大人の階段を上ったってことになるのかなぁ……。
まあとにかく、僕の十歳の誕生日は良い誕生日だった……のか?
余談だけど、後日クローゼットの奥に香油の瓶を見つけてしまったんだ。しかも五本も。マシューが隠してたのを、たまたま僕が発見しちゃったってワケ。それに関していろいろ問い詰めた結果分かったことは、マシューの連日のアルバイトの目的は上級生になったときの為の資金稼ぎだけど、それは装備とかの為じゃなかったってことだ。正解はこの先必要となる香油代を稼ぐ為……。呆れたって意味の溜息が出てしまったよ。僕の尊敬を返せって思っちゃったね。
マシューはいったいどれだけ香油を買おうとしてるんだろうね? そう考えると顔が引き攣りそうになるのは仕方ないと思う。ホントに……。ちなみに、その時がきたら僕もお金は出すつもりだよ。当たり前じゃん。
見つけた五本の香油は、それほど日を開けずに使うことになった。高かったとか、劣化したらもったいないとか言われちゃったらさぁ……。今度ウィードさんに会ったら、もうマシューに香油を渡さないでとお願いしようかって、最近真剣に悩んでる。僕たちまだ十歳なのにね。はぁ……。
※※※(補足)
前立腺を刺激すると淫乱セイン君が顔を出すのを覚えてるので、マシューとしては今日は止めとこうと思ったのです。それを正直に言えば、セインに泣かれるのが分かってましたし。対してセインの方は、かなり失礼なことを考えてました。
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