オム・ファタールと無いものねだり

狗空堂

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2.龍の髭を狙って毟れ!

親睦会ガイダンス

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 駄目だ、脳が蕩ける。シャーペンを置いて降参気味の目頭を揉みこんだ。髪の上で繰り広げられる高度な問題に、頭がこんがらがって来た。

 目の前には広げられたテキストたち、打ち捨てられた電子辞書、そして現在時刻は夜の九時。この課題の提出期限は、明日の四限。もうにっちもさっちもいかなくなってしまった、こうなったら一人で唸って考えても出口など無いだろう。明日早めに誰かに聞くしかない。

 流石進学校、出されるちょっとした課題でさえもそれなりに難易度が高い。自分で篤志についていくと宣言した手前弱音は吐けないが、すでにこれから待ち受けるであろう定期考査が心配だ。

「今からまた篤志の部屋行くのもな~…………」
 篤志はそんなに頭がいい訳ではないが、同室の鹿屋は厳つい見た目にそぐわずそこそこ頭がいい。それに意外と面倒見がいい奴だ。
 つい先ほどまでも、今日は砂盃がお茶会の延長戦の『晩餐会』とやらで居ないから、二人の部屋にお邪魔して鹿屋お手製の親子丼を頂いていたくらいだ。
 友達の友達、くらいの距離感の奴にも晩飯を振舞ってくれる普通にいい奴。親子丼美味かったし。いい奴が篤志の同室で俺も一安心である。


「はあ、休憩……」
「待って待ってヤバイ宗介やばいやばいやばい大ニュース!!!」
 俺の情けない独り言を掻き消すようにして、勢いよくドアが開け放たれて騒音の塊が飛び込んできた。五月蠅いのが帰って来やがった。

「おい砂盃、ドアが壊れる」
「あっごめん、でも全然、全くこれっぽっちもそれどころじゃないんだって! 今年の親睦会は荒れる、超荒れる! しかも俺の大好物な方向で! あ、これお土産ね」
「荒れるってお前……。って待て、これ達磨堂のどら焼きじゃねえか!」
「宗介甘い物好きだったよね。親衛隊の中にそこの一人息子が居てさ、貰ったから持って帰って来た」
「サンキュー! 晩餐会も悪くねえな!」

 砂盃から受け取った紙袋の中を見て思わず黄色い声を上げる。達磨堂は国外どころか海外でも有名な老舗の高級和菓子屋だ。どれもお高いが、その分頬が蕩けるくらい絶品である。しかもこの箱の重さ、多分栗が入っているやつだ。

「お前は食うか?」
「要らな~い。全部食べなよ」
「お前いい奴だなぁ。お前が同室で良かったって初めて思った」
「こんなことで?! もっと良かったって思うシーンあったんじゃない?!」
 わくわくしながらお茶を入れよう、とキッチンに立った俺の後ろを、カルガモの雛のようについてくる砂盃。

「宗介、顔に似合わず甘い物好きだよねえ」
「悪かったな、甘い物好きが似合わない極悪人顔で」
「いや、とてもよい。ギャップが良すぎてあざとすぎるくらい」
「あざ…………?」
 顔に似合っていないのは重々承知だ。父親似の鋭い眼光は、大概の可愛らしいものを似合わなくさせる。

「小さい頃は甘いモンは贅沢品だったから、なかなか食えなくてな。篤志の家で出されたフィナンシェを食った時は衝撃だった」
 記憶にある中で一番最初にホールのバースデーケーキを食ったのも、前野の家でだった。父は料理が下手だったからお菓子だなんて作れるはずも無かったし、自分で作るにしても限度がある。せいぜいホットケーキが上限だ。

 カチリ、と電気ケトルのボタンを押す。数分待てばお湯が沸く、随分と便利なものである。セット完了した所で振り返ってよし、と言えば、美形はキラキラとした表情でマシンガントークの引き金を引いた。



「それでね、親睦会の事なんだけどさ!」
「はいはい」
 キッチンにおいてある椅子に腰かけて砂盃ははしゃぐ。

「なあ、そもそも親睦会ってなんだ」
「えっ、一昨日HRでやったじゃん。概要説明のプリントも配られたでしょ」
「やっ………………ったかも、しれん」
 一瞬だけ過ぎったHRの記憶。小テストに備えた前日の夜更かしで半分ほど白目をむいて寝てたから殆ど覚えていないが、確か全校生徒参加の行事だったはずだ。多分。

「も~、折角の行事なんだから楽しめよな。簡単に言うと、全校生徒でやる鬼ごっこもどき。ただし全員が鬼で、全員が逃げる役。自分以外は全員敵の、心理戦も絡んでくるサバイバルゲーム!」
「学校行事なんだよな?」
「勿論」
 たかだか行事に命を賭けるな。というよりも、親睦会ごときに熱量が高すぎるだろ。

「たかが行事、されど行事。何故なら、捕まえた相手と一泊二日のクルージングパーティーに行けちゃうんだから」
「……はぁ? クルージング? パーティー?」
 およそ学校行事とは思えない字面が飛び出してきて目を丸くする。パーティー。この学園の規模感からして、それがちょっとしたケーキを囲むような細やかなものなどではないと分かる。

「朝の九時から昼の十二時まで、校舎全体を使って親睦会は行われます。生徒には手錠タイプのブレスレットが一人一つ渡されて、それを持って端末で指定されたところでスタンバイしてスタート。スタート位置はくじ引きでランダムね。で、自分の持ってる手錠を相手にかけたらロック、後日行われる後夜祭と呼ばれるクルージングパーティーで同室になれる。憧れのあの人とお近づきになれる大チャンス! 上手くいけば秘めていた想いが実るかも……?」

 得意げに語る砂盃の説明を聞いて頭を抱える。一つの行事に対して金をかけすぎだろう。親睦会ってもっとこう、手作り感あふれるチャチなお遊びじゃねえのか。なんで親睦会ごときに後夜祭なんて豪勢なもん設けてんだ。

「伝手とコネ作りがメインみたいな学園だからねえ。事あるごとに全学年巻き込んでは交流させるんだよ。親っていう飼い主がそれを望んでるからさ」
「嫌な学校!」
「そんな嫌な学園へようこそ~、我らパパママの傀儡たちは盛大に君を歓迎します♡」
 うっそりと笑う砂盃が恭しく礼をする。そう言えばコイツは幼稚舎から居る古株だったか。可哀そうに、こんな可笑しな学園に何年も居るからこんなにおかしい奴になってしまったのか。

「さて、参加者は全校生徒、とは言っているけれど、いくつか例外があります。一つ、親睦会実行委員。クラスに二人いる実行委員は、事前準備から当日の運営、果てはパーティーの仕切りもあるから除外。超忙しい上に親睦会に参加できないから、あんまり人気無いんだよね。で、二つ目は役職持ちの生徒」
「生徒会だけじゃなく、か? 運営手伝いをするって訳でも無いだろ」
 生徒会が学校行事に噛むのは自然だ。だが、他の役職持ちは当日何か仕事を振られるようなわけでも無いだろう。

「そ。イベントにはそれ用のスタッフも雇われるからね、何から何まで生徒の手が必要ってわけじゃない。うちの学園ってポイントシステムでしょ? そこら辺が色々と関係してるんだよね」

 言われて、編入当日に副会長から受けた説明を思い出す。入学時に全員に配布されるカードキーは、寮の部屋や校内施設のキーとなると同時に、学園内で使える電子マネーを貯めるICカードの役割も果たす。レート的には一ポイント一円、毎日の授業の出席から行事ごとの成績によって付与される。
 現金でチャージ可能にすると、学生としてはあり得ない程の金遣いの荒さになるらしく、学生らしく過ごさせるという名目もあって学内通貨を作ったらしい。流石ボンボン共、金に物言わせる力が強い。

 さて、役職持ちはそれだけで特別手当としてポイントを上乗せされていると聞く。それだけ優秀な生徒であり、なおかつそれだけ忙しいから、らしい。


「今回の親睦会も、例に漏れず成績次第で配布されるポイントの量が変動するんだよね。判断基準はどれくらいの時間逃げ延びたか。終了時まで残っていれば追加ボーナス。後は、S組の子を捕まえられたらそれもボーナス。さて、役職手当で腐るほどポイントがある役職組の生徒はどうするでしょ~か。ちなみに親睦会に参加した以上パーティーの参加は必須だし、部屋から抜け出したりするとポイント引かれる罰則もあるよ」

 軽いノリで問題を出されて、考える。
 親衛隊のガードもあって滅多に交流できない天上人の役職持ち。そんな彼らと、運が良ければ一夜を共にできる。しかも最高にロマンチックな船の上で。そりゃ憧れているならば誰だって血眼で摑まえようとするだろう。だって、自分が摑まえなければ、自分以外の誰かがその甘い一夜を過ごすことになるのだから。

 一方、追われる側の役職持ち。イベントに参加せずとも困らない程貯金、もとい貯Pはある。参加するとなれば突っ込んでくる大量の人を捌いて行かなければならないし、最悪捕まればその相手と嫌でも一晩過ごさなきゃいけない。
 相手がやけくそになっていれば貞操の危機だってあるかもしれない。その上辞退も出来ないときた。

「参加しなくてもいいんだったら、絶対しないな。メリットが無さすぎる」
「そのとーり! だから一部の物好きを除いて、役職持ちは基本的に参加しない訳。あ、参加しない人はちゃんと運営側に回ってるよ、サボってるわけじゃない。ところがどっこい、今年は一味も二味も違う。理由は分かるね?」
 カチリ、と音がしてお湯が沸いた。分かってる。――篤志が、居るからだ。

「生徒会長と、なんと――風紀委員長までもが! 今年の親睦会、参加することとなりました~~!」
 どんどんパフパフ。やけに高いテンションではしゃぐ砂盃の横っ面をぶん殴りそうになる。生徒会どころかあの鳳凰院とかいう野郎まで参加するとは。



「はあ……。でも意外だな、生徒会は全員参加するかと思った」
「あ~それはね、流石に仕事が回らなくなるってことで、生徒会からは一人だけ参加することになったらしいよ。その一つの席を巡って熾烈な争いが巻き起こったって。そういう所はほら、うちはアンチ王道じゃないしごできメンバーなんで」
 アンチ王道、がどういう意味かはさておき、アイツらも発情期の犬程理性がない訳ではないようだ。良かったと思いつつも、何故よりにもよって龍宮を参加させた、という気持ちもある。

「ほら、茶」
「わーいありがと~」
「しかし、龍宮……。一番厄介じゃねえか」
 龍宮自身の有能さもあるが、それよりももっと恐れるべきは、その足元に傅く親衛隊の奴らだろう。学園内で一番母数が多く、また、過激派もかなりの数を抱えていると聞く。驚くことに、八番隊まであるらしい。どういうことだよ。

「いやしかし、これは本当に荒れるねえ。ただでさえ鳳凰院先輩が前野派に傾き始めてパワーバランスが狂い始めてるってのに。あーでもこれでこそ王道! このルートだとワンチャン図書委員会とか放送委員会とかも巻き込むのでは?! そうなると——、あ」
 マシンガントークをぴたりと止めた砂盃が俺を見る。達磨堂のどら焼きを前にソワソワしている俺を見る。

「ごめんごめん、焦らしちゃったね。早くお食べ」
「お、おう、悪い。…………話はちゃんと聞いてたぞ?」
「分かってるって」
 生暖かい視線に居心地悪く思いつつ、誘惑には抗えないのでどら焼きを手に取る。ずっしりと重く、しっとりした生地からは仄かな甘い香りが漂ってくる。
 いただきます、と呟いて、なるべく小さな口で一口。口に入れた瞬間に美味さで頬がとろけた。美味い。貴族の味だ。

「あ~いいねえ、宗介リスみたいに無心で食べてて。それか食い意地の張ってるお腹パンパンの仔犬みたいだ」
「褒められている気がしない」
「褒めてるんだよぉ、可愛いね~って。あー、虐めたくなる、これがキュートアグレッションってやつか」
「キュー……?」
 耳馴染の無い単語に首を傾げる。アグレッション、は確か侵略。可愛いの侵略ってなんだ? 造語か?

「いいのいいの宗介は知らなくて! キューアグ知ってる宗介はちょっと解釈違いだから! いやまあ知っててもそれはそれでバリ美味なんだけどね! 誰にでも愛される主人に仄暗いキューアグを抱えてのた打ち回る従者……それを受け入れる主人……あり、ありだよ~」

 一人でキャー! と盛り上がる砂盃を白けた目で見ながら脳内でカチャカチャと計算する。人目がある場所でも憚らない奴らのことだ。人目すらない密室で二人きりなんて、鴨にネギと鍋とガスコンロ持たせた状態で特攻させるのと同義である。なんとしても、あの二人に篤志が捕まるのを避けなければならない。


「——よし、明日は作戦会議だな。悪いがお前にも参加してもらうぞ」
「勿論勿論! 男と男の愛憎劇に巻き込まれるのは大歓迎、それが王道展開なら猶更! いややっぱり、持つべき同室者は巻き込まれポジだね! ビバ王道~~!」
 一人で騒ぐ砂盃は無視して、名残惜しく思いながら残りのどら焼きを頬張る。本当に美味い。明日篤志にも持って行ってやろう。

 篤志護衛作戦に必要なメンバーを集めてグループを作ろうとして、やめた。俺、アイツらの連絡先知らねえわ。
 悲しいかな、これが友達の友達くらいの距離感である。





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