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二部 まさかの再会に驚きましたが……何か?
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孤児院の敷地に入ると、馬車はゆっくりと止まった。リュリュの手を借りて降りれば、マルファンが建物の前にいる。こちらの到着を待ってくれていたようだ。
予定の時刻より少し遅れてしまったカレンは、マルファンに駆け寄り頭を下げた。
「こっちから時間を指定したのに、遅れてしまって……あの、すみませんでしたっ」
遅刻をしたら、言い訳をする前にすぐに謝る。この処世術のお陰で、反省文と罰掃除を何度も免除してもらった実績がある。
でもここは異世界で、カレンはメルギオス帝国において二番目に尊い存在だ。
聖皇后から謝罪を受けたマルファンは、あわわあわわと狼狽えてしまう。
「や、あ、あ、ど……ど、どっ、どうか顔をお上げ下さいっ」
今にも死にそうな顔でしどろもどろになりながらマルファンは懇願するけれど、カレンはなかなか顔を上げない。
リュリュはそれを傍観し、少女はカレンの言いつけ通り微笑みながら待機をし、騎士達は全員見てみぬふりをしている。
無駄な時間が過ぎていく中、建物から飛び出してきた子供たちが空気を変えた。
「あーっ。せいこーごーへーかさまだぁっ」
子供特有の甲高い声が辺りに響いて、カレンは声のする方に身体を向けた。
見覚えのある3人の子供──ラークとイル。そして、二人よりさらに幼いロッタがこちらに駆け寄ってくる。
「あっ、走ると危ないよ」
ロッタはイルに手を引かれているが、足元がおぼつかない。今にもコケてしまいそうだ。見ていられなくて、カレンは3人の元に足を向ける。
「せいこーごーへーかさまぁ、こんにちは!」
向かい合った途端、三人から満面の笑みで挨拶をされたカレンは、思わず笑みを浮かべてしまう。
舌足らずな言い方で呼ばれると、別の何かに聞こえてしまうのが不思議だ。
「こんにちは。この前は手紙とお花ありがとう」
しゃがんでロッタたちと目を合わせてお礼を伝えれば、ロッタたちはへへっと照れ笑いを浮かべた後、同時に口を開いた。
「ちゃんととどいてよかったです!」
「おてがみよんでくれてありがとうございます!ぼくいっしょうけんめいかきました!」
「ねー、あのおはなすき?」
矢継ぎ早に質問を受けたカレンは、まとめて「うん」と答える。
すぐに子供たちは嬉しそうな声を上げながらその場で跳ねた。けれどラークは、急に表情を変えて、カレンのドレスをツンツンと引く。
「ねぇ、あのおねえさんは、せいこーごーへーかのおともだちなの?」
「え゛」
思わず変な声を出してしまったカレンは、顔の引きつりを隠せない。
ラークが指を差したのはリュリュではなく、あろうことか少女の方だった。
子供は好奇心の塊だ。触れて欲しくないところまで、遠慮なく踏み込んでくれる。
カレンはどう答えていいのかわからない。子供相手に「あの人は、偉大なる聖皇帝陛下の愛人です」など、どうして言えようか。
でもラークはちゃんと教えてくれるだろうという期待の目でカレンを見つめている。
「えっと……ね、あの人は……」
カレンは一先ず言葉を紡ぐ。
ラークはこくんと頷く。なぜかイルとロッタも、真剣にカレンの言葉に耳を傾け始めてしまった。
(愛人っていう言葉以外に当てはまるものって何!?)
カレンは視線を彷徨わせながら必死に考えるが、適切な言葉が見つからず途方に暮れてしまった。
予定の時刻より少し遅れてしまったカレンは、マルファンに駆け寄り頭を下げた。
「こっちから時間を指定したのに、遅れてしまって……あの、すみませんでしたっ」
遅刻をしたら、言い訳をする前にすぐに謝る。この処世術のお陰で、反省文と罰掃除を何度も免除してもらった実績がある。
でもここは異世界で、カレンはメルギオス帝国において二番目に尊い存在だ。
聖皇后から謝罪を受けたマルファンは、あわわあわわと狼狽えてしまう。
「や、あ、あ、ど……ど、どっ、どうか顔をお上げ下さいっ」
今にも死にそうな顔でしどろもどろになりながらマルファンは懇願するけれど、カレンはなかなか顔を上げない。
リュリュはそれを傍観し、少女はカレンの言いつけ通り微笑みながら待機をし、騎士達は全員見てみぬふりをしている。
無駄な時間が過ぎていく中、建物から飛び出してきた子供たちが空気を変えた。
「あーっ。せいこーごーへーかさまだぁっ」
子供特有の甲高い声が辺りに響いて、カレンは声のする方に身体を向けた。
見覚えのある3人の子供──ラークとイル。そして、二人よりさらに幼いロッタがこちらに駆け寄ってくる。
「あっ、走ると危ないよ」
ロッタはイルに手を引かれているが、足元がおぼつかない。今にもコケてしまいそうだ。見ていられなくて、カレンは3人の元に足を向ける。
「せいこーごーへーかさまぁ、こんにちは!」
向かい合った途端、三人から満面の笑みで挨拶をされたカレンは、思わず笑みを浮かべてしまう。
舌足らずな言い方で呼ばれると、別の何かに聞こえてしまうのが不思議だ。
「こんにちは。この前は手紙とお花ありがとう」
しゃがんでロッタたちと目を合わせてお礼を伝えれば、ロッタたちはへへっと照れ笑いを浮かべた後、同時に口を開いた。
「ちゃんととどいてよかったです!」
「おてがみよんでくれてありがとうございます!ぼくいっしょうけんめいかきました!」
「ねー、あのおはなすき?」
矢継ぎ早に質問を受けたカレンは、まとめて「うん」と答える。
すぐに子供たちは嬉しそうな声を上げながらその場で跳ねた。けれどラークは、急に表情を変えて、カレンのドレスをツンツンと引く。
「ねぇ、あのおねえさんは、せいこーごーへーかのおともだちなの?」
「え゛」
思わず変な声を出してしまったカレンは、顔の引きつりを隠せない。
ラークが指を差したのはリュリュではなく、あろうことか少女の方だった。
子供は好奇心の塊だ。触れて欲しくないところまで、遠慮なく踏み込んでくれる。
カレンはどう答えていいのかわからない。子供相手に「あの人は、偉大なる聖皇帝陛下の愛人です」など、どうして言えようか。
でもラークはちゃんと教えてくれるだろうという期待の目でカレンを見つめている。
「えっと……ね、あの人は……」
カレンは一先ず言葉を紡ぐ。
ラークはこくんと頷く。なぜかイルとロッタも、真剣にカレンの言葉に耳を傾け始めてしまった。
(愛人っていう言葉以外に当てはまるものって何!?)
カレンは視線を彷徨わせながら必死に考えるが、適切な言葉が見つからず途方に暮れてしまった。
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