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お仕事のはずなのに、そんな顔であんなことをするのは少し狡いと思う
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フレシアの身支度も終わったので、いざ出発! でも……なぜか扉からではなく、窓から。
コソ泥よろしく、そんなことしているノアだけれど、やっている本人も疑問を抱えている。
しかしフレシアから「夜遅い時間帯だから他の人の迷惑にならないように、そっと出ましょう」と提案された為、窓から出発する羽目になっている。
確かにフレシアの言い分はもっともた。
すぐ近くの部屋にいるアシェルがもう寝ていたら、睡眠妨害になるだろうし、巡回中の衛兵さん達もお化けと間違えてびっくりするだろうし。
でも、こんなに遅くなったのはフレシアがもたもたしていたのも原因の一つだし、そもそも、明日の朝一番に出発する予定だったのにグレイアス先生が「絶対に、今日の夜にしろ」と急かされたせいでもある。
(魔術師兄弟は、ちょっとのんびり屋でせっかちさんなんだなぁ)
無事に窓を乗り越えて離宮の庭園を歩くノアは、呑気にそんなことを思う。
まかり間違っても、兄弟そろって何かを企てているんじゃないか?なぁーんてことは、欠片も思わない。
ちょっとは疑うべきなのに、まぁいっかで済ますノアは、おおらかな性格なのか、大雑把な性格なのか、このお城ではキノコ以外に興味を持てないのかは不明である。
本人に直接問うても、きっと答えはでない。なので、とにかく魔術師兄弟にとってはある意味扱いやすい存在、それがノアである。
「───…… ノア様、こちらを通って行きましょう。近道です」
「あ、はーい」
声量を落とさず指示を出すフレシアに、ノアは何の疑問も持たずに素直に従う。
だって厩の場所がわからないから。
誘拐された時は、お城の中のかなり奥まで馬車で乗り付けたから、一度も馬車が停まっているその場所を目にしていないのだ。
ただ一回こっきり見たところで、お城は広いし、ノアは数か月ここで働いでいるが、ほとんどの時間を離宮グレイアス先生の私室で過ごしているため、城内の間取り図が頭に入っていない。
そんな状態でフレシアの道案内無しに一人で厩まで行こうもんなら、間違いなくお城の敷地内で朝日を拝むことになるだろう。
(やっぱ、フレシアさんと一緒で良かった。休日返上して付き合ってくれて、ありがとう。あと、ちょっとだけ準備が遅いなって思ってごめんなさい)
ノアは前方を歩くフレシアに、手を合わせて感謝しつつお詫び申し上げた。
─── っとここで、なぜか突然フレシアが消えた。
「ええええっ、噓でしょ!?」
瞬き一つで頼れる存在が消えてしまった現実を受け入れたくなくて、ノアは絶叫した。
だってここはお城だけれど、棟と棟の間のなんか林みたいな所なのだ。整えられた庭園のようにガーデンライトなんて一つも無いし、今日に限って月は雲に隠れている。
「……ちょ、ど、ど、ど、どうしよう」
元来た道を戻りたいが、動揺しすぎてグルグル回ってしまった結果、帰る方向がわからないし、向かうべき方向もわからない。
とどのつまり、遭難確定である。
はぁーっというため息を吐いたノアは、その場にへたり込んだ。
けれど、地面に膝を付いた瞬間、ものすごい速さの足音がこちらに向かってくる。そしてノアが振り向く前に、耳をつんざくほど大声が辺りに響いた。
「ノア、待って、行かないでくれ!!」
混乱を極めた状態でも、他の誰とも間違えようがない美しい声の持ち主が誰かなど振り返らなくてもわかる。
声の主は、アシェルだった。
コソ泥よろしく、そんなことしているノアだけれど、やっている本人も疑問を抱えている。
しかしフレシアから「夜遅い時間帯だから他の人の迷惑にならないように、そっと出ましょう」と提案された為、窓から出発する羽目になっている。
確かにフレシアの言い分はもっともた。
すぐ近くの部屋にいるアシェルがもう寝ていたら、睡眠妨害になるだろうし、巡回中の衛兵さん達もお化けと間違えてびっくりするだろうし。
でも、こんなに遅くなったのはフレシアがもたもたしていたのも原因の一つだし、そもそも、明日の朝一番に出発する予定だったのにグレイアス先生が「絶対に、今日の夜にしろ」と急かされたせいでもある。
(魔術師兄弟は、ちょっとのんびり屋でせっかちさんなんだなぁ)
無事に窓を乗り越えて離宮の庭園を歩くノアは、呑気にそんなことを思う。
まかり間違っても、兄弟そろって何かを企てているんじゃないか?なぁーんてことは、欠片も思わない。
ちょっとは疑うべきなのに、まぁいっかで済ますノアは、おおらかな性格なのか、大雑把な性格なのか、このお城ではキノコ以外に興味を持てないのかは不明である。
本人に直接問うても、きっと答えはでない。なので、とにかく魔術師兄弟にとってはある意味扱いやすい存在、それがノアである。
「───…… ノア様、こちらを通って行きましょう。近道です」
「あ、はーい」
声量を落とさず指示を出すフレシアに、ノアは何の疑問も持たずに素直に従う。
だって厩の場所がわからないから。
誘拐された時は、お城の中のかなり奥まで馬車で乗り付けたから、一度も馬車が停まっているその場所を目にしていないのだ。
ただ一回こっきり見たところで、お城は広いし、ノアは数か月ここで働いでいるが、ほとんどの時間を離宮グレイアス先生の私室で過ごしているため、城内の間取り図が頭に入っていない。
そんな状態でフレシアの道案内無しに一人で厩まで行こうもんなら、間違いなくお城の敷地内で朝日を拝むことになるだろう。
(やっぱ、フレシアさんと一緒で良かった。休日返上して付き合ってくれて、ありがとう。あと、ちょっとだけ準備が遅いなって思ってごめんなさい)
ノアは前方を歩くフレシアに、手を合わせて感謝しつつお詫び申し上げた。
─── っとここで、なぜか突然フレシアが消えた。
「ええええっ、噓でしょ!?」
瞬き一つで頼れる存在が消えてしまった現実を受け入れたくなくて、ノアは絶叫した。
だってここはお城だけれど、棟と棟の間のなんか林みたいな所なのだ。整えられた庭園のようにガーデンライトなんて一つも無いし、今日に限って月は雲に隠れている。
「……ちょ、ど、ど、ど、どうしよう」
元来た道を戻りたいが、動揺しすぎてグルグル回ってしまった結果、帰る方向がわからないし、向かうべき方向もわからない。
とどのつまり、遭難確定である。
はぁーっというため息を吐いたノアは、その場にへたり込んだ。
けれど、地面に膝を付いた瞬間、ものすごい速さの足音がこちらに向かってくる。そしてノアが振り向く前に、耳をつんざくほど大声が辺りに響いた。
「ノア、待って、行かないでくれ!!」
混乱を極めた状態でも、他の誰とも間違えようがない美しい声の持ち主が誰かなど振り返らなくてもわかる。
声の主は、アシェルだった。
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