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ミルフィが悪女と呼ばれるようになった理由
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ミルフィことミルフィ・メイリは、ベレストス国で長い歴史を持つ伯爵家の令嬢である。
その容姿は名門貴族に相応しく、艶やかな黒髪にアメジストのような瞳。またスレンダーな体形である彼女はどんなデザインのドレスも着こなす魅力的な女性である。
そんな美貌の持ち主であるミルフィは、さぞや社交界で輝いているだろうとお思いだろう。
だがしかし、ここベレストス国の貴族社会は”長い物には巻かれろ”精神が強い。だから良くも悪くもはっきりと意見を言うミルフィは、場を荒らす悪女と嫌厭されていたりする。
ついでに言えば、ミルフィの目が切れ目であることも、その原因の一つである。
ただ社交界デビューした当時は”ちょっと気が強いお嬢さん”程度の評価だった。
けれども、とある貴族の邸宅での夜会で陰湿ないじめを受けていた令嬢を庇い、そんでもっていじめの主犯格である令嬢に対してぐうの音も出ないほど正論でやり込めてしまった事件をきっかけに、ミルフィは”悪女”と呼ばれるようになってしまった。
余談であるがミルフィに庇われた令嬢は、その後、ミルフィに礼を言うこともなく庇われた事実を闇に葬った。
まっこと不条理ではあるが、自分の意志でやったこと。なのでミルフィは腹を立てることなく、その令嬢と同様に、その出来事は忘れることにした。
けれども、世間はそう都合よく無かったことにはしてくれない。
誰が最初にミルフィを”悪女”と言い出したのかはわからない。だが、これまでミルフィの発言で、苦い思いをした貴族連中は少なくなかった。そしてミルフィを糾弾するチャンスをじっとうかがっていた。
その結果、長い物には巻かれろ精神が悪く働き、ミルフィは押しも押されもせぬ”悪女”となってしまった。
もちろんミルフィの家族は、それを否定した。
父も母も兄も、ミルフィの良き理解者だ。ミルフィの言動が普通の令嬢の枠からはみ出していることは理解しているが、それを”個性”として認めてくれている。だから娘のせいで受ける悪評は、コバエのごとく払って無視をする。
そんな家族をミルフィは、心から愛している。
だから精一杯、世間一般の”理想の淑女”になろうと努力した。
キツイ印象を与える切れ目だけはどうすることもできないから、ちょっとでも垂れ目になるようメイドの手を借りてメイクを頑張った。
結果、闇医者が不美人な女性に施す手術をした結果となり……母から「ミルフィちゃんは、このままでも十分可愛いわ。だからもう止めて」と泣かれてしまった。
他にも、夜会や茶会で陰湿ないじめを見かけても、その場で諌めることをぐっと我慢し続けた結果、謎の蕁麻疹に悩まされ……父と兄から「頼むから、ありのままの自分でいてくれ」と土下座をされた。
周囲の評価を気にせず、そんなことを言ってくれる家族はとても心優しく、ミルフィの良き理解者だ。
でもミルフィは、それでもこっそり努力した。そうすれば多少なりとも他人と良い関係を築くことができるのではないかと淡い期待を胸に。結果として挫折し続けている。
そしてミルフィの性格を温厚で物分かりが良くでしゃばらない理想的な淑女というイメージに塗り替えるのは、さすがに伯爵家の権威を持ってしても難しかったりもする。
その容姿は名門貴族に相応しく、艶やかな黒髪にアメジストのような瞳。またスレンダーな体形である彼女はどんなデザインのドレスも着こなす魅力的な女性である。
そんな美貌の持ち主であるミルフィは、さぞや社交界で輝いているだろうとお思いだろう。
だがしかし、ここベレストス国の貴族社会は”長い物には巻かれろ”精神が強い。だから良くも悪くもはっきりと意見を言うミルフィは、場を荒らす悪女と嫌厭されていたりする。
ついでに言えば、ミルフィの目が切れ目であることも、その原因の一つである。
ただ社交界デビューした当時は”ちょっと気が強いお嬢さん”程度の評価だった。
けれども、とある貴族の邸宅での夜会で陰湿ないじめを受けていた令嬢を庇い、そんでもっていじめの主犯格である令嬢に対してぐうの音も出ないほど正論でやり込めてしまった事件をきっかけに、ミルフィは”悪女”と呼ばれるようになってしまった。
余談であるがミルフィに庇われた令嬢は、その後、ミルフィに礼を言うこともなく庇われた事実を闇に葬った。
まっこと不条理ではあるが、自分の意志でやったこと。なのでミルフィは腹を立てることなく、その令嬢と同様に、その出来事は忘れることにした。
けれども、世間はそう都合よく無かったことにはしてくれない。
誰が最初にミルフィを”悪女”と言い出したのかはわからない。だが、これまでミルフィの発言で、苦い思いをした貴族連中は少なくなかった。そしてミルフィを糾弾するチャンスをじっとうかがっていた。
その結果、長い物には巻かれろ精神が悪く働き、ミルフィは押しも押されもせぬ”悪女”となってしまった。
もちろんミルフィの家族は、それを否定した。
父も母も兄も、ミルフィの良き理解者だ。ミルフィの言動が普通の令嬢の枠からはみ出していることは理解しているが、それを”個性”として認めてくれている。だから娘のせいで受ける悪評は、コバエのごとく払って無視をする。
そんな家族をミルフィは、心から愛している。
だから精一杯、世間一般の”理想の淑女”になろうと努力した。
キツイ印象を与える切れ目だけはどうすることもできないから、ちょっとでも垂れ目になるようメイドの手を借りてメイクを頑張った。
結果、闇医者が不美人な女性に施す手術をした結果となり……母から「ミルフィちゃんは、このままでも十分可愛いわ。だからもう止めて」と泣かれてしまった。
他にも、夜会や茶会で陰湿ないじめを見かけても、その場で諌めることをぐっと我慢し続けた結果、謎の蕁麻疹に悩まされ……父と兄から「頼むから、ありのままの自分でいてくれ」と土下座をされた。
周囲の評価を気にせず、そんなことを言ってくれる家族はとても心優しく、ミルフィの良き理解者だ。
でもミルフィは、それでもこっそり努力した。そうすれば多少なりとも他人と良い関係を築くことができるのではないかと淡い期待を胸に。結果として挫折し続けている。
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