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最終面接という名の淫らなヒメゴト
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異性に下着を拾ってもらって、平然と採用を喜ぶ光景はあまりにシュールである。
しかしファルナは、これで冬を越すことができると心底ほっとしていた。
「私、これから頑張って働きます。どうぞよろしくお願いいたします」
「……あ、ああ」
ファルナの満面の笑みを受けたグリジットは、さっきまでの威圧的な態度は嘘のようにたじろいだ。
次いで、立ち上がるとくるりとファルナに背を向ける。
「では、私はこちらを向いているから、身なりを整えてくれ」
「あ、はい」
背中を向けたグリジットがどんな表情になっているかも気付かず、ファルナは慌てて乱れた服を元に戻す。ついでに髪も手櫛で整えた。
「お待たせしました」
「いや、さほど待っていない」
律儀に返事をしてくれたのは場を繋ぎたかったのか、それともグリジットが根が優しいからなのだろうか。それとも、その両方なのか。
出会って間もないファルナはわからない。
そんなわからないだらけの雇い主は、早足で執務机に向かうと引き出しの中から鍵を取り出しファルナに手渡した。
「君の部屋の鍵だ。スペアがないから、無くさないように。あと、部屋は廊下の東側の突き当りだ」
「あ、鍵は要らないです」
─── だって、貴重品なんてないですし。それに鍵を無くして扉ごと交換なんてことになっても、弁償できるお金が……
と、ファルナが言い募ろうとしたけれど、できなかった。
グリジットがとても怖い顔をしていたから。
「君は女性だ。もう少し危機感を持つべきだ」
「はぁ……」
ついさっきとんでもなく卑猥なことを強要したお方とは思えない発言にファルナは思わず笑ってしまった。
でも、言われた通り鍵は受け取る。
「お気遣いいただきありがとうございます。では遠慮なく」
「ああ、そうしてくれ。それと、昼をとっくに過ぎているが君、昼食は」
─── キュル、キュルキュル、キュルルル。
待ってましたと言わんばかりに、お腹が自己主張してくれてファルナは顔を赤くする。処女診断すると言われた時より、もっと真っ赤に。
そんなファルナに、グリジットは優しく目を細めた。
「私もまだだから、一緒に食べよう。君は一旦、部屋に行って中を確認してきなさい。その間に私が用意しておく」
「へ?グリジットさまが!?ご自身で?」
「ここには、私と君だけしかいないから、必然的にそうなるな」
「それはさすがにできません」
採用された今、自分は彼のメイドになったのだ。
世界広しといえど、ご主人さまに食事を用意させるメイドなんてこの世にいない。
なのに、現時点を持ってご主人さまとなったグリジットは自分の主張を曲げないし、こんな屁理屈まで言い出した。
「では、さっき痛くしたお詫びということにしよう。……それで良いか?」
強引にも程がある。
でもその表情は、にこやかで威圧的ではないが嫌とは言い難い。
「……では、こういうことは今日限りということで」
「ああ、わかった。では、シャルナ嬢、部屋を見ておいで」
「……はい」
さっさと行けと言わんばかりに扉を開けられて、シャルナはしぶしぶながら廊下に出た。
しかしファルナは、これで冬を越すことができると心底ほっとしていた。
「私、これから頑張って働きます。どうぞよろしくお願いいたします」
「……あ、ああ」
ファルナの満面の笑みを受けたグリジットは、さっきまでの威圧的な態度は嘘のようにたじろいだ。
次いで、立ち上がるとくるりとファルナに背を向ける。
「では、私はこちらを向いているから、身なりを整えてくれ」
「あ、はい」
背中を向けたグリジットがどんな表情になっているかも気付かず、ファルナは慌てて乱れた服を元に戻す。ついでに髪も手櫛で整えた。
「お待たせしました」
「いや、さほど待っていない」
律儀に返事をしてくれたのは場を繋ぎたかったのか、それともグリジットが根が優しいからなのだろうか。それとも、その両方なのか。
出会って間もないファルナはわからない。
そんなわからないだらけの雇い主は、早足で執務机に向かうと引き出しの中から鍵を取り出しファルナに手渡した。
「君の部屋の鍵だ。スペアがないから、無くさないように。あと、部屋は廊下の東側の突き当りだ」
「あ、鍵は要らないです」
─── だって、貴重品なんてないですし。それに鍵を無くして扉ごと交換なんてことになっても、弁償できるお金が……
と、ファルナが言い募ろうとしたけれど、できなかった。
グリジットがとても怖い顔をしていたから。
「君は女性だ。もう少し危機感を持つべきだ」
「はぁ……」
ついさっきとんでもなく卑猥なことを強要したお方とは思えない発言にファルナは思わず笑ってしまった。
でも、言われた通り鍵は受け取る。
「お気遣いいただきありがとうございます。では遠慮なく」
「ああ、そうしてくれ。それと、昼をとっくに過ぎているが君、昼食は」
─── キュル、キュルキュル、キュルルル。
待ってましたと言わんばかりに、お腹が自己主張してくれてファルナは顔を赤くする。処女診断すると言われた時より、もっと真っ赤に。
そんなファルナに、グリジットは優しく目を細めた。
「私もまだだから、一緒に食べよう。君は一旦、部屋に行って中を確認してきなさい。その間に私が用意しておく」
「へ?グリジットさまが!?ご自身で?」
「ここには、私と君だけしかいないから、必然的にそうなるな」
「それはさすがにできません」
採用された今、自分は彼のメイドになったのだ。
世界広しといえど、ご主人さまに食事を用意させるメイドなんてこの世にいない。
なのに、現時点を持ってご主人さまとなったグリジットは自分の主張を曲げないし、こんな屁理屈まで言い出した。
「では、さっき痛くしたお詫びということにしよう。……それで良いか?」
強引にも程がある。
でもその表情は、にこやかで威圧的ではないが嫌とは言い難い。
「……では、こういうことは今日限りということで」
「ああ、わかった。では、シャルナ嬢、部屋を見ておいで」
「……はい」
さっさと行けと言わんばかりに扉を開けられて、シャルナはしぶしぶながら廊下に出た。
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