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グリジットの懸念
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グリジットに取引を持ちかけたのは、現国王陛下であり、義理の弟であるルブランだった。
そして取引内容は、失敗した初夜をやり直すための補助薬を作ること。報酬は今後一切干渉しないという自由な生活。
ちなみに頼まれた薬は媚薬に近いもので、グリジットはそういったものを使う機会はなかった。
そりゃあ時々、失脚を願う官僚や、一夜の情けを求める女性によって、飲み物に混入されたことはあったけれど、毒に慣れすぎた身体ではさして効くことも無く、飲んだところで命を脅かすものでもないので、グリジットは興味を持つことはなかった。
そして、一生使うこともなければ、そんな薬を研究する羽目になるとも思っていなかった。
......思っていなかったのに、まさかコレが取引材料になるとは、なんとも神様は意地が悪い。よっぽど性根の腐った官僚を毒殺するほうが楽だった。
だがしかし、グリジットはその取引を受けた。監視の無い自由な生活を手に入れたいという思いももちろんだが、半分しか血が繋がっていなくても、グリジットは弟のルブランを大切に思っている。
といっても、ルブランが求めたのは男性に使うものではなく、性に不馴れな女性の為のもの。
グリジットがどれだけ薬学に精通していたとて、実験台がいなければ満足な薬は作れない。
だからグリジットは、求人をかけた。未婚で、処女で、口が硬くて、性の知識に乏しくて、どうしても働かないといけない事情を抱えている女性を求めた。
その結果、ファルナが表れた。だから後はグリジットは粛々と薬を開発するだけで良い。
─── 良いのだけれど、気持ちの面ではそうではなかった。
「......あの声は、たまらん」
グリジットはほんの少し前に、甘い声で喘いでいたファルナの姿を思い出して片手で口許を覆った。
容姿が好みだというのもあって、乱れる姿はたまらなく可愛らしかった。
潤滑油なんて幾らでもあったのに、自ら触れたくてつまらない嘘まで吐いてしまった。そもそも呪いをかけた求人を見つけることができたのだから、ファルナは間違いなく処女だ。だから最終面接なんてする必要はなかった。
でも、触れたかった。その気持ちが抑えきれなかった。
そんな喜ぶ自分に気付かれたくなくて、つい気持ちを隠すためにファルナに冷たい態度を取ってしまった。
(きっと彼女は、私のことを嫌な奴だと思っているだろう)
自制をするために取った行動は仕方がなかったと言い訳できるが、それでも申し訳なさと苦い気持ちは残る。
「困ったものだ。これから、長い付き合いになりそうだというのに───……ん?」
グリジットはポロリと零れた自分の本音に驚いた。
そして取引内容は、失敗した初夜をやり直すための補助薬を作ること。報酬は今後一切干渉しないという自由な生活。
ちなみに頼まれた薬は媚薬に近いもので、グリジットはそういったものを使う機会はなかった。
そりゃあ時々、失脚を願う官僚や、一夜の情けを求める女性によって、飲み物に混入されたことはあったけれど、毒に慣れすぎた身体ではさして効くことも無く、飲んだところで命を脅かすものでもないので、グリジットは興味を持つことはなかった。
そして、一生使うこともなければ、そんな薬を研究する羽目になるとも思っていなかった。
......思っていなかったのに、まさかコレが取引材料になるとは、なんとも神様は意地が悪い。よっぽど性根の腐った官僚を毒殺するほうが楽だった。
だがしかし、グリジットはその取引を受けた。監視の無い自由な生活を手に入れたいという思いももちろんだが、半分しか血が繋がっていなくても、グリジットは弟のルブランを大切に思っている。
といっても、ルブランが求めたのは男性に使うものではなく、性に不馴れな女性の為のもの。
グリジットがどれだけ薬学に精通していたとて、実験台がいなければ満足な薬は作れない。
だからグリジットは、求人をかけた。未婚で、処女で、口が硬くて、性の知識に乏しくて、どうしても働かないといけない事情を抱えている女性を求めた。
その結果、ファルナが表れた。だから後はグリジットは粛々と薬を開発するだけで良い。
─── 良いのだけれど、気持ちの面ではそうではなかった。
「......あの声は、たまらん」
グリジットはほんの少し前に、甘い声で喘いでいたファルナの姿を思い出して片手で口許を覆った。
容姿が好みだというのもあって、乱れる姿はたまらなく可愛らしかった。
潤滑油なんて幾らでもあったのに、自ら触れたくてつまらない嘘まで吐いてしまった。そもそも呪いをかけた求人を見つけることができたのだから、ファルナは間違いなく処女だ。だから最終面接なんてする必要はなかった。
でも、触れたかった。その気持ちが抑えきれなかった。
そんな喜ぶ自分に気付かれたくなくて、つい気持ちを隠すためにファルナに冷たい態度を取ってしまった。
(きっと彼女は、私のことを嫌な奴だと思っているだろう)
自制をするために取った行動は仕方がなかったと言い訳できるが、それでも申し訳なさと苦い気持ちは残る。
「困ったものだ。これから、長い付き合いになりそうだというのに───……ん?」
グリジットはポロリと零れた自分の本音に驚いた。
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