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ヒメゴトの後の、種明かし
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驚きすぎているファルナであるが、辛うじて口を挟むことはしなかった。
そのためグリジットは、まだ心に余裕があると判断したようで淡々と言葉を続ける。
「君の財産を奪った罪人たちはこちらで処分しておいた。無論、今後逆恨みされないよう手回しは住んでいる。だから安心してくれ。それと優秀な税理士と護衛も付けるから、君はこれから先ーー」
「あの……ちょっと待ってください」
ファルナはグリジットとの約束を破って声を上げた。
「なんだか、グリジットの話を聞いていると……これから先、私は王都で過ごせって言っているように聞こえます」
「そうは言ってない。ただ、そういう選択肢があると伝えたかっただけだ」
「……そう。そうですか」
穏やかに告げるグリジットに、ファルナはきゅっと胸元の毛布を掴む。
(一晩限りで終わらすつもりはないって言ってくれたのに。もう逃げられないって言ってくれたのに……)
今のグリジットの発言は、まるで自分を王都に残して自分だけ旅立つような口ぶりだ。
ファルナは唇を強く噛む。余計なことをつい言ってしまいそうで。
グリジットのお茶に媚薬を入れた時、ファルナは一晩限りの過ちを望んでいた。それ以上は求めるつもりなんてなかった。その気持ちは今でも変わっていない。
だからグリジットが冷静さを取り戻した今、責任を取るつもりはないと伝えたいのならそれで良い。
でもこんな遠回しな言い方をしないで欲しいと望むのは、自分のワガママなのだろうか。
ファルナは更に唇を強く噛む。けれどここでグリジットに顎を掴まれたと思ったら、ぬるりと唇に生暖かいものが触れた。一拍置いて、それが彼の舌であることに気付いた。
「噛んだら駄目だ。傷になってしまう」
苦い薬を嫌がる患者を嗜めるように、グリジットは厳しい口調でそう言った。それからファルナが何か言う前に先に言葉を続ける。
「言いたいことがあるなら言いなさい」
「……言えません」
「なぜ?ああ……そうか。私が口を挟むなと言ったからか……すまなかった」
申し訳なさそうに眉を下げるグリジットに、ファルナは首を横に振る。言いたいことは口にできないことだと伝えるために。
けれども、グリジットは大いなる勘違いをしてくれた。
「前言撤回する。ファルナ、言いたいことは、ちゃんと言ってくれ」
「言いたいことなんて、なにもーー」
「嘘を付くな。今、自分がどんな顔をしているか鏡を見てみるか?泣きそうな顔をしているぞ」
「……っ」
呆れた口調になったグリジットに、ファルナは「……うぅ」っと小さく呻き声を出す。
「それではわからない。ちゃんと言いなさい」
精一杯の反抗もグリジットの前では何の役にも立たなかった。
そのためグリジットは、まだ心に余裕があると判断したようで淡々と言葉を続ける。
「君の財産を奪った罪人たちはこちらで処分しておいた。無論、今後逆恨みされないよう手回しは住んでいる。だから安心してくれ。それと優秀な税理士と護衛も付けるから、君はこれから先ーー」
「あの……ちょっと待ってください」
ファルナはグリジットとの約束を破って声を上げた。
「なんだか、グリジットの話を聞いていると……これから先、私は王都で過ごせって言っているように聞こえます」
「そうは言ってない。ただ、そういう選択肢があると伝えたかっただけだ」
「……そう。そうですか」
穏やかに告げるグリジットに、ファルナはきゅっと胸元の毛布を掴む。
(一晩限りで終わらすつもりはないって言ってくれたのに。もう逃げられないって言ってくれたのに……)
今のグリジットの発言は、まるで自分を王都に残して自分だけ旅立つような口ぶりだ。
ファルナは唇を強く噛む。余計なことをつい言ってしまいそうで。
グリジットのお茶に媚薬を入れた時、ファルナは一晩限りの過ちを望んでいた。それ以上は求めるつもりなんてなかった。その気持ちは今でも変わっていない。
だからグリジットが冷静さを取り戻した今、責任を取るつもりはないと伝えたいのならそれで良い。
でもこんな遠回しな言い方をしないで欲しいと望むのは、自分のワガママなのだろうか。
ファルナは更に唇を強く噛む。けれどここでグリジットに顎を掴まれたと思ったら、ぬるりと唇に生暖かいものが触れた。一拍置いて、それが彼の舌であることに気付いた。
「噛んだら駄目だ。傷になってしまう」
苦い薬を嫌がる患者を嗜めるように、グリジットは厳しい口調でそう言った。それからファルナが何か言う前に先に言葉を続ける。
「言いたいことがあるなら言いなさい」
「……言えません」
「なぜ?ああ……そうか。私が口を挟むなと言ったからか……すまなかった」
申し訳なさそうに眉を下げるグリジットに、ファルナは首を横に振る。言いたいことは口にできないことだと伝えるために。
けれども、グリジットは大いなる勘違いをしてくれた。
「前言撤回する。ファルナ、言いたいことは、ちゃんと言ってくれ」
「言いたいことなんて、なにもーー」
「嘘を付くな。今、自分がどんな顔をしているか鏡を見てみるか?泣きそうな顔をしているぞ」
「……っ」
呆れた口調になったグリジットに、ファルナは「……うぅ」っと小さく呻き声を出す。
「それではわからない。ちゃんと言いなさい」
精一杯の反抗もグリジットの前では何の役にも立たなかった。
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