健気なΩは公爵様に愛される。

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健気なΩは公爵様に愛される。

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そのまま一夜を越してしまったのだろう。いつぶりだろう。こんなによく眠れたのは。カーテンの隙間から白いベールとなって射し込む朝日。こんなにすがすがしい朝など初めてだった。夢でも良いからもう少しこの気分を味わっていたい。そう思って寝返りを打とうと反対側を向いた。

「っえ?!あっ!?ど、うして?」

なんと俺の横には知らない金髪の美形がすやすやと寝ていたのだ。
思わず大声をあげてしまったことに気づき、口をとっさに押さえる。けれど遅かったようだ。
その美しい顔は眉を歪め、すうっとまぶたを開けた。エメラルドグリーンの瞳に長い睫毛、朝の光に輝く金色の髪はまるで絹のようになめらかだった。うっとりと見入ってしまっていた。が、それもつかの間。急に腕を引っ張られてベットに沈まされる。そのまま腕の中に抱きくるめられ、身動きがとれなくなってしまった。

「えっ、ちょっ!!なにして、!」

「んぁぁ…うるさい……もうちょっと寝ろ……」

朝の色気の漏れ出すこの男に胸が高鳴りながらも少し抵抗してみるがこの体格差では勝てるわけないと思い直して抵抗をやめる。そのまま隣の男の寝息を子守歌に自分もまた、眠りについた。

次に起きたときにはもう太陽も南に登りきり一緒に寝たはずのあの男も消えていた。
さすがにずっと眠っているわけにもいかずに身体を起こしてみる。
すると、ドアのそばにあの黒いコートの男が立っていた。

「起きたんだな。よく寝ていたぞ。」

そういって冷たい水を差しだしてくれる。その水を飲むと頭が幾分すっきりした。
優しく頭を撫でてくれてどうも悪い人ではなさそうだと、勝手に判断する。

「あの…俺ってどうしてここにいるんですか?訳も知らされずあんなところに連れて行かれて……」

「あぁ、それを知らせる前に自己紹介だな。俺は王宮騎士団長アレクサンドロス レイモンドだ。昨日はお忍びがてらに街を見回っていたのだが、裏路地で怪しい動きを見かけてな、それを追っていた。
そこであのオークション会場に着いた。昨日売られていたものはおまえ以外は物だったからよかったのだが、聞き取り調査をしたところ美しいΩが売られるときいた。Ωは国で規制されている数少ない貴重性別だ。失うわけにはいかない。そう思って十億アイズでおまえを買った。分かったか?」 

一気にいろんなことがはなされて聞き取るのにも苦労したが王宮騎士ということはあの憎いあいつからは抜け出せたということだ。それに対しての安心が胸を突いてでた。

「じゃあ…俺は自由ってことですか…?」

「あぁ、一応そうなる……んだが、今日からお前ここで働かないか?」

「えっ?」

急なことでびっくりしたが王宮騎士様の配下にいればひとまずは安心できる。そう思って承諾してしまった。
しかし、承諾したのが間違いだったのか…。この王宮騎士のレイモンドが提示した俺の仕事。それは、このレイモンドの夜の相手だった。あわてて断ったがレイモンドは自分が十億アイズで買った以上俺の人権は自分のものだと主張してきた。そして解放されたいなら十億アイズをはらえと。
そんなこと、絶対にできるわけがない。これは立派な脅迫だ。

「俺そんなこと一回もしたことないし…!貴重なΩじゃなかったんですか?」

「あぁ、Ωはとても貴重だ。αと番を成し子を作るべきだ。だから俺と番になればいいんだ。」

「えっ?αなんですか?」

「あぁ、そういうわけだ。だから俺に黙って抱かれていろ」

強引な言葉になぜか胸の高鳴りを感じるも、そんなことを言われてもはい、とも答えられない。だが十億アイズなんてそんな一生かかっても支払うことはできない。俺には頷く以外に道はなかった。

「安心しろ。俺は優しい。未貫通だと聞いたからな。今日の夜にでも。」

「っえ?!もうするんですか?!」

「まあ、早い方がいいだろう。だがヒートの時はダメだ。」

「え?でも子供作るんじゃないんですか?」

「欲しいのか?…いやまあ、それでもいいんだがヒートの時は俺も手加減できるか分からない。きっと獣の交尾のように孕ませるということしか考えられなくなるからな。」

「…っ、じゃあ…最初はヒートの時以外でお願いします…」

「あぁ、そうしよう。だが、その前におまえのその貧相な身体をどうにかしないとな。顔はよくてもこんなに細いんじゃ折ってしまわないかと心配になる。」

そういってレイモンドは僕をまたお姫様だっこで抱えるとどこかへ向かった。
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