異世界転生したので俺TUEEEを期待してたら戦闘向きの能力じゃなかったので頭を捻ろうと思います。

滝永ひろ

文字の大きさ
2 / 45
1章 転生したは良いものの…これでどう戦うんだあ!!

2話 学校

しおりを挟む
「ということで、この私立カールトン魔騎高校に転校してきた転校生のリック君だ。みんな仲良くするように」

真っ白いひげを生やしたおじいちゃん先生の紹介を受けてあいさつする。

「ども、転校してきたリック・ニュートンです。よろしくお願いします」

「なんかこの場で聞いておきたいことでもあれば聞いとけー」

先生が言う。面倒なことを...

「はい!はい!俺はアダム・トンプソンだ。リックはどこから来たんだ?」

教室の後ろのほうに座って居る男が質問を投げかけてきた。

めんどくさそう...関わらなければいい話か。

「気づいたらこの町にいて。前の町のことはほぼ覚えてないんです」

「そうか!それならしょうがないな!」

めんどくさそう...

「じゃあ、リックはアダムの隣の席へ...」

このジジイ...

「席隣だな。よろしくリック」

「ああ、よろしく」

愛想だけよくしとこ。

「放課後町を案内してやるよ。楽しみにしててな」

(♯^ω^)ピキピキ

「ああ、わかったよ。ところで今から授業なんだよな」

「そうだけどどうかしたか?苦手なら教えてやろうか?」

「大丈夫。いや、教科書とか持ってないなって思って」

「教科書?そんなことか。机付けな。見せてあげよう」

机をつけるとアダムが教科書を見せてくれた。見たこともない文字が並んでいた。

なんだこれ...想像できなかったことではないけど、異国の言葉なんてわかんな...ん?なんか読める...そういうもんか。

「よし、授業始めるぞー」

おじいちゃん先生が教科書を開いて号令をかけた。

「では因数分解の続きから...」

ふぁ?高校生だよな?学校の勉強のほうは知識チートか...みんな難しい顔してるし、勉強のほうは困らなそうだな。



「2限目は体育ー」

クラスの誰かが声をかけた。

「よかったなリック。初日に体育だ。いつも楽しいんだぞ」

「へー。何やんの?」

「鬼ごっこ」 

へ?いい年して鬼ごっこ?

「鬼ごっこ」

「いや聞こえてるけど」

「鬼ごっこだぞ。実践を見越して、逃げる役と追う役に分かれて訓練するんだ」

「ふーん」

結構ガチでやってんだな。

「リックは追う側でいいぞ。相手に対して後出しの対応ができるから有利なんだ」

「おう、ありがと。俺は逃げる側でも勝てるけどな」

「いうな~。でも今回は俺が逃げる側だ。手加減はしないから覚悟してろよ~」

本音としては逃げる側が良かった。理由は言わずもがな。

「ルールは説明しとくな」

「おう。頼む」 

「ルールは大きく分けて三つだ。
一つ目、追跡者と逃亡者に分かれ、時間内に全員捕まえて牢屋ゾーンに連れてくれば勝ちだ。
二つ目、追跡者は逃亡者を拘束しておく必要がある。追跡者の目を盗んで逃げてよしだ。
三つ目、魔法は使っていいことになってる。みんな独自の魔法を持ってるから、気をつけろよ」

「大体わかった。ありがと」
 


「それでは、はじめ!」

おじいちゃん先生の今日一の大声で逃げる側が一斉に動き出した。(と思う。追う側は最初見れない。そのほうがフェアだろ?)校舎側を向けられ、誰がどこに行ったか見当もつかない。

しばらくすると、追跡の合図が出た。これは逃げる側に知らされないらしい。肯定側を振り向いた。いくつかの足跡が残っている。これを追ってみるか。

そう思ったのを見透かしたように後ろから声がした。

「それ、追っても無駄だよ」

振り向くと、背の低い少年が立っていた。同年代のようだが身長のせいか幼さが否定できない。

「足跡なんてあてにならないよ。追っても逃亡者のもとにはつかないはず。ウサギとかが足跡で天敵に居場所がばれないように足跡を偽装することがあるんだ。足跡に合わせて引き返したり、途中で直角に曲がったりしてね」

「えと...君は?」

「あっ、ごめん。僕は同じクラスのハル。よろしく」

「知ってるかもしれないがリックだ。よろしくな。ところで、やたら動物に詳しいんだな」

「うん。僕、小動物を操れて、動物には昔から詳しいんだ。ところで、僕はネズミたちに探してもらってるからいいけど君は探しに行かなくていいの?」

周りを見ると逃亡者を捕まえて牢屋ゾーンに連行している奴もいる。

「うおっ、早えな...これは俺も急がねえと」

「リック君が入ってきて逃亡者より追跡者のほうが多くなったから、早くしないと全部取られちゃうよ」

ハルはにこやかに言ってるが、何気に深刻な問題だ。まあ負けても大して損はない...

「ちなみに追跡者は捕まえるごとに評価はいるから。そうでもしないとみんな鬼ごっこなんてしないでしょ」

「ヨーシ本気出スカア」

「現金だなあ。多分最後の一人は捕まらないから、ほんとに急いだ方がいいよ」

「最後の一人...そんなにこのゲーム得意な奴がいるのか?」

「さっき仲良さげに話してたじゃない」

「ん?」

「アダム・トンプソン君だよ」

笑えんぜ...ああいうのが意外と強いのか...

「彼は個有魔法を駆使して追跡側を一切寄せ付けない。追いついても触れることさえできないから毎回彼だけ残っちゃうんだ」

「ふーん。馬鹿に見えて結構やるんだな」

「彼も”生き残った”だけあるよ」

「生き残ったって?」

ハルはその質問に答えなかった。

「ところでリック君」

「どうしたハル?」

「噂をしている間にあと二人しか残ってないよ」

「おお詰んだな」

「諦めが早すぎるよ...あと一人はいるんだから頑張ろうよ」

「つってもなあ、どこにいるか全く見当もつかないもんなあ」

「僕も評価は欲しいから手助けはしないよ。頑張ってね」

そういうとハルは走って行ってしまった。

おや?ハルを追っていけば見つけられるのでは?

こっそりあとをつけよう。ハルのいく先にアダムがいないことを祈るぜ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした

高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!? これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。 日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...