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5章 裁判…へー。は?俺がスパイとかなんかの間違いだろ
2話 希望
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「ここでしばらく待っていろ。逃げ出したら疑われるだけだ。探し出されてさらし者になりたくなかったらここでおとなしくしていろ」
そういって檻の扉を閉め、そのまま立ち去った。
「おとなしくしとけって言われておとなしくするやつがいるか...」
透過して壁から抜け出した。
「壁の中を意識だな。出たら即物の中に入らないと」
俺は壁をすり抜け、敷地外に出て、そのまま建物の中に隠れた。室内とかではではなく、本当に建物の中(物理)だ。ここなら見つからない。しかしずっとここにいるわけにもいかない。どこまで行けば見つからない...
そうだ。あそこしかない。
「ルークさん!かくまってください」
俺が思いついたのはマーロウ探偵事務所、職場体験でお世話になったルークさんの事務所だった。
「どうしたんだい?何かあった?」
「実は...」
俺は事の顛末を説明した。
「そっか。でも新聞が嘘ついてるのはわかるから、ここに居な。お礼はたっぷりしてもらうからね~」
「...ありがとうございます」
こうして俺はルークさんの事務所でかくまわれることになった。
ゴンゴンゴン
事務所に訪れる人があった。
「リック君、隠れて」
ルークさんにせかされて、俺はクローゼットの中に隠れた。
「どうぞ、入って~」
「おう失礼するぞ」
「ああ、また君か~、なんかまた事件が解けないのかい?」
「いや、お前リックニュートンって覚えてるか?」
「ん?どっかで聞いたけど。誰だっけそれ。いっぱいの人と接するから一人一人の名前なんて覚えてないなあ」
「こないだお前んとこに職業体験に来てただろ」
「ああ、あの子。もう二か月もたっちゃったし。忘れてたや」
「それでよく探偵務まるな...」
「リック君がどうかしたの?」
「あいつ、国際スパイの疑いがかかっててな」
「ははっ、こんなちんけな国にスパイなんて自意識過剰だね」
「それもそうだが、その様子だと知らなさそうだな。じゃ、なんかあったら教えてくれや」
そして、扉が閉まる音がした。
「リック君もう出てきていいよ」
ルークさんの声がした。それで安心して俺はクローゼットの中から出て行った。すると、そこには立ち去ったはずの自警団の男がいた。
「ルークさん...なんで...?」
「まあまあ、安心せい。無理に捕まえようってんじゃねえや」
そういう男の手を見ると、何かが書かれたメモ紙が握られている。そこには、「誰がどうやって盗聴しているかわからない。ルークとそうしたように、筆談で会話しろ」と書かれている。
「そんなこと言われても、おとなしく捕まるわけないじゃないですか」
「そりゃそうだが、捕まってくれないと困るんだよ」(ルークから事情は聞いている。ひとまずこの場は見逃す)
「ルークさん、かくまってくれるって言ったじゃないですか。嘘だったんですか?」
「いやあ、犯罪者に優しくする義理はないよ?」(追いかけっこの体だけとっときな。じゃないとこのおじさんが疑われるよ)
「そういうことやから、おとなしく捕まってくれや」(そっちのタイミングでスタートや。俺以外のやつにつかまんなよ)
「捕まってたまるか...障害物が多いところでなら俺のほうが有利ですからね」
そういって俺は走り出した。壁をすり抜け、外に出る。
走る。とにかく死に物狂いだ。そうじゃないと意味がない。
「まてええ!」
おっさんも本気で追いかけてくる。しかし、空気抵抗を受けないという圧倒的アドバンテージがある俺が、見るからに30過ぎのおじさんにつかまるころはないと思っていたが、おっさんもなかなか速い。
このまま教会がある大通りまで、おっさんが俺の意図を理解してくれれば...
そういって檻の扉を閉め、そのまま立ち去った。
「おとなしくしとけって言われておとなしくするやつがいるか...」
透過して壁から抜け出した。
「壁の中を意識だな。出たら即物の中に入らないと」
俺は壁をすり抜け、敷地外に出て、そのまま建物の中に隠れた。室内とかではではなく、本当に建物の中(物理)だ。ここなら見つからない。しかしずっとここにいるわけにもいかない。どこまで行けば見つからない...
そうだ。あそこしかない。
「ルークさん!かくまってください」
俺が思いついたのはマーロウ探偵事務所、職場体験でお世話になったルークさんの事務所だった。
「どうしたんだい?何かあった?」
「実は...」
俺は事の顛末を説明した。
「そっか。でも新聞が嘘ついてるのはわかるから、ここに居な。お礼はたっぷりしてもらうからね~」
「...ありがとうございます」
こうして俺はルークさんの事務所でかくまわれることになった。
ゴンゴンゴン
事務所に訪れる人があった。
「リック君、隠れて」
ルークさんにせかされて、俺はクローゼットの中に隠れた。
「どうぞ、入って~」
「おう失礼するぞ」
「ああ、また君か~、なんかまた事件が解けないのかい?」
「いや、お前リックニュートンって覚えてるか?」
「ん?どっかで聞いたけど。誰だっけそれ。いっぱいの人と接するから一人一人の名前なんて覚えてないなあ」
「こないだお前んとこに職業体験に来てただろ」
「ああ、あの子。もう二か月もたっちゃったし。忘れてたや」
「それでよく探偵務まるな...」
「リック君がどうかしたの?」
「あいつ、国際スパイの疑いがかかっててな」
「ははっ、こんなちんけな国にスパイなんて自意識過剰だね」
「それもそうだが、その様子だと知らなさそうだな。じゃ、なんかあったら教えてくれや」
そして、扉が閉まる音がした。
「リック君もう出てきていいよ」
ルークさんの声がした。それで安心して俺はクローゼットの中から出て行った。すると、そこには立ち去ったはずの自警団の男がいた。
「ルークさん...なんで...?」
「まあまあ、安心せい。無理に捕まえようってんじゃねえや」
そういう男の手を見ると、何かが書かれたメモ紙が握られている。そこには、「誰がどうやって盗聴しているかわからない。ルークとそうしたように、筆談で会話しろ」と書かれている。
「そんなこと言われても、おとなしく捕まるわけないじゃないですか」
「そりゃそうだが、捕まってくれないと困るんだよ」(ルークから事情は聞いている。ひとまずこの場は見逃す)
「ルークさん、かくまってくれるって言ったじゃないですか。嘘だったんですか?」
「いやあ、犯罪者に優しくする義理はないよ?」(追いかけっこの体だけとっときな。じゃないとこのおじさんが疑われるよ)
「そういうことやから、おとなしく捕まってくれや」(そっちのタイミングでスタートや。俺以外のやつにつかまんなよ)
「捕まってたまるか...障害物が多いところでなら俺のほうが有利ですからね」
そういって俺は走り出した。壁をすり抜け、外に出る。
走る。とにかく死に物狂いだ。そうじゃないと意味がない。
「まてええ!」
おっさんも本気で追いかけてくる。しかし、空気抵抗を受けないという圧倒的アドバンテージがある俺が、見るからに30過ぎのおじさんにつかまるころはないと思っていたが、おっさんもなかなか速い。
このまま教会がある大通りまで、おっさんが俺の意図を理解してくれれば...
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