異世界転生したので俺TUEEEを期待してたら戦闘向きの能力じゃなかったので頭を捻ろうと思います。

滝永ひろ

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5章 裁判…へー。は?俺がスパイとかなんかの間違いだろ

3話 追跡

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俺は大通りまで走った。そして意図的に掲示板の前を通る。

なぜこの大通りに来たかというと、人という障害物が多いのも理由の一つだが、おっさんに協力してもらうためだ。俺のさっきの「障害物が多いところでなら俺のほうが有利ですからね」という発言は、暗に「俺の能力からすると障害物が多いとこに行く、とすぐ判断がつくのでそれに当てはまらないとこに行きます」というメッセージだった。そして掲示板に案内したのは、ほかの自警団員に嘘を流すよう促すためだ。

後ろを見ると、掲示板の前でおっさんが立ち止まっている。どうやらメッセージは伝わっているようだ。

おし、ここは一応人込みに隠れて待機か。

すぐにおっさんがこちらに向いた。俺は人込みの中から目を合わせる。

「待てええええ!」

またおっさんが追ってきた。おっさんもこちらを見つけたようだ。

「よし...作戦開始だな」

俺はおっさんから離れないように気を付けながら走る。行先は、学校と反対側にある更地。学校から遠ざかりたいのは、見かけられたら一発で俺とばれるからだ。そして、ルークさんの事務所も近い。そのまま見失わせてルークさんの事務所にゴールインというわけだ。



俺は更地に向かい、そこをさらに抜け、事務所に戻ってきた。

「お帰り」

ルークさんのその声は、おっさんに向けて放たれている。

「悪い。取り逃がした。もう一度聞くが、ここには来てないよな?」

「うん。お勤めご苦労さま~」

「まだや。捕まえるまでが俺たちの役目だからな」

「お~、かっこいいこと言うじゃん」

「じゃ、また来るぜ」

「はいは~い」

そしておっさんは書置きを残して事務所を出た。書置きには、「若いながらなかなか頭が回るようだな。掲示板にはお前が思ってる通りのことを書いた。人混みが多いところや、建物内などの複雑な地形の場所に捜査が集中するだろう。こちらのほうでも有志を募ってお前の潔白の証拠を探しておく。達者でな」とあった。

あの人、シンプルにいい人だよな、ルークさんとは違って。実直な感じするし、ルークさんとは違って。なんでこの正反対の二人が仲いいんだ?

「ンッンンッ」

ルークさんが咳ばらいをした。ルークさんのほうを見ると、何か書かれたメモ用紙をもっている。

「(君とももちろん筆談だよ)」

俺はうなずいた。

「(さあ、君が僕についた二つの大きな嘘について明かそう)」

そう言って(書いて)、ルークさんは俺も知らない俺の秘密を話し(筆談)始めた。

「(君が付いた二つ目の嘘は、出身についてだ)」

ルークさんは、なぜか二つ目から話し出した。

「(君はこの国の出身でもなければ、ほかの国の出身でもない)(そうなると、この世界に居場所がないわけだ)(ということは、この世界の出身ではないということだ)」

俺は、恐る恐るながらうなずく。それを見て、ルークさんもにやり、と笑う。

「(君は異世界出身だ。間違いないね?)」

俺はうなずいて見せる。そして、ルークさんはさらに次のメモ用紙に書き始める。

「(大切なのは一つ目の嘘だ)」

俺も気になっていた。自覚しているのは出身だけだ。

「(君、僕が魔法について聞いたとき嘘ついたよ)」

どういうことだ...?俺はこの身で体感して判断した魔法を正直に話したつもりだが...

「(その様子だとやっぱり自覚はなかったみたいだね)(僕は探偵やってて、嘘ついてる人は感覚でわかるようになった)(そのうち、偽の情報を本気で信じてる人も判別がつくようになった)(神がいないことだってわかるよ)(君もそうだったってわけさ)」

つまり...俺は『透過』だと思っていただけで実は違うということか?

「(君の魔法が何か、僕にはわからない)(君を好きに実験していいのなら、僕は君の魔法を特定できる)(この状況だけど、いいかい?)」
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