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5章 裁判…へー。は?俺がスパイとかなんかの間違いだろ
4話 絶望
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「(君の魔法が何か、僕にはわからない)(君を好きに実験していいのなら、僕は君の魔法を特定できる)(この状況だけど、いいかい?)」
俺はうなずいた。
「(OK、じゃあ、まず、魔法を使った状態で目をつむって。僕が咳ばらいをしたら目を開けるんだ)」
俺は目を閉じた。
何が行われるのだろうか。
んっ!なんかクセッ!何されてるんだこれ!
しばらくして、咳払いが聞こえた。
「(はい、ありがとう。まず何をしたかだよ)(体に火を近づける、耳を覆った状態で音を立てる、鼻の近くにインクを近づける)(どれか感じた?)」
俺は自分の鼻に触れる。インクの臭いを感じたという意味だ。
「(君は五感のうち触覚以外が残っているんだね)(熱は感じないみたいだね。感じてたならきっと思い込みだ)(物は見えているみたいだ)(耳は、透過状態でも塞げば聞こえない)(そして、においも感じてる)(あとは味覚だけど、確かめようがないね。必要ないしいいか)」
五感があることを確かめて、何がわかるんだろうか。
「(僕はまず疑問に思った。なんで透過しているのに地面の中に落ちないのか?)(そして、透過しているなら五感は残らないはずだ)(そして、なぜ透過状態でも呼吸できているのか?)(君はこれらについて疑問に思ったことはある?)」
俺は首を振る。
「(僕の仮説はこう)(今僕らから見えているリック君は偽物なのではないか?)」
俺が偽物...どういうことだ?
「(君自身はどこか不可侵の領域にいて、そして五感を持ち合わせる虚像を投影しているだけではないか?)(こう仮定すれば全部つじつまが合うのさ)(おかげで仕事に身が入らなかったよ)(仮説が正しいとすると、君は2個の段階を踏んで能力を使っていることになる)(これを自由自在に使えれば、君はきっと無敵になれる)」
どういう...ことだ...?
「(段階を踏んで魔法を使うということは、それが順番に使われているということを理解できる?)」
俺はうなずく。
「(僕の仮説が正しくて、かつ君に才能があれば、別の世界に逃げた状態でキープができるはずだ)(やって見て)」
そんなこと言われても...
魔法を途中で止める...俺の中の認識を『透過』から『異世界に飛んで現在地に虚像を投影する』に。そして、姿と五感の投影をストップ...
次の瞬間、目の前が真っ白になった。いや、
「真っ白な世界...?」
何もない。でも、何か不思議だ。ここでは自分がなんなのかわからなくなる...
はっ...
「(お帰り。実験は成功かな)」
ルークさんは、今まで見たことないくらいに口角を上げて、にやり、と笑った。
「(次はもう一つ。座標を意識するんだ)(狙った位置に投影する。意識して)」
俺はうなずいた。
俺は、また意識を集中した。これは認識の問題だ。「できる」と信じるんじゃなくて認識するんだ。
俺は、さっきの場所をイメージし、自分の中のもう一つの自分を飛ばすことをイメージ。そして、今いる場所から1m前の場所を意識し、そこに自分を映すイメージ。
「...ふぅっ...」
...何も起こらない。何がいけないんだ。今までやっていた透過状態すらできていない。
「(どうしたの?)」
俺はルークさんに目を合わせる。そしてメモ用紙を持ってきて、書く。
「(能力が使えない)」
ルークさんが残念な顔をする。
「(魔法は個々の感覚の問題だから、それは君で解決するしかない)(でも、君はきっとトップに立つ資質がある)(君ならできるんじゃない?知らんけど)」
相変わらず適当だ。でも、ルークさんも俺を信頼しているみたいだ。俺がルークさんにそうであるように。
「(君ができないと思ったらそこで終わりだよ)(わかると認識しな。その嘘は本当にできる。少なくとも僕はそうしてきた)」
俺は窓の外を見た。自警団が走り回っている。その一人と目が合った。その一人が、入口のほうに向かって走る。ドアが勢いよく開かれ、その男が入ってくる。
「おとなしくしろ!連行だ!」
俺は何も考えられなかった。腕をつかまれ、そのまま引きずられていく。
男が何か言っているようだが、何か脳が受け付けようとしているみたいだ。
男の仲間がルークさんと会話している。ルークさんはその男と好意的に話している。嘘でもついているのか。連れてはいかれないみたいだ。よかった。
気づくと、留置所にいた。知っている檻だ。両手に手錠もついている。
「捕まったのか...」
口に出して初めて実感ができた。
「逃げ...られる気がしねえな」
また試してみるが、何度やっても透過状態にさえなれない。
その日はそのまま、眠ることもできずに夜が明けることになった。
「1102番、出ろ。時間だ」
看守が扉を開けた。俺は立つこともできない。
「ほら、立て」
首根っこをつかまれて持ち上げられる。
「立て。自分で立て。足ついてんだろーが」
それでやっと俺は立った。そして看守に引っ張られて連れていかれる。
「不正な工作が見られた場合、罪の内容が重くなる。馬鹿なやめろよ」
そうか。俺は今から犯罪者にされるんだな。もう逃げられない。魔法が使えなくなってしまった。やはり、神なんていない。
俺はうなずいた。
「(OK、じゃあ、まず、魔法を使った状態で目をつむって。僕が咳ばらいをしたら目を開けるんだ)」
俺は目を閉じた。
何が行われるのだろうか。
んっ!なんかクセッ!何されてるんだこれ!
しばらくして、咳払いが聞こえた。
「(はい、ありがとう。まず何をしたかだよ)(体に火を近づける、耳を覆った状態で音を立てる、鼻の近くにインクを近づける)(どれか感じた?)」
俺は自分の鼻に触れる。インクの臭いを感じたという意味だ。
「(君は五感のうち触覚以外が残っているんだね)(熱は感じないみたいだね。感じてたならきっと思い込みだ)(物は見えているみたいだ)(耳は、透過状態でも塞げば聞こえない)(そして、においも感じてる)(あとは味覚だけど、確かめようがないね。必要ないしいいか)」
五感があることを確かめて、何がわかるんだろうか。
「(僕はまず疑問に思った。なんで透過しているのに地面の中に落ちないのか?)(そして、透過しているなら五感は残らないはずだ)(そして、なぜ透過状態でも呼吸できているのか?)(君はこれらについて疑問に思ったことはある?)」
俺は首を振る。
「(僕の仮説はこう)(今僕らから見えているリック君は偽物なのではないか?)」
俺が偽物...どういうことだ?
「(君自身はどこか不可侵の領域にいて、そして五感を持ち合わせる虚像を投影しているだけではないか?)(こう仮定すれば全部つじつまが合うのさ)(おかげで仕事に身が入らなかったよ)(仮説が正しいとすると、君は2個の段階を踏んで能力を使っていることになる)(これを自由自在に使えれば、君はきっと無敵になれる)」
どういう...ことだ...?
「(段階を踏んで魔法を使うということは、それが順番に使われているということを理解できる?)」
俺はうなずく。
「(僕の仮説が正しくて、かつ君に才能があれば、別の世界に逃げた状態でキープができるはずだ)(やって見て)」
そんなこと言われても...
魔法を途中で止める...俺の中の認識を『透過』から『異世界に飛んで現在地に虚像を投影する』に。そして、姿と五感の投影をストップ...
次の瞬間、目の前が真っ白になった。いや、
「真っ白な世界...?」
何もない。でも、何か不思議だ。ここでは自分がなんなのかわからなくなる...
はっ...
「(お帰り。実験は成功かな)」
ルークさんは、今まで見たことないくらいに口角を上げて、にやり、と笑った。
「(次はもう一つ。座標を意識するんだ)(狙った位置に投影する。意識して)」
俺はうなずいた。
俺は、また意識を集中した。これは認識の問題だ。「できる」と信じるんじゃなくて認識するんだ。
俺は、さっきの場所をイメージし、自分の中のもう一つの自分を飛ばすことをイメージ。そして、今いる場所から1m前の場所を意識し、そこに自分を映すイメージ。
「...ふぅっ...」
...何も起こらない。何がいけないんだ。今までやっていた透過状態すらできていない。
「(どうしたの?)」
俺はルークさんに目を合わせる。そしてメモ用紙を持ってきて、書く。
「(能力が使えない)」
ルークさんが残念な顔をする。
「(魔法は個々の感覚の問題だから、それは君で解決するしかない)(でも、君はきっとトップに立つ資質がある)(君ならできるんじゃない?知らんけど)」
相変わらず適当だ。でも、ルークさんも俺を信頼しているみたいだ。俺がルークさんにそうであるように。
「(君ができないと思ったらそこで終わりだよ)(わかると認識しな。その嘘は本当にできる。少なくとも僕はそうしてきた)」
俺は窓の外を見た。自警団が走り回っている。その一人と目が合った。その一人が、入口のほうに向かって走る。ドアが勢いよく開かれ、その男が入ってくる。
「おとなしくしろ!連行だ!」
俺は何も考えられなかった。腕をつかまれ、そのまま引きずられていく。
男が何か言っているようだが、何か脳が受け付けようとしているみたいだ。
男の仲間がルークさんと会話している。ルークさんはその男と好意的に話している。嘘でもついているのか。連れてはいかれないみたいだ。よかった。
気づくと、留置所にいた。知っている檻だ。両手に手錠もついている。
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口に出して初めて実感ができた。
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その日はそのまま、眠ることもできずに夜が明けることになった。
「1102番、出ろ。時間だ」
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めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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