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「で、陣形とかを考えないといけないんだけど、君の魔術の詳細を聞かせてくれる?」
「魔術...ってなんすか」
まあ、無理もないよな。だってさっき転生してきたばっかだもの。
「...はぁ?」
ミリアさんが信じられないというように抜けた声を出した。
「リヒト、アンタ本気で言ってんの?」
「はい。魔術ってなんすか」
「場合によっちゃシルヴァへの侮辱だけど...アンタ、どこから来たの?グァラッチのことも知らなかったし...」
異世界、と言って信じてもらえるのだろうか。
「言っても信じてもらえないと思いますけど」
「魔術にできないことはないわ。この国じゃ何が起きても不思議じゃない。ほら言ってごらんなさいよ」
「異世界から...」
「...なんて?」
「異世界から」
「いや聞こえてたけど」
「気づいたら芝生の上に寝転がってて、この国を見つけて門まで来たら守衛さんに入っていいよって言われまして」
それを聞いてファーブさんが考え込む。
「草が生えてるってことはシルヴァ・マーキュリー間か...てことは守衛は...あいつが敵と判断してないならそうなのか...?」
「悪い人には見えないけど、アンタ普通だったらスパイ容疑で逮捕だかんね」
「そう...ですか」
「ねえリヒト...」
ミリアさんが言いにくそうに切り出す。
「リヒト、異世界の本って何か覚えてない?私面白い本に目がなくて...」
確かに、さっき本読んでたし。
「えっと...前の世界ではあんま本とか読んでなくて...」
「そっかぁ...」
わかりやすくシュンとした。
「あっ、漫画とかなら覚えてますけど」
「まんが?」
「はい。コマ割りして物語を描くんです。動きがあっていいんです」
「何それ!面白そう!」
わかりやすく目をキラキラさせる。「kwsk!kwsk!」と、心を躍らせている。
視線を感じてその方向を見ると、リック君がこちらをジト目で見ていた。
「お姉ちゃん...」
げっ。
「ところで」
会話を断ち切ったのはファーブさんだった。
「このままじゃ不便だ。リヒト君、産婦人科へ行こうか」
「へ?」
俺は妊婦じゃねえぞ。
「術種判別はあちらになります」
産婦人科といわれて驚いたが、どうやら生まれた子供の魔術を判別するための機関が産婦人科内に設けられているらしい。
「それで連れてきたんですね」
「ああ、うん。能力の概要くらいは知っとかないとどうしようもないしね」
窓口が見えてきた。女性が受付に座っている。
「こんにちわ...えっ!?ファーブ・ハーバー!?o-LOSS総長のあの!?」
「...あ、そうなんです。すいません」
「いや、私推してるんです!は~この仕事しててよかった~、あの、握手とかしてもらっていいですか?」
「ああ、いいですよ」
ファーブさんは手を伸ばした。
「あっ、ありがとうございます!は~、私もう死んでもいい」
「あ...生まれるところでそういうこと言うのはちょっと...」
「もう一生手洗いません!」
「それは病院なので洗ってください」
...ファーブさんってモテるのか。てかほぼアイドルみたいな扱いだけど。
「それで、この人なんですけど。術種がわからないので検査してくれませんか」
「ああ、はいわかりました。記憶喪失か何かですか?」
「まあ、そんなとこです」
「では、こちらにお通ししますねー」
俺には普通より若干そっけない対応で検査してくれた。内容はというと、ちょっと血を抜き取って(魔法でとってくれた。痛くねえ。やったぜ)、それを魔法陣にたらして検査するらしい。
「はい。では検査結果は病院の受付で書いてもらえるのでお受け取りください」
「ありがとうございました」
そのまま俺たちは受付まで案内された。来た道だから案内など必要ないのだが、きっとさっきの受付の人がファーブさんと一緒に居たいだけではないかと思われる。
「では、こちらになります」
ファーブさんは紙を受け取り、「ありがとうございます」とほほ笑んで病院を出た。
受付の人たちはキャーキャー言ってたが、ファーブさんは我関せずと見もしなかった。
「ファーブさん、何者ですか?」
「ん?この国で3番目に強いことになってる若造だよ」
「なんか...人気じゃないですか?」
「うん、ありがたいことにね。それよりも多分p-DOXEの総長の方が人気だと思うなあ。イケメンだし、クールだし、僕より強いし...」
ファーブさんより強い...ナンバーワンかナンバーツーか。道理で対抗組織を仕切るわけだな。組織の大元があることを考えるとグァラッチ自体の総長が最強ってとこか。
「ファーブさんの強さは知りませんけど...強そうですね」
「まあ、あの人だけが強いわけじゃないんだけどね」
「交流会大丈夫なんですか...」
「うん...」
ファーブさんはうつむいた。
「落ち込まないでくださいよ。俺がいるじゃないですか。イレギュラーに対応なんて早々できないですって」
「どうだろう...」
「ファーブさん強いって聞きましたよ。ファーブさんなら勝てますって」
「...そう...だね」
「俺の能力って、どんなんだったんですか?」
「あ、確認してないや。強いのだといいね」
そう言ってファーブさんは紙を開いた。
「なんですか?なんて書いてあるんですか?」
「うーん..."立ち止まる能力"だって。よくわからないな...」
立ち止まる...どういうことだ?
「リヒト君、能力に名前を付けるんだ。その名前を口にすることで発動のトリガーにできるよ。僕ならSTRINE。どんなものも長さを変えられる魔術さ」
なるほど...じゃあ、俺はなんて名前にすればいいんだろう。
「あんまり深く考えなくていいよ。思うままの名前にするんだ」
「...STEP!」
その瞬間、俺の体が停止した。歩いていたところから、名前を言った瞬間に急に止まった。
「これが"立ち止まる能力"...」
「使い方次第では面白いことになりそうだね」
ファーブさんはそういったが、これが何か役に立つのか?
「明日の交流会では期待してるよ。いや~、体にマナ流せるだけでもだいぶ強いんだよね~」
ん?なんて?
「今なんて言いました?」
「いや、マナ流せるだけでも強いよって」
「いや違いますよ。その前」
「明日の交流会がどうかした?」
「え...?明日っすか?」
「うん?言ってなかった?」
「聞いてないっすよ」
「ああ、明日だから」
「えぇえ?」
自分でも聞いたことのない情けない裏声が聞こえた。
「魔術...ってなんすか」
まあ、無理もないよな。だってさっき転生してきたばっかだもの。
「...はぁ?」
ミリアさんが信じられないというように抜けた声を出した。
「リヒト、アンタ本気で言ってんの?」
「はい。魔術ってなんすか」
「場合によっちゃシルヴァへの侮辱だけど...アンタ、どこから来たの?グァラッチのことも知らなかったし...」
異世界、と言って信じてもらえるのだろうか。
「言っても信じてもらえないと思いますけど」
「魔術にできないことはないわ。この国じゃ何が起きても不思議じゃない。ほら言ってごらんなさいよ」
「異世界から...」
「...なんて?」
「異世界から」
「いや聞こえてたけど」
「気づいたら芝生の上に寝転がってて、この国を見つけて門まで来たら守衛さんに入っていいよって言われまして」
それを聞いてファーブさんが考え込む。
「草が生えてるってことはシルヴァ・マーキュリー間か...てことは守衛は...あいつが敵と判断してないならそうなのか...?」
「悪い人には見えないけど、アンタ普通だったらスパイ容疑で逮捕だかんね」
「そう...ですか」
「ねえリヒト...」
ミリアさんが言いにくそうに切り出す。
「リヒト、異世界の本って何か覚えてない?私面白い本に目がなくて...」
確かに、さっき本読んでたし。
「えっと...前の世界ではあんま本とか読んでなくて...」
「そっかぁ...」
わかりやすくシュンとした。
「あっ、漫画とかなら覚えてますけど」
「まんが?」
「はい。コマ割りして物語を描くんです。動きがあっていいんです」
「何それ!面白そう!」
わかりやすく目をキラキラさせる。「kwsk!kwsk!」と、心を躍らせている。
視線を感じてその方向を見ると、リック君がこちらをジト目で見ていた。
「お姉ちゃん...」
げっ。
「ところで」
会話を断ち切ったのはファーブさんだった。
「このままじゃ不便だ。リヒト君、産婦人科へ行こうか」
「へ?」
俺は妊婦じゃねえぞ。
「術種判別はあちらになります」
産婦人科といわれて驚いたが、どうやら生まれた子供の魔術を判別するための機関が産婦人科内に設けられているらしい。
「それで連れてきたんですね」
「ああ、うん。能力の概要くらいは知っとかないとどうしようもないしね」
窓口が見えてきた。女性が受付に座っている。
「こんにちわ...えっ!?ファーブ・ハーバー!?o-LOSS総長のあの!?」
「...あ、そうなんです。すいません」
「いや、私推してるんです!は~この仕事しててよかった~、あの、握手とかしてもらっていいですか?」
「ああ、いいですよ」
ファーブさんは手を伸ばした。
「あっ、ありがとうございます!は~、私もう死んでもいい」
「あ...生まれるところでそういうこと言うのはちょっと...」
「もう一生手洗いません!」
「それは病院なので洗ってください」
...ファーブさんってモテるのか。てかほぼアイドルみたいな扱いだけど。
「それで、この人なんですけど。術種がわからないので検査してくれませんか」
「ああ、はいわかりました。記憶喪失か何かですか?」
「まあ、そんなとこです」
「では、こちらにお通ししますねー」
俺には普通より若干そっけない対応で検査してくれた。内容はというと、ちょっと血を抜き取って(魔法でとってくれた。痛くねえ。やったぜ)、それを魔法陣にたらして検査するらしい。
「はい。では検査結果は病院の受付で書いてもらえるのでお受け取りください」
「ありがとうございました」
そのまま俺たちは受付まで案内された。来た道だから案内など必要ないのだが、きっとさっきの受付の人がファーブさんと一緒に居たいだけではないかと思われる。
「では、こちらになります」
ファーブさんは紙を受け取り、「ありがとうございます」とほほ笑んで病院を出た。
受付の人たちはキャーキャー言ってたが、ファーブさんは我関せずと見もしなかった。
「ファーブさん、何者ですか?」
「ん?この国で3番目に強いことになってる若造だよ」
「なんか...人気じゃないですか?」
「うん、ありがたいことにね。それよりも多分p-DOXEの総長の方が人気だと思うなあ。イケメンだし、クールだし、僕より強いし...」
ファーブさんより強い...ナンバーワンかナンバーツーか。道理で対抗組織を仕切るわけだな。組織の大元があることを考えるとグァラッチ自体の総長が最強ってとこか。
「ファーブさんの強さは知りませんけど...強そうですね」
「まあ、あの人だけが強いわけじゃないんだけどね」
「交流会大丈夫なんですか...」
「うん...」
ファーブさんはうつむいた。
「落ち込まないでくださいよ。俺がいるじゃないですか。イレギュラーに対応なんて早々できないですって」
「どうだろう...」
「ファーブさん強いって聞きましたよ。ファーブさんなら勝てますって」
「...そう...だね」
「俺の能力って、どんなんだったんですか?」
「あ、確認してないや。強いのだといいね」
そう言ってファーブさんは紙を開いた。
「なんですか?なんて書いてあるんですか?」
「うーん..."立ち止まる能力"だって。よくわからないな...」
立ち止まる...どういうことだ?
「リヒト君、能力に名前を付けるんだ。その名前を口にすることで発動のトリガーにできるよ。僕ならSTRINE。どんなものも長さを変えられる魔術さ」
なるほど...じゃあ、俺はなんて名前にすればいいんだろう。
「あんまり深く考えなくていいよ。思うままの名前にするんだ」
「...STEP!」
その瞬間、俺の体が停止した。歩いていたところから、名前を言った瞬間に急に止まった。
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「使い方次第では面白いことになりそうだね」
ファーブさんはそういったが、これが何か役に立つのか?
「明日の交流会では期待してるよ。いや~、体にマナ流せるだけでもだいぶ強いんだよね~」
ん?なんて?
「今なんて言いました?」
「いや、マナ流せるだけでも強いよって」
「いや違いますよ。その前」
「明日の交流会がどうかした?」
「え...?明日っすか?」
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「えぇえ?」
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