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「敵はどこから来るんでしょう...」
私、アンナ・カレーニナは今河原にいます。みんなと離れ離れなんて、去年まではこんなんじゃなかったのに。
河原なんて、お洋服がぬれちゃうじゃないですか。戦闘用で撥水加工もしてあるものを着ているのでよかったです。
バシャバシャ
水が跳ねる音がする。
「そこッ!」
私は後ろ回し蹴りを繰り出した。
きもいおっさんが川に突っ伏して浮かんでいる。
「ふう。あっ、いけない、このままだと気絶してる間に窒息してしまいます」
私は、おじさんを仰向けにして川に浮かべておきました。浅瀬なので流れていくことはありませんね。
脱落 きもいおっさん 能力 ? のち、低体温症で1か月入院
「どうやら、まだいるみたいですね」
周りに気配がします。
「私に魔術を使わせる人はいますかね」
私は魔術を使わなくても野良相手ならマナの身体強化だけで勝てる自信があります。強化系の魔術ではないですよ。
「3...いや、4ですね」
私は足を思いっきり踏み込む。水しぶきが上がり、派手に飛び散る。その中に、水しぶきを浴びている空間。
「そこです!」
透明化ですね。なれたものです。河原に飛ばされたのはラッキーでした。
「あと3人...」
後ろに気配。
「はっ!」
今度は右!
「ふっ!」
ノックダウン。この人たちも仰向けにしましょうか。
脱落 チンピラ×3 能力 透明化、?、? うち二人はのちに低体温症で入院
「どうやら、只者ではないようですね」
河原沿いの林から、眼鏡をかけた男の人が出てきました。
「あなた、只者じゃないですね?」
「これはどうも。第4級、ダレス・フラーです。ご存じですか?」
「第5級。アンナ・カレーニナ。知ってます。アナタ、p-DOXE次期幹部筆頭候補ですよね」
「光栄です」
大物です...
「アンナさん、あなたの魔術を聞いておきましょうか」
「人に術種聞く前にまず自分からってお母さんに言われませんでしたか?」
「そうですね。私は気を読む魔術です。あなたの魔術は?」
「教えるわけないでしょ」
「...なめやがって」
ダレスさんが駆け寄ってきます。これは殺気...本気というわけですね。
「あなたの弱いところは気で確認できます。そして弱点をカバーしようとするといつもの強みが出せなくなる。そうやって崩れていく人を何人も見てきました」
そんなこと言っていいんでしょうか。なら、私は私のやり方を貫くまでです。
「あなたの弱いところは、右わき腹です」
ダレスさんの拳が飛んできます。
女相手でも容赦はなしですね。私は思わず右わき腹をガードします。
「甘いですね」
ダレスさんのパンチが命中したのは、私の下腹部だった。
「女の下腹部殴るなんて良い度胸ですね。モラルがないんじゃないですか」
私は基本的に身体強化で常人の比ではない強度なので大丈夫ですが。
「私でよかったですね」
私はダレスさんの腕を掴みました。
「悪い手はこうです」
めキョッと嫌な音がしました。
「ぎいやああぁぁっぁあ!」
ダレスさんの悲鳴です。まあ、二の腕が複雑骨折したので当然です。
「女の人の下腹部を殴った罰ですよ。気が読めても対応できなきゃ無駄ですね」
「女でこの交流会に参加しているだけはありますね。ぐッ...」
「女性蔑視ですか?」
「男女の身体的傾向の話です」
勝てる。
この人には、勝てます。
気を読むという能力をこちらは把握しており、あちらは私の能力を把握していない。それに身体的アドバンテージも大きい。
優位!
「この勝負、もらいましたよ!」
私はダレスさんに駆け寄り、打撃を試みます。全身に集中、いわばマナの塊。これで気は読めないでしょう。
「気とマナは違いますよ」
嫌な予感がしました。
私の背中に衝撃が走ります。
「うあッハッ!」
前に倒れこみます。すかさずそこにダレスさんが頭を掴み、水に押し付けます。
「どうですか、このまま溺れればリタイヤですね」
「んー、んーー」
声も出ません。この体制で頭を上げることもできません。足を絶妙な位置で抑えられています。これが気を読むということですか。
「このまま落ちるまでです。こんなとこ味方も来ませんよ」
これでは...
ボコボコと泡が浮きはじける音もしています。少しずつ、苦しくなってきます。
体からマナが抜けていき、だんだんと体の力も抜けていきます。
「体から気が抜けました。マナも残っていませんね。これで終わりです」
体を押さえる手が抜けていきました。私の体が起こされます。
「死にはしないでくださいね。困るのは私なんですよ」
ダレスさんは私を抱え、河原の石の上に寝かせました。意外と紳士ですね。
「では風邪を引かないように」
ダレスさんの気配が遠ざかっていきました。
右腕を折られてこの対応...悪い人じゃないみたいですね。
「ふう...もう行きましたかね」
私は目を開けました。全部演技です。
「変なおじさんに襲われてもたまらないですからね。でもなんでしょう...あの人にはかないませんね」
実力で、ではありませんが。
「おや?あの飛んでるのは...」
ふわりふわりと浮いて飛んでいる少女が見えました。
「おーい、ミリアさーん」
少女がこちらを見ました。
「アンナ、ここにいたのね」
「はい。ここなら戦いやすくていいですよ?」
「あたしはアンタみたいに脳筋じゃないから」
「何人倒しました?」
「0よ。ずっと飛んでたもの」
「では交戦もしていないんですね、よかった」
「さ、次に行きましょ」
「戦うのは私なんですね」
「わかってるじゃない」
私、アンナ・カレーニナは今河原にいます。みんなと離れ離れなんて、去年まではこんなんじゃなかったのに。
河原なんて、お洋服がぬれちゃうじゃないですか。戦闘用で撥水加工もしてあるものを着ているのでよかったです。
バシャバシャ
水が跳ねる音がする。
「そこッ!」
私は後ろ回し蹴りを繰り出した。
きもいおっさんが川に突っ伏して浮かんでいる。
「ふう。あっ、いけない、このままだと気絶してる間に窒息してしまいます」
私は、おじさんを仰向けにして川に浮かべておきました。浅瀬なので流れていくことはありませんね。
脱落 きもいおっさん 能力 ? のち、低体温症で1か月入院
「どうやら、まだいるみたいですね」
周りに気配がします。
「私に魔術を使わせる人はいますかね」
私は魔術を使わなくても野良相手ならマナの身体強化だけで勝てる自信があります。強化系の魔術ではないですよ。
「3...いや、4ですね」
私は足を思いっきり踏み込む。水しぶきが上がり、派手に飛び散る。その中に、水しぶきを浴びている空間。
「そこです!」
透明化ですね。なれたものです。河原に飛ばされたのはラッキーでした。
「あと3人...」
後ろに気配。
「はっ!」
今度は右!
「ふっ!」
ノックダウン。この人たちも仰向けにしましょうか。
脱落 チンピラ×3 能力 透明化、?、? うち二人はのちに低体温症で入院
「どうやら、只者ではないようですね」
河原沿いの林から、眼鏡をかけた男の人が出てきました。
「あなた、只者じゃないですね?」
「これはどうも。第4級、ダレス・フラーです。ご存じですか?」
「第5級。アンナ・カレーニナ。知ってます。アナタ、p-DOXE次期幹部筆頭候補ですよね」
「光栄です」
大物です...
「アンナさん、あなたの魔術を聞いておきましょうか」
「人に術種聞く前にまず自分からってお母さんに言われませんでしたか?」
「そうですね。私は気を読む魔術です。あなたの魔術は?」
「教えるわけないでしょ」
「...なめやがって」
ダレスさんが駆け寄ってきます。これは殺気...本気というわけですね。
「あなたの弱いところは気で確認できます。そして弱点をカバーしようとするといつもの強みが出せなくなる。そうやって崩れていく人を何人も見てきました」
そんなこと言っていいんでしょうか。なら、私は私のやり方を貫くまでです。
「あなたの弱いところは、右わき腹です」
ダレスさんの拳が飛んできます。
女相手でも容赦はなしですね。私は思わず右わき腹をガードします。
「甘いですね」
ダレスさんのパンチが命中したのは、私の下腹部だった。
「女の下腹部殴るなんて良い度胸ですね。モラルがないんじゃないですか」
私は基本的に身体強化で常人の比ではない強度なので大丈夫ですが。
「私でよかったですね」
私はダレスさんの腕を掴みました。
「悪い手はこうです」
めキョッと嫌な音がしました。
「ぎいやああぁぁっぁあ!」
ダレスさんの悲鳴です。まあ、二の腕が複雑骨折したので当然です。
「女の人の下腹部を殴った罰ですよ。気が読めても対応できなきゃ無駄ですね」
「女でこの交流会に参加しているだけはありますね。ぐッ...」
「女性蔑視ですか?」
「男女の身体的傾向の話です」
勝てる。
この人には、勝てます。
気を読むという能力をこちらは把握しており、あちらは私の能力を把握していない。それに身体的アドバンテージも大きい。
優位!
「この勝負、もらいましたよ!」
私はダレスさんに駆け寄り、打撃を試みます。全身に集中、いわばマナの塊。これで気は読めないでしょう。
「気とマナは違いますよ」
嫌な予感がしました。
私の背中に衝撃が走ります。
「うあッハッ!」
前に倒れこみます。すかさずそこにダレスさんが頭を掴み、水に押し付けます。
「どうですか、このまま溺れればリタイヤですね」
「んー、んーー」
声も出ません。この体制で頭を上げることもできません。足を絶妙な位置で抑えられています。これが気を読むということですか。
「このまま落ちるまでです。こんなとこ味方も来ませんよ」
これでは...
ボコボコと泡が浮きはじける音もしています。少しずつ、苦しくなってきます。
体からマナが抜けていき、だんだんと体の力も抜けていきます。
「体から気が抜けました。マナも残っていませんね。これで終わりです」
体を押さえる手が抜けていきました。私の体が起こされます。
「死にはしないでくださいね。困るのは私なんですよ」
ダレスさんは私を抱え、河原の石の上に寝かせました。意外と紳士ですね。
「では風邪を引かないように」
ダレスさんの気配が遠ざかっていきました。
右腕を折られてこの対応...悪い人じゃないみたいですね。
「ふう...もう行きましたかね」
私は目を開けました。全部演技です。
「変なおじさんに襲われてもたまらないですからね。でもなんでしょう...あの人にはかないませんね」
実力で、ではありませんが。
「おや?あの飛んでるのは...」
ふわりふわりと浮いて飛んでいる少女が見えました。
「おーい、ミリアさーん」
少女がこちらを見ました。
「アンナ、ここにいたのね」
「はい。ここなら戦いやすくていいですよ?」
「あたしはアンタみたいに脳筋じゃないから」
「何人倒しました?」
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「では交戦もしていないんですね、よかった」
「さ、次に行きましょ」
「戦うのは私なんですね」
「わかってるじゃない」
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