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9. エリュシラーナ ~村を案内するわ~
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フェルルの昔話を聞いていたイシュタは、ふしぎそうにたずねた。
「どうして、青年はそんなうそをついたの……?」
「青年にとってはそれが真実で、それはやがて世界の真実になったのよ」
フェルルは、来て――と、イシュタの手を引いた。
「村を案内するわ」
フェルルに導かれるまま、イシュタは瓦礫の山の合間をぬって歩いた。
すると、ふしぎなことが起こった。
瓦礫の山がしだいに月明かりに透けていき、立派な建物へと変わった。
「ここはね、村の教会なの」
フェルルの言うとおり、その建物は教会に見えた。
煉瓦づくりの建物の頂には、銀色の十字架が光っている。
「そして、ここはね、村で一番おいしいって評判のパン屋さん」
フェルルが言うと、瓦礫の山はたちまち家のかたちになった。
パンが焼きあがった時の、あの香ばしい匂いが、イシュタの鼻をくすぐった。
フェルルが言うと、瓦礫の山は次々とかたちを変えていった。
「今日は酒場で一杯やってこうぜ」
「おまえの奢りか?」
「なーに言ってんだ、お前の奢りだろ、ガハハハ」
がたいのいい男二人組が、イシュタの横をとおりすぎ、酒場と思しき建物へと消えていく。
いつの間にか、村は人でいっぱいになっていた。
あちこちで楽し気な笑い声があがっている。
「ど、どういうこと……? だって、村はもうなくなったって……」
「あなたも言ったでしょ、ここは《死なずの村》だって」
戸惑うイシュタに、フェルルは凛とした声で告げた。
「――みんな、生きてるわ」
「どうして、青年はそんなうそをついたの……?」
「青年にとってはそれが真実で、それはやがて世界の真実になったのよ」
フェルルは、来て――と、イシュタの手を引いた。
「村を案内するわ」
フェルルに導かれるまま、イシュタは瓦礫の山の合間をぬって歩いた。
すると、ふしぎなことが起こった。
瓦礫の山がしだいに月明かりに透けていき、立派な建物へと変わった。
「ここはね、村の教会なの」
フェルルの言うとおり、その建物は教会に見えた。
煉瓦づくりの建物の頂には、銀色の十字架が光っている。
「そして、ここはね、村で一番おいしいって評判のパン屋さん」
フェルルが言うと、瓦礫の山はたちまち家のかたちになった。
パンが焼きあがった時の、あの香ばしい匂いが、イシュタの鼻をくすぐった。
フェルルが言うと、瓦礫の山は次々とかたちを変えていった。
「今日は酒場で一杯やってこうぜ」
「おまえの奢りか?」
「なーに言ってんだ、お前の奢りだろ、ガハハハ」
がたいのいい男二人組が、イシュタの横をとおりすぎ、酒場と思しき建物へと消えていく。
いつの間にか、村は人でいっぱいになっていた。
あちこちで楽し気な笑い声があがっている。
「ど、どういうこと……? だって、村はもうなくなったって……」
「あなたも言ったでしょ、ここは《死なずの村》だって」
戸惑うイシュタに、フェルルは凛とした声で告げた。
「――みんな、生きてるわ」
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