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「ルカ、どうしたんだ?」
「え?あ…」
リツに名前を呼ばれて、遠くに飛んでいた意識を引き戻す。昨夜、なかなかロウに離してもらえなくて疲れたからか、今日は朝からぼんやりとして、リツに心配されていた。
「本当に大丈夫?暑くて熱中症になりかけてるんじゃ…」
「いや…大丈夫…。ちょっと、寝不足なだけ…」
「そう?」
まだ心配そうに僕の顔を覗き込むリツに、僕は小さく笑ってみせた。
ふと、リツが僕の首辺りを見て固まる。ジーっと見つめたまま動かないリツに、僕は首を傾げて聞いた。
「何?なんかあるの?」
ビクッと肩を跳ねさせて、リツの目が泳ぐ。少し迷った後に、僕から視線を逸らして言いにくそうに口を開いた。
「あ、のさ…、それ、首のとこ…、キスマーク?顔の向きによっては、微妙に見えるからさ…、気をつけた方がいいよ…」
「え?…あ…っ…」
途端に顔が熱くなる。僕は、慌てて両手で首を押さえて俯いた。
ーーロウのバカっ。何てことするの…っ。
恥ずかしさでプルプルと震えていると、リツの静かな声が聞こえてきた。
「ルカ…、大事に、愛されてるんだな。本当は俺がその役目をしたかったけど…。先生が羨ましいよ…」
ガタリと音がして、そっと顔を上げると、リツが僕に背中を向けていた。僕を拒絶するように向けられた広い背中を見ていると、胸が痛くなってくる。
ロウに愛された証を身体に付けた僕が、リツの傍にいてはいけない気がして、静かに席を立って教室を出た。
僕がよく利用する空き教室に向かっていると、ある部屋の前で扉が開いて、いきなり腕を引かれて中へ引きずり込まれた。
「やっ!誰…っ」
「静かに。俺ですよ」
僕を抱き寄せた胸に手をついて、よく知る声に顔を上げる。見上げた先でロウが笑って、僕の唇にキスをした。
僕は、間近の青い瞳をジッと見つめる。
その目を細めて、ロウがゆっくりと顔を離した。
「そんなに見つめられると恥ずかしいのですが」
「嘘ばっかり。ロウって、なんか…」
「なんです?」
「前より、甘く、なった…」
フッと笑って、今度は僕の瞼にキスを落とす。
「当たり前です。こんなに可愛い恋人が出来たのですから」
「可愛くない…」
「俺には、とても可愛い。…ルカ様、どうかしましたか?浮かない顔をしている」
僕の目の縁を指の背でなぞって、怪訝な顔をする。
僕は、ロウの胸にペタリと頬を当てて、小さく息を吐いた。
「ん…。リツの様子がおかしいんだ…」
「あいつは、前からおかしかったでしょう」
「ロウってば…。そうじゃなくて、いつもみたいに元気が無いというか…。なんか思い詰めてるというか…」
「まあ、ルカ様に振られたのですから、いくら能天気なあいつでも、落ち込んでいるのでしょう。そっとしておいたらいいのでは?」
「え?あ…」
リツに名前を呼ばれて、遠くに飛んでいた意識を引き戻す。昨夜、なかなかロウに離してもらえなくて疲れたからか、今日は朝からぼんやりとして、リツに心配されていた。
「本当に大丈夫?暑くて熱中症になりかけてるんじゃ…」
「いや…大丈夫…。ちょっと、寝不足なだけ…」
「そう?」
まだ心配そうに僕の顔を覗き込むリツに、僕は小さく笑ってみせた。
ふと、リツが僕の首辺りを見て固まる。ジーっと見つめたまま動かないリツに、僕は首を傾げて聞いた。
「何?なんかあるの?」
ビクッと肩を跳ねさせて、リツの目が泳ぐ。少し迷った後に、僕から視線を逸らして言いにくそうに口を開いた。
「あ、のさ…、それ、首のとこ…、キスマーク?顔の向きによっては、微妙に見えるからさ…、気をつけた方がいいよ…」
「え?…あ…っ…」
途端に顔が熱くなる。僕は、慌てて両手で首を押さえて俯いた。
ーーロウのバカっ。何てことするの…っ。
恥ずかしさでプルプルと震えていると、リツの静かな声が聞こえてきた。
「ルカ…、大事に、愛されてるんだな。本当は俺がその役目をしたかったけど…。先生が羨ましいよ…」
ガタリと音がして、そっと顔を上げると、リツが僕に背中を向けていた。僕を拒絶するように向けられた広い背中を見ていると、胸が痛くなってくる。
ロウに愛された証を身体に付けた僕が、リツの傍にいてはいけない気がして、静かに席を立って教室を出た。
僕がよく利用する空き教室に向かっていると、ある部屋の前で扉が開いて、いきなり腕を引かれて中へ引きずり込まれた。
「やっ!誰…っ」
「静かに。俺ですよ」
僕を抱き寄せた胸に手をついて、よく知る声に顔を上げる。見上げた先でロウが笑って、僕の唇にキスをした。
僕は、間近の青い瞳をジッと見つめる。
その目を細めて、ロウがゆっくりと顔を離した。
「そんなに見つめられると恥ずかしいのですが」
「嘘ばっかり。ロウって、なんか…」
「なんです?」
「前より、甘く、なった…」
フッと笑って、今度は僕の瞼にキスを落とす。
「当たり前です。こんなに可愛い恋人が出来たのですから」
「可愛くない…」
「俺には、とても可愛い。…ルカ様、どうかしましたか?浮かない顔をしている」
僕の目の縁を指の背でなぞって、怪訝な顔をする。
僕は、ロウの胸にペタリと頬を当てて、小さく息を吐いた。
「ん…。リツの様子がおかしいんだ…」
「あいつは、前からおかしかったでしょう」
「ロウってば…。そうじゃなくて、いつもみたいに元気が無いというか…。なんか思い詰めてるというか…」
「まあ、ルカ様に振られたのですから、いくら能天気なあいつでも、落ち込んでいるのでしょう。そっとしておいたらいいのでは?」
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