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「いてぇっ!」
「頭っ!」
「てめえっ、何しやがるっ!」
大男が右手を押さえて一歩下がり、手下らしき男達が口々に叫ぶ。
俺は刀の柄を両手で持ち直すと、男達に向かって突進した。
斧や刀を手に斬りかかってくる男達の手や足を、次々に切り裂いて通り抜ける。
刀を力強く振って付着した血を払い飛ばすと、俺はりつに駆け寄った。
「りつっ!大丈夫か?怪我はっ?」
「ゆきはるっ…、こわっ、怖かったよぅ…っ。僕を掴もうとした手を噛んだらっ、お腹殴られたのっ。いっ、痛かったけど、泣かなかったよ…っ」
「そうか、偉いぞ。後で手当してやるからな。その、おまえの腹を殴ったという奴は誰だ?俺が仕返しを…」
「俺だよ」
背後からいきなり声が聞こえて、素早く振り返る。
俺が刀を振り上げるよりも早く刀が打ち下ろされ、俺の左肩を斬り裂いた。
「ぐっ!」
「ゆきはるっ!」
刀が引かれると同時に、血飛沫が舞い上がる。
一瞬にして目が霞んで目眩を起こし、身体が大きく揺れる。
駄目だ!俺が倒れたら、誰がりつを守る?
俺は、ぐっ!と歯を食いしばると、刀で身体を支えて堪えた。
「おいおい、無茶はしねぇ方がいいぞ。今死なれると面白くねぇからなぁ。俺らが楽しむ間は、生きてちゃんと見てろよ?」
下卑た笑みを浮かべて見下ろしてくる大男を、俺は霞む視界で睨みつけた。
「ははっ!その目いいねぇ!いつまでそんな態度でいられるかねぇ」
大男に肩を押され、簡単に仰向けに倒れる。
足の上にどっかりと乗られて、身動きが出来なくなる。
「なっ、何をする…っ。どけっ!」
「おおっと!暴れると余計に血が流れるぞ。今から楽しいことするんだからよ、大人しく見てろ」
「はっ?」
大男が、大きな手で俺の顔を掴み、横に向けさせた。
俺の視線の先に、四人の男に囲まれたりつがいる。
「なにをする…」
「気持ちいいこと」
大男が臭い息を吐きながらそう言うと、身体を屈めて俺の頬を舐めた。その余りにもの気持ち悪さに、一気に全身の肌が粟立った。
「くそっ!やめっ…ろ…」
「おまえ、きれいな肌してんなぁ。俺はガキよりおまえの方がいいわ」
大男が、再び俺の頬を舐める。
吐きそうなほど気持ち悪くて跳ね除けたいのに、斬られた肩が痛くて、大男の身体が重くて、逃れられない。
「おいっ、おまえらも早くやっちまえよ。ただ四人も相手したら、そのガキ壊れちまうかもしれねぇから手加減しろよ」
俺に斬られた腕や足を押さえていた男達が、りつの傍にしゃがみ込んで手を伸ばし、着物を脱がせ始める。
「うわ…、こいつ、肌がすべすべだ」
「美味そうだな…」
「俺っ、先がいいっ」
男共の聞くに耐え難い言葉に、俺の身体がぶるぶると大きく震える。
結局俺はりつを守れないのか。或いは男達の興味を俺に向けて、りつだけでも何とか逃げてくれないだろうか。
そう願ってりつの様子を伺うと、りつは身体を小さく丸めて、涙を流して震えていた。
「頭っ!」
「てめえっ、何しやがるっ!」
大男が右手を押さえて一歩下がり、手下らしき男達が口々に叫ぶ。
俺は刀の柄を両手で持ち直すと、男達に向かって突進した。
斧や刀を手に斬りかかってくる男達の手や足を、次々に切り裂いて通り抜ける。
刀を力強く振って付着した血を払い飛ばすと、俺はりつに駆け寄った。
「りつっ!大丈夫か?怪我はっ?」
「ゆきはるっ…、こわっ、怖かったよぅ…っ。僕を掴もうとした手を噛んだらっ、お腹殴られたのっ。いっ、痛かったけど、泣かなかったよ…っ」
「そうか、偉いぞ。後で手当してやるからな。その、おまえの腹を殴ったという奴は誰だ?俺が仕返しを…」
「俺だよ」
背後からいきなり声が聞こえて、素早く振り返る。
俺が刀を振り上げるよりも早く刀が打ち下ろされ、俺の左肩を斬り裂いた。
「ぐっ!」
「ゆきはるっ!」
刀が引かれると同時に、血飛沫が舞い上がる。
一瞬にして目が霞んで目眩を起こし、身体が大きく揺れる。
駄目だ!俺が倒れたら、誰がりつを守る?
俺は、ぐっ!と歯を食いしばると、刀で身体を支えて堪えた。
「おいおい、無茶はしねぇ方がいいぞ。今死なれると面白くねぇからなぁ。俺らが楽しむ間は、生きてちゃんと見てろよ?」
下卑た笑みを浮かべて見下ろしてくる大男を、俺は霞む視界で睨みつけた。
「ははっ!その目いいねぇ!いつまでそんな態度でいられるかねぇ」
大男に肩を押され、簡単に仰向けに倒れる。
足の上にどっかりと乗られて、身動きが出来なくなる。
「なっ、何をする…っ。どけっ!」
「おおっと!暴れると余計に血が流れるぞ。今から楽しいことするんだからよ、大人しく見てろ」
「はっ?」
大男が、大きな手で俺の顔を掴み、横に向けさせた。
俺の視線の先に、四人の男に囲まれたりつがいる。
「なにをする…」
「気持ちいいこと」
大男が臭い息を吐きながらそう言うと、身体を屈めて俺の頬を舐めた。その余りにもの気持ち悪さに、一気に全身の肌が粟立った。
「くそっ!やめっ…ろ…」
「おまえ、きれいな肌してんなぁ。俺はガキよりおまえの方がいいわ」
大男が、再び俺の頬を舐める。
吐きそうなほど気持ち悪くて跳ね除けたいのに、斬られた肩が痛くて、大男の身体が重くて、逃れられない。
「おいっ、おまえらも早くやっちまえよ。ただ四人も相手したら、そのガキ壊れちまうかもしれねぇから手加減しろよ」
俺に斬られた腕や足を押さえていた男達が、りつの傍にしゃがみ込んで手を伸ばし、着物を脱がせ始める。
「うわ…、こいつ、肌がすべすべだ」
「美味そうだな…」
「俺っ、先がいいっ」
男共の聞くに耐え難い言葉に、俺の身体がぶるぶると大きく震える。
結局俺はりつを守れないのか。或いは男達の興味を俺に向けて、りつだけでも何とか逃げてくれないだろうか。
そう願ってりつの様子を伺うと、りつは身体を小さく丸めて、涙を流して震えていた。
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