天狗の花嫁

明樹

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天狗の花嫁 6

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鉄さんの家の庭を見せてもらってる間に、食事の用意が出来たらしく、客間らしき部屋に案内された。
そこは、和室が多い天狗の郷の中では珍しく、板張りの洋室だった。白い壁紙の広い部屋の真ん中に、十人は座れそうな大きなテーブルがある。テーブルの上には、チキンの香草焼きや色鮮やかなサラダ、スープにパンと、お洒落な店のランチのような料理が並んでいた。


鉄さんが上座に座り、テーブルの角を挟んで銀ちゃん、隣に俺が座る。皮がパリパリに焼けたチキンから香るいい匂いに、俺のお腹がぐうっと鳴った。


「ふっ、ずいぶんと可愛らしい音だな。朝が早かったからな。たくさん食べろよ?」
「う…ごめん。美味しそうだったからつい…」


俺が照れ笑いを浮かべているところへ、扉が開いて、綺麗な女の人が二人、入って来た。


「あら、もう食事の準備が出来てるの?来るの、遅かった?」
「今出来上がったところだ。ほら、おまえ達はこっちに座れ」


鉄さんが、俺と銀ちゃんの向かい側の席を示し、二人が示された席に腰かける。
座った二人に目を向けると、前に一度会った事がある鉄さんの妹さんと目が合った。彼女はにこりと俺に微笑んで、話しかけてきた。
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