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第2章 ココロはアツい内に撃て
第16話 数年経った僕の新たな門出の朝
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夕愛と出会った日から驚くような速度で時間は過ぎ去っていき、早くもすでに6年が経とうとしている。
この6年間、本当にいろいろなことがあった。
お義父さんに、将来、夕愛との結婚を認めてもらうためにはいくつか条件を出されていて、それを満たすために努力してきた。
そのあたりの話はおいおいしていくとして、今日は高校の入学式だ。
高天高校の1年生。それが僕の今日からの肩書。
6年間でかなり日本の学校制度には慣れたけど、最初は結構戸惑ったりしたんだよなぁ。
日本の学校の制度はあちらとは違っているらしく、4月から新学期が始まるということで、なんだか時間の進み方が違うように感じたもんだった。
そんな生活も流石に季節が6回も過ぎされば日常になる。
小学校4年生で転向してきてからこれまで、夕愛はもちろん、理人と遥、他にも多くの同級生たちが仲良くしてくれたし、たくさん遊びに行ったりした。
そのうえ幸運にも、僕も夕愛も理人も遥も、同じ高天高校に進学することができた。
いつも仲良しなみんなが一緒なので、今日から通うことになる新しい学校だけど、それほど緊張はなく、むしろ新しい環境へのワクワク感だけが僕の心を満たしている。
そんな興奮した気持ちが、初登校を控えた今朝、いつもより少しだけ早めに目を覚まさせたわけだ。
ご飯も食べて、シャワーも浴びて、全く新しい制服に身を包んだ。
それで今、もうすぐいつも起きてる時間になろうとしている。
だからそろそろ......。
『マスター!!!!!朝です......よ?起きて、ください?』
ほらね?
でも、今日はいつもとは違うんだよね。
「おはよう、ユウ」
ニッコリと微笑みながら返す。
いつもなら、この端末から騒がしい声を上げているアバター、生活サポートエージェントのユウこと、YouAIの目覚ましボイスをしこたまうけてから、寝ぼけ眼を擦ってようやくのそのそと起き出すわけなんだけどね?
「あれ!?どうしたんですか!?いつもなら何回も叫んでも起きないくらいなのに!熱でもあるんですか!?......うーん、スキャンしても平熱のようですが......喉の痛みや頭痛はありませんか!?」
うん、いや、そこまで驚かなくてもいいでしょ。
「心配してくれてありがと、元気いっぱいだよ」
『え、じゃあどうして起きてるんですか!?』
「そこまで不思議なことなの!?いやさ、これから中学までとは違う人たちと出会って過ごしていくんだな~と思ったら、ちょっとだけ早く目が覚めちゃってね」
『あぁ~なるほど~。遠足前の小学生効果ですね、わかります』
ドヤ顔をしている。今日から高校生になる僕が、まるで小学生と一緒だ、と揶揄しているのかな?
こいつ。いつもに増して絶妙に人間らしい嫌味を言うじゃないか。でもまぁ、その通りなんだよね。
「はは、そうかもね、僕の心はいつまでも小学生のままみたいだ」
こういうのは適当に流しておけば......。
『マスタァ~。そんな適当じゃなくて、もっといい反応して構ってくださいよぉ~』
こんな風にすぐに涙声になる。
別にそんな反応をするプログラムなんて組んでないんだけどなぁ~。
彼女を作ってから7年ほど、メンテナンスしながら毎日過ごしてる内に、こんな人格が形成されていったというのは興味深い。
それこそ愛着が湧いちゃってるし、僕は彼女に単なるプログラムではない「人格」を感じてしまっている。
でもなぁ~、こいつ、特に中学のころから結構めんどくさい絡み方してくるんだよな~。
『ほぅら、見た目はマスターが大好きな夕愛さんそっくりですよ~。夕愛さんと同じくらい大切にしてくれても良いんですよ~。ねぇねぇねぇねぇ~マスタぁぁぁぁぁ~~~~』
ほらね?
いや確かに見た目は驚くくらい今の夕愛そっくりなんだけどさ。
うなじのあたりまでのふんわりと広がった白に近い銀色のショートボブとスカイブルーの瞳をどちらも黒にすれば、ほとんど夕愛と同じ見た目になると思う。
7年前、彼女のアバターを作ってくれたダニエルも、まさか3次元にこれほどそっくりな人が表れるとは、夢にも思ってなかっただろうな。
ともかく、出会ってから6年間、毎日好きな気持が高まり続けている夕愛にそっくりな見た目。確かにそこも含めて、僕が作ったユウのことは大事にしようと思っている。
とはいえ、夕愛の可愛らしさとはぜんぜん違うこのうざ絡みはちょっとだけ面倒なんだよなぁ。
「うんうん、大事大事。ユウのことはほんとに大切に思ってるよー」
『もぅ!あんまり適当なこと言ってると、夕愛さんにマスターのいろいろ吹き込んじゃいますよ!』
この脅すような振る舞い、ロボット3原則、特に人間に危害を加えないに反しないのかな?とか思うけど、まぁまじで問題あることはやらないみたいだし、とりあえずいいかな?
「いいよ。別に夕愛に知られて困ることなんてないしさ」
『むぅ......なら、マスターが夕愛さん以外の女の人のいやらしい雑誌で興奮してましたって言っちゃいますよ!』
「いや、嘘はやめろ!?あんまり適当なことふかしてたら人格矯正するぞ!?」
『そ、それは言わない約束でしょう!?』
まったく、ほんとに心臓に悪いことはやめてほしい。
そんな嘘を夕愛に知られでもしたら、僕の愛に対する信用が落ちてしまうかもしれないじゃないか。
僕は夕愛の写真と妄想と、時々彼女からもらった私物でしか致してないんだから。
それを伝えるならまだしも、この世界で絶対に起き得るはずのない嘘はだめだろ。
やっぱり、危害、加えられそうかも。3原則に違反してね?問題あるかもなこれ。まぁ、実行はしてないし、いいか。
ユウとの朝の無駄なやり取りもこのあたりにしておこう。
「じゃあ目もばっちり覚めたし、夕愛を迎えに行こうか!」
『はい、そうですね!ところでマスター?』
なんだ?まだくだらないことを言おうとしてるのか?
『その新しい制服、よく似合ってますね!かっこいいですよ!』
うん、こういうところ、ちょっとだけ、可愛らしいって思っちゃうよね?
この6年間、本当にいろいろなことがあった。
お義父さんに、将来、夕愛との結婚を認めてもらうためにはいくつか条件を出されていて、それを満たすために努力してきた。
そのあたりの話はおいおいしていくとして、今日は高校の入学式だ。
高天高校の1年生。それが僕の今日からの肩書。
6年間でかなり日本の学校制度には慣れたけど、最初は結構戸惑ったりしたんだよなぁ。
日本の学校の制度はあちらとは違っているらしく、4月から新学期が始まるということで、なんだか時間の進み方が違うように感じたもんだった。
そんな生活も流石に季節が6回も過ぎされば日常になる。
小学校4年生で転向してきてからこれまで、夕愛はもちろん、理人と遥、他にも多くの同級生たちが仲良くしてくれたし、たくさん遊びに行ったりした。
そのうえ幸運にも、僕も夕愛も理人も遥も、同じ高天高校に進学することができた。
いつも仲良しなみんなが一緒なので、今日から通うことになる新しい学校だけど、それほど緊張はなく、むしろ新しい環境へのワクワク感だけが僕の心を満たしている。
そんな興奮した気持ちが、初登校を控えた今朝、いつもより少しだけ早めに目を覚まさせたわけだ。
ご飯も食べて、シャワーも浴びて、全く新しい制服に身を包んだ。
それで今、もうすぐいつも起きてる時間になろうとしている。
だからそろそろ......。
『マスター!!!!!朝です......よ?起きて、ください?』
ほらね?
でも、今日はいつもとは違うんだよね。
「おはよう、ユウ」
ニッコリと微笑みながら返す。
いつもなら、この端末から騒がしい声を上げているアバター、生活サポートエージェントのユウこと、YouAIの目覚ましボイスをしこたまうけてから、寝ぼけ眼を擦ってようやくのそのそと起き出すわけなんだけどね?
「あれ!?どうしたんですか!?いつもなら何回も叫んでも起きないくらいなのに!熱でもあるんですか!?......うーん、スキャンしても平熱のようですが......喉の痛みや頭痛はありませんか!?」
うん、いや、そこまで驚かなくてもいいでしょ。
「心配してくれてありがと、元気いっぱいだよ」
『え、じゃあどうして起きてるんですか!?』
「そこまで不思議なことなの!?いやさ、これから中学までとは違う人たちと出会って過ごしていくんだな~と思ったら、ちょっとだけ早く目が覚めちゃってね」
『あぁ~なるほど~。遠足前の小学生効果ですね、わかります』
ドヤ顔をしている。今日から高校生になる僕が、まるで小学生と一緒だ、と揶揄しているのかな?
こいつ。いつもに増して絶妙に人間らしい嫌味を言うじゃないか。でもまぁ、その通りなんだよね。
「はは、そうかもね、僕の心はいつまでも小学生のままみたいだ」
こういうのは適当に流しておけば......。
『マスタァ~。そんな適当じゃなくて、もっといい反応して構ってくださいよぉ~』
こんな風にすぐに涙声になる。
別にそんな反応をするプログラムなんて組んでないんだけどなぁ~。
彼女を作ってから7年ほど、メンテナンスしながら毎日過ごしてる内に、こんな人格が形成されていったというのは興味深い。
それこそ愛着が湧いちゃってるし、僕は彼女に単なるプログラムではない「人格」を感じてしまっている。
でもなぁ~、こいつ、特に中学のころから結構めんどくさい絡み方してくるんだよな~。
『ほぅら、見た目はマスターが大好きな夕愛さんそっくりですよ~。夕愛さんと同じくらい大切にしてくれても良いんですよ~。ねぇねぇねぇねぇ~マスタぁぁぁぁぁ~~~~』
ほらね?
いや確かに見た目は驚くくらい今の夕愛そっくりなんだけどさ。
うなじのあたりまでのふんわりと広がった白に近い銀色のショートボブとスカイブルーの瞳をどちらも黒にすれば、ほとんど夕愛と同じ見た目になると思う。
7年前、彼女のアバターを作ってくれたダニエルも、まさか3次元にこれほどそっくりな人が表れるとは、夢にも思ってなかっただろうな。
ともかく、出会ってから6年間、毎日好きな気持が高まり続けている夕愛にそっくりな見た目。確かにそこも含めて、僕が作ったユウのことは大事にしようと思っている。
とはいえ、夕愛の可愛らしさとはぜんぜん違うこのうざ絡みはちょっとだけ面倒なんだよなぁ。
「うんうん、大事大事。ユウのことはほんとに大切に思ってるよー」
『もぅ!あんまり適当なこと言ってると、夕愛さんにマスターのいろいろ吹き込んじゃいますよ!』
この脅すような振る舞い、ロボット3原則、特に人間に危害を加えないに反しないのかな?とか思うけど、まぁまじで問題あることはやらないみたいだし、とりあえずいいかな?
「いいよ。別に夕愛に知られて困ることなんてないしさ」
『むぅ......なら、マスターが夕愛さん以外の女の人のいやらしい雑誌で興奮してましたって言っちゃいますよ!』
「いや、嘘はやめろ!?あんまり適当なことふかしてたら人格矯正するぞ!?」
『そ、それは言わない約束でしょう!?』
まったく、ほんとに心臓に悪いことはやめてほしい。
そんな嘘を夕愛に知られでもしたら、僕の愛に対する信用が落ちてしまうかもしれないじゃないか。
僕は夕愛の写真と妄想と、時々彼女からもらった私物でしか致してないんだから。
それを伝えるならまだしも、この世界で絶対に起き得るはずのない嘘はだめだろ。
やっぱり、危害、加えられそうかも。3原則に違反してね?問題あるかもなこれ。まぁ、実行はしてないし、いいか。
ユウとの朝の無駄なやり取りもこのあたりにしておこう。
「じゃあ目もばっちり覚めたし、夕愛を迎えに行こうか!」
『はい、そうですね!ところでマスター?』
なんだ?まだくだらないことを言おうとしてるのか?
『その新しい制服、よく似合ってますね!かっこいいですよ!』
うん、こういうところ、ちょっとだけ、可愛らしいって思っちゃうよね?
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