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どっちも、悪いんだよね
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そうだ、柚津の家に行けば話くらいはできるはず。最悪門前払いでも、傷つけた分くらいは謝ろう。
時計の針がてっぺんを越えたころ、午前中に突きつけられた別れの言葉による混乱は完全に抜けないままではありつつも、ある程度落ち着きを取り戻しつつあった梨樹人はそう考えて柚津の自宅に向かう。
これが最低の悪手だった。いや、後から考えれば最善手だったのかもしれない。
少なくともこのときの梨樹人にさらなる混乱と絶望を与えるのに十分な選択肢だったことは間違いない。
柚津の家のそばに辿りついた梨樹人が目にしたのはちょうど玄関からでてくる柚津の姿だった。
もちろんそれ自体に問題があるわけじゃない。梨樹人に混乱を与えたのは、自分と喧嘩しているはずの柚津のウキウキとした表情と、玄関前で柚津と手をつないで歩き出そうとする知らない男の姿だった。
何が起こっているのかわからずしばらく動けないでいると、振り向いた柚津と目線が合った。
「なにしにきたの。もう関わるなって言ったじゃん。なに、ストーカー?」
「えっと、さ、柚津?少しでいいんだ。話をさせてくれないか?」
「見てわからない?私、これから用事があるの」
そういえば昨日の電話から柚津の一人称がいつもの「柚津」じゃなくて「私」になってる。これはめちゃくちゃキレてるってことなのか!?
っていやそうじゃなく、なんとかして引き止めて話をさせてもらわないと!ていうかこの男は誰だよ!
「頼むよ、ちょっとでいいんだ!というかそいつのことも聞かせてほしいんだけど」
「いや!あなたと話すことなんて無い!早く帰って!」
そういって隣の男の腕にしがみつく。
しかもついに俺の呼び方も名前じゃなくなった。でもまだ諦められない。
「待って!」
そういって柚津の肩を掴む。
「やめろ」
柚津の隣の男が梨樹人の腕を掴んで口を開く。少し焼けてスラッとした爽やかそうな塩顔男子だった。
「誰だかしらないけど、柚津が嫌がってるだろ」
男は柚津に「元カレ?」と聞くと、その男の腕につかまって小さくなっている柚津はコクンと小さくうなずいてさらにしがみつく腕の力を強める。
「なぁ元カレさん、カワイイ柚津に振られて忘れられないのもわかるけど、あんまりやるとストーカーだよ?」
「いや、まだ別れてないんだよ!ってかキミはだれなんだ?」
「いやいや、そういうのは流石にやばいよ?病気だからね?あんまりヒドイと痛い目見せるよ?」
そう言ってなぜか拳を握って見せる男。とはいってもその道の訓練を積んだ動きには見えない。素人のイキリは滑稽なものではあるが、なんだかこいつは漢らしいところを見せようとしているのだろうか。
梨樹人も長年運動をしてきて筋力や体格にもある程度恵まれており、本気で喧嘩しようと思えばなんとかなりそうではあったが、このあとに控えている全国高校選手権だったり大学入試のことが頭の片隅をよぎる。
情けないことに梨樹人はいつもそういうことを考え出すと動けない。そのまま、男は「怖気づいたか?突っかかってくんなよ」といって柚津を連れて歩き出す。
梨樹人は遠ざかる2人の背中を動けないまま見送った。
***
空にはオレンジの夕焼けが沈まんとしており、少しコウモリも飛ぶ時間。梨樹人は柚津の家の近くの公園、そう、初めて告白された公園のベンチで虚ろに佇んでいた。
長い時間することもないままここでいたおかげで、事態をある程度把握できてはいた梨樹人だったが、諦めだけは悪く、柚津の帰宅を待って話をしようと考えていた。
柚津の家は門限が厳しく、梨樹人と遊ぶときにも夕方には帰宅するように厳しく指導されていた。
そのため今回も、あの男が新しい彼氏で、今日がデートだったとしても、もうすぐ帰ってくる時間になると踏んでいた。
でかけているならこの公園の前を通らずに帰ることはできないはずだし、そこで捕まえよう。
思考は完全にストーカーのそれだったが、梨樹人の心は納得できない気持ちを抑えてこのまま終わることを許すことができなかった。
***
日は完全に落ち、いつもの門限はとうに数時間は過ぎているが未だに柚津が帰る気配はない。
もしかして見逃したか?
さすがにそろそろ諦めて帰ろうかと腰を上げたまさにその瞬間、ターゲットが現れた。
「柚津!」
何時間も待ちに待った相手はビクッと一瞬身体を硬直させたかと思うと次の瞬間にはこちらを振り向くことなく走り出す。
昼の男の姿はないようだ。
こんな時間に帰してるのに送迎もなしか?
「待って!最後でもいい!最後に話だけさせてほしいんだ!」
そう必死に叫ぶと、柚津の駆け足が止み、漸くこちらを向いてくれた。
「もう門限なんだけど」
「そうだよな、わかってる、数分でも良いんだよ」
柚津は数秒間考えた後、「10分だけなら」と答え、公園の方で座って話そうと言う。
ひとまず話せそうで良かった。でも、ここまで来ていまさらだけど、なにを話せば良いんだろう。いや、まずはとにかく謝ろう。傷つけてたことには変わりないんだから。
「......それで、なにを話すの?」
「えっと、まずは謝りたくてさ。傷つけてごめん」
「それは何について謝ってるの?」
「え?」
「だから。なにを謝っているのかって聞いてるの」
柚津の声は相変わらず冷たく低い。もうだめなんだろうな、というのが伝わってくる。
「え、だから、あんまり遊んであげられなかったこととか、連絡が遅かったこととか」
「...てない。」
「え?」
「わかってない。全然わかってないよ!」
柚津の剣幕に少し怯む梨樹人。
「そういうのもそうだけど、ホントに悲しかったのは、そういう行動をする程度にしか柚津のこと好きじゃなかったってことじゃん!何回も寂しいって言ったのに、勉強とか部活と、柚津と、どっちが大事だったの!?」
あぁなるほど、そういうことだったのか。
確かに俺はいつも言われたことをその場しのぎでフォローして、しばらくしたらまた同じような失敗をやらかしてきた。
そういう「行動が気に入らない」んじゃなくて、「愛情がない」と判断されていたのか。確かにそう感じてもおかしくない。
「柚津のことは大事だ、ったんだと思う。でも確かに部活休んでとか勉強を放り出して遊びに付き合えるかって言われると、それはできない......。今だけじゃなく将来のことも考えないとって思ってるしそれに......」
続きを言いかけようとするも柚津の声にかき消される。
「そういうところなの!好きなら私のこと一番に考えるものでしょ!?他のものを優先するとかありえないでしょ!?」
「そういうのが柚津を寂しくさせてたんだよ」
そう言いながら泣き出す柚津。
頭を撫でようと手を差し伸べるも、強く叩かれてしまい、またしても何もできない。できるのはただ謝ることだけ。
しばらくして柚津の嗚咽の収まってきた頃、梨樹人の方から口を開く。
「今日は話をしてくれてありがとう。それとこれまでいろいろごめん。ここで別れよう。」
「.........うん..............................。でも、もし......よかったら......また悩みとか......相談......したりしちゃ......だめかな......?」
そんなふうに言われたら断れない。それくらいに梨樹人はまだ柚津のことを愛していた。
「あぁ、わかったよ」
「ふふっ、ありがと」
久々に、本当に久々に柚津の笑顔が見られた。あぁ、今日来てよかった。
そう思ったとき、漸く昼のことを思い出した。
「そういえば、昼のあの男は誰なんだ?」
「あぁ、あのね?あの人は柚津の高校の同級生で、今の柚津の彼氏だよ」
やっぱりそうなのか。
さすがの朴念仁の梨樹人も、あの振る舞いからそうした関係に気づかないわけはない。
「ん?でもってことは昨日、俺を振ったあとに付き合い出したってこと?あぁ、もしかしてそれの相談みたいな形で会う約束してさっき付き合い出したとか?」
これまで「自分が振られた」という事実に打ちのめされて他のことに気が回っていなかったが、よく考えるとおかしい。
昨日の今日で新しい彼氏を作るか?俺と別れるのは完全に決定事項じゃなかったらこんなに早く行動できないんじゃないか?
そんなわけはないと心は否定しようとするも、最悪のシナリオが思い浮かび額には脂汗が流れるも、なんとか朗らかに会話を続けようとする。
「それはさすがにないよ~。あの人とも結構前から付き合ってるんだ~」
柚津から出たこの言葉こそ、梨樹人がこの日この公園に来たことが最低の悪手であり、最善手となった理由である。
時計の針がてっぺんを越えたころ、午前中に突きつけられた別れの言葉による混乱は完全に抜けないままではありつつも、ある程度落ち着きを取り戻しつつあった梨樹人はそう考えて柚津の自宅に向かう。
これが最低の悪手だった。いや、後から考えれば最善手だったのかもしれない。
少なくともこのときの梨樹人にさらなる混乱と絶望を与えるのに十分な選択肢だったことは間違いない。
柚津の家のそばに辿りついた梨樹人が目にしたのはちょうど玄関からでてくる柚津の姿だった。
もちろんそれ自体に問題があるわけじゃない。梨樹人に混乱を与えたのは、自分と喧嘩しているはずの柚津のウキウキとした表情と、玄関前で柚津と手をつないで歩き出そうとする知らない男の姿だった。
何が起こっているのかわからずしばらく動けないでいると、振り向いた柚津と目線が合った。
「なにしにきたの。もう関わるなって言ったじゃん。なに、ストーカー?」
「えっと、さ、柚津?少しでいいんだ。話をさせてくれないか?」
「見てわからない?私、これから用事があるの」
そういえば昨日の電話から柚津の一人称がいつもの「柚津」じゃなくて「私」になってる。これはめちゃくちゃキレてるってことなのか!?
っていやそうじゃなく、なんとかして引き止めて話をさせてもらわないと!ていうかこの男は誰だよ!
「頼むよ、ちょっとでいいんだ!というかそいつのことも聞かせてほしいんだけど」
「いや!あなたと話すことなんて無い!早く帰って!」
そういって隣の男の腕にしがみつく。
しかもついに俺の呼び方も名前じゃなくなった。でもまだ諦められない。
「待って!」
そういって柚津の肩を掴む。
「やめろ」
柚津の隣の男が梨樹人の腕を掴んで口を開く。少し焼けてスラッとした爽やかそうな塩顔男子だった。
「誰だかしらないけど、柚津が嫌がってるだろ」
男は柚津に「元カレ?」と聞くと、その男の腕につかまって小さくなっている柚津はコクンと小さくうなずいてさらにしがみつく腕の力を強める。
「なぁ元カレさん、カワイイ柚津に振られて忘れられないのもわかるけど、あんまりやるとストーカーだよ?」
「いや、まだ別れてないんだよ!ってかキミはだれなんだ?」
「いやいや、そういうのは流石にやばいよ?病気だからね?あんまりヒドイと痛い目見せるよ?」
そう言ってなぜか拳を握って見せる男。とはいってもその道の訓練を積んだ動きには見えない。素人のイキリは滑稽なものではあるが、なんだかこいつは漢らしいところを見せようとしているのだろうか。
梨樹人も長年運動をしてきて筋力や体格にもある程度恵まれており、本気で喧嘩しようと思えばなんとかなりそうではあったが、このあとに控えている全国高校選手権だったり大学入試のことが頭の片隅をよぎる。
情けないことに梨樹人はいつもそういうことを考え出すと動けない。そのまま、男は「怖気づいたか?突っかかってくんなよ」といって柚津を連れて歩き出す。
梨樹人は遠ざかる2人の背中を動けないまま見送った。
***
空にはオレンジの夕焼けが沈まんとしており、少しコウモリも飛ぶ時間。梨樹人は柚津の家の近くの公園、そう、初めて告白された公園のベンチで虚ろに佇んでいた。
長い時間することもないままここでいたおかげで、事態をある程度把握できてはいた梨樹人だったが、諦めだけは悪く、柚津の帰宅を待って話をしようと考えていた。
柚津の家は門限が厳しく、梨樹人と遊ぶときにも夕方には帰宅するように厳しく指導されていた。
そのため今回も、あの男が新しい彼氏で、今日がデートだったとしても、もうすぐ帰ってくる時間になると踏んでいた。
でかけているならこの公園の前を通らずに帰ることはできないはずだし、そこで捕まえよう。
思考は完全にストーカーのそれだったが、梨樹人の心は納得できない気持ちを抑えてこのまま終わることを許すことができなかった。
***
日は完全に落ち、いつもの門限はとうに数時間は過ぎているが未だに柚津が帰る気配はない。
もしかして見逃したか?
さすがにそろそろ諦めて帰ろうかと腰を上げたまさにその瞬間、ターゲットが現れた。
「柚津!」
何時間も待ちに待った相手はビクッと一瞬身体を硬直させたかと思うと次の瞬間にはこちらを振り向くことなく走り出す。
昼の男の姿はないようだ。
こんな時間に帰してるのに送迎もなしか?
「待って!最後でもいい!最後に話だけさせてほしいんだ!」
そう必死に叫ぶと、柚津の駆け足が止み、漸くこちらを向いてくれた。
「もう門限なんだけど」
「そうだよな、わかってる、数分でも良いんだよ」
柚津は数秒間考えた後、「10分だけなら」と答え、公園の方で座って話そうと言う。
ひとまず話せそうで良かった。でも、ここまで来ていまさらだけど、なにを話せば良いんだろう。いや、まずはとにかく謝ろう。傷つけてたことには変わりないんだから。
「......それで、なにを話すの?」
「えっと、まずは謝りたくてさ。傷つけてごめん」
「それは何について謝ってるの?」
「え?」
「だから。なにを謝っているのかって聞いてるの」
柚津の声は相変わらず冷たく低い。もうだめなんだろうな、というのが伝わってくる。
「え、だから、あんまり遊んであげられなかったこととか、連絡が遅かったこととか」
「...てない。」
「え?」
「わかってない。全然わかってないよ!」
柚津の剣幕に少し怯む梨樹人。
「そういうのもそうだけど、ホントに悲しかったのは、そういう行動をする程度にしか柚津のこと好きじゃなかったってことじゃん!何回も寂しいって言ったのに、勉強とか部活と、柚津と、どっちが大事だったの!?」
あぁなるほど、そういうことだったのか。
確かに俺はいつも言われたことをその場しのぎでフォローして、しばらくしたらまた同じような失敗をやらかしてきた。
そういう「行動が気に入らない」んじゃなくて、「愛情がない」と判断されていたのか。確かにそう感じてもおかしくない。
「柚津のことは大事だ、ったんだと思う。でも確かに部活休んでとか勉強を放り出して遊びに付き合えるかって言われると、それはできない......。今だけじゃなく将来のことも考えないとって思ってるしそれに......」
続きを言いかけようとするも柚津の声にかき消される。
「そういうところなの!好きなら私のこと一番に考えるものでしょ!?他のものを優先するとかありえないでしょ!?」
「そういうのが柚津を寂しくさせてたんだよ」
そう言いながら泣き出す柚津。
頭を撫でようと手を差し伸べるも、強く叩かれてしまい、またしても何もできない。できるのはただ謝ることだけ。
しばらくして柚津の嗚咽の収まってきた頃、梨樹人の方から口を開く。
「今日は話をしてくれてありがとう。それとこれまでいろいろごめん。ここで別れよう。」
「.........うん..............................。でも、もし......よかったら......また悩みとか......相談......したりしちゃ......だめかな......?」
そんなふうに言われたら断れない。それくらいに梨樹人はまだ柚津のことを愛していた。
「あぁ、わかったよ」
「ふふっ、ありがと」
久々に、本当に久々に柚津の笑顔が見られた。あぁ、今日来てよかった。
そう思ったとき、漸く昼のことを思い出した。
「そういえば、昼のあの男は誰なんだ?」
「あぁ、あのね?あの人は柚津の高校の同級生で、今の柚津の彼氏だよ」
やっぱりそうなのか。
さすがの朴念仁の梨樹人も、あの振る舞いからそうした関係に気づかないわけはない。
「ん?でもってことは昨日、俺を振ったあとに付き合い出したってこと?あぁ、もしかしてそれの相談みたいな形で会う約束してさっき付き合い出したとか?」
これまで「自分が振られた」という事実に打ちのめされて他のことに気が回っていなかったが、よく考えるとおかしい。
昨日の今日で新しい彼氏を作るか?俺と別れるのは完全に決定事項じゃなかったらこんなに早く行動できないんじゃないか?
そんなわけはないと心は否定しようとするも、最悪のシナリオが思い浮かび額には脂汗が流れるも、なんとか朗らかに会話を続けようとする。
「それはさすがにないよ~。あの人とも結構前から付き合ってるんだ~」
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