花束を咲良先生に(保育士)

未来教育花恋堂

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 咲良先生は,子ども達の前に笑顔で出て来て話しかけた。

「栄子先生に本を読んでもらって良かったね,今度は咲良先生が読みます,この本は咲良先生が家から持ってきました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 
 園児は栄子先生にもんくを言ったことを咲良先生に叱られるかもと不安に思っていましたが,咲良先生は,さっきまでのことには触れずに本の世界の中に園児達を引き入れました。

「ねえ,おもしろいね,たかし君だったら,どうする?」

「先生,ぼくだったらこうやってはねて喜んじゃうよ~」

 咲良先生は,話をする前に本に関係する話題を振って,読み聞かせをし,その途中で関連する質問を園児にして気分転換をさせていく。

「先生,私だったね,よかったねって言ってあげる~」

 咲良先生は自分のペースではなく,園児の言葉を聞きながら園児に合わせて読み進めていく。ちょっと難しいそうな所や目の前の園児達につまらなそうな所は,咲良先生がストーリーに変化を持たせて内容を短くしていった。

 読み聞かせの時間が終わった。園児は,もっと,もっと読んでと言っているけど,次のことをやらなければならない。

「楽しかったね,じゃあ,また,今度続きを読んであげるね」

「先生!今度読んだら,忘れちゃうよ!!今が,いい~~」

「その通りだね,忘れちゃうね,だから,今度読むときは,ここまでの内容についてみんなで話し合おうよ,みんなで思い出すことも,咲良先生は,楽しいと思うけど,どうかな,みんなは?」

「楽しい~,じゃあ,今度,ぜ~~~たい,読んで,咲良先生」

「はい,続きを今度よみます,さあ,次のことをはじめるよ」

 本の読み聞かせでは,途中であきてしまって教室の後ろに行ってふざけ出す園児もいるので,咲良先生は,本の選定,園児も巻き込んで話を進めることの大切さを感じた。
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