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第二章 組織
登場! 快速のヒュウガ!
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「アンナプルナとの電話から1時間くらい経つけど、誰も来ないね」
レンガイはなんとなく天井を見上げた。
「ねえ、ヒナノさん。四将軍って、どんな人たちがいるのかしら」
クールな顔でずっと一点を凝視するヒナノに、プーアは聞く。始めは話すのを渋っていたヒナノだったが、ついには口を動かし始めた。
「……まず、私、神ヒナノ。それと、神ゴンザ。ゴンザは、おそらく、私より、2人のほうが、詳しい。その他にも、2人いる。1人は、邪神ノエル。邪神でありながら、私よりも、神アンナプルナに、近い人物。性根の悪さは、神アンナプルナにも、匹敵する。もっとも、ノエルは、現場に、赴くような、タイプじゃ、ない。そして、ヤツはスキルを2つ持っている」
邪神、というワードにプーアは微妙に反応した。
「スキルが2つだって!?」
レンガイは目を大きく見開きながら、身を乗り出して問う。
「そ、それって、後天的スキルも覚醒しているってことじゃないか」
「……そう、だ。しかも、どちらも、かなり強力、らしい。私の『ハッカー』では、到底、敵わない。……続ける。最後の一人は、神ヒュウガ。コイツは、なんて、言ったら、いいか……その……」
ヒナノは言いたくなさそうに、言葉を詰まらせた。よっぽどな事情があるのか、いつもはほぼ固定してある視線を、頻繁に移動させている。
その時だった。
「説明する必要はないぜ、お姉ちゃん!」
まるで男子小学生のような幼い声が、プーアのやや後ろから聞こえてくる。部屋にいた3人は慌てて声のしたほうを向く。部屋中の注目を集めたことを確認した男は、思いっきり息を吸い、自信満々に告げた。
「『エノキダケ』四将軍の1人であり、最速の格闘王! 『快速少年』の異名を持つ、史上最強の破壊神! スピードは光速の100万倍! 快速のヒュウガ、ここに見参!!」
そこには、小学生としか思えない体格の半裸の少年が仁王立ちをして立っていた。プーアもレンガイも、その四将軍に似合わない姿が間違いでないかと思い、目を瞑ってからもう一度姿を確認した。2人の願いは叶わず、その少年の姿は本物だった。
――変なヤツらだな。お前ら。ヒュウガがそう言いかけたが、その前にプーアは呟いていた。
「ちっこい……」
「ちっこいだとお! オイラの身体をバカにしやがってえ!」
もともと身長にコンプレックスを持っていたヒュウガは、身長をバカにされて頭に血が上った。さらに、自分と対して体格が変わらない幼女体型のプーアに言われたという事実が、どうしても腑に落ちなかったようだ。
「プーアちゃんがそれを言う? んー、でも確かにヒュウガくんも小さいね。ねねね、君、プーアちゃんと背くらべしてみてよ」
レンガイはこのやり取りがかなりツボに入ったようで、腹を抱えて楽しそうだ。レンガイは笑いながらプーアとヒュウガをくっつかせて、背くらべをさせる。
「くっ……! ま、まあ、オイラがいくらちっこいからって、こんな生意気なガキには負けねえ!」
ヒュウガの言ったことはその通りで、プーアはヒュウガよりも若干ながら身長が低かった。しかし、それを面白くないと思ったプーアは、背伸びをして身長を上乗せする。本来ならばルール違反なのでレンガイが叱るところだが、明らかなプーア贔屓のレンガイはそれを見なかったことにして
「プーアちゃんの勝ちー!!」
ということにしてしまった。ヒュウガは熱心に抗議をしたが、レンガイは聞く耳を持たない。悔しさで顔を滲ませているヒュウガに向かって、勝ち誇った顔でプーアは言った。
「四将軍ってのも、大したことはないのね。あーあ、心配して損したわ」
「そうだねえ、プーアちゃん」
うんうん、とレンガイが相槌を打つ。
「しかも何よ、登場した時の自己紹介。最速の格闘王。『快速少年』の異名を持つ史上最強の破壊神。スピードは光速の100万倍。快速のヒュウガ。どれも、最強に憧れている小学生の発想じゃない」
「そうだねえ、プーアちゃん。最速とか、最強とか、『ひゃくまんばい』とか、どれも小学生が好きそうな単語だしね」
うんうん、とレンガイがまた変わらず相槌を打った。
思い切りコケにされたのが本気で頭に来たのだろう。ヒュウガはいつの間にか2人の視界から消えていた。否、消えているように見えた。
「――――ナメやがって!」
刹那、謎の衝撃がレンガイの腹に入れられた。レンガイは一瞬よろめく。それを確認したヒュウガは、動きを止め、再びプーアとレンガイの前に現れた。
「どうだ! これがオイラの全力スキル『最高速』! たとえ神であろうと絶対に捉えることはできない絶対的な無敵のスピード! そのスピードによって繰り出されるキックは、スゲー痛かっただろ!?」
ヒュウガは満足げにスキルの解説をした。だが、次の瞬間、彼は絶望することになる。
「いや……全然。なんていうんだろう、スピードはホントに凄かった。何が起こったのかわからないよ。でも、その割に攻撃力がないっていうか。例えるなら、プーアちゃんのパンチくらいだったかな」
「アタシが殴ったのでこの前吹っ飛ばなかった……? あれは演技だったのね」
プーアのレンガイへのツッコミをよそに、ヒュウガは膝から崩れ落ち、悔しさを体中で表現する。
「くっそ……! やっぱり、オイラのスキルは……あの女に、書き換えられたんだ!」
レンガイはなんとなく天井を見上げた。
「ねえ、ヒナノさん。四将軍って、どんな人たちがいるのかしら」
クールな顔でずっと一点を凝視するヒナノに、プーアは聞く。始めは話すのを渋っていたヒナノだったが、ついには口を動かし始めた。
「……まず、私、神ヒナノ。それと、神ゴンザ。ゴンザは、おそらく、私より、2人のほうが、詳しい。その他にも、2人いる。1人は、邪神ノエル。邪神でありながら、私よりも、神アンナプルナに、近い人物。性根の悪さは、神アンナプルナにも、匹敵する。もっとも、ノエルは、現場に、赴くような、タイプじゃ、ない。そして、ヤツはスキルを2つ持っている」
邪神、というワードにプーアは微妙に反応した。
「スキルが2つだって!?」
レンガイは目を大きく見開きながら、身を乗り出して問う。
「そ、それって、後天的スキルも覚醒しているってことじゃないか」
「……そう、だ。しかも、どちらも、かなり強力、らしい。私の『ハッカー』では、到底、敵わない。……続ける。最後の一人は、神ヒュウガ。コイツは、なんて、言ったら、いいか……その……」
ヒナノは言いたくなさそうに、言葉を詰まらせた。よっぽどな事情があるのか、いつもはほぼ固定してある視線を、頻繁に移動させている。
その時だった。
「説明する必要はないぜ、お姉ちゃん!」
まるで男子小学生のような幼い声が、プーアのやや後ろから聞こえてくる。部屋にいた3人は慌てて声のしたほうを向く。部屋中の注目を集めたことを確認した男は、思いっきり息を吸い、自信満々に告げた。
「『エノキダケ』四将軍の1人であり、最速の格闘王! 『快速少年』の異名を持つ、史上最強の破壊神! スピードは光速の100万倍! 快速のヒュウガ、ここに見参!!」
そこには、小学生としか思えない体格の半裸の少年が仁王立ちをして立っていた。プーアもレンガイも、その四将軍に似合わない姿が間違いでないかと思い、目を瞑ってからもう一度姿を確認した。2人の願いは叶わず、その少年の姿は本物だった。
――変なヤツらだな。お前ら。ヒュウガがそう言いかけたが、その前にプーアは呟いていた。
「ちっこい……」
「ちっこいだとお! オイラの身体をバカにしやがってえ!」
もともと身長にコンプレックスを持っていたヒュウガは、身長をバカにされて頭に血が上った。さらに、自分と対して体格が変わらない幼女体型のプーアに言われたという事実が、どうしても腑に落ちなかったようだ。
「プーアちゃんがそれを言う? んー、でも確かにヒュウガくんも小さいね。ねねね、君、プーアちゃんと背くらべしてみてよ」
レンガイはこのやり取りがかなりツボに入ったようで、腹を抱えて楽しそうだ。レンガイは笑いながらプーアとヒュウガをくっつかせて、背くらべをさせる。
「くっ……! ま、まあ、オイラがいくらちっこいからって、こんな生意気なガキには負けねえ!」
ヒュウガの言ったことはその通りで、プーアはヒュウガよりも若干ながら身長が低かった。しかし、それを面白くないと思ったプーアは、背伸びをして身長を上乗せする。本来ならばルール違反なのでレンガイが叱るところだが、明らかなプーア贔屓のレンガイはそれを見なかったことにして
「プーアちゃんの勝ちー!!」
ということにしてしまった。ヒュウガは熱心に抗議をしたが、レンガイは聞く耳を持たない。悔しさで顔を滲ませているヒュウガに向かって、勝ち誇った顔でプーアは言った。
「四将軍ってのも、大したことはないのね。あーあ、心配して損したわ」
「そうだねえ、プーアちゃん」
うんうん、とレンガイが相槌を打つ。
「しかも何よ、登場した時の自己紹介。最速の格闘王。『快速少年』の異名を持つ史上最強の破壊神。スピードは光速の100万倍。快速のヒュウガ。どれも、最強に憧れている小学生の発想じゃない」
「そうだねえ、プーアちゃん。最速とか、最強とか、『ひゃくまんばい』とか、どれも小学生が好きそうな単語だしね」
うんうん、とレンガイがまた変わらず相槌を打った。
思い切りコケにされたのが本気で頭に来たのだろう。ヒュウガはいつの間にか2人の視界から消えていた。否、消えているように見えた。
「――――ナメやがって!」
刹那、謎の衝撃がレンガイの腹に入れられた。レンガイは一瞬よろめく。それを確認したヒュウガは、動きを止め、再びプーアとレンガイの前に現れた。
「どうだ! これがオイラの全力スキル『最高速』! たとえ神であろうと絶対に捉えることはできない絶対的な無敵のスピード! そのスピードによって繰り出されるキックは、スゲー痛かっただろ!?」
ヒュウガは満足げにスキルの解説をした。だが、次の瞬間、彼は絶望することになる。
「いや……全然。なんていうんだろう、スピードはホントに凄かった。何が起こったのかわからないよ。でも、その割に攻撃力がないっていうか。例えるなら、プーアちゃんのパンチくらいだったかな」
「アタシが殴ったのでこの前吹っ飛ばなかった……? あれは演技だったのね」
プーアのレンガイへのツッコミをよそに、ヒュウガは膝から崩れ落ち、悔しさを体中で表現する。
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