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第二章 組織
ヒュウガのお姉ちゃん
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「スキルが書き換えられた? あの女? なによ、詳しく聞かせなさい」
プーアはヒュウガに問いただした。
「お、オイラも何がなんだかわかんねえんだよ! でも、あの女が……オイラのスキルを変えたんだって」
ヒュウガは本当に何もわからないようで、あたふたしながら言う。
「スキルが変わった? どういうことよ」
「理由はわからねえ。でも、元々そういうヤツだから何とも言えねえんだけど、あの邪神ノエルにオイラは突然呼び出されたんだよ。そこで、あの女のスキルで、オイラの最強スキル『最高速』が、『誰にも捉えられない速さで移動できるが、攻撃力が邪神プーアと同じになる』とかいう訳分かんねえ能力に書き換えられたんだよ! しかもお前、明らかに弱いだろ!? だからオイラの攻撃がそんなに効かなかったんだ。おいクソガキ! お前はもっと筋力をつけろよ!」
クソガキはプーアのことを指しているのだろう。ヒュウガは小型犬が威嚇するときのような目つきで、プーアを睨む。弱い、クソガキなどと言われてイライラしたプーアは、無意識に貧乏揺すりのクセを始める。
「クソガキ……アタシより身長が低いのによく言うわね!」
「嘘つくな! お前はオイラより身長が低かっただろ! なのに背伸びとかズルしやがって! そんな卑怯すぎるお前の力が貧弱すぎるせいで、オイラの最速最強キックもヘナチョコになってんだよ!」
ヒュウガもプーアも、お互いを睨みつけた。
「本当に小学生の喧嘩みたいだね……」
見かねたレンガイが呟いた。
「……そこまでに、しろ。ヒュウガ」
すっかり蚊帳の外になっていたヒナノが、諭すように言った。
プーアはそんなのはお構いなしに、まだヒュウガと口喧嘩を続けるつもりだったが、ヒュウガはヒナノのほうをしっかり見つめ始めた。
「ああ、お姉ちゃん。……なんで縄で縛られてんだよ?」
「え? お姉ちゃん? ちょっと、このクソガキとヒナノさんって姉弟なの
?」
プーアとレンガイは信じられないという風に顔を見合わせた。その後、どういうことだという目をプーアはヒナノに送る。ヒナノはそれに答えるように応じた。
「……そう、だ。私と、神ヒュウガは、双子の、姉と弟。だから、ヒュウガについて、説明、するのが、億劫、だった」
「なおさら信じられないわ。双子って言うけれど、顔も姿も性格も全く似てないじゃない」
「双子なんて基本はそんなもんだっての。でも、ヒナノお姉ちゃんの弟は、確かにオイラだぜ。つーか、質問に答えろよ。なんでお姉ちゃんを縄で縛ってるんだよ」
ヒュウガの問いに、プーアは答える。
「それは、そこにレンガイとかいう変態がいるでしょ。その変態が監禁と拘束が大好きでね。アナタのお姉ちゃんは、そのプレイに付き合わされているの」
明らかに悪意のある言い方をプーアはした。レンガイが慌てて訂正しようとするが、プーアは当然ながら無視をした。唖然としたヒュウガは、プーアに囁く。
「あ、あの兄ちゃん、爽やか系の色男っぽいのに、なかなかヤバい性癖の持ち主なんだな――」
「誤解だよ! 確かにそういう事に興味はあったりするけど、それはプーアちゃんに向けられたもので……ああ、もう訳わかんないよ」
誤解を解こうとして慌てたレンガイは墓穴を掘ってしまった。プーアもヒュウガも、ヒナノでさえも冷ややかな視線をレンガイに送る。
「ね。こういうヤツだから。爽やか系の色男に騙されないで」
「……話を、戻す。ヒュウガ、邪神ノエルが、能力を書き換えた、のは、本当か」
ヒナノは聞いた。
「あ、ああ。そうなんだよ、お姉ちゃん。あの女、いっつもオイラのことからかってきて。ついにはアイツの『上書き』スキルのせいで、オイラのスキルが役立たずに……」
今やほぼ無力になってしまった拳を、ヒュウガは悔しそうに握った。
「『上書き』か。発動条件や弱点もあるんだろうけど、ずいぶん手強い能力だね。しかも、邪神ノエルさんは、もう1つスキルを持っているらしいしね」
「……何にしても、ヒュウガ、お前は、神アンナプルナの、命令で、ここに、来た。早く、任務を」
実姉のヒナノの呼びかけに対し、ヒュウガは頭を掻きながら言った。
「そのことなんだけどよ……お姉ちゃん。俺たち、組織、抜けようぜ」
その発言に驚き、一番早くに声を上げたのは、ヒナノではなく、狙われの身のプーアだった。
「アンタ、何言ってるのよ。ヒナノさんから聞いたわ、『エノキダケ』はアンナの恐怖政治から成り立っているって。それにしても、四将軍ともあろう神が、忠誠心の欠片もないの?」
「あんな気持ちわりぃオッサンに、忠誠心なんてクソもねえよ! オイラは……オイラは、ただ……」
言葉に詰まったヒュウガをフォローするように、ヒナノは続きを話した。
「……脅されて、仕方なく、服従して、いる。そう、言いたい。でも、ヒュウガ、忘れて、いるの……? 私たちの、両親が、人質に、取られている、こと」
「わ、忘れるはずがねえだろ……そんなこと……」
プーアはヒュウガに問いただした。
「お、オイラも何がなんだかわかんねえんだよ! でも、あの女が……オイラのスキルを変えたんだって」
ヒュウガは本当に何もわからないようで、あたふたしながら言う。
「スキルが変わった? どういうことよ」
「理由はわからねえ。でも、元々そういうヤツだから何とも言えねえんだけど、あの邪神ノエルにオイラは突然呼び出されたんだよ。そこで、あの女のスキルで、オイラの最強スキル『最高速』が、『誰にも捉えられない速さで移動できるが、攻撃力が邪神プーアと同じになる』とかいう訳分かんねえ能力に書き換えられたんだよ! しかもお前、明らかに弱いだろ!? だからオイラの攻撃がそんなに効かなかったんだ。おいクソガキ! お前はもっと筋力をつけろよ!」
クソガキはプーアのことを指しているのだろう。ヒュウガは小型犬が威嚇するときのような目つきで、プーアを睨む。弱い、クソガキなどと言われてイライラしたプーアは、無意識に貧乏揺すりのクセを始める。
「クソガキ……アタシより身長が低いのによく言うわね!」
「嘘つくな! お前はオイラより身長が低かっただろ! なのに背伸びとかズルしやがって! そんな卑怯すぎるお前の力が貧弱すぎるせいで、オイラの最速最強キックもヘナチョコになってんだよ!」
ヒュウガもプーアも、お互いを睨みつけた。
「本当に小学生の喧嘩みたいだね……」
見かねたレンガイが呟いた。
「……そこまでに、しろ。ヒュウガ」
すっかり蚊帳の外になっていたヒナノが、諭すように言った。
プーアはそんなのはお構いなしに、まだヒュウガと口喧嘩を続けるつもりだったが、ヒュウガはヒナノのほうをしっかり見つめ始めた。
「ああ、お姉ちゃん。……なんで縄で縛られてんだよ?」
「え? お姉ちゃん? ちょっと、このクソガキとヒナノさんって姉弟なの
?」
プーアとレンガイは信じられないという風に顔を見合わせた。その後、どういうことだという目をプーアはヒナノに送る。ヒナノはそれに答えるように応じた。
「……そう、だ。私と、神ヒュウガは、双子の、姉と弟。だから、ヒュウガについて、説明、するのが、億劫、だった」
「なおさら信じられないわ。双子って言うけれど、顔も姿も性格も全く似てないじゃない」
「双子なんて基本はそんなもんだっての。でも、ヒナノお姉ちゃんの弟は、確かにオイラだぜ。つーか、質問に答えろよ。なんでお姉ちゃんを縄で縛ってるんだよ」
ヒュウガの問いに、プーアは答える。
「それは、そこにレンガイとかいう変態がいるでしょ。その変態が監禁と拘束が大好きでね。アナタのお姉ちゃんは、そのプレイに付き合わされているの」
明らかに悪意のある言い方をプーアはした。レンガイが慌てて訂正しようとするが、プーアは当然ながら無視をした。唖然としたヒュウガは、プーアに囁く。
「あ、あの兄ちゃん、爽やか系の色男っぽいのに、なかなかヤバい性癖の持ち主なんだな――」
「誤解だよ! 確かにそういう事に興味はあったりするけど、それはプーアちゃんに向けられたもので……ああ、もう訳わかんないよ」
誤解を解こうとして慌てたレンガイは墓穴を掘ってしまった。プーアもヒュウガも、ヒナノでさえも冷ややかな視線をレンガイに送る。
「ね。こういうヤツだから。爽やか系の色男に騙されないで」
「……話を、戻す。ヒュウガ、邪神ノエルが、能力を書き換えた、のは、本当か」
ヒナノは聞いた。
「あ、ああ。そうなんだよ、お姉ちゃん。あの女、いっつもオイラのことからかってきて。ついにはアイツの『上書き』スキルのせいで、オイラのスキルが役立たずに……」
今やほぼ無力になってしまった拳を、ヒュウガは悔しそうに握った。
「『上書き』か。発動条件や弱点もあるんだろうけど、ずいぶん手強い能力だね。しかも、邪神ノエルさんは、もう1つスキルを持っているらしいしね」
「……何にしても、ヒュウガ、お前は、神アンナプルナの、命令で、ここに、来た。早く、任務を」
実姉のヒナノの呼びかけに対し、ヒュウガは頭を掻きながら言った。
「そのことなんだけどよ……お姉ちゃん。俺たち、組織、抜けようぜ」
その発言に驚き、一番早くに声を上げたのは、ヒナノではなく、狙われの身のプーアだった。
「アンタ、何言ってるのよ。ヒナノさんから聞いたわ、『エノキダケ』はアンナの恐怖政治から成り立っているって。それにしても、四将軍ともあろう神が、忠誠心の欠片もないの?」
「あんな気持ちわりぃオッサンに、忠誠心なんてクソもねえよ! オイラは……オイラは、ただ……」
言葉に詰まったヒュウガをフォローするように、ヒナノは続きを話した。
「……脅されて、仕方なく、服従して、いる。そう、言いたい。でも、ヒュウガ、忘れて、いるの……? 私たちの、両親が、人質に、取られている、こと」
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