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022 卵革命
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「坊っちゃん調達したッス!」
アスタールが調達したのは鉄製のフライパンだ。
しかも歪みの多い市販品ではなく、表面が滑らかな仕上がりのオーダーメイド品である。
「ありがとう。これが欲しかったんだ」
執務室の椅子に座ったままフライパンを手に取り確認する。
満足のいく仕上がりだ。
綺麗に磨かれた表面は傷一つなく、歪みもないため指先で撫でると滑らかさを感じる。
これなら完璧な料理を作ることができるだろう。
「職人に頼んでまでフライパンを作る必要あったんスか?」
フライパンを眺めながらアスタールが疑問を呈した。
急ぎの依頼だったため、それなりの出費がかかったからだ。
「この滑らかな仕上がりが必要不可欠なのさ。市販品じゃ絶対に無いからね。多少の出費は覚悟の上さ」
「そうッスか。まあ、坊っちゃんが満足なら良いッスけど」
鏡面仕上げの鍋底に映る自分を見ながら何を作るのかと考えるアスタール。
フライパンなど何を使っても同じだろうに。
手間と出費をかけてまで用意する理由が理解できない。
そんな面持ちだ。
「失礼いたします」
ベルナールが料理長と共に入室した。
40代後半の料理長はガチガチに緊張して冷や汗を浮かべている。
厨房以外に出入りすることが無いためか、執務室に呼ばれた事に不安を抱いているのだろう。
直立不動で不安そうにベルナールに視線を向け、恐る恐る俺の方に目を泳がしている。
それに対しベルナールはいつも通り真面目な態度で。
「ご指示通り料理人を新たに雇用しました。料理長に審査を頼んだので腕は確かです」
「本当か料理長?」
「は、はい!厳しく審査いたしましたので間違いございません!」
問われてビクッと全身を震わせる料理長。
子供とはいえ相手は貴族で領主だ。
粗相を犯せば平民の料理人など簡単に処刑されてしまう。
それが貴族と平民の構図だからだ。
「いいだろう。では今から説明する調理法を雇用した料理人と共に完成させてくれ」
「調理法を……ですか?」
意味がわからず困惑する料理長。
自分は何をやらされるのだろう。
そんな不安が顔に表れている。
まあ、子供の気まぐれや遊びと勘繰るのも無理はない。
わざわざ料理人を雇用してまで行うのだ。
最悪、クビにされるのでは?と不安を抱いても仕方ないだろう。
「調理法は至ってシンプルだ。だが、高度な技術が要求される。料理長は腕が良い。だから料理長に審査を頼んだんだ。確かな腕を持つ料理人を雇用するためにね」
戯れではなく大真面目だと告げた。
料理長はホッと安堵の吐息を漏らすと。
「かしこまりました。全力を尽くします」
「頼む。これが上手く行けばアクセルに多大な恩恵をもたらすはずだ」
「多大な恩恵を……ですか?」
「そうだ」
思いがけず重責を担わされた事を認識した料理長は一瞬躊躇した。
が、腹をくくったのだろう。
期待に応えねば未来はないと。
その表情は真剣そのもの。
料理人の厳しい顔つきになった。
「精一杯やらせていただきます!」
料理長の覚悟の声が執務室に響き渡った。
2週間後。
料理長と共に新規雇用した3人の料理人が緊張の面持ちで直立していた。
邸宅のキッチンで磨いた腕前を披露するからだ。
すでに料理長は要求した料理をマスターしており、何度か食事の一品として供していた。
見込んだ通りの出来栄えで完成度は納得の代物だった。
それから3人に徹底指導したため料理のクオリティは間違いない。
あとは3人の腕次第だが。
「今日はエルロンド様に料理の判定をしていただく。研鑽した腕を存分に発揮して御期待に応えるよう」
料理長が発破をかけると3人の顔は緊張で一層固くなった。
この催しの重要性を認識しているのだろう。
おそらく意気込む料理長から口酸っぱく言われたに違いない。
厳つい顔をした大柄で坊主頭の青年は名をデーバという。
見た目は粗暴に思えるが、根が優しく真面目で寡黙な青年である。
和装をすれば職人気質の板前に見えなくもない。
その隣に立つギュートは軟派な優男という形容の青年だ。
細身で背が高く、いかにも女好きという風体で、デーバとは真逆のお喋りでフレンドリーな性格の持ち主である。
美しい金髪を腰まで伸ばしており、料理人というよりホストの方が似合いそうだ。
最後の一人は赤毛を三つ編みにした可愛らしい少女ペティだ。
丸い眼鏡をかけたソバカスがチャームポイントの少女は、低い身長に似合わぬナイスバディの持ち主である。
気が弱いが面倒見がよく、努力家で根気強い性格だ。
この3人が今後の計画の核になる。
今日の試験は、その計画における重要な試練の場でもあるのだ。
「はじめ!」
料理長の号令で3人はそれぞれの調理場に向かった。
まだ緊張で動きが固い。
大丈夫か?と思わず心配になる。
だが、そこはプロの料理人だ。
一度調理場に立つと表情が一変した。
先程までの緊張と硬直が嘘のように滑らかな動きに変わった。
テキパキと無駄の無い動きで準備を整え、いよいよ調理を開始する。
3人はボウルに卵を割って入れると牛乳を投入し、繊維を切るようにかき混ぜ始めた。
黄身と白身が混ざって一体となり、牛乳が溶け込んでいくと滑らかなカスタード色になる。
卵液の出来上がりだ。
熱したフライパンに牛乳から作ったバターを投入し、溶かしてまんべんなく広げた。
そこに卵液を投入するとジュワッという心地よい音が奏でられる。
バターで焼ける卵の香ばしい香りが鼻孔をくすぐった。
3人は卵が固まらぬよう木ヘラで勢いよく卵をかき混ぜる。
トロトロの状態をキープしつつ火を通していくと、半熟状態になった卵が隙間を埋めて一体となった。
「ここからが正念場だ」
仕上げの作業に入ると緊張の度合いが増した。
この作業の出来栄えが最も重要だからだ。
3人はフライパンを火から降ろすと濡れた布巾の上においた。
荒熱を取る間に呼吸を整えた3人は一斉にフライパンの柄を小刻みに揺らし始める。
フライパンの中では半熟の卵が徐々に縁へと移動した。
縁に到達した半熟卵は法面に乗り上げ、そのまま裏返って内側に折れる。
繰り返すうちに形がまとまり、やがて表面の滑らかな美しい楕円形が出来上がった。
「出来上がりました!」
テーブルに3人の作った料理が運ばれてきた。
器に盛られた楕円形の玉子料理。
オムレツである。
「どうぞ御賞味ください」
料理長からスプーンを渡されて頷いた。
緊張で強張った3人はゴクリと生唾を飲み込む。
料理を食べる一挙一動を真剣な眼差しで見守っている。
スプーンを通すと中からトロトロの半熟卵が姿を表した。
すくい取るとスプーンの上でプルプルと玉子が揺れている。
見た目的には合格点だ。
あとは味だが。
「いただきます」
一口食べた俺は歓喜の声をあげた。
「これだ!これだ!これこそ、まさしく僕が望んでいた完璧なオムレツだ!」
3人のオムレツは完璧な出来だった。
表面の滑らかさ。
トロトロの半熟加減。
口に入れると舌に絡んで溶けていく感触。
玉子の濃厚な味わいとバターのコク。
牛乳のまろやかさが合わさって味付け無しでも十分に通用する仕上がりである。
絶賛された3人は安堵の吐息を漏らした。
緊張感から解放されてドッと疲れが出たのだろう。
膝から崩れ落ちて座り込んでしまった。
「なんだお前らみっともない!」
料理長が情けないと嗜める。
俺はすぐさま構わないと手で制した。
頑張った証拠だ。
実に喜ばしい。
これでアクセルの経済に大きく寄与するだろう。
俺は確信の笑みを浮かべた。
1週間後。
アクセルは多くの人間で賑わっていた。
近隣の街から噂を聞き付けた人々が押し寄せているのだ。
彼等の向かう先は新たに開店したレストラン。
目当ては極上の食感と噂されるオムレツだ。
「美味い!なんだこの食感は!?」
「トロットロでフワッフワだ!卵がこんなに美味しいなんて」
「おかわりをくれ!美味すぎていくらでも入るぞ!」
店内には絶賛の声が響き渡った。
テーブルに運ばれたオムレツは瞬く間に無くなってしまう勢いだ。
大盛況の賑わいに厨房でオムレツを作る3人はてんてこ舞いである。
手が足りずに料理長も助っ人している状態だ。
サポートするスタッフも卵液を用意するだけで息が上がっていた。
「よしよし、いい流れだ」
俺は人波を眺めながら満足気に笑った。
試験後、俺はアスタールに命じて近隣から交易商人を呼び寄せた。
手広く広範囲に交易を行う商人にオムレツを試食させるためだ。
狙い通り、交易商人達は目の色を変えてレシピを聞いてきた。
一儲けできると確信したからだろう。
予想通りの反応だ。
レシピは秘密だが必要な食材は教えた。
いずれもアクセルでしか入手できない食材だと告げ、品定めさせるためだ。
遺伝子改造した卵、牛乳、バターは交易商人の眼鏡に適ったようだ。
オムレツという付加価値を抜きにしても魅力的な代物だと大好評である。
しかも従来品より遥かに日持ちする点が交易を生業にする商人の心を捉えたようだ。
こうして商品を卸す条件としてオムレツを宣伝させた。
食材の美味さが信憑性を与えたらしく、半信半疑ながらアクセルを訪れる人間が1人2人と現れ、それが新たな媒体となって口伝し、今日の大盛況に繋がったのである。
いつの時代もクチコミの威力は絶大なようだ。
おかげで卵が飛ぶように売れてトーマスは鶏の飼育にてんやわんやとなっていた。
嬉しい悲鳴だが、このままではトーマスの身が保たないだろう。
「飼育員を増やさなきゃな」
俺は計画が順調に運んでいる事に満足しつつ、次なる構想を巡らせるのだった。
アスタールが調達したのは鉄製のフライパンだ。
しかも歪みの多い市販品ではなく、表面が滑らかな仕上がりのオーダーメイド品である。
「ありがとう。これが欲しかったんだ」
執務室の椅子に座ったままフライパンを手に取り確認する。
満足のいく仕上がりだ。
綺麗に磨かれた表面は傷一つなく、歪みもないため指先で撫でると滑らかさを感じる。
これなら完璧な料理を作ることができるだろう。
「職人に頼んでまでフライパンを作る必要あったんスか?」
フライパンを眺めながらアスタールが疑問を呈した。
急ぎの依頼だったため、それなりの出費がかかったからだ。
「この滑らかな仕上がりが必要不可欠なのさ。市販品じゃ絶対に無いからね。多少の出費は覚悟の上さ」
「そうッスか。まあ、坊っちゃんが満足なら良いッスけど」
鏡面仕上げの鍋底に映る自分を見ながら何を作るのかと考えるアスタール。
フライパンなど何を使っても同じだろうに。
手間と出費をかけてまで用意する理由が理解できない。
そんな面持ちだ。
「失礼いたします」
ベルナールが料理長と共に入室した。
40代後半の料理長はガチガチに緊張して冷や汗を浮かべている。
厨房以外に出入りすることが無いためか、執務室に呼ばれた事に不安を抱いているのだろう。
直立不動で不安そうにベルナールに視線を向け、恐る恐る俺の方に目を泳がしている。
それに対しベルナールはいつも通り真面目な態度で。
「ご指示通り料理人を新たに雇用しました。料理長に審査を頼んだので腕は確かです」
「本当か料理長?」
「は、はい!厳しく審査いたしましたので間違いございません!」
問われてビクッと全身を震わせる料理長。
子供とはいえ相手は貴族で領主だ。
粗相を犯せば平民の料理人など簡単に処刑されてしまう。
それが貴族と平民の構図だからだ。
「いいだろう。では今から説明する調理法を雇用した料理人と共に完成させてくれ」
「調理法を……ですか?」
意味がわからず困惑する料理長。
自分は何をやらされるのだろう。
そんな不安が顔に表れている。
まあ、子供の気まぐれや遊びと勘繰るのも無理はない。
わざわざ料理人を雇用してまで行うのだ。
最悪、クビにされるのでは?と不安を抱いても仕方ないだろう。
「調理法は至ってシンプルだ。だが、高度な技術が要求される。料理長は腕が良い。だから料理長に審査を頼んだんだ。確かな腕を持つ料理人を雇用するためにね」
戯れではなく大真面目だと告げた。
料理長はホッと安堵の吐息を漏らすと。
「かしこまりました。全力を尽くします」
「頼む。これが上手く行けばアクセルに多大な恩恵をもたらすはずだ」
「多大な恩恵を……ですか?」
「そうだ」
思いがけず重責を担わされた事を認識した料理長は一瞬躊躇した。
が、腹をくくったのだろう。
期待に応えねば未来はないと。
その表情は真剣そのもの。
料理人の厳しい顔つきになった。
「精一杯やらせていただきます!」
料理長の覚悟の声が執務室に響き渡った。
2週間後。
料理長と共に新規雇用した3人の料理人が緊張の面持ちで直立していた。
邸宅のキッチンで磨いた腕前を披露するからだ。
すでに料理長は要求した料理をマスターしており、何度か食事の一品として供していた。
見込んだ通りの出来栄えで完成度は納得の代物だった。
それから3人に徹底指導したため料理のクオリティは間違いない。
あとは3人の腕次第だが。
「今日はエルロンド様に料理の判定をしていただく。研鑽した腕を存分に発揮して御期待に応えるよう」
料理長が発破をかけると3人の顔は緊張で一層固くなった。
この催しの重要性を認識しているのだろう。
おそらく意気込む料理長から口酸っぱく言われたに違いない。
厳つい顔をした大柄で坊主頭の青年は名をデーバという。
見た目は粗暴に思えるが、根が優しく真面目で寡黙な青年である。
和装をすれば職人気質の板前に見えなくもない。
その隣に立つギュートは軟派な優男という形容の青年だ。
細身で背が高く、いかにも女好きという風体で、デーバとは真逆のお喋りでフレンドリーな性格の持ち主である。
美しい金髪を腰まで伸ばしており、料理人というよりホストの方が似合いそうだ。
最後の一人は赤毛を三つ編みにした可愛らしい少女ペティだ。
丸い眼鏡をかけたソバカスがチャームポイントの少女は、低い身長に似合わぬナイスバディの持ち主である。
気が弱いが面倒見がよく、努力家で根気強い性格だ。
この3人が今後の計画の核になる。
今日の試験は、その計画における重要な試練の場でもあるのだ。
「はじめ!」
料理長の号令で3人はそれぞれの調理場に向かった。
まだ緊張で動きが固い。
大丈夫か?と思わず心配になる。
だが、そこはプロの料理人だ。
一度調理場に立つと表情が一変した。
先程までの緊張と硬直が嘘のように滑らかな動きに変わった。
テキパキと無駄の無い動きで準備を整え、いよいよ調理を開始する。
3人はボウルに卵を割って入れると牛乳を投入し、繊維を切るようにかき混ぜ始めた。
黄身と白身が混ざって一体となり、牛乳が溶け込んでいくと滑らかなカスタード色になる。
卵液の出来上がりだ。
熱したフライパンに牛乳から作ったバターを投入し、溶かしてまんべんなく広げた。
そこに卵液を投入するとジュワッという心地よい音が奏でられる。
バターで焼ける卵の香ばしい香りが鼻孔をくすぐった。
3人は卵が固まらぬよう木ヘラで勢いよく卵をかき混ぜる。
トロトロの状態をキープしつつ火を通していくと、半熟状態になった卵が隙間を埋めて一体となった。
「ここからが正念場だ」
仕上げの作業に入ると緊張の度合いが増した。
この作業の出来栄えが最も重要だからだ。
3人はフライパンを火から降ろすと濡れた布巾の上においた。
荒熱を取る間に呼吸を整えた3人は一斉にフライパンの柄を小刻みに揺らし始める。
フライパンの中では半熟の卵が徐々に縁へと移動した。
縁に到達した半熟卵は法面に乗り上げ、そのまま裏返って内側に折れる。
繰り返すうちに形がまとまり、やがて表面の滑らかな美しい楕円形が出来上がった。
「出来上がりました!」
テーブルに3人の作った料理が運ばれてきた。
器に盛られた楕円形の玉子料理。
オムレツである。
「どうぞ御賞味ください」
料理長からスプーンを渡されて頷いた。
緊張で強張った3人はゴクリと生唾を飲み込む。
料理を食べる一挙一動を真剣な眼差しで見守っている。
スプーンを通すと中からトロトロの半熟卵が姿を表した。
すくい取るとスプーンの上でプルプルと玉子が揺れている。
見た目的には合格点だ。
あとは味だが。
「いただきます」
一口食べた俺は歓喜の声をあげた。
「これだ!これだ!これこそ、まさしく僕が望んでいた完璧なオムレツだ!」
3人のオムレツは完璧な出来だった。
表面の滑らかさ。
トロトロの半熟加減。
口に入れると舌に絡んで溶けていく感触。
玉子の濃厚な味わいとバターのコク。
牛乳のまろやかさが合わさって味付け無しでも十分に通用する仕上がりである。
絶賛された3人は安堵の吐息を漏らした。
緊張感から解放されてドッと疲れが出たのだろう。
膝から崩れ落ちて座り込んでしまった。
「なんだお前らみっともない!」
料理長が情けないと嗜める。
俺はすぐさま構わないと手で制した。
頑張った証拠だ。
実に喜ばしい。
これでアクセルの経済に大きく寄与するだろう。
俺は確信の笑みを浮かべた。
1週間後。
アクセルは多くの人間で賑わっていた。
近隣の街から噂を聞き付けた人々が押し寄せているのだ。
彼等の向かう先は新たに開店したレストラン。
目当ては極上の食感と噂されるオムレツだ。
「美味い!なんだこの食感は!?」
「トロットロでフワッフワだ!卵がこんなに美味しいなんて」
「おかわりをくれ!美味すぎていくらでも入るぞ!」
店内には絶賛の声が響き渡った。
テーブルに運ばれたオムレツは瞬く間に無くなってしまう勢いだ。
大盛況の賑わいに厨房でオムレツを作る3人はてんてこ舞いである。
手が足りずに料理長も助っ人している状態だ。
サポートするスタッフも卵液を用意するだけで息が上がっていた。
「よしよし、いい流れだ」
俺は人波を眺めながら満足気に笑った。
試験後、俺はアスタールに命じて近隣から交易商人を呼び寄せた。
手広く広範囲に交易を行う商人にオムレツを試食させるためだ。
狙い通り、交易商人達は目の色を変えてレシピを聞いてきた。
一儲けできると確信したからだろう。
予想通りの反応だ。
レシピは秘密だが必要な食材は教えた。
いずれもアクセルでしか入手できない食材だと告げ、品定めさせるためだ。
遺伝子改造した卵、牛乳、バターは交易商人の眼鏡に適ったようだ。
オムレツという付加価値を抜きにしても魅力的な代物だと大好評である。
しかも従来品より遥かに日持ちする点が交易を生業にする商人の心を捉えたようだ。
こうして商品を卸す条件としてオムレツを宣伝させた。
食材の美味さが信憑性を与えたらしく、半信半疑ながらアクセルを訪れる人間が1人2人と現れ、それが新たな媒体となって口伝し、今日の大盛況に繋がったのである。
いつの時代もクチコミの威力は絶大なようだ。
おかげで卵が飛ぶように売れてトーマスは鶏の飼育にてんやわんやとなっていた。
嬉しい悲鳴だが、このままではトーマスの身が保たないだろう。
「飼育員を増やさなきゃな」
俺は計画が順調に運んでいる事に満足しつつ、次なる構想を巡らせるのだった。
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