【完結】魔王ってなにさ【続編開始。。。】

アキノナツ

文字の大きさ
42 / 55
本編

22】愛しい人(中) ※

しおりを挟む
 
 ぐったりしてるクンティンをそっと抱き起こし、抱きしめた。

 すまない…。
 俺の身勝手が起こした不始末だ。
 濃い瘴気が、波のように去っていく。あれらは俺が引き寄せた物か…。

 クンティンが腕の中で僅かに身じろいだ。

「泣かないで…」
 掠れた声で囁く。
「クンティン…」
 目覚めてくれた。愛おしいのに、俺はお前を汚す事しか考えられなくなっていた。

「オレ…、嬉しい…」
 苦しいそうなのに、笑ってくれてる。
 全てバレてしまった。夢で終わらせる状態ではない。
 この現状を見れば、今まで何をされて来てたのか、クンティンなら分かってしまう…。

 何も言えない俺の頬にクンティンの手が添えられる。

「あなたは孤独に耐えて、聖女だけを待ってたのに。オレたちが来てあなたの平穏をめちゃくちゃにした事をもっと考えるべきだった。ごめんなさい。そして、また、いや、もっと辛い孤独を与えるところだった…」

 クンティンに言われるまで気づかなかった。俺は泣いているようだ。クンティンの掌が幾度も頬を拭ってくれる。
 温かな手。

「オレに、こんなに気持ちを、ぶつけてくれた。こんな事ならもっと早く告白してれば良かった。エヴァン、好きです。言葉にするつもりはなかったのに…。言っちゃった」

「君は覚えてないかもしれないが、よく、好きと言ってくれた」

「うふふ…、そうなんですね。魔力酔いを使うとは、エヴァンの好みのタイプはサムエルだと思ってました」

「外見は君のような…好みだ。話してる内に君自身が更に好みになった。初めは聖魔力の者と交わらせてみたかっただけだったのに…、気づいたら、君を手放したくなくて…。そして、君自身も好きに…。俺はバカだ…」

「エヴァン、オレの事、好きだって伝わってきましたよ」

 キュッと抱きついてきた。

「こんな酷い事をしたのに…」

 小さなクンティンを抱きしめる。ああ、こんなに好きな相手になって事をしてしまったんだ。

「オレは、ここを去りません。決めました。だって、こんなにオレを求めてくれてる人がいるのに…」

 また頬に手を添えて涙を拭ってくれる。顔が近づいてきた。クンティンの唇が俺の唇に優しく触る。

「俺は、魔王になってしまった」

「いえ、まだなってません」

 目から溢れてくる涙を唇で吸ってくれた。俺の体液は穢れを含んでる。
 慌てて引き離しそうとすると、反対に抱きつかれた。

 彼の雄芯がグリッと押し付けられた。勃ち上がってる。

「抱いて下さい。オレを大事に思ってるんなら、その想いで、抱いて下さい」

「出来ない。大切だから、これ以上傷つけきたくない」

 クンティンの考えが分からない。俺の肉棒がガチガチに勃ってるのを感じて言ってくれてるのだろうか。これは、魔人になった俺の欲望が出てきてるだけだ。浄化するよりも穢れに塗れたモノに変わってしまったのだろう…。

「あなたはまだ魔人になってません。娼館で聞き取りをして分かったんです。彼女たちは、何故、人の形のまま魔人に、淫魔になったのか。答えは、『祈り』です。
 エヴァンへの想いが子供を欲してしまった。彼女たちは子供欲しさに浅ましく求めた結果、魔人になったが『祈り』が姿を止まらせた。
 でも、それを伝えたら貴方が気に病むから彼女たちは、あんな戯けた事を言って誤魔化している。
 それもこれも、あなたが少しでも幸せでいれるようにとの願いです。彼女たちの祈りです」

 クンティンは俺に語るかけるようにゆっくり話してくれてる。
 俺はクンティンの言葉を静かに聞いていた。

「彼女たちのは、助けられてる。娼館を作った事でここに流れ着いた者たちを導いてくれいる。そうか…」

 ダラダラと涎のように先走りが溢れて垂れてる俺をクンティンが握った。

「エヴァン、あなたは浄化出来るんですよ。大丈夫。その欲望はオレへの愛情の裏返しだったんでしょ? 表にして? オレに想いを伝えて…」

 さっきよりも深く口づけしてくる。優しく、唇を食んで舐めてくれる。チュッと可愛らしい音を立てて離れた。

「クンティン、こんな俺でも君は…」

 鼻先が触れ合う距離で囁く。不安が押し寄せてくる。肉棒を彼が後孔に導こうとしていた。

「好き。大好き。ーーーー愛してます」

 噛み付くようにクンティンの唇を覆った。ぎゅっと抱きついていた。
 薄く開いた唇の隙間に舌を滑り込ませ、クンティンの舌を探す。口内を大きく舐め上げて、驚いて引っ込んでいた舌を引き出すように絡める。
 唾液を混ぜ合わせるような舌の絡み合いで、互いの体温が上がってくる。

 俺の雄がクンティンによって挿し込まれていった。ゆっくり、温かなクンティンの中に埋まっていく…。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

クールな義兄の愛が重すぎる ~有能なおにいさまに次期当主の座を譲ったら、求婚されてしまいました~

槿 資紀
BL
イェント公爵令息のリエル・シャイデンは、生まれたときから虚弱体質を抱えていた。 公爵家の当主を継ぐ日まで生きていられるか分からないと、どの医師も口を揃えて言うほどだった。 そのため、リエルの代わりに当主を継ぐべく、分家筋から養子をとることになった。そうしてリエルの前に表れたのがアウレールだった。 アウレールはリエルに献身的に寄り添い、懸命の看病にあたった。 その甲斐あって、リエルは奇跡の回復を果たした。 そして、リエルは、誰よりも自分の生存を諦めなかった義兄の虜になった。 義兄は容姿も能力も完全無欠で、公爵家の次期当主として文句のつけようがない逸材だった。 そんな義兄に憧れ、その後を追って、難関の王立学院に合格を果たしたリエルだったが、入学直前のある日、現公爵の父に「跡継ぎをアウレールからお前に戻す」と告げられ――――。 完璧な義兄×虚弱受け すれ違いラブロマンス

処理中です...