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ボクのえっちが進まない…(涙
ボクのえっちが進まない…(涙
しおりを挟むいい雰囲気になって、抱き合って、押し倒された。
さっきまでキスしていて、酸欠でくらくらです。
だって、息継ぎとういうか、息の仕方がよくわからなかった。こんな具合に、ボクはえっちが初めてです。お付き合い自体が初めてなんです。
こんなボクですが、告白はボクからだったんです。
一生分の勇気を使ったかもしれない。
名前負けせずに良かった。ユウキって名前が光ってたね。
お酒の力も使ったかもしれないけど、友達の友達的な複数グループ同士の飲み会が開催される事になって、どういう会なんだって文句言いながらの参加だったけど、その会に憧れの先輩を見かけて、胸キュンでなんとかお近づきにと頑張ってたら、周りの男どもが邪魔だ。猥談なぞやりやがってと思ってたら、どうやら男女どっちもいけるお方だと知れた。
邪魔者にしてごめんと男どもに心で謝りつつ、同時にグッジョブとエールを送ってた。
男どもはどんどん飲ませてる。
彼がイケメンなのを警戒してさっさと酔わせて意中の女に近づかせない作戦の徒党らしい。
さりげなく近づいて、否、強引に割り込んだ。
この時ボクは相当酔っていたようで。だって、お話して、このあと告白ですよ。もう何もかもがすっ飛ばしてるでしょ? あの時は無我夢中と申しますか、どうかしてました。
二次会もボクが先輩の担当です。
女の子たちも突撃して来ますが、ボク頑張…れませんでした。徒党の男どもの視線が痛い。だって、女ども強いんですよ。そもそもお前らが抑えれないのが問題だろ?
そもそもこの飲み会って親睦というよりグループ同士の合コンだったの?
ボク知らないよぉ~。
女の子たちのお尻に押し出されて、オヨヨョ…と泣き崩れそうです。
そんなボクに差し出された手は、渦中の彼でした。
「二次会終わりだって。ユウキくん帰る方向一緒だよね?」
ニッコリ笑う先輩。
コクっと頷いてその手を握りました。
これってお持ち帰りですか?!
なんて事はなくこれ以上は悪酔いしそうだから帰りたくなったんだって。
無理しない先輩好きです。
そう、好きって思ったら、「好き」って口をついて出てた。無意識。ホント無意識の勢い。
「ん? なに?」って先輩が聞き直さなかったら、繁華街の道の真ん中で告白なんてしてなかった。
「ボク、先輩の事、前から好きです。お付き合いして下さい」
ベタな告白です。真っ赤です。いつものボクなら下向いてしまうのに、なぜか真っ直ぐに先輩の目を見て言ったのでした。
ちょっと酔った目をしてる先輩のお顔。
じっとボクを見ています。
時間が、音が、全部消えて、止まってしまいました。
二人だけの空間と化した一瞬でした。
「私でいいの?」
コクンと頷く。目は離さない。
息が止まる。コクっと唾を飲み込んだ。
先輩が近づいて来た。
そばを酔っ払いが通り過ぎていく。
そっと肩を抱かれて、引き寄せられて、気づいたら、先輩胸の中。抱きしめられて耳元で囁かれたのです。
「以前から、君の事、気になってたんだ。好きかも」
キュンです。
心臓が痺れました。潰れそうです。キュンキュンです。
あうあうとしてると「うん、好きだ」ってトドメでございます。
そこからどうやって帰ったのか覚えてないんです。気づいたら自分の部屋でした。
後日、先輩に大学構内で捕まえられた。
無言で腕を掴まれると、二人っきりになるところまで強引に引きずられるように連れて来られた。
ドギマギしてたら、真剣なお顔の先輩。
「好きや付き合ってなんて言ったのに。私は本気にしていいのか? 好きって本気で思っていいのか?」
捲し立てられた。真剣だからだろうけど、お顔怖い。
ボク、頑張った! 真っ赤になって、お酒の力も借りずに只々、コクコク頷くだけだったけどね。
「じゃあ、なんで猛ダッシュで逃げたんだ…」
絞り出す掠れるお声もセクシーで好き…。
ん?
「逃げ…たんですか?」
「アレが逃げてないって言うなら、なんなのさ。あそこに置いてきぼりだったんだよ、私」
「逃げてないです。よく分からなくなって……。あの後、気づいたら部屋に帰ってて…えへへ」
思い出しながら、ポツポツお答え。笑っておこうかな?
「あれで、逃げてないのか……。逃げてない。気が抜けた。振られたかと思ったんだよ。あの場にぽつねんだよ? シュックだったよ。笑うな」
へにゃっとなってた顔を瞬時に引き締める。
「ごめんにゃはぁい…」
泣きそう。酷い事したらしいのはボクなのに。
目の前が先輩でいっぱいになりました。
抱きしめられてるぅう!!!
頭から火が出そう。爆発しそうです。
「泣かないで。私が泣かしてるみたいじゃないか」
そうですね。でも、ボク、幸せです。
クニャンと先輩に身体を預けました。もう好きにして下さい。ここが旧学舎の裏のじめっとした日陰で、ムードもへったくれもない場所で。決して、いい訳ではないけど、いい訳ではないですけど! いいです。
んー、やっぱ、微妙。
「先輩。泣いてないんで、場所変えませんか?」
「あー、ごめん。行こうか」
ガッチリ手を握られてます。逃げられると……思ってますね。覚えはないけど、前科ありますものね。
苔くさいジメジメ場所から脱出。
乾いたジャリ道の音に、木漏れ日の日差しが心地いいです。
「先輩、好きです」
思わず、言ってました。
頬を撫でる風が気持ち良くって、気分が良かったんです。
ジャリっと急に止まった先輩にぶつかってしまいました。
「ユウキは、小悪魔だね」
真っ赤になって振り返った先輩のお顔が近いです。
名前を呼び捨てされた衝撃が凄すぎて、後半の単語が理解できませんでした。
「先輩。コレどうですか?」
お買い物デートです。
学校用に使ってたリュックが壊れてしまいました。高校の時からの年季物でしたので、致し方ありません。
タウンでも使えるスタイリッシュか就活でも問題ないビジネスチックな物か迷います。
「ん? いいんじゃないか」
そっけないです。手に持ってるのは可愛すぎるので却下で。次はコレって感じで持ってないで下さい。
「では、コレにします。それは趣味じゃないので」
だから、バッサリです。不必要な物は買いません。ボクは倹約家なのです。
「私のプレゼントでもか?」
それは悩みます。
「むぅぅうううう。先輩はズルいです」
買わないけど、先輩が背負っても……イケメンは可愛い系も違和感あるのに似合います。ズルいです。
ボクたちのデートはこんな感じです。
イチャイチャしてます。
とっても順調な交際です。
そして、とっても清い交際なのです。
ボクの頭の中は、不純な交際に発展してますが!
妄想では、えちえちなボクです。
恥ずかし過ぎて、正面で先輩のお顔をじっと見れるのは3秒が限界です。
今もシェクイ飲みながら、窓の外を見ながら、横並びの先輩のお顔をチラ見です。
かっこいいです。ボクの彼氏は、最高にかっこいいのです。
「今日は、このあと私のとこ来るよね?」
おぉ~、お誘いです。
決まってた事ですけど、念押しです。
緊張します。このあと先輩のお家で映画鑑賞会なのです。ボクが観たかった映画だったのですが、用事と流行風邪で寝込んで上映期間が終わっていたのでした。さっさと行っとくべきでした。
DVDを借りて来てくれたのです。
購入じゃないところが、先輩もイジらしいんですよ。期間が決まってたら、ボクが断る理由がないじゃないですか。先輩可愛いです。
恋人繋ぎでるんるんで彼氏のお部屋にお邪魔です。
キスは、可愛いのした事あります。
そもそもこういう事態になったのは、ボクが初めてって言ったのが始まりでして……。だって、ガチガチに腕の中で固まっちゃたら誤魔化しようがなくて……。
恥ずかしくって、初めてだって事も言えずに、下見たまま、顔を赤くしてたのです。
「初めて?」って結局先輩に訊いてもらってるし。コクンと頷きでお返事。
「お付き合いも…」って、頷き勢いで言わなくてもいい事も言っちゃったのでした。
きゅっと抱きしめられたんだけどね。
嫌われた訳ではないようでひと安心です。
「大事にする。優しくする…」
安心していて、先輩の呟きをよく考えずに聞き流していました。
ボクって意気地なし。もう少し頑張れば、妄想通りの事が毎度起こってたはずなのです。
ーーーーーー幻滅されなければの話ですが。
経験はないですが、アナニー歴だけは順調に積み重なってますのです。バッチリです。準備万端OKです。大丈夫なはずなんです。
「会えて良かったですね…。グスん…うぐぅ…あむ…良かったです。良かった…」
涙を拭くか、ポテチを食べるかどっちかにしろって感じで、鼻かみつつ、号泣しながら、ポテチ食べてます。
彼は横で寄り添ってくれてます。ゾンビが出てくるところではボクの肩をさりげなく抱き寄せてくれたり。ボディタッチ多めで守ってくれてました。嬉しいです!
怖がりのボクには安心感しかないです。
映画館だとみんなで観てる安心感で観れるのに、ひとりでは無理なんです。怖いんだモン。
ボクの口の端についてるカケラを指で摘み取って、笑ってる。笑われてる。
エンドロールです。
いい曲です。今度ダウンロードしましょう。
ストローをあむっと咥えて、ズズッと鳴らしせながらコップの底の残りを飲みます。
ーーーご馳走様でした。
満足……。ん? なんか忘れてる?
先輩の手がボクの太ももに…。
あ…ごめんなさいです。忘れてました。
腰に手が回って、引き寄せてれて…いつものキス。
チュッチュって気持ちいいんですよ。
余裕で楽しんでます。ボク、余裕ちゃんです。
だから、先輩の背中に腕を回して、手をスリスリしちゃったりして、気持ちいいを身体で伝えちゃったりッ。余裕ブチかましです!
そしたら! いきなり舌インです! INですよ?! 舌がッ! びっくりするじゃないですかぁぁあああ!
びっくりしたら、息止めちゃったじゃないですか!
先輩そんなこと知らないですよね。分かりませんよね。
分かりますッ。が!
初めてなのォォー。
口の中で舌でめちゃくちゃ舐められてるんですけどぉぉおおおッ。
舌でちょっと待って!と押したら、絡め取られです。
口内で屈服です。
マジどうしようもない。降参。白旗。面目なしです。
「はぁぅ…うぐぅ…ん……ぅふぅう…はぁぅ…」
唇が離れる隙に溜まった唾液を飲んだり、息継ぎしたりと大忙しです。まともに息が吸えなくて、あぷあぷと吐いて、吸っていました。
苦しくって、先輩の背中に回した手が服を握り締めて、プルプル震えてたんです。
押し倒された時、先輩の股間をゴリっと押し付けられてましたが、ボクはそれどころじゃなくて…。余裕はどこ行った????
だから、唇が離れた時は酸欠状態でクラクラでして。
優しく、脇腹を、優しく撫で上げられて……身悶えました。悶えて、下唇噛み締めて耐えます。耐えたんです。
めっちゃ、くすぐったい…ッ。
くすぐったいのぉぉぉ~!!!
「うぐ、ふぅん…ふぅぅうう…んぅ、ん…」
耐えます。耐えないと、爆笑です。
さっきはよく耐えれました。ぼんやりの不意打ちだったのに。ボク頑張ったです。
頑張れ! ここで笑ったらムードぶち壊すです。
「ハヒィ…ふぅん…」
マズイ。変な声出ちゃった。
バレた? ボクこんなにくすぐったがりだったんだ。幻滅されたくない。アナニーし過ぎで肛門がふにゃふにゃに柔らかいのがバレる前に幻滅されるぅぅぅ。
えっちな事進めたいのです。希望します。神さまお願いッ。
「可愛い…」
首を舐められてます。先輩が呟いています。バレて…ない。
「フヒュ…ん、んはぁん…ぃヒぃん…」
我慢が限界に近いです。
服の中でサワサワ手が動いてます。乳首を触られて、吹きそうになりました。
両手で思いっきり口を押さえました。
「ん、ん、んー…ん…」
服を捲り上げて、乳首を舐めてる彼には僕の様子は分からない。ラッキーです。
お腹を捩りながら、我慢です。
爪先を丸めて、ピクピクと耐えます。
なんだか先輩が興奮してます。
ちょっと力強く触って来ます。くすぐったくないのですが、ムズムズはします。変な感じです。少しマシです。気持ち…いいかは、この際二の次でッ。
爆笑だけは避けたいのです。
背に腹はかえられません!
あっ、先輩のを突込んで貰えれば、くすぐったさからは解放されるかも!
えーと、そうとなれば、彼のアレを……勃ってますね……では、挿れるのは、ボクが掴んで、、、これは違う!絶対違うと言い切れます。ディルドとは違うんです。ボク、恋人としてどうなんですかね…。ダメダメですよね……。
そして、初えっちを台無しにしようとしてるダメな子です。ぐすん。
「えっ? 何故泣く…ッ」
慌てて先輩が抱き起こして、背中ポンポンです。口を押さえたまま、さめざめと泣いてるのはびっくりしますよね。
先輩のナニも萎れちゃう威力ですよね。硬くなくなっちゃった……。あぅぅう…カムバックゥゥ…。
涙を手で拭ってくれます。
「嫌だった? 痛い? それとも…」
次々出される質問にブンブン首を振ります。
「私が嫌いになった?」
「しゅき。きりゃいナイッ」
えぐぅえぐぅ泣きながらで締まりません。
「小悪魔なユウキくんはナニがしたいんですか?」
先輩を困らせてしまいました。
涙が引っ込みます!
ピンチです。嫌われたらポイです。
ボク、ポイはされたくありませんッ。
口を押さえてた手を離して、ぐわっと先輩の胸ぐら掴んで、勢い込んで言い切りました。
「えっちがしたいですッ」
「……」
沈黙が流れます。
コレは不味い沈黙です。
自分の言葉を反芻してみます。……コレではスキモノです。淫乱です。初めてなはずなのに食いつき過ぎです。喰らい付き過ぎです。
いやぁ~んな案件です。
しかもこの手は、何ですか?
とっととヤりやがれやぁあ!ですか?
ケンカ売ってますか?
ある意味身体張ってますが。コレは違います。
そっと手を離して、シワをついついと指先でそっと伸ばして、身体を丸めて、隠れました。
頭、否、顔を隠してです。
全然隠れても何でもないです。
ズビビ……泣けて来ます。涙に溶けたい気分です。
視線を外した事でますますマズイ事になってる気がするのですが、もう耐えれませんです。
現実逃避です。
もう何処かに埋まりたい……。
誰か埋めて……。
「私がどれだけ我慢してるか分かってる? んー、ユウキもって事か?」
先輩が呟いてます。心の声もダダ漏れの様相です。ボクへの語りかけのようでもあります。
先輩に申し訳ないです。先輩に辛い思いをさせて…ボクは、恋人として何をしてるのでしょう。
「ユウキ…ユウキ…どうしたらいいんだろうな…」
えっち進めていいと思います。
ほんととっとと進めて下さい。
なんからボク頑張りますよ。
腰振りますよ。……今のはナシでお願いします。妄想が暴走しそうでした。
というか、先輩ボクを嫌ってないのでしょうか。
嫌ってはないようなんですが、身体を摩ってくれてるのが、微妙にくすぐったいです。
肩を手が辿ると、腋にスルッと指が掠って、身体が僅かに跳ねてしまいます。
気の所為でしょうか。
力を失ってた先輩のナニが復活して来てる気がします。
気の所為でしょうか。
腋に入ってくる頻度が増えてるような…。居座って、指が脇をスルスルと摩られて、それもソフトタッチで…。気の所為でしょうか。
脇腹をサワサワと撫でられてるようなんですが…。
もう我慢が出来ません。
さっきから、グフグフと変な声も出ちゃってて、吹き出す寸前なんでしゅぅぅうううううう!
もう!
ダメェェェ!!!!!
「ヒャはッ! うひゃッ! はやはぁぁあはぁぁんッ! ヒャィィん…うひゃ、ひゃははははぁぁはぁーーーーッ」
ほら、大爆笑です。
笑いが止まりませんッ。
隠しようがありません。
先輩の手に手を置いて、身体を捩って、息を吸ったり吐いたりの呼吸が難しくなる笑いが湧き出て、押さえられません。
手が滑ります。
身体を捩って逃げようとしてるんですが、ビクともしません。
「くす、ぐちゃい、ヒャハッ、のぉーぅん。はヒャ、ヒャヒャん、ヒャニャンはぁ、ひゃ、ヒャぁッ」
ボクが頑張って訴えてるのに、ナデナデが止まらない。
ますますサワサワなでなでが激しくなってて……
起き上がって抱きしめられてたはずが、横倒しもされて、服も剥れ上がって、全身撫で回されてます。
くすぐったさに苦しくって、涙で滲む視界に先輩の顔が…楽しそう? 何で? ボク、めっちゃ笑ってるんですけどぉぉおおお????
「ヒャヒャヒャひゃ~、もう、はぁぁああん、くぅ、すぐゥン、たぁぁいぃぃん、ハァあん…」
胸を弄ってる手と指が、くすぐって来ます。
くすぐられてる訳ではないと思うんですが、サワサワとクニクニと胸を掌で指でソフトタッチで…なにがなにやら…。
どうにかなりそうです……。
「くすぐったいんだ。可愛い…」
酸欠で朦朧として来て、先輩の楽しげな声をぼんやり聞いてました。
「ハヒュ…ハヒュ…」
抵抗していた手足は力が入らなくなって来て、服だって、どっかに行ってて、くったりなって先輩の手の撫で回されて、全身痙攣のように身体が跳ねてます。
「ハヒュ…ハヒュ…ふぅうん…」
ボクのえっちは、全然進まないです…。
ぐすん。
============
進んでる事に気づいてないユウキくん。
笑ってる内に後ろに挿入されてたら、どうなっちゃうんでしょうね( ̄▽ ̄;)
低空飛行のままですが、書いてて楽しかった。
楽しんでくれたら嬉しいな…。
続き…どうしようかなぁ…(; ̄ェ ̄)
応援ありがとうございます!
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